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今回はM1895、ナガンリボルバーの記事だ。
M1895というと、もう一つコルト社のブローニング重機関銃があるが、それとはもちろん別物だ。
M1895(ナガンリボルバー)は特徴的な構造によりサイレンサーを装着できる珍しいリボルバーだが、ロシア帝国の終焉期に製作されただけあってその歴史は血塗られたものなんだ。
戦争で使われただけじゃなく、反政府勢力の弾圧にも使われたからな。
目次だぜ
M1895,ナガンリボルバーの概要
ナガンM1895(ナガンリボルバー)は帝政ロシアで開発されたリボルバーだ。特殊な構造でサイレンサーを装着することができ、様々な戦争で使用された。
名前の通り、1890年代のもうすぐ自動拳銃が開発され始める時期に開発されたロシア帝国の拳銃、更に名前から分かるように様々な拳銃を設計した伝説のナガン兄弟の創造物だ。
ロシアで「ナガン(Nagant)」という言葉は、リボルバーの代名詞のように使われてるんだぜ。
第二次世界大戦はもちろん、その後も複数の戦争で活躍した。ソ連の中でも、警察用、特殊作戦用(マフラー装着型)などが1998年まで使われた。そしてカザフスタンでは96年まで、ウクライナでは2014年まで使用された。
東欧で非常に成功した拳銃だから、いくつかの国ではリボルバーの事をナガンと表現する程だ。
M1895,ナガンリボルバーの性能
Nagant M1895 ナガンM1895 | |
種類 | リボルバー |
製造国 | ベルギー、ロシア帝国 |
歴史 | |
開発 | エミール・ナガン、レオン・ナガン(ナガン兄弟) |
開発年度 | 1886年 |
生産 | ソ連工廠(トゥーラ、イズマーシュなど) |
生産年度 | 1895年〜1945年 |
生産された量 | 2,000,000丁 |
使用年度 | 1895年〜1950年代(ロシア) |
使用された戦争 | 義和団運動、日露戦争、第一次世界大戦 、ロシア革命、ジョクベク内戦 スペインの内戦、冬戦争 第二次世界大戦、国共内戦 6.25戦争、ベトナム戦争 |
派生型 | ナガンM1910 |
仕様 | |
口径 | 7.62mm |
弾薬 | 7.62x38mm弾 |
給弾 | 7発入りシリンダー |
動作 | ダブルアクションとシングルアクション両用 |
重量 | 0.8kg(装填前) |
戦場 | 235mm |
銃身の長さ | 114mm |
弾速 | 272m/s |
有効射程 | 46m |
M1895,ナガンリボルバーの詳細、構造。サイレンサー装着できる理由
構造がかなり特異だ。固定軸方式を採用していて、当時のリボルバーとしては珍しく7発という装弾数を持っている。
更にシリンダーと銃身の間にガス圧が漏れるのを防ぐために、ダブルアクションで雷管に着火する際にシリンダーが前進して銃身と密着する特徴がある。この構造を選んだ理由は、命中率増加のためだ。銃身と弾頭がきちんとかみ合えば弾の起動がズレることが無くなり命中率が増加するからな。
しかしこの構造のおかげで、意図していなかった効果が表れた。
なんと、リボルバーとしては非常に珍しく、マフラーを付けることができたんだ。
そこに弾薬の威力が弱いという不利な点が、音速よりも遅い弾速のおかげでマフラー専用弾を別々に作成する必要がないという利点に変わって上乗せされ、リボルバーという特性上、射撃時に自動拳銃のようにスライド等が大きく動かないので自動拳銃より静音性では有利な点が多いんだ。
映像が始まるとすぐこの銃の独特のシリンダーの動きを映している。3:00から他のリボルバーに比べシリンダーガスの危険から自由であることを示す。
M1895,ナガンリボルバーの派生型
ナガン,Nagant Model 1910
ベルギーで生産した装填方式がスイングアウトに変更されたモデルである。M1895を交換しようとしたが、ロシア軍で採用を拒否し、その直後1次世界大戦が起こり、歴史の中に消えてしまった。それでも約2500錠ほど生産されたという。
ナガン,Nagant wz.30
ポーランド製のライセンス版。1919年に独立した新生ポーランドはあちこちから流れてきたあらゆる種類の銃を使わなければならなかったが、1927年にM1895を警察用制式拳銃に採用した。多くの多くのチョンドゥル中よりによってこいつが選択された理由は、耐久性と信頼性のため(…)。オリジナルに比べてバレルの長さがより短く、重量もより軽い。
スペインのコピー品で重量がより重く特有のメカニズムが抜けた代わりに、9発装填できる。
ナガンリボルバー,M1895の欠点
欠点をあげるとすれば、シリンダーがスイングアウト式ではなく固定軸式なので、いちいち薬莢を薬室から抜いて装填するという行為を何回も繰り返さなければならないという点だ。
初期のリボルバーのようにリロードするときに薬莢を完全に手動で排出装填する必要があったから射撃時間の倍以上も食う装填時間が待っていた。
似たような手動で装填する固定軸式リボルバーには、引き金を引いてシリンダーを回転させながら装填することができたが、この銃の場合は装填する過程で引き金を引いてもシリンダーを回転させることができない。つまりは半ば分解しなければ装填もできないって事だ。
これを見て装填の遅さを感じてみよう。11:40頃を見ると、リロード中ケーシングを排出する際に装填棒を使わないでそのまま指先の肉を利用してケーシングを抜き出す姿を見ることができる。
CGで実装した装填シミュレーション。遅く見えるが、これでも非常に速い方だ。というのも、FPSゲームじゃないんだからこんなスムーズに装填はできないんだ。実戦でこのような装填は不可能に近いだろうからな(笑)
ナガンリボルバーに刻まれた血の歴史
ナガン拳銃を向けるソ連軍将校
ただしロシアにとって、これらの武器自体のパフォーマンスの欠点よりも、他の理由で悪名を得てしまった。最大の理由は、ナガンM1895(ナガンリボルバー)が使用された20世紀初頭はソ連-ロシアの歴史の中で、第一次世界大戦、ロシア内戦、大粛清、第二次世界大戦につながった激変期であったからだ。
これにより、ナガンM1895(ナガンリボルバー)は体制守護と安定を強制的に維持するために自国民を弾圧するための道具としても利用されるようになったんだ。
その血塗られた歴史は、帝政ロシアの悪名高い秘密警察「オフラナ」の主力武器だったという点から始める。ナガンリボルバーは帝政ロシア時代から血の日曜日事件まで自由主義者と社会主義者を弾圧するための道具として使用されたんだ。以降、ロシア革命に続くロシア内戦の時期にはソビエトの秘密警察チェーカーの処刑ツールであると同時に帝政ロシア(白)軍勢力の民間人虐殺の白色テロの手段としても使用された。
更に、時代の流れが速い戦争の前線ではトカレフTT-33が次の拳銃として制式採用され、NKVD、スメルシのような後方防諜組織で主に使われるようになったナガンリボルバーは特に弾圧の象徴となった訳だ。
従ってこの拳銃は二度の世界大戦で多くの役割を果たしたにもかかわらず、時代激変期の狂気によるものだったがナガンピストルは仕方なく悲劇の象徴になってしまったんだ。
悲しい事だよな。
ナガンM1895リボルバーが擬人化したら。ドールズフロントライン
スマホゲームのドールズフロントラインで登場するナガンリボルバーだ。
なんか……歴史を語ってからこの写真を見るとなんか可愛すぎるように思えてしまうな笑
服装はロシアぽくて良いな。