自動拳銃なのにスライドがない!ドイツのWWⅠ期の名銃ルガーP08!

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よう、いらっしゃい。

ミリタリーブログ「WHITE ORDER」へようこそ。

突然だが、ルガーP08という拳銃をご存じだろうか。

自動拳銃なのにスライドが無いという世界に衝撃を与えた名銃だ。

今から一世紀以上前に作られたにも関わらず、その構造は緻密であり、一種の芸術品のようだとも言われたドイツらしい拳銃である。

第一次世界大戦時のみならず、第二次世界大戦でもドイツ兵から手に入れたい戦利品だったらしい

今回はそんなルガーP08を紹介するぞ。

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初期のドイツ製自動拳銃ルガーP08の概要

我らがhickok45爺さんのレビューだ。これを見れば英語が分からなくてもどんな銃なのかだいたいか分かるぞ。

この銃はドイツの自動拳銃だ。銃工ゲオルグ・ルガーが1898年に設計した拳銃で、当時の兵器の開発に大きな影響を及ぼした革新的な拳銃だったんだ。

ドイツDWM社で生産され、1901年にスイスの軍隊をはじめとする輸出型モデルが最初に生産された。ドイツ海軍と陸軍は、それぞれ1904年と1908年にこの拳銃を採用しており、陸軍の採用年度から制式名称はP08となった。モーゼルのC96と共に非常に永く使用されていたドイツで作られた拳銃である。

ルガーP08砲兵型レビュー

動作映像

分解及び組み立て映像

9mmバージョン野戦分解画像

ルガーP08君のステータス

この項ではルガーP08の生産年度や重さや装弾数などのステータスを見やすくまとめておくぞ!

Luger P08 
ルガーP08
種類自動拳銃
ドイツ帝国
開発ゲオルク・J.ルガー
開発年度1898年
生産DWM
モーゼル
Krieghoff
生産年度1900年〜1943年
生産された数3,000,000丁
使用年度1904年〜現在
仕様
口径9mm 
7.65mm
弾薬9×19mmパラベラム弾
7.65×21mmパラベラム弾
給弾8発ボックス弾倉
32発ドラム弾倉
動作ショートリコイル、トグルアクション
重量871g
全長222mm
銃身の長さ120mm(1900年型)
100mm(1908年型)
200mm(砲兵型)
弾速350〜400m / s
有効射程50m

ルガーP08は自動拳銃なのにスライドがない!

<ルガーモデル1908年ピストル>

この銃、見た目も面白いんだが、一番面白いところは自動拳銃でありながらスライド構造がないってところだ。だって自動拳銃って言ったらほとんどが撃った時にスライドが前後するだろ? あれは弾を撃った衝撃を利用して薬莢を排出すると同時に次の弾を装填する役目があるんだ。(自動小銃と間違えるなよー)

じゃあこの銃はどうやって薬莢の排出と次弾装填をしているかと言うと、スライド構造の代わりに関節構造を利用しているんだ。下のgif画像を見てもらうと分かりやすいだろう。見慣れないから、逆に新鮮で可愛いよなー。

だがこの構造はスライド構造よりも遥かに複雑であり、当時の今より劣る技術では当然の結果として、繊細な構造と多くの部品により整備の困難を引き起こしたが、当時としては最先端の最高の自動拳銃として多く売れた。それで滅茶苦茶愛された。コレクションとしてもな。

とはいえトグルアクションは価格・信頼性の問題が大きく、第一次世界大戦後しばらく経つとルガーを使っていた国は他の新しい自動拳銃を導入してしまったことは言うまでもないな。M1911とかが出てきたからしょうがないよなあ。

ルガーP08の評価

開発されて以来デザインと性能は、複数の人を満足させた名銃。多くの部品と精密な構造のため、戦争の過酷な状況での故障が頻発したが、前線のドイツ兵士はもちろん敵の兵士たちにも好評を受け、ドイツではベルサイユ条約のために生産が不可能な状況でも、海外で生産されるほどにルガーP08の優秀性は認められたんだ。

こういうのを見ると、ドイツは世界の先を行っていたんだなーって痛感するよな。縛られていなければどこまで技術は伸びた事やら……。

その後のドイツも次の戦争に向けて再武装をしながら値が安くて良い拳銃を大量に供給する必要があったため、最終的に第二次世界大戦頃から生産がより簡単なワルサーP38が後継機種に採用された。

デザイン的な面で、フィンランドのラハティL-35ピストル、イタリアのグリセンティM1910拳銃にも影響を与えた。大日本帝国の南部拳銃とは外見は少し似ているが、技術的には別物だ。

55度の角度でベークライト(フェノールとホルムアルデヒドを縮合して生成された合成樹脂)素材のグリップは、今日までグリップ感で最高の評価を受けている。

写真は、32発のドラム弾倉、8インチバレル、バット装備。現在ではドラム弾倉+ホルスター+バットを含めて10,000ドルで売れるなど貴重な品となっている。

こちらは着脱可能な16インチのバレルのルガーカービンだ。

うひょーー!!かっこいーーー!でも片手で持ったら照準めっちゃブレそうだよな笑

参考としてホルスター付きの画像。

さっきも少し述べたが、第一次世界大戦時にはドイツ軍の主力拳銃だったこともあり、戦争で壊れたルガーP08が多く、1930年代後半からワルサーP38が主力拳銃になって前線で使われることはまれになった。

しかし、ドイツ軍の慢性的な武器の不足のため、生産自体は少量であるが着実に続けられたという。だからあのバンド・オブ・ブラザーズ(え!知らないの!?第二次世界大戦の戦場を題材にした超熱い戦争ドラマだよ!プライベートライアンより熱いよ!)の場面の一つでは、ルガーを手に入れるために敵の死体を漁って入手して喜ぶ様子が描かれている。

ここでもルガーがどれだけ評価されていたかが分かるよな。

ルガーP08の派生型

いつも派生型を紹介しているんだが、ルガーP08に関しては紹介できそうなものがほとんどないんだ。

この銃の改良が重ねられる前にスライド式の拳銃が世界を席巻してしまったからな。(M1911とかM1911とかな)

それでも派生型と呼べそうなものを無理やり紹介してみたぞ!

米比戦争の際に、米軍の制式拳銃だったコルトM1892の.38ロングコルト弾が威力不足を露呈した事件をきっかけに、米軍が新型の自動拳銃を導入する際に、初期型ルガーP08の7.65 mmモデルで米軍制式拳銃に挑戦した。しかし、競争作であるM1911の初期モデルに威力で負けた事と米軍内でのコルトリボルバーの人気のために1901年に米軍が7.65mmモデルルガー1000丁を試験的に購入しただけで終わったんだ。これは派生型ではないぞ。

1906年に米軍が新しい制式拳銃事業を実施することになり、米軍制式拳銃に挑戦するために上記の写真のように.45口径モデルを開発して、再びM1911との競争を行った。しかし、初期型45口径弾の問題とルガーの複雑な設計などにより、弾詰まりなどが発生したため、米軍はすべてのテストを問題なく通過したM1911を採用したんだ。そのため6丁しか生産されず、現在では一つだけ残っている。ちなみにこの銃は世界で最も高価な拳銃とも言われている。

この銃には名前が付けられていないが、派生型と呼ぶことができるかもしれない。

他にも有名なバリエーションで、ナチス親衛隊のためにグリップが黒ベークライトで生産されたByf-41型がある。

真っ黒で滅茶苦茶カッコいいよな。SS(親衛隊)は独自の調達ルートを持っていたからほとんど出回らず、今ではこの当時の物は非常にコレクション性の高いものになっているぞ!

俺も欲しいなあ。

ルガーP08はドイツの凄い拳銃!

これで最後になるが、とりあえず初期の自動拳銃として素晴らしいものだと痛感したよな。

あんな構造で自動拳銃として機能するとは、本当に驚きだ。世界に影響を与えたってのも頷けるな。

今回はこのへんで終わろうと思う。

最後まで読んでくれてありがとうな。他にも色んな時代の色んな武器や兵器を紹介しているから、是非見てくれ。

それじゃあ、またな。