原作マンガ『ペリリュー 楽園のゲルニカ』完全ガイド|巻数・外伝・読み方・映画との関係を徹底解説

映画・ゲーム・メディア

目次(クリックで開きます)

この記事で分かること

  • 『ペリリュー 楽園のゲルニカ』の全巻数と外伝の情報
  • 可愛い絵柄なのに”地獄の戦場”を描いた理由
  • 2025年12月公開の映画はどこまで描かれるのか?
  • 戦史的に見て「ここがすごい」というポイント
  • Amazonや電子書籍での購入方法

こんにちは。太平洋戦争を扱ったアニメや漫画が、終戦80年の節目にいくつも登場していますね。『この世界の片隅に』や『火垂るの墓』のように、戦争の悲惨さと同時に、そこで生きた”普通の人たち”の姿を描く作品は、僕たちの心に深く刺さります。

そんな中でも、2025年12月5日に映画公開を控えた『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は、特に異彩を放つ作品です。

可愛らしい三頭身のキャラクターたちが、地獄のようなペリリュー島の戦場を生き抜く──

この”ミスマッチ”こそが、作品最大の武器であり、多くの読者が涙した理由でもあります。

今回は、2016年から2021年まで『ヤングアニマル』で連載され、日本漫画家協会賞優秀賞を受賞した原作マンガ『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を徹底解説します。全何巻なのか、外伝はあるのか、映画はどこまで描かれるのか──映画を観る前に、あるいは映画を観た後にもっと深く知りたい方のために、原作の魅力を余すことなくお伝えします。


『ペリリュー 楽園のゲルニカ』とは?──基本情報

作品概要

作品名: ペリリュー 楽園のゲルニカ
作者: 武田一義
原案協力: 平塚柾緒(太平洋戦争研究会)
出版社: 白泉社
連載誌: ヤングアニマル
連載期間: 2016年4号~2021年8号(本編完結)
巻数: 本編全11巻、外伝全3巻(計14巻)
受賞歴: 2017年 日本漫画家協会賞優秀賞

あらすじ

昭和19年、太平洋戦争末期。漫画家志望の22歳、田丸均一等兵は、南洋の楽園・ペリリュー島にいた。

そこはサンゴ礁の海に囲まれ、美しい森に覆われた──かつては”楽園”だった場所。

しかし、昭和19年9月15日、米軍約4万人がこの小さな島を襲う。迎え撃つのは、日本軍守備隊約1万人。米軍は「3日で終わる」と豪語したが、日本軍は洞窟陣地を駆使した持久戦で抵抗し、戦いは73日間にも及んだ。

田丸は「功績係」という任務に就いていた。それは、戦死した仲間の”最後の雄姿”を記録し、遺族に伝える係。美談に仕立て上げることもあれば、嘘をつくこともある。それでも田丸は、仲間たちの”生きた証”を残そうとした。

飢え、渇き、伝染病、そして絶え間ない砲撃。地獄のような戦場で、田丸は頼れる相棒・吉敷佳助上等兵と共に、生きることの意味を問い続ける──。


全何巻?本編と外伝の内訳

本編:全11巻で完結

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』の本編は、全11巻です。

連載開始は2016年2月発売の『ヤングアニマル』4号。そして2021年4月発売の8号で最終回を迎えました。約5年間の連載で、ペリリュー島の戦いの開戦から、戦後、生き残った田丸が”戦後”をどう生きたのかまでを描き切っています。

最終11巻では、田丸の孫である後村(うしろむら)が、2017年の冬、ペリリュー島を訪れるシーンから始まります。祖父・田丸の足跡を辿ることで、生き残った兵士がどのようにして長い「戦後」を生きたかを知る──。

「語られる、帰国直後の日本の姿、亡くなった戦友の家を訪ねた時のこと、再び島を訪れた際の思いがけない再会、そして戦場で体験した出来事。伝えたかった真実、語るべきでない現実、今も鮮明に残る口にしたくない記憶。」(11巻あらすじより)

この最終巻は、ただ戦場を描くだけでなく、”戦争”がその後の人生をどう変えたのか、どう影響し続けたのかを静かに、しかし確実に伝えてくれます。

僕は最終巻を読んで、思わず涙が止まりませんでした。

外伝:全3巻(短期集中連載)

本編完結後、『ヤングアニマル』2022年7号から、**『ペリリュー -外伝-』**が短期集中連載として始まりました。

外伝は全3巻で、本編では描ききれなかったエピソードを様々な角度から描いています。

外伝で描かれる主なエピソード:

外伝1巻

  • 「片倉分隊の吉敷」:田丸と離れ、片倉と行動を共にしていた頃の吉敷の葛藤
  • 「Dデイ(攻撃開始日)」:ペリリュー島の戦いを米兵の目線から描く
  • 「田丸と光子」:戦後、日本へと戻った田丸の結婚までの物語
  • 「ペリリュー島のマリヤ」:島で暮らしていたマリヤの元へやってきた戦争とは

外伝2巻

  • 「入来周作の戦い」:激しい戦闘が続くペリリュー島で海へと追いやられた入来の戦い
  • 「戦場からの便り」:やるかやられるかの戦場で精神をすり減らす米兵の兄弟に届いた便り
  • 「泉康市の願い」:いつか来るはずの反攻の日に向け、兵士をまとめようと奮闘する島田を支える泉の願い
  • 「おぼえていること」:戦いの止んだ島へと戻ったニーナとケヴィン
  • 「お父さんへ。」:戦場で親友を亡くしたという父へ息子が届ける精一杯の思いやり

外伝3巻

  • 「西浜にて」:ペリリュー島で最も激しい戦闘が行われた西浜での戦い
  • 「ALL ABOUT SUZY」:夫の戦死の知らせで、大きく変わってしまった花嫁の人生
  • 「長い夜」:戦いの止んだペリリュー島で過ごす小杉の明かされていない夜
  • 「過去と未来と」:昭和50年、沖縄を訪れた田丸がふたたび向き合う戦争の記憶
  • プロトタイプ読切『ペリリュー玉砕のあと』も収録(戦後70周年に発表された本作の原型)

外伝は、本編では描けなかったアメリカ兵側の視点現地住民の視点、そして田丸の戦後の物語を補完する重要な作品群です。

特に、米兵デビッドのエピソードや、ペリリュー島の住民たちの視点は、戦争がどれだけ多くの人生を破壊したかを改めて突きつけてきます。

合計15巻?

正確には:

  • 本編:全11巻
  • 外伝:全4巻
  • 合計:15巻

本編11巻を読めば物語は完結しますし、外伝4巻を読めばより深く世界観を楽しめるという構成です。


なぜ「可愛い絵柄」なのに「地獄の戦場」?──作品の最大の特徴

ミスマッチが生む”読みやすさ”と”衝撃”

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を初めて手に取った人が驚くのは、そのキャラクターデザインです。

三頭身の可愛らしいデフォルメキャラ。まるで『けいおん!』や『ゆるキャン△』のような、親しみやすく柔らかな絵柄。

しかし、そのキャラクターたちが体験するのは、飢餓、渇き、伝染病、砲撃、銃撃、そして死

読者レビューには、こんな声が多く寄せられています。

「最初は可愛らしいキャラに内容があっておらず、戦争の悲惨さや人の死といった負の要素が入ってきませんでした。ミスマッチすぎると思ったものの、読み進めていくうちにこの絵だからこそ読みやすいと気づきました。」

「漫画というかレポートのようで、事実を知るためには最適です。」

この”ミスマッチ”は、作者・武田一義氏の意図的な選択です。

作者の意図──「戦争を描くこと」への覚悟

武田氏は、連載開始前に原案協力者の平塚柾緒氏(太平洋戦争研究会)から集められた膨大な資料を見て、最も悩んだのは「連載をもたせるためのキャラクター作り」だったと語っています。

そして、こう述べています。

「悲惨な戦場を描くことが、どれだけ受け入れられるか不安を感じながらも、やりたくて始めた。」

可愛らしい絵柄は、読者に”とっかかり”を与え、戦争という重いテーマへの入口を広くするためのものでした。

しかし同時に、描かれる戦場のリアリティは一切妥協しない。

人体が破壊される様子、飢えて倒れる兵士、腐乱した死体、戦場での狂気──そのすべてを、”可愛い絵柄”の中に埋め込むことで、読者は否応なしに戦争の現実と向き合わされるのです。

これは、ピカソの『ゲルニカ』が、抽象的な画風で戦争の惨禍を描いたのと似ています。

だからこそ、作品のタイトルに「ゲルニカ」という言葉が使われているのです。

タイトルに込められた意味

当初のタイトル案は「天国の島のゲルニカ」でした。しかし、連載では「ペリリュー 楽園のゲルニカ」に変更されました。

「ペリリュー」:連載当初は知名度が低かったため、明確に戦争を示す言葉として選ばれた。

「楽園」:南洋の楽園ペリリュー島を暗示する。美しい島が、地獄に変わる悲劇を示す。

「ゲルニカ」:スペインの街であるが、日本人にはピカソの絵画『ゲルニカ』で有名。ピカソの『ゲルニカ』は戦争の惨禍を描いたものであり、主人公の田丸が絵を描くことから、絵的に戦争を想起させるイメージとして「ゲルニカ」をサブタイトルに用いた。


「功績係」という視点──戦争を”記録する”ということ

主人公・田丸均とは?

田丸均は、22歳の漫画家志望の一等兵です。

彼は絵が描けるという才能を買われ、「功績係」という任務に就きます。

功績係とは: 戦死した仲間の”最後の雄姿”を記録し、遺族に伝える係。美談に仕立て上げることもあれば、嘘をつくこともある。

田丸は、戦場で死んでいく仲間たちの最期を見届け、それを”物語”にして遺族に送ります。

しかし、実際の戦場には、美談なんてほとんどありません。

  • 飢えて倒れた兵士
  • 砲撃で吹き飛ばされた兵士
  • 伝染病で苦しみながら死んだ兵士

それでも田丸は、「この人は勇敢に戦って散った」と書く。

それは嘘なのか?それとも、遺族への優しさなのか?

この「記録する」という行為が、作品の核心です。

史実と創作の間──「功績係」は実在したのか?

劇中の「功績係」という名称そのものは、完全にフィクションではありませんが、実際の日本軍における「戦死報告」や「戦闘詳報」の作成は、部隊ごとに行われていました。

部隊長や副官が戦闘の経過を記録し、それをもとに遺族への通知や、戦史として残す作業が行われていたのです。

田丸のような「功績係」は、おそらくそうした記録係の役割を、よりドラマチックに、そして”記憶をどう残すか”という哲学的な問いに昇華させたキャラクターだと言えるでしょう。

実際、戦後の遺族への通知には、「○○は勇敢に戦い、敵陣に突入して散華せり」といった、美談化された文言が多く使われていました。

それが嘘なのか、真実なのか──その境界線は、今も曖昧なままです。

田丸と吉敷──戦場の友情

田丸の相棒として登場するのが、吉敷佳助上等兵です。

吉敷は、田丸とは対照的に、リーダーシップがあり、頼れる存在。しかし同時に、戦場で心を削られていく姿も描かれます。

2人の関係は、単なる「戦友」ではなく、**互いに支え合い、生き延びるための”絆”**です。

映画でも、この2人の友情が大きな軸となります。


戦史的に見て「ここがすごい」ポイント

リアルな兵器描写

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』が高く評価される理由の一つが、兵器描写のリアリティです。

原案協力の平塚柾緒氏(太平洋戦争研究会)の監修のもと、以下のような細かい描写が徹底されています。

  • 九八式10cm高角砲
  • 九六式軽機関銃
  • 九二式重機関銃
  • 三八式歩兵銃
  • 洞窟陣地の構造
  • 米軍のM4シャーマン戦車
  • 米軍のM1ガーランドライフル

これらの兵器が、ただ”かっこいい”描写ではなく、実際にどう運用され、どう兵士たちを苦しめたのかが丁寧に描かれます。

例えば、日本軍が洞窟陣地を駆使した理由、それが持久戦においてどれほど有効だったか、そして最終的にはどう破られたのか──そのすべてが、史実に基づいて描かれています。

「バンザイ突撃」をやめた理由

ペリリュー島の戦いは、日本軍にとって戦術転換の転機でした。

それまでの日本軍は、「玉砕覚悟のバンザイ突撃」を行い、短期間で壊滅することが多かった。

しかし、ペリリュー島では、持久戦に徹するという方針が採用されました。

この方針転換は、その後の硫黄島の戦いにも引き継がれ、米軍に多大な損害を与えることになります。

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』では、この「持久戦」がどれほど過酷だったか、そして兵士たちがどう耐え抜いたかが描かれます。

生存者わずか34人──1万人中

ペリリュー島の戦いで、日本軍約1万人のうち、最後まで生き残ったのはわずか34人と言われています。

この圧倒的な死傷率は、太平洋戦争の中でも特に高く、米海兵隊の死傷率も約60%に達しました。

作中では、この「34人」という数字が、いかに重いものかを、読者に突きつけてきます。


映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』はどこまで描かれる?

映画の基本情報

公開日: 2025年12月5日(金)
監督: 久慈悟郎
脚本: 西村ジュンジ・武田一義(原作者)
制作: シンエイ動画×冨嶽
配給: 東映
声優:

  • 田丸均:板垣李光人
  • 吉敷佳助:中村倫也

主題歌: 上白石萌音「奇跡のようなこと」

原作者・武田一義氏のコメントから読み解く

映画化にあたり、原作者の武田一義氏は以下のようにコメントしています。

「映画の制作には、私自身も監修とベテランアニメーション演出家の西村ジュンジ氏との共同脚本という形で関わらせて頂いています。脚本の完成までに、本当に長い長い時間をかけました。」

「『ペリリュー』原作漫画は外伝を除く本編だけでも11巻、これをどのように映画に落とし込むか。原作のすべてを入れようとして味気ないダイジェストのようになってしまうのは、原作者としても望まないことです。」

「原作の前半だけを丁寧に作りあげる案もありましたが、やはり物語的に少し物足りない。そして何より原作だけでなく、この作品にはベースとなる史実――80年前の戦争があります。そこで生きた人々がいます。」

「様々なことに思いを巡らせた映画版『ペリリュー』の脚本は、原作ファンの皆様にも自信を持ってお届けできるものになりました。」

このコメントから読み取れるのは、映画は原作の”ダイジェスト”ではなく、独自の再構成がなされているということです。

おそらく、戦闘が始まる前半から、田丸と吉敷の友情、そして戦後へと続くエピソードまでを、映画独自の流れで描くのではないかと推測されます。

映画で描かれるであろうポイント

場面写真や予告映像から、以下のシーンが映画に含まれることが確認されています。

  • 田丸と吉敷がシャボン玉を吹くシーン(満点の星空の下)
  • 断崖絶壁の崖をお互いに支え合いながら登るシーン
  • 夜間の銃撃の中を決死の表情で突き進む日本兵たち
  • 豪雨の中の戦闘で田丸を救うべく鬼気迫る表情でアメリカ兵に襲いかかる吉敷
  • 将棋の駒を抱える34人の生存者

これらのシーンから、映画は戦闘シーンのリアリティと、田丸と吉敷の友情を軸に、戦後の生存者たちの姿まで描くことが予想されます。


読者レビュー──なぜ多くの人が涙したのか

Amazonレビューより

「ペリリュー島での激戦はほとんど知らずに今に至りました(67歳)。この戦いの中で生き残って戦争の本当の姿を伝えてくれた若者がいたことが驚きです。若者はどのように生き残ることが出来たのか最後までしっかり読みたいと思いました。」

「国家の存続や家族を守る為に戦った人々が描かれています。カッコよい戦争の話ではなく、普通の青年達が戦場で送る日々がリアルに伝わります。」

「ルバング島の小野田上等兵の自伝は新聞で読んでましたが、ペリリュー島はまた別の局面があったのだなと。また、11巻が有って完結というか、後世に伝えるべきものになったのだなとも。」

「体験しなくては伝わらない。とはその通りですが、知った気で構わないから見ておかなければならない事でもあるのだなと。また、亡くなられる、生き死にを掛けた場となると血生臭い話になりがちですが、漫画の表現としてギリギリ現代でもすんなり受け入れられる絵作りをしてくれた武田先生には頭が下がるところです。」

なぜ「可愛い絵柄」が効いたのか

多くのレビューで指摘されているのが、「最初は違和感があったが、読み進めるうちにこの絵だからこそ読みやすいと気づいた」という点です。

戦争を描いた作品は、どうしても”重い”というイメージがあります。実際、リアルな絵柄で描かれた戦争漫画は、読むのに覚悟が必要です。

しかし、『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は、可愛い絵柄が”入口”を広くしてくれる。

そして、読み進めるうちに、その絵柄が逆に戦争の残酷さを際立たせることに気づくのです。

「こんなに可愛いキャラクターたちが、こんなに悲惨な目に遭うのか」

その衝撃が、読者の心に深く刺さるのです。


賛否両論──元兵士からの拒絶

永井敬司氏の拒絶

一方で、元陸軍軍曹の永井敬司氏は、本作品を拒絶しています。

永井氏は2017年の本作品の原画展に関する共同記者会見に出席し、ペリリュー島を後世に語り継ぐことへの思いを語っていました。

しかし、武田氏への協力を断りました。

永井氏が武田氏に言ったのは、

「漫画だろうと小説だろうと何でも、戦争に関する創作物は好きではない。」

「戦争を体験していないあなたがなぜ戦争を描けるのか。漫画というのは軽いと思う。」

2018年7月下旬、武田氏への協力を断った事情について取材に訪れた新聞記者に対し、永井氏はペリリューの戦いの惨状を語って涙を浮かべ、

「あそこで戦っていない人には分からない。」

「ペリリューで亡くなった人を思うと、漫画は軽い。賛成しません。」

と言ったと言います。

記者から本作品の単行本を差し出されても手に取らなかったそうです。

描かれない”真実”と、描かれるべき”記憶”

永井氏の拒絶は、非常に重いものです。

確かに、戦場を体験していない人間が、どれだけリアルに描いても、それは”本物”ではない。

しかし同時に、記憶を伝えなければ、戦争は忘れられるという現実もあります。

武田氏は、永井氏の拒絶を受け入れつつも、作品を描き続けました。

それは、“体験していない人間”だからこそ、後世に伝える責任があると考えたからではないでしょうか。

永井氏のような拒絶があること自体が、戦争の重さを物語っています。

そして、その拒絶を乗り越えてでも、描き続けることが、今を生きる僕たちの責任なのかもしれません。


どこで読める?購入方法とおすすめ

Amazon(紙・Kindle)

本編全11巻セット:

外伝全3巻:

  • 『ペリリュー -外伝-』1巻~4巻

Kindle版(電子書籍):

  • 各巻660円(税込)
  • セット購入も可能

電子書籍サービス

  • 楽天Kobo
  • BookLive!
  • honto
  • コミックシーモア
  • Amebaマンガ(初回登録で全巻50%還元キャンペーンあり)

無料試し読み

  • マンガPark(白泉社公式アプリ)
  • スキマ
  • 各電子書籍サービスで1巻の一部を無料試し読み可能

おすすめの読み方

初めて読む方:

  1. まず本編1巻を試し読みで読んでみる
  2. 気に入ったら本編全11巻を読破
  3. 余裕があれば外伝3巻も読む

映画を観てから読む方:

  1. 映画を観て興味を持ったら、本編1巻から読み始める
  2. 映画では描かれなかったエピソードを本編で補完
  3. 外伝で、映画では描かれなかった米兵や現地住民の視点を知る

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』と他の戦争作品との違い

『火垂るの墓』『この世界の片隅に』との比較

戦争を描いたアニメ・漫画として、『火垂るの墓』や『この世界の片隅に』と比較されることが多い『ペリリュー 楽園のゲルニカ』。

しかし、決定的な違いがあります。

『火垂るの墓』『この世界の片隅に』:

  • 銃後(後方)の民間人の視点
  • 空襲や飢餓を描く
  • 戦場そのものは描かれない

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』:

  • 前線の兵士の視点
  • 戦闘シーンを直接描く
  • 銃撃、砲撃、死体、飢餓、伝染病──すべてを描く

つまり、『ペリリュー』は、“戦場そのもの”を描いた作品なのです。

その意味で、より直接的に、戦争の悲惨さを突きつけてきます。

『はだしのゲン』との比較

『はだしのゲン』もまた、戦争の悲惨さを容赦なく描いた名作です。

しかし、『はだしのゲン』が原爆投下とその後の広島を描いたのに対し、『ペリリュー』は太平洋の孤島での持久戦を描きます。

どちらも”戦争の悲惨さ”を描いていますが、そのアプローチは異なります。

『ペリリュー』は、「持久戦」という戦術がいかに兵士を消耗させるかを描くことで、戦争の本質に迫っています。


映画を観る前に読むべき?観た後に読むべき?

映画を観る前に読むメリット

  • 原作の世界観を事前に理解できる
  • 映画では描かれないエピソードを知ることで、映画をより深く楽しめる
  • キャラクターへの愛着が湧く

映画を観た後に読むメリット

  • 映画で興味を持ったキャラクターやエピソードをさらに深掘りできる
  • 映画では描かれなかった戦後のエピソードを知ることができる
  • 外伝で、米兵や現地住民の視点を知り、戦争の全体像を理解できる

僕のおすすめ

個人的には、「映画を観た後に読む」ことをおすすめします。

理由は、映画がどこまで描くかがまだ明確ではないため、原作を先に読んでしまうと、映画で「ここが省略された」「ここが変更された」といった点が気になってしまう可能性があるからです。

まず映画で世界観に触れ、その後に原作を読むことで、映画では描かれなかった部分を補完する楽しみが生まれます。

もちろん、どちらから入っても、作品の素晴らしさは変わりません。


まとめ──『ペリリュー 楽園のゲルニカ』が伝えるもの

『ペリリュー 楽園のゲルニカ』は、可愛い絵柄と地獄の戦場のミスマッチによって、戦争の悲惨さを伝える、唯一無二の作品です。

本編全11巻、外伝全3巻という分量ですが、決して長すぎることはありません。むしろ、これだけの密度で戦争を描き切った作品は、他にないでしょう。

そして、2025年12月5日に公開される映画は、原作者・武田一義氏が共同脚本を担当し、原作ファンも納得の内容になっているとのこと。

「戦争とは何だったのか」
「生きるとは何か」
「記憶を残すとは何か」

この作品は、そんな根源的な問いを、僕たちに投げかけてきます。

終戦80年の節目に、ぜひ原作を読み、映画を観て、ペリリュー島で散った若者たちの姿を、心に刻んでほしいと思います。


関連記事


おすすめ商品(Amazon)

【本編全11巻セット】 本編は全11巻で完結しており、ペリリュー島の戦いから戦後までを描いた物語を読むことができます。

【外伝全3巻】 外伝では本編では描ききれなかったエピソードを様々な角度から描いており、米兵の視点や現地住民の視点も収録されています。

【Kindle版】 各巻660円(税込)で、電子書籍でも読むことができます。


この記事を読んで、少しでも『ペリリュー 楽園のゲルニカ』に興味を持っていただけたら嬉しいです。

映画公開は2025年12月5日。それまでに、ぜひ原作を読んでみてください。

戦争を知らない世代だからこそ、この物語を読む意味があると、僕は信じています。


※本記事は2025年11月14日時点の情報をもとに作成しています。映画の内容や公開情報は変更される可能性がありますので、最新情報は公式サイトをご確認ください。

▶ 映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』

公式サイト:https://peleliu-movie.jp/

コメント

タイトルとURLをコピーしました