CV90歩兵戦闘車とは|性能・派生型・採用国を解説

CV90に関わる主要な装備と運用環境
CV90に関わる主要な装備と運用環境
CV90は性能だけでなく役割・配備状況・運用上の制約を合わせて評価する

CV90は、スウェーデンで開発された装軌式の歩兵戦闘車ファミリーである。名称はCombat Vehicle 90の略で、スウェーデン軍ではStridsfordon 90、略してStrf 90と呼ばれる。歩兵を装甲で守って前線まで運び、30〜40mm級機関砲で戦闘を支援するだけでなく、指揮、偵察、迫撃砲、回収、工兵、対空といった任務にも同じ車体を展開できる点が最大の特徴だ。

2026年8月時点で、メーカーのBAE Systems HägglundsはCV90について、17種類の契約済み派生型を10か国が採用し、発注総数は1,900両規模に達したとしている。[^12] 冷戦末期に生まれた車両でありながら、チェコ、スロバキア、デンマークが新造車を大量発注し、ウクライナでも実戦投入されている。CV90の本質は「北欧生まれの古い歩兵戦闘車」ではない。30年以上にわたり砲塔と電子系を着替え、戦場の要求へ追随してきた、欧州版の「更新可能な装甲車OS」である。私はここに、この車両が今も選ばれる理由を見る。

CV90の要点

この記事では、CV90性能、武装、防御力、派生型、世代ごとの違い、採用国と調達状況を整理する。なお、CV90は国別仕様の差が大きいため、単一の数値だけで性能を断定しないことが重要である。

CV90とは何かに関わる装備と運用環境
CV90は、主力戦車とともに機械化部隊を構成する歩兵戦闘車である
目次

CV90とは何か

CV90とは何か

CV90は、主力戦車とともに機械化部隊を構成する歩兵戦闘車である。主力戦車が敵戦車との交戦や突破を担うのに対し、歩兵戦闘車は乗車歩兵を防護しながら前進し、下車後も機関砲や対戦車ミサイルで支援する。装甲兵員輸送車より火力が強く、主力戦車より軽量で兵員輸送能力を持つ中間的な存在だ。

開発の中心となったのはスウェーデンのHägglundsとBoforsで、現在の製造・改良主体はBAE Systems Hägglundsである。スウェーデンの地形と運用思想を反映し、森林、積雪、泥濘、寒冷地での機動力、低い車高、整備性、将来改修の余地を重視して設計された。初期型のStrf 9040Aは1994年にスウェーデン側へ引き渡され、その後、輸出仕様と各国独自の派生型が増えていった。[^1]

CV90という名称は一つでも、実態は共通車体を基礎にした車両群である。スウェーデンのCV9040は40mm機関砲、ノルウェーやフィンランドなどのCV9030は30mm機関砲、オランダやデンマークなどのCV9035は35mm機関砲を搭載する。名称末尾の数字は、原則として主砲口径を示す。

CV90の主要性能

CV90の主要性能

CV90性能は世代、砲塔、装甲キット、任務装備によって変わる。以下は歩兵戦闘車型の代表的な範囲と、最新世代MkIVの公表値をまとめたものだ。

項目公開情報から見た代表値
種別装軌式歩兵戦闘車/装甲戦闘車ファミリー
開発国スウェーデン
製造BAE Systems Hägglunds
乗員車長・砲手・操縦手の3人
兵員仕様により7〜8人。現行メーカー説明は最大8人
戦闘重量初期・中期型は20t台後半が中心。現行ファミリーは20〜38t級
MkIV最大総重量38t
エンジンScania系ディーゼル。MkIVは最大1,000馬力
最高速度仕様によりおおむね65〜70km/h級
主武装30mm、35mm、40mm機関砲など
副武装7.62mm機関銃、発煙弾発射機など
追加武装対戦車ミサイル、RWS、APSなどを統合可能

フィンランド軍のCV9030FINは、戦闘重量26.9t、出力626馬力、最高速度65km/h、乗員3人と兵員8人と公表されている。一方、最新のCV90 MkIVは最大1,000馬力のエンジンと強化型X300トランスミッションを採用し、最大総重量を従来の35tから38tへ増やした。増加した3t分は、追加装甲、センサー、ミサイル、アクティブ防護システムなどを搭載する余裕になる。[^2][^3]

ここで注目したいのは、最高速度の数字そのものではない。歩兵戦闘車は舗装路で速く走るだけでは不十分であり、砲塔と装甲を載せた状態で凹凸地を走り、射撃位置へ移動し、戦車部隊についていく必要がある。MkIVではアクティブダンピング技術が導入され、悪路での速度と車体安定性の向上が図られた。私がCV90の機動力を評価する理由は、軽量さだけでなく、重量増加後も足回りと動力系を更新している点にある。

30mm・35mm・40mm機関砲の違いに関わる装備と運用環境
CV90の歩兵戦闘車型は、採用国によって主砲が異なる

30mm・35mm・40mm機関砲の違い

30mm・35mm・40mm機関砲の違い

CV90の歩兵戦闘車型は、採用国によって主砲が異なる。共通車体でありながら武装を選べるため、既存の弾薬体系、想定する標的、調達費、国内産業との関係を反映しやすい。

CV9030の30mm機関砲

CV9030は30mm機関砲を搭載する型で、ノルウェー、フィンランド、スイス、チェコ向けなどに採用されている。30mm弾はNATO諸国で広く使われ、弾薬の調達性、搭載弾数、反動、砲塔重量のバランスを取りやすい。チェコ向けCV9030 MkIVはBushmaster II 30mm機関砲を搭載し、対戦車ミサイルや最新センサーも組み合わせる。[^4]

CV9035の35mm機関砲

CV9035はBushmaster III 35mm機関砲を搭載する。30mmより大型の弾薬を使い、装甲目標、陣地、歩兵、低速航空目標に対する威力を高めやすい。オランダ、デンマーク、エストニア、スロバキア向けで採用され、最新のDシリーズ砲塔では対戦車ミサイル、電子光学照準装置、アクティブ防護システムとの統合が進む。

スロバキア向けCV9035 MkIVは、35mm機関砲、最新射撃統制、デジタルアーキテクチャ、対戦車ミサイル、APSを組み合わせた構成である。単に砲口径を大きくした車両ではなく、発見、識別、交戦、防御を一つのシステムとしてまとめた型と見るべきだ。[^5]

CV9040の40mm機関砲

スウェーデン軍のCV9040系列は、Bofors製40mm機関砲を搭載する。40mm弾は破壊力に優れる一方、弾薬が大きく、搭載弾数や砲塔内配置には制約が生じる。スウェーデンが40mmを選んだのは、敵歩兵戦闘車やヘリコプターを含む幅広い目標に強い火力を求めたためである。

ただし、最新調達でスウェーデンは40mm型をそのまま追加したわけではない。ウクライナへ供与した車両の補充として、35mm Bushmaster機関砲を備えるCV9035 MkIIICを50両発注した。既存のCV9040と新造CV9035が併存する点は、CV90が固定仕様ではなく、納期と同盟国との共通性を含めて構成を選べる車両であることを示している。[^6]

防御力と生存性

防御力と生存性

CV90の装甲厚や正面・側面の具体的な防護レベルは、仕様と追加装甲によって異なり、詳細は公開されていない。したがって「何mm弾まで耐える」と一律に断言するのは適切ではない。公開情報で確認できるのは、モジュール式追加装甲、地雷・IED対策、CBRN防護、消火装置、発煙装置、警報センサー、ソフトキルおよびハードキル型防護装置を組み合わせられるという点である。

現代の歩兵戦闘車は、厚い鋼板だけで生き残ることは難しい。対戦車ミサイル、徘徊弾薬、FPVドローン、上面攻撃、砲兵弾片といった脅威に対し、発見されにくくする、射線から離脱する、警報を出す、妨害する、飛翔体を迎撃するという多層防御が必要になる。CV90は車体装甲だけでなく、センサー、電子戦、発煙、APSを統合する方向へ進化している。

オランダ軍が122両に実施している中期改修では、新砲塔、対戦車ミサイル、電子光学照準装置、第四世代デジタル基盤に加え、Iron Fist APSの統合が進められた。MkIVもAPS搭載を前提に設計されている。防御力を単なる装甲重量ではなく、情報処理と迎撃まで含む総合能力として扱う点が、現行CV90の重要な特徴だ。[^7]

一方で、CV90は主力戦車ではない。重装甲化した型でも、戦車砲弾や大型対戦車兵器への耐性を主力戦車と同等に期待すべきではない。優れた防御力とは無敵であることではなく、歩兵を守りながら任務を継続し、被弾する前に脅威を発見して回避・制圧する確率を高めることだ。

センサーと電子アーキテクチャ

センサーと電子アーキテクチャ

CV90の長寿命化を支えているのが、電子アーキテクチャの更新である。最新型は戦場管理システム、車載情報システム、昼夜照準装置、レーザー測距装置、映像ネットワーク、各乗員席のディスプレイを連接できる。メーカーはオープンで拡張可能な電子基盤を重視し、各国製の無線機、照準装置、ミサイル、妨害装置を統合できる設計としている。[^3]

MkIVでは第四世代電子アーキテクチャを採用する。これは新しいセンサーを取り付けるためだけのものではない。車長が目標を発見し、砲手へ引き渡し、他車両や上級部隊と位置・脅威情報を共有し、射撃後に移動するまでの時間を短縮するための土台である。

私は、CV90の価値を決めるのは砲口径より、この更新可能な電子基盤だと考える。機関砲は一度選べば長く使えるが、ドローン、通信、照準、妨害、APSの世界は数年単位で変わる。車体寿命が30年以上に及ぶ装甲車では、電子系を交換できるかどうかが戦闘力と維持費を左右する。

CV90の主な派生型に関わる装備と運用環境
CV90は歩兵戦闘車だけではなく、機械化部隊を一つの共通車体で支えるための派生型を持つ

CV90の主な派生型

CV90の主な派生型

CV90は歩兵戦闘車だけではなく、機械化部隊を一つの共通車体で支えるための派生型を持つ。

歩兵戦闘車型

CV9030、CV9035、CV9040などの主力型である。乗員3人と歩兵を搭載し、機関砲、機関銃、発煙装置を基本装備とする。最新型では対戦車ミサイル、RWSAPS、対ドローン能力も追加できる。

指揮・偵察・前進観測型

指揮通信装置や追加センサーを搭載し、部隊指揮、偵察、砲兵射撃の観測に使う。戦闘車型と同じ機動力と防護を持つため、前線近くで戦車・歩兵戦闘車に同行しやすい。

Grkpbv 90 Mjölner迫撃砲型

スウェーデン軍が採用する120mm連装迫撃砲型である。既存CV90車体にMjölner砲塔を組み合わせ、装甲下で射撃準備、射撃、陣地変換を行える。FMVは最初の40両を2020年までに整備し、その後も追加調達が続いている。機械化部隊の近接火力支援を、牽引式迫撃砲より高い防護と機動力で実施する車両だ。[^8]

対空型

スウェーデンのLvkv 90は、40mm機関砲と捜索・追尾能力を組み合わせた対空戦闘車である。現代では小型ドローン対処の重要性が増しており、CV90ファミリーも機関砲、センサー、プログラム弾、妨害装置を組み合わせる対空・対UAS能力を拡張している。

回収・工兵・多目的型

装甲回収車、戦闘工兵車、装甲兵員輸送・多目的車、救急搬送型、整備支援型などが存在する。ノルウェーは歩兵戦闘車だけでなく、工兵型と多目的型を追加し、CV90系列を164両規模へ拡大した。共通車体を増やせば、操縦教育、部品、整備器材、回収要領を共通化しやすい。[^9]

CV90 Armadillo

砲塔を持たない装甲兵員輸送・多目的型である。砲塔重量を防護、搭載量、任務装備へ振り向けられる。輸送、指揮、救急、工兵、補給など、直接射撃を主目的としない任務に適する。

CV90120

120mm戦車砲を搭載する直接火力型で、主力戦車級の火力とCV90の機動性・車体共通性を組み合わせる構想である。2025年にはRheinmetallの120mm L44A1低反動砲を統合する新型試作車が発表された。ただし、歩兵戦闘車型のように多数国で制式配備された主力派生型ではなく、提案・実証段階の性格が強い。主力戦車の完全な代替と見るべきではない。[^10]

MkI・MkII・MkIII・MkIVの違い

MkI・MkII・MkIII・MkIVの違い

CV90は輸出と改修を重ねる中で、複数の世代へ発展した。呼称は国別仕様と完全には一致しないが、大まかな流れは次のように整理できる。

世代主な特徴
初期スウェーデン型40mm機関砲、低い車体、北欧環境への適応
MkIノルウェー向けなど初期輸出仕様。30mm砲と輸出用システムを採用
MkIIフィンランド、スイス向け。電子系、照準、車内設計を更新
MkIIIオランダ、デンマーク向け。35mm砲、防護、デジタル化を強化
MkIV最大1,000馬力、38t級、Dシリーズ砲塔、第四世代電子基盤、APS統合余地

注意したいのは、CV9035 MkIIICとMkIVが別物である点だ。MkIIICはオランダ軍の中期改修で開発された新砲塔と最新システムを取り入れつつ、開発リスクと納期を抑えた構成で、スウェーデン、デンマーク、ウクライナ向けに発注された。MkIVは新エンジン、強化トランスミッション、38t化、アクティブダンピングを含む新世代車体で、チェコとスロバキアが採用している。

つまり、MkIIICが「成熟した現行車体を最新砲塔で仕上げた即応型」なら、MkIVは「将来の重量増加と電子装備を見込んだ成長型」である。どちらが絶対に上というより、納期、費用、共通性、要求性能によって選択が変わる。

CV90の採用国に関わる装備と運用環境
スウェーデン 原採用国であり、40mm機関砲型を中心に多様な派生型を運用する

CV90の採用国

CV90の採用国

BAE Systemsは、2026年時点のCV90採用国としてスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、スイス、オランダ、デンマーク、エストニア、チェコ、スロバキア、ウクライナの10か国を挙げている。[^2]

主な型・状況
スウェーデンCV9040系列、指揮・回収・対空・迫撃砲型など。CV9035 MkIIICを50両発注。既存系列は2045年以降も視野に寿命延長
ノルウェーCV9030系列と工兵・多目的型。改修と追加調達で164両規模
フィンランドCV9030FIN。2026年までの寿命延長改修を実施し、2030年代の運用を確保
スイスSchützenpanzer 2000の名称でCV9030CHを運用。ユーザー国間協力に参加
オランダCV9035NL。122両を新砲塔、ATGM、APS、電子基盤で中期改修
デンマーク従来のCV9035DKを運用。新造CV9035 MkIIICを159両調達し、旧型44両を更新予定
エストニアオランダから取得した44両のCV9035を運用
チェコCV9030 MkIVを246両調達。最終納入は2030年予定
スロバキアCV9035 MkIVを152両調達。2025年から初号車の試験を開始
ウクライナスウェーデン供与のCV9040C 50両を実戦運用。新造CV9035 MkIIIC 40両も調達計画

スウェーデン

原採用国であり、40mm機関砲型を中心に多様な派生型を運用する。2026年2月、FMVは全派生型を対象とする寿命延長の事前設計契約を締結し、2031年まで作業を進め、少なくとも2045年まで運用可能にする目標を示した。新造車を買う一方で既存車を長く使う二本立てである。[^11]

デンマーク

デンマークは2024年に115両のCV9035 MkIIICを発注し、2025年11月に44両を追加した。これにより新造MkIIICは合計159両となり、従来の44両は更新される計画だ。CV90の採用国の中でも、短期間に最も大きく戦力を拡張する国の一つである。[^12]

チェコとスロバキア

チェコは246両のCV9030 MkIVを調達し、国内企業が207両の生産に関与する計画である。スロバキアは152両のCV9035 MkIVを選び、国内企業が契約価値の40%超に参加する。両国の調達は単なる車両輸入ではなく、整備、部品、生産能力を国内へ残す防衛産業政策でもある。[^4][^5]

ウクライナ

スウェーデンは2023年にCV9040Cを50両供与した。さらにスウェーデンとデンマークは、ウクライナ向けに新造CV9035 MkIIICを40両調達する契約を結んだ。ウクライナはCV90ユーザーグループにも正式参加し、実戦で得られた運用・整備上の知見を他国と共有する立場になっている。[^6][^13]

ウクライナでの運用は、CV90の評価を高める一方、現代戦の厳しさも示す。高性能な装甲車であっても、地雷原、砲兵、対戦車ミサイル、FPVドローンが重なる環境では損害を避けられない。重要なのは「撃破されない車両」という神話ではなく、被弾時の乗員生存性、損傷車の回収、部品供給、修理、戦術の更新を含むシステム全体である。

CV90が欧州で選ばれる理由

第一は、火力・防護・機動力のバランスだ。CV90はLynx KF41のような大型新世代車よりコンパクトで、初期型からの設計蓄積がある。Pumaのように極端な高性能と複雑性へ寄せるのではなく、各国が必要な砲塔、装甲、センサーを選びやすい。

第二は、改修余地である。MkIVは38tまでの成長余裕を持ち、既存型にも新砲塔、APSATGM、電子基盤を追加できる。オランダ、デンマーク、フィンランド、スウェーデンが大規模改修や寿命延長を続けている事実は、車体が更新に耐えることを示す。

第三は、ユーザー国間の協力だ。CV90 Clubでは整備、変更管理、予備部品、弾薬、訓練装置などの情報を共有する。採用国が増えるほど、共同調達、部品供給、改修開発の費用を分担しやすくなる。欧州の装備共同化は政治的な標語で終わりがちだが、CV90は同じ車体を使う国が実際に増え、運用共同体が形成された珍しい例である。

第四は、現地生産を組み込みやすいことだ。チェコとスロバキアの契約では国内産業の参加率が重視され、フィンランド、ノルウェー、オランダ、デンマークでも現地企業が改修・維持に関与する。装甲車の調達では、車両単価だけでなく、戦時に自国内で直せるかどうかが安全保障上の価値になる。

CV90の弱点と課題

CV90にも課題はある。第一に、世代と国別仕様が増えた結果、同じCV90でも砲塔、弾薬、電子装備、装甲、部品が一致しない。共通車体の利点は大きいが、完全な共通装備ではない。

第二に、重装甲化と装備追加で重量が増えている。MkIVは最大38tであり、もはや「軽い装甲車」ではない。橋梁、鉄道、輸送車、回収車、整備施設にも相応の能力が必要になる。防護を増やすほど戦略機動と維持費に負担が出るのは、CV90も例外ではない。

第三に、上面脅威への対応である。APS、妨害装置、対ドローン弾、車外カメラ、偽装、歩兵との連携を追加しても、ドローンが常時監視する戦場では単独行動できない。CV90性能を生かすには、防空、電子戦、工兵、砲兵、無人機、回収・整備と組み合わせる必要がある。

私の評価では、CV90は「世界最強の歩兵戦闘車」と一語で片づけるより、「最も失敗しにくい欧州製IFVの一つ」と表現する方が正確である。突出した一項目ではなく、実戦経験、改修余地、採用国、産業協力、量産継続をまとめて買えることが強みだ。

よくある質問

CV90は戦車なのか

主力戦車ではなく歩兵戦闘車である。歩兵を輸送し、機関砲で支援するのが基本任務だ。120mm砲を搭載するCV90120もあるが、これは提案・実証色の強い直接火力型であり、一般的なCV90とは役割が異なる。

CV90の最高速度はどれくらいか

仕様によって異なるが、歩兵戦闘車型はおおむね65〜70km/h級である。フィンランド軍のCV9030FINは65km/hと公表されている。速度だけでなく、悪路での安定性、加速、後退、旋回、戦車部隊への追随性が重要だ。

CV90は何人乗りか

基本乗員は車長、砲手、操縦手の3人である。後部兵員室には仕様により7〜8人を収容し、メーカーの現行説明では最大8人としている。

CV9030・CV9035・CV9040の数字は何を示すのか

原則として主砲口径を示す。CV9030は30mm、CV9035は35mm、CV9040は40mm機関砲型である。ただし、同じ口径でも世代、砲塔、センサー、防護装備は国ごとに異なる。

CV90 MkIVとCV9035 MkIIICはどちらが新しいのか

世代としてはMkIVが新しく、1,000馬力級エンジン、38t級の成長余地、強化トランスミッション、アクティブダンピングを備える。MkIIICは成熟した車体に最新のDシリーズ砲塔と電子装備を組み合わせ、短い納期と既存仕様との共通性を重視した型である。

日本はCV90を採用しているか

2026年8月時点で、自衛隊はCV90を採用していない。CV90の採用国は欧州10か国である。

まとめ

CV90は、スウェーデンの寒冷地用歩兵戦闘車から、欧州10か国が共有する装甲戦闘車ファミリーへ発展した。30mm、35mm、40mm機関砲を選べ、指揮、偵察、迫撃砲、対空、工兵、回収などへ展開できる。最新MkIVは最大1,000馬力、38t級、第四世代電子基盤、APS統合余地を持つ。

最大の強みは、単一の派手な性能ではない。30年以上使われた車体を、新砲塔、センサー、電子系、防護装置で更新し、ユーザー国と産業基盤を増やしながら量産を継続していることだ。CV90は完成した一台の兵器というより、戦場の変化に合わせて更新される仕組みそのものである。

参考資料

  • <a href="https://www.baesystems.com/dam/jcr:bbc943d1-059e-4811-a82a-8a72d200fbd0">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/product/cv90-mkiv">BAE Systems, “CV90 MkIV.”</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/product/cv90-ifv-worldleading-combat-capability">BAE Systems, “CV90 IFV.”</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/article/bae-systems-rolls-out-newest-combat-vehicle-for-the-czech-army">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/article/bae-systems-rolls-out-world-leading-combat-vehicle-to-the-slovak-armed-forces">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.government.se/press-releases/2024/12/joint-infantry-fighting-vehicle-procurement-worth-sek-25-billion-signed/">government.se</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en/article/bae-systems-delivers-upgraded-cv90s-with-brand-new-turret-to-the-netherlands">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.fmv.se/aktuellt–press/aktuella-handelser/grkpbv90-projektet/">fmv.se</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en/article/norwegian-army-adding-20-cv90s-to-its-fleet">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/article/bae-systems-signs-agreement-with-rheinmetall-for-cv90120-advanced-gun-upgrade">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.fmv.se/aktuellt–press/aktuella-handelser/fmv-inleder-livstidsforlangning-av-stridsfordon-90/">fmv.se</a>
  • <a href="https://www.baesystems.com/en-us/article/bae-systems-awarded-contract-to-deliver-44-additional-cv90-infantry-fighting-vehicles-to-denmark">BAE Systems公式</a>
  • <a href="https://www.admin.ch/de/newnsb/NaRBQLIFNVg_Qa2RoBd4A">admin.ch</a>

参考資料・主な出典

BAE Systems公式|資料を確認

BAE Systems, “CV90 MkIV.”|資料を確認

BAE Systems, “CV90 IFV.”|資料を確認

BAE Systems公式|資料を確認

BAE Systems公式|資料を確認

government.se|資料を確認

BAE Systems公式|資料を確認

fmv.se|資料を確認

BAE Systems公式|資料を確認

BAE Systems公式|資料を確認

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BAE Systems公式|資料を確認

admin.ch|資料を確認

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