
AIM-120 AMRAAMとは、米国が開発した中距離のレーダー誘導空対空ミサイルである。正式名称はAdvanced Medium-Range Air-to-Air Missile、略称はAMRAAM。日本語では「先進中距離空対空ミサイル」と訳される。
AIM-120の価値は、単に遠くまで飛ぶことではない。発射母機のレーダーに最後まで照射してもらう必要があったAIM-7スパローから、終末段階を自らのアクティブ・レーダーで追尾する方式へ移行し、戦闘機が複数目標を攻撃しながら生存する余地を広げた点にある。私はAMRAAMを、現代空戦を「一機対一機の決闘」から「センサーとネットワークが組む射撃戦」へ変えた代表的な兵器だと見ている。
- AIM-120は中間誘導と終末アクティブ・レーダー誘導を組み合わせる中距離空対空ミサイル
- AIM-7より発射母機の拘束を減らし、複数目標への同時攻撃と回避行動を可能にした
- 最新D-3/C-8の正確な最大射程は非公表で、実効射程は高度・速度・目標の向きで変化する
- 日本向けにはD-3/C-8合計最大1,200発の売却可能性が承認されている
一方で、AIM-120の射程には誤解が多い。ネット上には50km、100km、160kmなど多様な数字が並ぶが、最新型の正確な最大射程は公表されていない。しかも実戦で重要なのはカタログ上の最大到達距離ではなく、回避する目標にも十分なエネルギーを残して追いつける範囲、すなわちノーエスケープ・ゾーンである。
本稿では、AIM-120の構造と誘導方式、AIM-120AからC-8、D-3までの型式、射程の読み方、F-22やF-35と組み合わせた現代空戦での役割、日本による導入拡大までを整理する。
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AIM-120 AMRAAMの基本性能
AIM-120は、米空軍、米海軍、米海兵隊と同盟国が使用する全天候・視程外射程の空対空ミサイルである。米海軍の公開資料では、全長約12フィート、直径7インチ、重量は型式により約348〜356ポンドとされる。メートル法に直すと、全長約3.66m、直径約17.8cm、重量約158〜161kgである。
| 項目 | 公開情報の概要 |
|---|---|
| 種別 | 中距離レーダー誘導空対空ミサイル |
| 全長 | 約3.66m |
| 直径 | 約17.8cm |
| 重量 | 約158〜161kg、型式により異なる |
| 推進 | 固体燃料ロケット |
| 誘導 | 慣性航法、中間誘導データリンク、終末アクティブ・レーダー誘導 |
| 弾頭 | 高性能炸薬・爆風破片効果弾頭 |
| 速度 | 最新の米海軍資料では非公表 |
| 射程 | 最新型の正確な数値は非公表 |
| 主な搭載機 | F-15、F-16、F/A-18、F-22、F-35、ユーロファイターなど |
ミサイル本体は、大きく誘導部、弾頭部、推進部、操舵部に分かれる。機首側にはレーダー・シーカー、誘導計算機、慣性基準装置などがあり、その後方に弾頭、固体燃料ロケット、尾部の操舵装置が続く。米空軍航空戦闘軍団の資料では、AIM-120B、C系列、Dは現場でソフトウェアを書き換えられる設計であり、同じ外形を維持しながら電子戦環境への対応を更新できる。
AMRAAMが長く第一線に残る理由は、ロケットだけでなく、電子防護、信号処理、誘導則、母機との通信を更新できる点にある。
AIM-7スパローから何が変わったのか
AIM-120はAIM-7スパローの後継として開発された。スパローは長く西側戦闘機の代表的な中距離ミサイルだったが、基本的にはセミアクティブ・レーダー誘導を採用していた。発射した戦闘機が目標へレーダー波を当て続け、その反射波をミサイルが追う方式である。
この方式では、発射後も母機が目標を支援し続ける必要がある。敵が反撃してきたからといって早々に旋回し、レーダー照射を切れば、自分が撃ったミサイルの誘導まで失う可能性があった。複数の敵を同時に処理するにも制約が大きい。
AIM-120は、慣性航法とデータリンクで目標付近まで飛び、終末段階では機首のアクティブ・レーダーを作動させて自律追尾する。米空軍は、この仕組みにより複数目標へ複数弾を発射し、その後に回避運動へ移れると説明している。ここがスパローとの決定的な違いである。
ただし「撃った瞬間から完全放置できる」と理解するのは正しくない。遠距離射撃ほど、目標の位置は飛翔中に変化する。母機や味方センサーから中間誘導の更新を受けた方が、ミサイルは無駄な旋回をせず、終末段階に多くの速度を残せる。AMRAAMのファイア・アンド・フォーゲット性とは、母機が終末まで連続照射を続けなくてもよいという意味であり、発射後の支援が無価値になるという意味ではない。
AIM-120の誘導方式を3段階で解説
- 発射前に母機や共有センサーから初期目標情報を受け取る
- 中間段階は慣性航法とデータリンク更新で会合点へ向かう
- 終末段階は自らのアクティブ・レーダーで目標を追尾する
- 遠距離ほど中間更新の精度が終末エネルギーを左右する
発射前に目標情報を受け取る
発射前、戦闘機のレーダーや統合されたセンサーは、目標の方位、距離、高度、速度、進行方向を推定する。ミサイルはランチャーとの接続を通じ、射撃に必要な初期情報を受け取る。
現代の戦闘機では、目標情報が自機レーダーだけから来るとは限らない。早期警戒管制機、僚機、地上レーダー、データリンクで共有された航跡が、パイロットの状況認識と射撃判断を助ける。ただし、どの外部センサー情報をどの型式がどこまで直接利用できるかという詳細は公開されていない。
中間段階は慣性航法と更新情報で飛ぶ
発射後のAIM-120は、まず固体燃料ロケットで加速し、慣性航法装置を使って予測会合点へ向かう。目標が同じ速度と方向で飛び続けるなら単純だが、実際には旋回、降下、加速、電子妨害を行う。このため母機から更新情報を受け、進路を修正できることが重要になる。
AIM-120DではGPS支援を受けた航法、ネットワーク適合性、双方向データリンクが明示されている。双方向化により、母機からミサイルへ情報を送るだけでなく、ミサイル側の状態を発射側が把握する余地も生まれた。具体的な交信内容は非公表だが、旧型より射撃管理の柔軟性が増したことは確かである。
終末段階でアクティブ・レーダーが作動する
目標に接近すると、AIM-120は自らレーダー波を出し、反射を解析して追尾する。これをアクティブ・レーダー・ホーミングという。終末誘導へ移った状態は一般に「ピットブル」と呼ばれる。
終末段階では、目標の回避運動に追従しながら会合点を修正する。直撃するか、近接信管に相当する目標検知装置が作動すれば、爆風破片効果弾頭が炸裂する。戦闘機は薄い外板、燃料系統、操縦系統、エンジン、センサーのどこかを高速破片で損傷すれば戦闘不能になり得るため、必ずしも機体中心へ直撃する必要はない。
AIM-120の射程は何kmなのか
結論から言えば、現用型AIM-120C後期型、C-8、D、D-3の正確な最大射程は公開されていない。
古い米空軍ファクトシートには「20マイル以上」と記載されているが、これは初期のA/B/Cをまとめた古い公開値であり、最新型の上限を示す数字ではない。現在の米海軍ファクトシートは速度を機密扱いとし、射程そのものを掲載していない。C-7以降では推進薬を5インチ延長した強化モーターが採用され、D系列では運動性能も改善されたと米軍が説明している。
さらにRTXは、2024年にF-22から行われた試験で、第五世代戦闘機によるAMRAAMとして「既知の最長射撃」を達成したと2025年に発表した。ただし距離は公表していない。したがって、AIM-120Dを160km級、あるいはそれ以上とする数字は公開推定の域を出ず、公式確定値として扱うべきではない。
ここで重要なのは、空対空ミサイルの射程が一つの固定値ではないことである。射程は、少なくとも次の条件で大きく変わる。
発射機の高度と速度
目標との向き。接近中か、逃走中か
目標の高度と速度
ミサイルが上昇して位置エネルギーを得られるか
目標がいつ回避運動を始めるか
中間誘導の精度と更新頻度
電子妨害やデコイの影響
高高度を高速飛行するF-22が正面から接近する目標へ撃つ場合、ミサイルは母機の速度と高度を受け取って発射される。反対に、低高度・低速の母機が遠ざかる目標へ撃てば、同じAIM-120でも有効範囲は急減する。
私は、空対空ミサイルの射程表を自動車の航続距離のように読むべきではないと考える。最大射程は「そこまで飛べるか」を示す数字に近く、ノーエスケープ・ゾーンは「相手が気づいて逃げても追いつけるか」を示す。実戦でパイロットが欲しいのは後者である。

AIM-120A・B・C・Dと最新D-3/C-8の違い
AIM-120A:最初の実用型
AIM-120Aは最初の量産・実用型で、1991年に配備が始まった。基本となるアクティブ・レーダー終末誘導、慣性中間誘導、固体燃料ロケット、爆風破片効果弾頭を備え、AMRAAMという兵器体系を成立させた型式である。
1990年代初頭には実戦で戦果を挙げ、視程外射程戦闘での有効性を示した。米空軍の公開資料は、イラク南部飛行禁止空域で2機、ボスニアで1機を撃墜した初期戦果を記している。
AIM-120B:再プログラム性を強化
AIM-120Bは電子機器とソフトウェア面を改良し、現場で再プログラムできる型式となった。新たな脅威や妨害方式が現れた際、ミサイルを全面的に設計し直さず、ソフトウェア更新で対応範囲を広げられる。
この再プログラム思想はC、D系列にも継承された。
AIM-120C系列:内装搭載と段階的改良
AIM-120C系列は1996年に引き渡しが始まった。A/Bより翼幅を小さくし、F-22などのウェポンベイへ収めやすい外形になった。米海軍の公開値では、翼幅はA/Bの21インチからC/Dの19インチへ縮小している。
C系列は単一仕様ではなく、C-3、C-4、C-5、C-7など改良を重ねた系列である。すべての変更点が公開されているわけではないが、誘導、電子防護、信頼性、運動性能が段階的に更新された。C-7は2008年度に初期運用能力へ到達し、強化された「+5」ロケットモーターを使う。
輸出向けの最新生産型がAIM-120C-8である。C-8は後述するF3Rの新しい誘導部ハードウェアを取り入れ、今後のソフトウェア改良を受け入れる基盤を持つ。
AIM-120D:航法・データリンク・運動性能を向上
AIM-120Dは米空軍・米海軍向けの発展型である。米国防総省の公開資料では、GPS支援慣性航法、ネットワーク適合性の向上、双方向データリンクが特徴として挙げられる。米海軍は2015年に初期運用能力へ到達した。
D型の意味は、単純な射程延長だけではない。目標位置の誤差を抑え、中間段階の飛行を効率化し、電子妨害下でも会合点へ運ぶ能力を改善したことにある。遠距離での一度の無駄な旋回は、終末速度を大きく失わせる。航法と誘導の改善は、ロケットを大型化するのと同じくらい実効射程に影響する。
AIM-120D-3とC-8:F3Rで生産と更新を再設計
AIM-120D-3とC-8は、Form, Fit, Function Refresh、略してF3Rと呼ばれる更新を受けた最新世代である。F3Rの出発点は、旧電子部品の生産終了に対応し、AMRAAMを長期生産できるよう誘導部の回路基板を刷新することだった。
しかし結果は単なる部品置換にとどまらない。新しいハードウェアへソフトウェア能力を載せ替え、将来の機能改良を継続しやすくした。NAVAIRはD-3について、更新された誘導部ハードウェアとソフトウェアにより、高度な脅威への有効性を改善すると説明している。2023年にはF-16からの最終試験射撃を完了した。
RTXは2026年時点で、2024年から「第五世代AMRAAM」を生産していると表現し、高度な誘導、ソフトウェア定義能力、電子防護を特徴としている。内部の計算機とソフトウェアは、初期型とは別世代へ移ったと見るべきである。

現代空戦でAIM-120が果たす役割
敵を撃墜する前に、行動を縛る
空対空ミサイルの効果は撃墜数だけでは測れない。敵がAMRAAMの発射を探知すれば、回避旋回、降下、電子妨害、チャフ散布を行う。すると敵は速度と高度を失い、レーダーをこちらへ向け続けにくくなる。
つまりAIM-120は、命中しなくても敵の攻撃手順を崩せる。こちらが先に有効な射撃を行えば、相手は自分のミサイルを十分支援する前に防御へ移らされる。BVR空戦では、この「先に相手を守勢へ押し込む」効果が大きい。
ステルス戦闘機のセンサー優位を火力へ変える
F-22やF-35は、低被探知性と高度なセンサー融合によって、相手より先に発見し、先に射撃条件を作ることを狙う。AIM-120は、その情報優位を実際の攻撃へ変換する標準兵器である。
RTXによれば、AMRAAMはF-35の全型式で運用可能であり、同機に適合するレーダー誘導空対空ミサイルとして中核的な位置を占める。ステルス機が敵へ近づけても、ウェポンベイ内に収まるミサイルがなければ優位は完結しない。C/D系列の小さな翼幅は、外形上の変更以上に、第五世代機の戦い方を成立させる意味を持つ。
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四世代機にも戦力を与え続ける
AMRAAMはF-15、F-16、F/A-18、ユーロファイターなどにも広く統合されている。AESAレーダー、赤外線捜索追尾装置、電子戦装置、データリンクを更新した四世代機は、適切な支援を受ければ依然として強力である。
AMRAAMの量的価値は、多数の機体と同盟国が共通して扱える点にある。RTXは2026年、40を超える同盟国・パートナーへの採用、6,000回超の試験、13回の空対空戦果を公表している。
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高価値目標を守り、敵の高価値目標を脅かす
現代の航空作戦は、戦闘機だけで完結しない。早期警戒管制機、空中給油機、電子戦機、情報収集機が後方で航空戦力を支える。戦闘機部隊のAMRAAMは、これら高価値航空資産へ近づく敵を迎撃する盾となる。
反対に、長距離射撃の機会が得られれば、敵の早期警戒機や給油機を後退させる圧力にもなる。ただし小型で機敏な戦闘機と、大型で旋回性能の低い支援機では有効射程が同じではない。逃げる大型機に対する射撃でも距離条件は厳しくなるため、母機の位置、速度、目標の進行方向が決定的である。
AIM-120の強み
第一の強みは、実戦と大量の試験で成熟していることだ。新型ミサイルのカタログ性能が高くても、母機との分離、ソフトウェア統合、整備、輸送、保管、訓練まで安定しなければ戦力にならない。AMRAAMは多数の機種と国家で運用され、共通の補給・教育基盤を形成している。
第二は、電子部品とソフトウェアを継続更新できることだ。D-3/C-8ではF3Rにより生産継続性を確保しつつ、ソフトウェア定義能力を拡張した。敵の妨害波形やデコイが変われば、誘導アルゴリズムも変えなければならない。
第三は、搭載しやすい寸法と重量である。約160kg級のAIM-120は、戦闘機が複数発を搭載でき、F-22やF-35の内部兵装にも収められる。大型の超長射程ミサイルは遠くまで届く一方、搭載数、空気抵抗、ウェポンベイ適合性に制約が出る。AMRAAMは射程、搭載数、統合性の均衡が取れている。
第四は、空中発射と地上発射の両方で使われる点である。通常のAIM-120はNASAMSの基本迎撃弾としても使用できる。航空機用と地上防空用で同系統のミサイルを共有できることは、生産規模と補給面で大きい。ただし大きなロケットモーターを使うAMRAAM-ERは、AIM-120そのものとは別の地上発射発展型である。
AIM-120の弱点と限界
- ロケット燃焼終了後は保有エネルギーを使って飛翔する
- 電子妨害・チャフ・曳航式デコイとの競争が続く
- 遠距離交戦には確実な敵味方識別と指揮統制が必要
- 搭載数・在庫・生産能力も継戦能力を決める
AIM-120は万能ではない。最大の制約は、固体燃料ロケットが燃焼を終えた後、基本的に保有エネルギーを使って滑空する点である。遠距離ほど速度が落ち、終末段階で急旋回する目標を追う余力が減る。C-7以降の強化モーターや誘導則改善はこの問題を緩和するが、物理法則そのものを消せない。
第二に、アクティブ・レーダー誘導は電子妨害の影響を受ける。最新型には電子防護の改良が続けられているが、目標側もデジタルRFメモリー妨害、チャフ、曳航式デコイ、地面反射の利用などを進化させる。空対空ミサイルの競争は、ロケットではなく信号処理の競争でもある。
第三に、目標識別と交戦規則の問題がある。ミサイルが遠くまで届いても、その目標を敵と確実に識別できなければ撃てない。友軍機、民間機、中立機が混在する空域では、BVR射撃の可否は技術だけで決まらない。過去には誤認による友軍機撃墜も起きており、射程の拡大は識別・指揮統制の責任も重くする。
第四に、搭載数と在庫は有限である。高性能ミサイルは高価で、生産にも時間がかかる。ドローンや巡航ミサイルを迎撃する任務が増えれば、一発ごとの費用対効果が問題になる。だからこそAMRAAMだけでなく、短距離ミサイル、機関砲、地上防空、電子戦を組み合わせる必要がある。
MeteorやAIM-9Xとの違い
AIM-9Xは短距離の赤外線誘導ミサイルであり、AIM-120とは担当距離と探知方式が異なる。AIM-9Xは高い機動性と大きなオフボアサイト能力を持ち、近距離戦や視程内交戦で強い。AIM-120はレーダー誘導で視程外から先に撃つ兵器である。両者は競合ではなく、戦闘機の内外を分担する。
欧州のMeteorは、固体燃料可変流量ダクテッド・ロケット、一般にラムジェットと呼ばれる推進方式を採用し、終末まで推力を得ることを重視している。MBDAは、この持続推力により大きなノーエスケープ・ゾーンを持つと説明する。遠距離で機敏な目標を追う終末運動では、Meteorの設計思想に明確な利点がある。
一方、AMRAAMの強みは、搭載機種、採用国、在庫、生産、実戦経験、F-22・F-35との統合にある。空戦兵器は「最長射程の一発」だけで勝敗を決めない。撃てる機体が何機あり、何発を前線へ運び、どのセンサー網で射撃機会を作れるかが重要である。私は、Meteorが推進方式の回答なら、AMRAAMは兵器体系全体の標準化という回答だと考える。
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日本とAIM-120|D-3/C-8最大1,200発の売却承認
日本にとってAIM-120は、F-35A/Bの視程外射程戦闘能力を支える重要装備である。RTXはAMRAAMをF-35全型式で運用可能なレーダー誘導空対空ミサイルとして位置づけている。
2025年1月、米国務省は日本へのAIM-120D-3/C-8と関連装備の対外有償軍事援助による売却を承認した。米国防安全保障協力局の通知では、要求上限はD-3/C-8合計で最大1,200発、推定上限額は36億4,000万ドルである。D-3誘導部最大20基、C-8誘導部最大4基、推進部、弾頭、訓練弾、試験装置、ソフトウェア、技術支援も含まれる。
ただし、これは議会通知を伴う「売却可能性の承認」であり、その時点で1,200発すべての契約・納入が確定したという意味ではない。実際の数量と金額は、日本側の最終要求、予算、契約により変わる。
それでも最大1,200発という枠は、日本が空対空ミサイルを少数の高価な装備ではなく、長期戦で消耗する基幹弾薬として見始めたことを示す。南西方面の広い空域でF-35を運用し、米軍と共同作戦を行うなら、ミサイルの性能だけでなく、備蓄、整備、ソフトウェア、訓練弾まで含む体系が必要になる。
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よくある質問
AIM-120 AMRAAMの射程は何kmか
最新型の正確な最大射程は非公表である。古い米空軍資料の20マイル以上という数字は初期型をまとめた最低限の公開表現に近く、D-3の上限ではない。公開推定値を使う場合も、発射高度、速度、目標の向きで実効射程が大きく変わる点を併記すべきである。
AIM-120は本当にファイア・アンド・フォーゲットか
終末段階は自らのアクティブ・レーダーで追尾するため、母機が最後まで連続照射する必要はない。この意味ではファイア・アンド・フォーゲットである。ただし遠距離射撃では、母機から中間更新を受けた方が命中可能性と終末エネルギーを高められる。
AIM-120CとAIM-120Dの最大の違いは何か
D型はGPS支援慣性航法、ネットワーク適合性、双方向データリンク、運動性能、電子防護などを改善した米軍向け発展型である。C系列も継続改良されており、最新輸出型C-8はF3Rの新しい誘導部を使う。
AIM-120D-3とC-8は同じミサイルか
完全に同じ型式ではないが、どちらもF3Rで刷新された誘導部ハードウェアと将来のソフトウェア更新基盤を共有する最新生産系列である。D-3はD系列、C-8は主に輸出されるC系列として扱われる。性能差の詳細は公開されていない。
Meteorの方がAIM-120より強いのか
単純には決められない。Meteorはラムジェットによる持続推力と大きなノーエスケープ・ゾーンが強みである。AIM-120は採用国、搭載機、在庫、生産、実戦経験、F-22・F-35統合で優位を持つ。ミサイル単体ではなく、母機、センサー、電子戦、射撃位置まで含めて評価する必要がある。
日本は本当にAIM-120を1,200発導入するのか
米国が承認したのは最大1,200発までの売却可能性である。通知時点で全数の契約・納入が確定したわけではない。実際の数量、型式内訳、納期、金額は今後の契約と予算で決まる。
まとめ|AIM-120は射程よりも「空戦の仕組み」を変えた
AIM-120 AMRAAMは、慣性航法とデータリンクで中間誘導を行い、終末段階ではアクティブ・レーダーで自律追尾する中距離空対空ミサイルである。AIM-7スパローのように母機が最後まで目標を照射し続ける制約を軽減し、複数目標への同時攻撃と発射母機の生存性を高めた。
型式はA、B、C、Dへ発展し、C-7では強化ロケットモーター、DではGPS支援航法と双方向データリンク、最新のD-3/C-8ではF3Rによる電子機器刷新とソフトウェア更新基盤を得た。正確な最大射程は非公表であり、実戦では高度、速度、目標の向き、回避運動によって大きく変わる。
最長射程だけを見れば、Meteorや新しい超長射程兵器が注目を集める。それでもAMRAAMは、40を超える同盟国・パートナー、多数の搭載機、膨大な試験データ、生産基盤を持つ西側空戦の標準弾であり続ける。AMRAAMの本当の強さは、一発の派手な数字ではなく、戦闘機、センサー、データリンク、補給を一つの射撃体系へ結び付けたことにある。
この論点を広く比較するなら、「【2026年最新版】世界最強戦闘機ランキングTOP10|現役配備機限定で徹底比較」もあわせて確認したい。
出典メモ
- <a href="https://www.af.mil/About-Us/Fact-Sheets/Display/Article/104576/aim-120-amraam/">米空軍 AIM-120 AMRAAMファクトシート</a>
- <a href="https://www.acc.af.mil/Portals/92/Docs/Fact%20Sheets%20-%202020%20Update/Facts%20Sheets%202022%20Final/AIM-120_final.pdf">米空軍航空戦闘軍団 AIM-120ファクトシート</a>
- <a href="https://www.navy.mil/Resources/Fact-Files/Display/Article/204442/aircraft-carriers/">米海軍 AIM-120ファクトファイル</a>
- <a href="https://www.nationalmuseum.af.mil/Visit/Museum-Exhibits/Fact-Sheets/Display/Article/196742/AFmuseum/hughes-aim-120-amraam/">米空軍博物館 AIM-120 AMRAAM</a>
- <a href="https://www.navair.navy.mil/news/AMRAAM-Completes-Two-Free-Flight-Test-Shots/Thu-05132021-1510?page=1">NAVAIR AIM-120D-3飛行試験</a>
- <a href="https://www.af.mil/News/Article-Display/Article/467412/f-35a-conducts-first-live-fire-with-amraam/">米空軍 F-35A初のAMRAAM実射</a>
- <a href="https://www.navy.mil/Resources/Fact-Files/Display-FactFiles/Article/2383479/fa-18a-d-hornet-and-fa-18ef-super-hornet-strike-fighter/">米海軍 F/A-18ファクトファイル</a>
- <a href="https://www.dsca.mil/Press-Media/Major-Arms-Sales/Article-Display/Article/4020619/japan-aim-120d-3-and-aim-120c-8-advanced-medium-range-air-to-air-missiles-amraam">米国防安全保障協力局 日本向けAIM-120D-3/C-8売却承認</a>
- <a href="https://www.rtx.com/news/news-center/2025/09/16/rtxs-raytheon-achieves-longest-known-amraam-shot">RTX F-22によるAMRAAM最長既知射撃</a>
- <a href="https://www.rtx.com/news/news-center/2026/02/04/rtxs-raytheon-partners-with-department-of-war-on-five-landmark-agreements-to-exp">RTX AMRAAM増産計画</a>
- <a href="https://www.mbda-systems.com/products/air-dominance/meteor">MBDA Meteor製品情報</a>
参考資料・主な出典
米空軍 AIM-120 AMRAAMファクトシート|資料を確認
米空軍航空戦闘軍団 AIM-120ファクトシート|資料を確認
米海軍 AIM-120ファクトファイル|資料を確認
米空軍博物館 AIM-120 AMRAAM|資料を確認
NAVAIR AIM-120D-3飛行試験|資料を確認
米空軍 F-35A初のAMRAAM実射|資料を確認
米海軍 F/A-18ファクトファイル|資料を確認
米国防安全保障協力局 日本向けAIM-120D-3/C-8売却承認|資料を確認
RTX F-22によるAMRAAM最長既知射撃|資料を確認
RTX AMRAAM増産計画|資料を確認
MBDA Meteor製品情報|資料を確認
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