FN MAG/M240とは|世界標準の汎用機関銃が使われ続ける理由を解説

FN MAGを中心に歩兵・車両・航空機・艦艇へ広がるM240系列
FN MAGを中心に歩兵・車両・航空機・艦艇へ広がるM240系列
FN MAGの基本設計は歩兵、車両、航空機、艦艇の各用途へ展開された

FN MAGはベルギーのFN Herstalが設計した7.62×51mm汎用機関銃で、M240はその米軍仕様である。長寿の理由は派手な発射速度ではなく、堅牢な基本設計を歩兵・車両・航空機・艦艇へ適応できることにある。

この記事では「FN MAGとM240は別物なのか」「M240BとM240Lは何が違うのか」「なぜ1950年代の設計が現在も採用されるのか」を、2026年8月10日までに確認できたFN Herstal、米陸軍、英陸軍、カナダ政府などの公式資料で整理する。射撃、分解整備、改造、製造、故障対処の手順は扱わず、名称、設計思想、用途、公式値の読み方に絞る。

FN MAG M240の要点
目次

まず結論|FN MAGとM240の違いは原型と米軍仕様

まず結論|FN MAGとM240の違いは原型と米軍仕様

FN MAGとM240は、競合する別設計ではない。FN Herstalの公式製品ページは、FN MAGを自社が設計・製造した7.62×51mmのGPMG(General Purpose Machine Gun、汎用機関銃)と説明し、各国で使われる名称の例としてM240、英国L7A2、MAG 58を並べている。

大づかみに言えば、関係は次の通りである。

呼び名何を指すか読むときの注意
FN MAGFN Herstalが開発した基本設計と製品系列MAGはフランス語の「Mitrailleuse à Gaz」に由来する
MAG 581958年の採用年と結び付いた代表的呼称国や資料により「MAG」「MAG 58」と表記が揺れる
M240米軍が採用したFN MAG系統の制式名称・ファミリーB、C、D、H、Lなど用途別の型がある
L7A2英国で運用されるGPMGの名称英陸軍は歩兵携行、三脚、車両、ヘリでの用途を公表する
C6/C6A1カナダ軍のFN MAG系統C6から近代化型C6A1への更新が公式に案内されている

したがって「FN MAGとM240のどちらが強いか」という問いは少しずれている。正確には、共通する設計を各軍がどの任務、搭載方法、装備体系に合わせて仕様化したかを見るべきだ。

私の結論は、M240を理解する最短ルートは末尾のアルファベットを暗記することではなく、最初にFN MAGという“共通の幹”をつかむことだ。幹が分かれば、歩兵型、車載型、航空型、軽量型という枝分かれが自然に読める。

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FN MAGを原型としてM240・L7A2・C6へ分かれる名称関係図
FN MAGは共通の幹で、M240、L7A2、C6は各国仕様の枝に当たる

FN MAGの名称と誕生|MAG 58は何を意味するのか

FN MAGの名称と誕生|MAG 58は何を意味するのか

FN Herstalは2025年の公式史で、設計チームを率いた人物をエルネスト・ヴェルヴィエ(Ernest Vervier)とし、第二次世界大戦で検証された複数の発想とFN独自の設計を組み合わせたと説明している。MAGは「Mitrailleuse à Gaz」、すなわちガス作動式機関銃を示す名称である。

最初の採用国はスウェーデンで、1958年にKsp 58として採用された。ただし最初のKsp 58は6.5mm口径であり、すべての初期型が最初から7.62×51mm NATO弾だったわけではない。FNの公式史によれば、それ以外のFN MAGは新たなNATO標準となった7.62×51mmで作られ、英国は1961年にL7系列として採用、1963年に英国内でのライセンス生産を始めた。

この順序は重要だ。FN MAGは「米軍のM240を他国が買った銃」ではなく、欧州で生まれ、複数国の制式名称と生産体制へ広がり、その後に米軍のM240として大規模な系列を形成した銃である。

2025年のFN公式史は90か国超での採用を掲げる。ただし、これはメーカーが示す世界累計の表現であり、2026年現在に90か国すべてが同じ型を第一線配備しているという意味ではない。本稿では「採用実績が90か国超」とし、現役国数や配備丁数へ読み替えない。

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1958年スウェーデン採用から英国L7・米軍M240・現代改良までの年表
1958年のKsp 58から各国仕様とM240の継続調達へ発展した

世界標準になった基本設計|堅牢さと適応力を両立

世界標準になった基本設計|堅牢さと適応力を両立

FN MAGの基本は、7.62×51mm弾を金属製リンクベルトから給弾する、空冷・ガス作動・オープンボルト式の機関銃である。ここで重要なのは、各用語を射撃手順として覚えることではなく、長時間の軍用装備として何を狙った設計かを読むことだ。

FN Herstalは、鋼板をリベットで組み上げたレシーバーを剛性と耐久性の土台として挙げる。銃身は交換でき、ガスレギュレーターを備え、オープンボルトは高温になった薬室に弾薬を保持し続けることによる過熱リスクを抑える考え方と説明される。これらは一発の数値性能を誇る仕掛けではなく、継続使用、環境変化、異なる搭載法へ耐えるための設計判断である。

設計要素公式資料から読める役割長寿命化との関係
鋼製の堅牢なレシーバー剛性、耐久性、安定した土台重量と引き換えに長期使用へ向く
ベルト給弾7.62×51mm弾を継続的に供給歩兵支援から搭載用途まで共通化しやすい
ガス作動の長ストローク機構発射ガスで作動部を動かす汚れや環境変化を含む軍用条件を重視した設計
オープンボルト待機時に薬室へ弾を置かない高温下での不意の発火リスクを抑える設計思想
交換式銃身熱を銃身一本へ集中させ続けない持続的な任務を前提とする
二脚・三脚・各種銃架への対応携行と固定・搭載を同じ系列で分担一つの基本設計を複数任務へ展開できる

FNの公式史は、同社がブローニング設計の機関銃やBARを長く製造してきた経験も開発の背景に挙げる。これはFN MAGがBARそのものの大型版という意味ではない。既存の優れた要素を選び、汎用機関銃という新しい要求へ再構成した点が核心である。

私は、FN MAGの傑作性は「新機構をいくつ発明したか」ではなく、実績ある要素を一つの壊れにくい道具へ編集したことにあると思う。兵器史では奇抜さが目を引くが、長く残るのは任務と補給の間で無理をしない設計だ。

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堅牢なレシーバー・ベルト給弾・交換式銃身・各種銃架対応の設計要素
堅牢性、持続使用、搭載適応を組み合わせたことが長寿の土台となった

汎用機関銃とは|歩兵・車載・航空・艦載をつなぐ考え方

汎用機関銃とは|歩兵・車載・航空・艦載をつなぐ考え方

GPMGの「汎用」は、一丁を手持ちだけで何にでも使うという意味ではない。共通する機関部を基礎に、銃床、握把、給弾方向、銃架、照準装置などを任務に合わせて構成し、複数の役割を一つの系列で支えるという発想である。

FN Herstalの製品ページは、地上部隊が携行するほか、三脚、車両、航空機、艦船・舟艇の銃架で使われると説明する。また歩兵型は改造なしにピントル銃架や同社の遠隔操作銃塔へ搭載でき、同軸型とピントル搭載型も用意される。2023年にFNが発表したMulti Weapon Mountも、地上・海上プラットフォーム用の対応火器としてFN MAG 58M/歩兵型とM240D、H、Lを列挙している。

運用の層主な構成の考え方共通設計の利点
歩兵携行銃床、二脚、照準器を備え、必要に応じ三脚へ訓練・部品・弾薬の体系を系列内で共有しやすい
車上の柔軟銃架ピントルや遠隔操作銃塔へ搭載車種が変わっても7.62mm支援火器の基盤を維持できる
装甲車両の同軸主砲の横などに固定し、車両側から操作歩兵型と同じ起源を持ちながら車内装備へ最適化できる
航空機航空用の握把・銃架などと組み合わせるM240Hのように航空任務用の型を作れる
艦艇・舟艇塩害環境を含む銃架運用へ組み込む海上プラットフォーム用の搭載体系を組める

ここで「部品が何%共通」といった数字は、型や契約ごとの公式な構成表がない限り断定できない。また用途変更を利用者が現場で改造できるという話でもない。軍の承認、銃架、補給、整備体系まで含めて“系列として適応する”のが正確な理解である。

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歩兵携行・車載・航空・海上の四用途へ適応する汎用機関銃
GPMGの汎用性は一丁を万能にするのではなく任務別構成を同じ系列で支える

M240は車載から歩兵へ|米軍採用の流れ

M240は車載から歩兵へ|米軍採用の流れ

米陸軍の公式解説によると、M240は1977年、装甲車両の副武装として最初に採用された。FNの公式史は、M1エイブラムス戦車とM2ブラッドレー歩兵戦闘車向けの車載機関銃選定でFN MAGが選ばれ、M240同軸機関銃になったと説明する。

出発点が車載だったことは、M240の評価を読むうえで示唆的だ。歩兵が持ち運びやすい最軽量銃として選ばれたのではなく、まず車両に組み込む機関銃として信頼性が評価され、その実績が地上携行型へ広がったからである。

米陸軍と海兵隊でM240G、M240Bが歩兵用として使われ始めたのは1990年代半ばとされる。M240BはM60系列を置き換える歩兵用の主力へ発展した。一方、2025年5月の米陸軍記事はM1A2エイブラムスに同軸M240があることを確認し、2026年の米陸軍機甲専門誌はM2ブラッドレーの同軸火器をM240Cと記載している。つまり車載起源は歴史の一頁ではなく、現在の用途にも続いている。

「車載で成功した銃を歩兵が持つようになった」という逆向きの拡張こそ、M240史で最も面白い点だ。普通は携行火器を車両へ載せる話に目が向くが、M240は重く頑丈な車載の資質が、歩兵用でも信頼の源になった。

車載同軸M240から歩兵用M240B・軽量M240Lへ広がる採用経路
米軍M240は車載用の信頼性評価を起点に歩兵・航空用途へ広がった

M240各型の違い|B・C・D・H・Lを役割で整理

M240各型の違い|B・C・D・H・Lを役割で整理

M240の型名は、優劣の順番ではなく用途の違いを示す。FN Americaは2021年の米陸軍契約発表で、調達対象になり得る型としてM240同軸型、M240B、M240L、M240D、M240Hを列挙した。

主な位置付け2026年8月時点で公式に確認できる範囲
M240/M240C装甲車両の同軸型。M240Cは車両統合に対応する派生型M1A2の同軸M240、M2ブラッドレーのM240Cを米陸軍資料で確認
M240B地上部隊向けの標準的な歩兵型。二脚・三脚・車載に対応米陸軍の現行装備ページに掲載。2026年3月に米陸軍・海軍向け追加契約をFN Americaが発表
M240G米海兵隊で運用されてきた地上用系列海兵隊公開教範は銃本体25.6lb、二脚・三脚での使用を記載。ただし旧版教範の値
M240D車両・航空機などの柔軟銃架向けFNの現行銃架ページとFN Americaの契約資料で型名を確認
M240HUH-60、CH-47用の航空型。緊急時に地上用へ構成可能米陸軍の現行装備ページに航空型として掲載
M240LM240Bの機能を保ちながらチタンなどで軽量化した地上用米陸軍の現行装備ページに掲載。2025年7月に米陸軍向け追加契約をFN Americaが発表

M240DやM240Hを「B型へ部品を足しただけ」と説明すると、航空機・車両側の承認されたシステムまで見落とす。反対に、型が違うから完全に別銃という説明も行き過ぎである。共通の基本設計を、操作方法、搭載法、重量、周辺装備の要求に合わせたファミリーと捉えるのがよい。

なお、米軍内の各軍種・各部隊で、すべての型が同じ比率で配備されているわけではない。公開契約で供給先や型を確認できても、保有数、更新率、部隊別の配備表は別の情報である。本稿は確認できない配備丁数を補わない。

M240B・C・D・G・H・Lを歩兵・同軸・柔軟銃架・航空・軽量型で比較
M240の末尾記号は性能順位ではなく主な搭載法と任務の違いを示す

M240BとM240Lの重量差|公式値は条件を揃えて読む

M240BとM240Lの重量差|公式値は条件を揃えて読む

米陸軍CPE Groundの現行装備ページは、M240Bを27.6lb、M240Hを26.3lb、短銃身・伸縮銃床構成のM240Lを21.8lbとする。メートル法へ概算すると、それぞれ約12.5kg、約11.9kg、約9.9kgである。

型・資料条件公式重量概算kg条件・注意
M240B27.6lb約12.5kg米陸軍CPE Ground掲載値
M240L21.8lb約9.9kg短銃身・伸縮銃床構成。M240Bより5.8lb軽い
M240H26.3lb約11.9kg米陸軍が航空型として掲載する値
M240G25.6lb約11.6kg米海兵隊公開教範の銃本体値。三脚込みシステムは45.6lb
英国L7A213.85kg13.85kg英陸軍ページの「銃+50発ベルト」値。米軍の銃本体値と直比較しない
カナダC6/C6A111.6kg/12.1kg同左カナダ陸軍ページの掲載値。付属品条件はページ上で細分されていない

重量について、M240Lの「21.8lb」と「22.3lb」が資料によって混在することがある。米陸軍の歩兵教範補足は標準銃身構成を22.3lb、短銃身ではさらに0.5lb軽いと説明し、現行装備ページは短銃身・伸縮銃床構成を21.8lbとしている。矛盾ではなく、構成条件の違いを先に確認すべき例である。

M240Lは、ただ鋼材を薄くした銃ではない。米陸軍によれば、強度が必要な作動部の鋼を維持しつつ、レシーバーなどへチタンを採用し、加工、リベット、表面処理も材料特性に合わせて変更した。FN Americaも2025年の追加契約発表で、M240B比約18%、5lbの軽量化を示す。

軽量化は「古い設計を捨てる」のではなく、信頼性と耐久性を保つという要求の中で材料と製法を変える仕事だった。私はこのM240Lこそ、FN MAGの設計が固定化した遺物ではなく、制約を受け止めながら更新できるプラットフォームだと示す存在だと考える。

M240B・M240L・M240H・M240G・L7A2・C6の公式重量と測定条件
重量は銃本体、短銃身、50発ベルト、三脚込みなど条件を揃えて読む

現行採用はどう確認するか|米英加の公式ページで見る

現行採用はどう確認するか|米英加の公式ページで見る

「FN MAGは今も現役か」という問いには、国名の長い羅列より、日付の新しい調達と各国軍の現行装備ページで答える方が確実である。

米国|M240B・L・Hと車載型を公式資料で確認

米陸軍CPE Groundは2026年現在、M240B/L/Hを一つの装備ページに掲載している。FN Americaは2025年7月にM240L、2026年3月に米陸軍・米海軍向けM240Bの追加契約を発表した。2025年のDLA向け銃身契約も、M240系列が新造銃だけでなく交換部品と維持基盤を必要とする現役装備であることを示す。

さらに米陸軍DEVCOMは2026年7月、M240用二脚の下脚を複数部品の溶接構造から一体加工部品へ変える改善案を公表した。記事はまだ兵士に配備していない試作品段階だと明記しているため、現行装備と将来改良を混同してはいけない。それでも、製造容易性、強度、廃材削減を見直し続ける対象であることは分かる。

英国|L7A2を軽用途・持続射撃・車両・ヘリで運用

英陸軍の現行装備ページは、L7A2 GPMGを7.62×51mmベルト給弾式とし、二脚を用いる軽用途、三脚と光学照準器を組み合わせる持続射撃用途を説明する。車両の多くと一部ヘリコプターにも搭載されるとしており、FN MAGの汎用性を一国の装備体系で確認できる好例である。

カナダ|C6からC6A1へ更新

カナダ陸軍の装備ページは、C6をC6A1へ更新中と説明する。C6A1はC6の基本設計を土台に、複合材銃床、照準器用レール、外部から扱えるガスレギュレーターなどを加えた近代化型である。歩兵携行だけでなく、装輪装甲車やレオパルト2系列などへの搭載も公式に示される。

この三か国だけでも、FN MAG系統が「昔の歩兵機関銃」ではなく、調達、部品供給、材料更新、照準器対応、搭載プラットフォームの更新を伴う装備だと分かる。ただし、各国ページの更新日は異なる。公開直前には名称、契約、装備ページの掲載状態を再確認する必要がある。

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米国のM240・英国L7A2・カナダC6A1を現行装備ページと契約で確認する三列図
現役性は国名の羅列ではなく現行装備ページ・追加契約・更新計画で確認する

FN MAGが使われ続ける理由と弱点

FN MAG/M240が長く使われる理由は、単一の性能値では説明できない。少なくとも五つの要素が重なっている。

1. 7.62×51mm NATO弾とリンクベルトを使う西側の補給体系に乗ったこと 2. 歩兵、二脚、三脚、車両、航空、海上の各構成を同じ基本設計から作れたこと 3. 鋼製レシーバーを核に、重量より剛性と耐久性を重視したこと 4. 英国L7、カナダC6、米国M240のように各国生産・仕様へ展開できたこと 5. M240LやC6A1のように材料、銃床、レール、照準器対応を更新できたこと

一方、強みの裏側には明確な弱点がある。第一は重量だ。M240Bは米陸軍公式値で27.6lbあり、弾薬、予備銃身、銃架、照準器などを含むチーム全体の負担は銃本体より大きい。M240Lが5lb超の軽量化を必要とした事実そのものが、M240Bの重量問題を示している。

第二に、汎用性は「どの構成でも最軽量・最適」という意味ではない。5.56mm軽機関銃の携行性、12.7mm重機関銃の対物能力、固定搭載専用火器の統合性とは役割が違う。FN MAGはその中間で、7.62mmの継続火力を多様な台座へ載せられることに価値がある。

この論点を広く比較するなら、「M2ブローニング重機関銃とは|.50口径・構造・運用史を解説」もあわせて確認したい。

この論点を広く比較するなら、「PKM機関銃とは|軽量な7.62mm汎用機関銃の構造と採用国」もあわせて確認したい。

ここは比較記事で誤解が起きやすい。M2ブローニングは12.7mm重機関銃であり、M240より大きな弾薬と対物用途を担う。MINIMIは主に5.56mm軽機関銃として分隊での携行性を重視する。MG42やPKMはそれぞれ別の技術・運用系譜を持つ。「最強」を一つに決めるのではなく、弾薬、重量、台座、持続性、補給を同時に見るべきである。

製造と補給が長寿を支える|設計図だけでは世界標準にならない

優れた銃が長く使われるには、図面の完成度だけでなく、製造、品質管理、部品、教育、改修を何十年も維持する仕組みが必要である。FN MAGは英国のライセンス生産、カナダのC6系列、米国サウスカロライナ州でのM240生産へ広がった。

米国では、FN Americaが2026年3月の契約発表で、M240Bをサウスカロライナ州コロンビアの工場で生産するとしている。さらに2025年3月の米国防兵站局向け契約は、M240・M249用銃身を供給する上限約3964万ドルのIDIQ契約だった。新しい銃の購入だけでなく、消耗部品を継続供給できることが現役期間を支える。

M240Lは製造面の難しさも示す。米陸軍によれば、チタンは鋼より加工時間がかかり、工具の交換頻度も上がる。異種金属との接触や高温下の表面状態を考慮し、リベットや被膜も再設計された。軽い材料へ置換すれば終わりではなく、量産品質を維持する工程まで作り直さなければならない。

2026年の二脚改善も同じ文脈で読める。兵士が見た外形を大きく変えなくても、五つの溶接部品を一つの加工品へ変えれば、溶接資格、検査、治具、廃材、供給上の故障点を減らせる可能性がある。まだ将来調達用の図面へ組み込む段階だが、成熟装備ほど“目立たない作りやすさ”が重要になる。

私がFN MAGを「世界標準」と呼ぶ理由は、採用国の数だけではない。歩兵、車両、航空、海上で同じ設計思想を共有しながら、各国が自国の製造・補給・近代化の時間軸へ組み込めたからだ。傑作の本体は銃だけではなく、更新を止めない産業基盤にある。

よくある質問

FN MAGとM240は同じ銃ですか?

同じ設計系統だが、名称の範囲が違う。FN MAGはFN Herstalが開発した原型・製品系列、<span class="swl-marker mark_blue">M240</span>は米軍が採用した仕様と派生型の総称である。M240B、C、D、H、Lは任務別の構成を示す。

MAG 58の「58」は何ですか?

1958年の採用と結び付いた呼称である。FN Herstalの公式史では、スウェーデンが1958年にKsp 58として最初に採用したと説明される。MAG自体はフランス語のMitrailleuse à Gazに由来する。

M240BとM240Lは何が違いますか?

<span class="swl-marker mark_blue">M240</span>LはM240Bの信頼性・性能要求を維持しつつ、チタン製レシーバーなどで軽量化した型である。米陸軍の現行ページではM240B 27.6lb、短銃身・伸縮銃床のM240L 21.8lbで、差は5.8lbとされる。

M240GはM240Bより軽いのですか?

米海兵隊の公開教範は<span class="swl-marker mark_blue">M240</span>G銃本体を25.6lbとするが、M240Bの現行<span class="swl-marker mark_green">公式値</span>とは資料年代や<span class="swl-marker mark_orange">構成条件</span>が異なる。数字だけで型の優劣を決めず、銃身、銃床、付属品、三脚、弾薬を含む条件を確認する必要がある。

FN MAGは何か国で採用されていますか?

FN Herstalは2025年の公式史で「90か国超に採用」と説明する。これは歴史上の採用実績を示すメーカー発表であり、全採用国の現在の配備型、丁数、第一線運用を保証する数字ではない。

英国のL7A2やカナダのC6もFN MAGですか?

いずれもFN MAG系統である。英陸軍はL7A2をGPMGとして現行装備ページに掲載し、カナダ陸軍はC6をFN MAG系統のC6A1へ更新する方針を示している。

FN MAGは軽機関銃ですか、重機関銃ですか?

一般には7.62mm<span class="swl-marker mark_yellow">汎用機関銃</span>、米軍の装備区分では中機関銃として扱われる。二脚で歩兵が携行できても、主に5.56mmの軽機関銃とは弾薬・重量・役割が違い、12.7mmのM2重機関銃とも別区分である。

なぜ新型に全面交代しないのですか?

2026年時点でも<span class="swl-marker mark_blue">M240</span>BとM240Lの追加契約、銃身供給、二脚改善が続いている。基本性能だけでなく、既存の銃架、照準器、弾薬、部品、教育、生産設備を含む体系が成熟し、必要な箇所を段階的に更新できるためである。

まとめ|FN MAGの強さは一つの基本設計で任務をつなぐこと

FN MAGはFN Herstalが1950年代に形にした7.62×51mm汎用機関銃で、M240は米軍仕様の系列である。米軍では1977年の車載用採用から歩兵、航空、艦艇へ用途が広がり、M240B、C、D、H、Lなどが役割を分担してきた。

長寿の理由は、発射速度の数字一つではない。堅牢なレシーバー、持続使用を見据えた構成、二脚・三脚・銃架への適応、各国生産、部品供給、照準器対応、そしてM240Lの材料更新までを一つの設計系列で受け止めたことにある。

もちろん重量は弱点であり、汎用性も万能を意味しない。それでも、歩兵・車載・航空・艦載を一つの基本設計で支える適応力こそFN MAGの本当の強さである。1950年代の機関銃が2026年にも新規契約と改良の対象である事実は、派手な新しさより、任務と補給へ誠実な設計が長く残ることを示している。

参考資料

  • <a href="https://fnherstal.com/en/defence/portable-weapons/fn-mag/">FN MAG® – FN Herstal</a>
  • <a href="https://fnherstal.com/en/blog/from-innovation-to-legend-the-story-of-the-fn-mag/">fnherstal.com</a>
  • <a href="https://cpeground.army.mil/Equipment/Equipment-Portfolio/PM-MBCT-Lethality-Portfolio/M240B-L-H-Medium-Machine-Gun/">cpeground.army.mil</a>
  • <a href="https://www.army.mil/article/70914/soldiers_play_key_role_in_fielding_lighter_machine_gun">army.mil</a>
  • <a href="https://fnamerica.com/press-releases/u-s-army-awards-4-9-million-contract-for-more-fn-m240l-medium-machine-guns/">fnamerica.com</a>
  • <a href="https://fnamerica.com/press-releases/fn-awarded-9-9-million-contract-from-u-s-army-and-navy-for-machine-guns/">fnamerica.com</a>
  • <a href="https://www.army.mod.uk/learn-and-explore/equipment/small-arms-and-support-weapons/general-purpose-machine-gun/">General Purpose Machine Gun – British Army</a>
  • <a href="https://www.canada.ca/en/army/services/equipment/weapons/c6-general-purpose-machine-gun.html">canada.ca</a>
  • <a href="https://www.marines.mil/Portals/1/MCWP%203-15.1.pdf">marines.mil</a>

参考資料・主な出典

公式製品ページ|資料を確認

公式史|資料を確認

Multi Weapon Mount|資料を確認

公式解説|資料を確認

米陸軍契約発表|資料を確認

現行装備ページ|資料を確認

追加契約発表|資料を確認

現行装備ページ|資料を確認

装備ページ|資料を確認

米国防兵站局向け契約|資料を確認

fnamerica.com|資料を確認

marines.mil|資料を確認

Improved M240 bipod delivers same effectiveness to Soldier with fewer speedbumps|資料を確認

Fort Benning's Maneuver Innovation Lab enhances Abrams lethality with Soldier-driven solution|資料を確認

Ukrainian Combat Employment of the Bradley Fighting Vehicle|資料を確認

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