「特殊部隊」という言葉を聞いて、君はどんなイメージを抱くだろうか。
暗闘の中を静かに進む影。一瞬の判断が生死を分ける極限の世界。国家が抱える最も危険な任務を遂行する、選び抜かれた戦士たち。彼らは表舞台には決して現れない。だが、世界中で起きる人質救出作戦、テロリストの掃討、そして「あの男」を追い詰めた夜の襲撃——その裏には必ず彼らがいた。
私は長年、各国の軍事情報を追い続けてきた。今回は、その集大成として「世界最強の特殊部隊TOP10」を紹介する。ランキングの基準は、実戦での戦績、訓練の過酷さ、装備の先進性、そして何より「任務完遂率」だ。
正直に言おう。このランキングは物議を醸すかもしれない。だが、私は確信を持ってこの順位をつけた。
そして、我が日本の特殊作戦群がどの位置にいるのか——その答えも、この記事の中にある。
特殊部隊とは何か——「Tier 1」の意味を理解する

まず、特殊部隊の世界を理解するために「Tier(ティア)システム」を説明しておく必要がある。
アメリカ軍は特殊部隊を能力と機密度によって階層化している。最上位が「Tier 1」と呼ばれるエリート中のエリートだ。Tier 1部隊は、国家最高レベルの機密任務を遂行する。その存在すら公式には認められていないことも多い。
Tier 1の特徴は以下の通りだ。
- 装備の自由度が極めて高く、隊員は任務に応じて最適な武器を自ら選択できる。
- 訓練期間は他の部隊の数倍に及び、選抜率は応募者の数パーセントにとどまる。
- そして何より、彼らは「失敗が許されない任務」を担う。
今回のランキングでは、このTier 1クラスの部隊を中心に、各国の最精鋭を比較していく。では、いよいよ本題に入ろう。
第10位:シャイェテット13(イスラエル海軍)
イスラエルという国は、建国以来70年以上にわたって戦争状態にある。その厳しい環境が生み出した海上特殊部隊が「シャイェテット13」だ。
シャイェテット13は1949年に創設された。イスラエル国防軍の中でも最も古い歴史を持つ特殊部隊であり、イギリスのSBS(特殊舟艇部隊)をモデルにしている。
この部隊の恐ろしさは、その任務範囲の広さにある。
海上でのテロ対策、水中爆破、情報収集、そして敵国領土への潜入作戦——すべてをこなす。特に近年は、イラン製武器を積んだ船舶の臨検作戦で頻繁に出動している。
訓練期間は20ヶ月にも及ぶ。この期間、候補者は地獄のような試練を課される。海上での長距離泳力テスト、閉所での潜水訓練、そして精神的な限界を試す耐久テスト。脱落率は90%を超える。
装備面では、2023年にSIG MCXをメインウェポンとして採用した。これにより、従来使用していた5種類のライフルを統一し、作戦効率が大幅に向上している。
シャイェテット13は「静かなる刃」として、中東の海域を監視し続けている。
第9位:サイェレット・マトカル(イスラエル国防軍)
もう一つのイスラエル部隊が9位にランクインした。サイェレット・マトカルは、イスラエル国防軍参謀本部直属の偵察部隊だ。
この部隊が世界的に有名になったのは、1976年の「エンテベ空港奇襲作戦」だ。パレスチナ解放人民戦線にハイジャックされた航空機を追って、ウガンダのエンテベ空港まで4,000km以上を飛行。100名以上の人質を救出した。この作戦は今なお、特殊部隊史上最も大胆な作戦の一つとして語り継がれている。
サイェレット・マトカルの特徴は、そのモットーにある。「Who Dares Wins(挑む者が勝つ)」——これはイギリスSASから受け継いだものだ。実際、サイェレット・マトカルの創設者はSASの元隊員であり、その精神は今も脈々と受け継がれている。
興味深いのは、この部隊の出身者が政界で活躍していることだ。ベンヤミン・ネタニヤフ元首相、エフード・バラック元首相、ナフタリ・ベネット元首相——いずれもサイェレット・マトカルの元隊員だ。イスラエルでは、この部隊での経験が政治的なキャリアにも大きな影響を与えている。
訓練期間は約20ヶ月。アラビア語を含む語学訓練、高度な偵察技術、そして近接戦闘(CQB)の習得が求められる。
第8位:GIGN(フランス国家憲兵隊治安介入部隊)
フランスの「GIGN」は、1974年に創設されたテロ対策のエキスパート部隊だ。
GIGNが世界的な名声を得たのは、創設からわずか数年後のことだった。1976年から1985年までの間に650以上の作戦を実行し、500名以上の人質を救出している。この数字は驚異的だ。
この部隊の特徴は、「射撃精度」への徹底したこだわりにある。一般の警察官が年間13発しか実弾を撃たないのに対し、GIGNの隊員は1日300発以上を撃つ。この圧倒的な練習量が、一発で決める精度を生み出している。
選抜率はわずか7%。全隊員がパラシュート降下資格を持ち、4つの介入中隊(空挺2個、戦闘潜水2個)で構成されている。
GIGNはフランス国内だけでなく、海外領土での任務も担当する。2013年のソマリア人質救出作戦では、ソマリアまで出動して作戦を遂行した。
私が特に注目しているのは、GIGNの「交渉重視」の姿勢だ。彼らは武力突入を最後の手段と位置づけ、可能な限り交渉による解決を目指す。しかし、交渉が決裂した瞬間、彼らは世界最高レベルの突入能力を発揮する。この「静と動」の切り替えが、GIGNの真骨頂だ。
第7位:GSG-9(ドイツ連邦警察第9部隊)
1972年のミュンヘンオリンピック。パレスチナ武装組織「黒い九月」がイスラエル選手団を襲撃し、11名が殺害された。この悲劇がGSG-9を生んだ。
ドイツ政府は、二度と同じ過ちを繰り返さないと誓った。そして翌1973年、連邦警察内に対テロ特殊部隊「GSG-9」を創設した。
GSG-9が世界にその実力を示したのは、1977年の「モガディシュ事件」だ。ルフトハンザ航空機がハイジャックされ、ソマリアのモガディシュ空港に着陸。GSG-9は5,000km以上を移動して現地に到着し、わずか数分の突入作戦で全人質を救出した。犯人グループは3名射殺、1名逮捕。人質側の死者はゼロ。完璧な作戦だった。
現在のGSG-9は約400名で構成されている。装備面では、H&K製の火器を中心に、MP5、MP7、G36、HK416などを使用している。特にH&K MP5は、GSG-9が採用したことで世界中の特殊部隊に普及した経緯がある。
GSG-9の訓練は、GIGN、FBI HRT、イスラエルのYAMAMなど、世界各国の特殊部隊と共同で行われている。この国際的なネットワークが、GSG-9の能力をさらに高めている。
ドイツという国が「戦争」に対して特別な感情を持っていることは周知の通りだ。しかし、GSG-9の存在は、ドイツが自国民を守るために必要な武力を放棄していないことを示している。
ドイツの防衛企業H&Kの製品は日本の自衛隊でも使用されている。GSG-9が実戦で証明した信頼性が、その採用を後押ししているのだ。
第6位:KSK(ドイツ陸軍特殊作戦コマンド)
GSG-9が「警察」の特殊部隊なら、KSKは「軍」の特殊部隊だ。
KSKの創設は1996年。きっかけは1994年のルワンダ内戦だった。ドイツ国民が危機的状況に置かれた際、自国の軍にその救出能力がないことが露呈した。この屈辱が、KSKを生んだ。
KSKはSAS、デルタフォース、GSG-9をモデルに設立された。その任務は、対テロ作戦、人質救出、特殊偵察、直接行動——いわゆる「Tier 1」の任務すべてをカバーする。
コソボ紛争、アフガニスタン——KSKは創設以来、世界各地の紛争地域で任務を遂行してきた。特にアフガニスタンでは、タリバンやアルカイダの指導者を追い詰める「マンハント」任務に投入された。
装備面では、H&K G36をメインウェポンとし、HK416、MP7、各種狙撃銃を使い分ける。特殊部隊員にはある程度の装備選択の自由が与えられており、任務に応じて最適な武器を選ぶことができる。
KSKの選抜訓練は過酷を極める。3週間の選抜コースでは、体力、精神力、チームワークのすべてが試される。脱落率は非常に高く、最終的に残るのは応募者のごく一部だ。
私がKSKを高く評価する理由は、その「謙虚さ」にある。彼らは派手な宣伝を好まず、静かに任務を遂行する。ドイツ人気質と言えばそれまでだが、この姿勢こそが真のプロフェッショナルの証だと思う。
第5位:アルファ部隊(ロシア連邦保安庁)
冷戦の亡霊。そう呼ぶのが最もふさわしいかもしれない。
アルファ部隊は1974年、KGBの対テロ特殊部隊として創設された。ミュンヘンオリンピック事件を受けて、ソ連も独自の対テロ部隊が必要だと判断したのだ。
アルファ部隊が世界にその存在を知らしめたのは、1979年のアフガニスタン侵攻だった。ハフィーズッラー・アミーン大統領の宮殿を襲撃し、わずか数十分で制圧。この「タージベク宮殿襲撃」は、アルファ部隊の伝説的な作戦として今も語り継がれている。
ソ連崩壊後、アルファ部隊は連邦保安庁(FSB)の傘下に入った。そして今日まで、ロシア国内の対テロ作戦を担当している。
2002年のモスクワ劇場占拠事件は、アルファ部隊の「暗黒面」を示す出来事でもあった。チェチェン武装勢力に占拠された劇場に化学剤を投入して突入。テロリストは全員射殺されたが、人質130名以上も死亡した。この事件は、アルファ部隊の「任務完遂優先」の姿勢を世界に示した。
アルファ部隊の隊員は全員が将校クラスの階級を持つ。その能力はロシアの治安機関において最高峰とされている。
装備面では、AK-74、AS Val、PP-91などのロシア製火器を中心に使用するが、一部ではグロック、H&K MP5、M4カービンなど西側製の装備も配備されている。
2022年以降のウクライナ情勢において、ロシアの特殊部隊は大きな打撃を受けたとの報道もある。しかし、アルファ部隊の核心的な能力は維持されていると見られている。
第4位:特殊作戦群(陸上自衛隊)
ここで、我が日本の誇りを紹介したい。陸上自衛隊の「特殊作戦群」だ。
特殊作戦群は2004年に創設された。イラク・アフガニスタンでの対テロ戦争、そして北朝鮮による拉致問題——日本を取り巻く安全保障環境の変化が、この部隊を生んだ。
正直に言おう。特殊作戦群の詳細は、ほとんど公開されていない。駐屯地は習志野、隊員数は約300名程度と推測されている。だが、その具体的な装備や作戦内容は秘匿されている。
しかし、断片的な情報から、その実力の高さがうかがえる。
特殊作戦群はアメリカのデルタフォースとグリーンベレーをモデルに設立された。選抜率は約3%と言われ、日本の軍事組織において最も過酷な選抜過程を持つ。
訓練では、アメリカ、オーストラリアなど同盟国の特殊部隊との共同演習が頻繁に行われている。言語能力、サバイバル技術、CQB(近接戦闘)、そして情報収集——あらゆる能力が求められる。
実戦経験については、イラク派遣時の邦人保護任務、スーダンでの邦人救出支援などが知られている。表に出ていない任務も多いはずだ。
そして2026年、特殊作戦群は大きな転換点を迎える。中央即応連隊との統合により「特殊作戦集団」として再編される予定だ。これにより、日本の特殊作戦能力はさらに強化される。
私は日本人として、特殊作戦群の隊員たちに心からの敬意を表したい。彼らは国民の目に触れることなく、日本の平和と安全を守り続けている。
日本の戦闘機一覧や海上自衛隊の艦艇完全ガイドでも紹介しているが、日本の自衛隊は装備の質において世界トップクラスだ。特殊作戦群も例外ではない。
第3位:SAS(イギリス陸軍特殊空挺部隊)
「Who Dares Wins」——挑む者が勝つ。
世界中の特殊部隊がこのモットーを知っている。なぜなら、SASこそが「現代特殊部隊の原型」だからだ。
SASは1941年、第二次世界大戦中に創設された。北アフリカ戦線で、ドイツ軍の後方を攪乱する特殊作戦部隊として誕生した。以来80年以上、SASは世界最高の特殊部隊としてその地位を守り続けている。
SASが世界にその存在を示したのは、1980年の「イラン大使館人質事件」だ。ロンドンのイラン大使館が武装グループに占拠され、人質26名が拘束された。6日間の膠着状態の後、SASは突入を決行。わずか17分で作戦を完了し、26名中25名の人質を救出した。この瞬間はテレビ中継され、世界中がSASの実力を目撃した。
現在のSASは、正規軍の第22SAS連隊と、予備役の第21SAS、第23SASで構成されている。
SASの選抜訓練は伝説的な過酷さで知られる。6ヶ月間の選抜コースでは、ウェールズのブレコン・ビーコンズ山地での耐久行軍が課される。合格率はわずか5〜10%。体力だけでなく、極限状態での判断力と精神力が試される。
SASの影響力は計り知れない。アメリカのデルタフォース、オーストラリアのSASR、ニュージーランドのSAS——世界中の特殊部隊がSASをモデルに創設された。「特殊部隊の父」と呼んでも過言ではない。
装備面では、CQBにおいてH&K MP5を長年使用してきたが、近年はSIG MCX、HK416、C8カービンなど多様な火器を運用している。
私がSASを3位に置いた理由は、その「歴史と伝統」にある。80年以上にわたって最前線で戦い続け、今なお世界最高峰の実力を維持している。これは驚異的なことだ。
第2位:DEVGRU / SEAL Team Six(アメリカ海軍特殊戦開発グループ)
2011年5月2日。パキスタン、アボッターバード。
その夜、2機のステルスヘリコプターが高い塀に囲まれた邸宅に向かった。中にいるのは、9.11テロの首謀者オサマ・ビン・ラディン。そして、ヘリから降り立ったのはDEVGRU——通称「SEAL Team Six」の隊員たちだった。
38分後、世界で最も追われていた男は死んだ。
この「ネプチューン・スピア作戦」は、DEVGRUを世界で最も有名な特殊部隊にした。しかし、その実力は以前から認められていた。
DEVGRUは1980年代初頭、リチャード・マーシンコによって創設された。当時、アメリカ海軍にはSEAL Team 1とSEAL Team 2しか存在しなかったが、ソ連を欺くために「6」という番号が付けられた。
DEVGRUの特徴は、その徹底した「海上作戦」への特化だ。SEALsの伝統を受け継ぎ、水中潜入、船舶臨検、海上人質救出などの任務でその真価を発揮する。ソマリア沖での船長救出作戦(映画「キャプテン・フィリップス」の題材)も、DEVGRUの作戦だった。
組織構成は、4つの突撃中隊(ブルー、レッド、ゴールド、シルバー)、1つの情報収集中隊(ブラック)、1つの機動・支援中隊(グレー)からなる。
DEVGRUに入隊するためには、まずSEALsの基礎訓練(BUD/S)を修了し、SEALチームで経験を積む必要がある。その後、「グリーンチーム」と呼ばれる選抜・評価課程を通過しなければならない。この課程では、特にCQB(近接戦闘)に重点が置かれる。
私がDEVGRUを2位に置いた理由は、その「実戦経験」だ。アフガニスタン、イラク、そして世界中の秘密作戦——DEVGRUほど実戦を経験している部隊は少ない。そして、その全ての作戦で高い成功率を維持している。
第1位:デルタフォース(アメリカ陸軍第1特殊作戦部隊デタッチメント-デルタ)
世界最強。その称号を与えるなら、この部隊しかいない。
デルタフォース——正式名称「第1特殊作戦部隊デタッチメント-デルタ(1st SFOD-D)」。アメリカ陸軍が誇る最高機密の特殊部隊だ。
デルタフォースは1977年、チャールズ・ベックウィズ大佐によって創設された。ベックウィズはイギリスSASで訓練を受けた経験があり、SASをモデルにデルタフォースを設計した。そのため、両部隊の間には今でも強い絆がある。
デルタフォースの特徴は、その「多様性」にある。DEVGRUがSEALsからのみ隊員を募集するのに対し、デルタフォースは陸軍、海軍、空軍、海兵隊——全ての軍種から志願者を受け入れる。元DEVGRUの隊員がデルタフォースに移籍することすらある。
この多様性が、デルタフォースの強さの源だ。様々なバックグラウンドを持つ隊員が集まることで、あらゆる状況に対応できる柔軟性が生まれる。
2015年、シリアでISIS幹部アブ・サイヤフを殺害したのはデルタフォースだった。
2003年、イラクでサダム・フセインを発見・拘束する作戦を主導したのもデルタフォースだった。
2006年、アブ・ムサブ・アル=ザルカウィを追い詰めたのもデルタフォースだった。
デルタフォースの選抜訓練は「OTC(Operator Training Course)」と呼ばれ、その詳細はほとんど公開されていない。しかし、約6ヶ月間にわたる過酷な訓練であることは知られている。
装備面では、完全な「自由」が与えられている。任務に応じて、隊員は自らの判断で最適な武器を選択できる。HK416、M4カービン、グロック、SIG P320——世界中の最高級火器が彼らの「道具箱」に入っている。
私がデルタフォースを1位に選んだ理由は、総合力だ。
訓練の質、装備の先進性、実戦経験、任務完遂率——全てにおいて世界最高峰。これが「Tier 1オブTier 1」と呼ばれる所以だ。
デルタフォースとDEVGRUの違い——よくある誤解を解く
「デルタフォースとSEAL Team Sixは何が違うの?」
この質問をよく受ける。両者は確かに似ている。
どちらもTier 1の特殊任務部隊であり、JSOC(統合特殊作戦コマンド)の指揮下にある。対テロ作戦、人質救出、要人暗殺——任務内容もほぼ同じだ。
しかし、重要な違いがある。
まず、募集範囲が異なる。デルタフォースは全軍種から募集するが、DEVGRUはSEALコミュニティからのみ募集する。これにより、デルタフォースはより多様なスキルセットを持つ部隊となっている。
次に、得意分野が異なる。DEVGRUは海軍の伝統を受け継ぎ、海上作戦に特化している。一方、デルタフォースはより汎用的で、あらゆる環境での作戦に対応できる。
「どちらが強いか」という質問には、正直答えがない。ある元デルタ隊員は「どちらの部隊にも強みと弱みがある。優劣はない」と語っている。
私の見解では、両部隊は「補完関係」にある。海上任務ならDEVGRU、それ以外ならデルタフォース——そう使い分けることで、アメリカは世界最強の特殊作戦能力を維持しているのだ。
惜しくもランク外——世界の精鋭たち
TOP10に入らなかったが、言及すべき部隊がいくつかある。
Navy SEALs(アメリカ海軍特殊部隊)——DEVGRUの「母体」となる部隊だ。Tier 2〜3に分類されるが、その実力は世界トップクラス。映画やドラマで最も有名な特殊部隊かもしれない。
グリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊群)——「非正規戦」のスペシャリスト。現地勢力との連携、訓練、支援を専門とする。アフガニスタンやシリアでの作戦で重要な役割を果たした。
75thレンジャー連隊(アメリカ陸軍)——「蹴破り屋」の異名を持つ即応部隊。デルタフォースやDEVGRUの支援任務を担うことも多い。
オーストラリアSASR——イギリスSASの流れを汲む精鋭部隊。極限環境での作戦能力に定評がある。
カナダJTF2——全環境対応の特殊部隊。特に寒冷地作戦に強い。
ポーランドGROM——「雷」を意味する名を持つ東欧の精鋭。NATOとの共同作戦で高い評価を得ている。
これらの部隊も、状況によってはTOP10に入る実力を持っている。
特殊部隊の装備を「手に入れる」方法
ここまで読んでくれた君に、特別な提案がある。
特殊部隊が使用する装備——それを「体感」する方法があるのだ。
まず、エアガンの世界を紹介したい。東京マルイのMP5は、GSG-9やSASが使用した実銃と同じ重量バランスを再現している。実銃の感覚を安全に体験できる最高のツールだ。
HK416のエアガンモデルも人気がある。デルタフォースやDEVGRUが使用するこのライフルは、そのエルゴノミクスの良さで知られている。サバゲーで使えば、特殊部隊員の気分を味わえるだろう。
次に、映画をおすすめしたい。
「ゼロ・ダーク・サーティ」——ビン・ラディン追跡とネプチューン・スピア作戦を描いた傑作。DEVGRUの作戦がリアルに再現されている。
「ローン・サバイバー」——SEALsのレッドウィング作戦を描いた実話。過酷な戦場の現実を知ることができる。
「ブラックホーク・ダウン」——ソマリアでのデルタフォースとレンジャーの戦いを描いた名作。特殊部隊の「負けない戦い」を体感できる。
「SAS:レッド・ノーティス」——イギリスSASを題材にしたアクション映画。エンターテインメントとしても楽しめる。
書籍なら、元SEAL隊員クリス・カイルの「アメリカン・スナイパー」がおすすめだ。特殊部隊員の内面に迫る貴重な記録だ。
第二次世界大戦の銃器ランキングTOP15でも紹介しているが、歴史的な銃器を知ることは現代の特殊部隊装備を理解する上でも重要だ。MP5のルーツをたどれば、H&K社の銃器設計思想が見えてくる。
日本の特殊部隊はどこへ向かうのか
最後に、日本の特殊作戦能力の将来について考えたい。
2026年に予定されている「特殊作戦集団」への再編は、大きな転換点となる。これにより、特殊作戦群と中央即応連隊が統合され、より大規模で柔軟な部隊が誕生する。
しかし、課題も多い。
まず、実戦経験の不足がある。アメリカやイギリスの特殊部隊は、アフガニスタンやイラクで豊富な実戦経験を積んだ。一方、日本の特殊作戦群は、憲法の制約もあり、大規模な実戦投入の機会がなかった。
それでも、私は日本の特殊部隊の将来に希望を持っている。
同盟国との共同訓練、装備の近代化、そして何より隊員一人一人の高い資質——これらが、日本の特殊作戦能力を着実に向上させている。
中国の軍事的台頭、北朝鮮の核・ミサイル開発——中国人民解放軍の軍事力とは?陸海空の主要装備と戦力をわかりやすく解説【2025年版】でも分析しているように、日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。だからこそ、特殊作戦群のような「最後の切り札」の存在が重要なのだ。
まとめ——影の戦士たちに敬意を
世界最強特殊部隊ランキングTOP10、いかがだっただろうか。
改めて順位を整理しておこう。
1位:デルタフォース(アメリカ)
2位:DEVGRU / SEAL Team Six(アメリカ)
3位:SAS(イギリス)
4位:特殊作戦群(日本)
5位:アルファ部隊(ロシア)
6位:KSK(ドイツ)
7位:GSG-9(ドイツ)
8位:GIGN(フランス)
9位:サイェレット・マトカル(イスラエル)
10位:シャイェテット13(イスラエル)
このランキングには異論もあるだろう。特殊部隊の「強さ」を客観的に測ることは不可能だ。しかし、私はこの順位に自信を持っている。
最後に、一つだけ言わせてほしい。
特殊部隊員たちは、決して表舞台に立つことはない。彼らの名前が報道されることはほとんどなく、その功績が称えられることも少ない。
しかし、彼らは確実に存在している。今この瞬間も、世界のどこかで、誰かの命を守るために戦っているかもしれない。
その「影の戦士たち」に、心からの敬意を表したい。
そして、日本の特殊作戦群の隊員たちへ——ありがとう。君たちのおかげで、私たちは平和に暮らせている。
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