サブマシンガン最強ランキングTOP10|MP5・MP7・P90…現役最強の短機関銃を徹底比較【2026年版】

サブマシンガン最強ランキングTOP10のアイキャッチ

現役で最強のサブマシンガンを1挺だけ挙げるなら、答えはH&K MP5だ。閉鎖機構が生む小銃並みの命中精度と40カ国以上での採用実績は、半世紀を経た今も他を寄せ付けない。本記事では、この王者MP5を頂点に、対テロ・特殊作戦の最前線で使われる現役サブマシンガンTOP10を、実績・制御性・技術・採用国数で並べていく。

サブマシンガン(短機関銃、SMG)とは、拳銃弾をフルオートで連射する小型火器のことだ。アサルトライフルより軽く取り回しがよく、拳銃よりはるかに高い火力を持つ。市街地戦、室内突入(CQB)、要人警護といった「数メートルから数十メートル」の近接戦で真価を発揮する、特殊部隊と法執行機関の主役である。

この記事では、現役で運用されている短機関銃に絞ってランキングを組んだ。第二次世界大戦の名銃や歩兵分隊を支える機関銃は対象が異なるため、別記事へ誘導する。まずは選定基準から整理していく。

この記事でわかること
サブマシンガン最強ランキングTOP10のアイキャッチ
現役サブマシンガンは、命中精度・制御性・採用実績・携行性をまとめて比較すると立体的に見えてくる。
目次

サブマシンガンの「最強」をどう決めるか|5つの選定基準

ランキングの前提

「最強」という言葉は曖昧だ。火力だけで決めるなら装弾数の多い銃が勝つし、コンパクトさだけなら拳銃に近い超小型機が勝ってしまう。そこで本記事では、軍・警察・特殊部隊が実際に銃を選ぶときの観点を5つに分け、総合点でランキングを構成した。

  1. 命中精度・制御性:フルオートでも狙ったところに当たるか。閉鎖機構や反動制御の設計が問われる。
  2. 採用実績・戦歴:どれだけの国の軍・警察・特殊部隊が選び、実戦で使われたか。
  3. 火力・貫通力:使用弾薬の威力と装弾数。近年はボディアーマー貫通能力が重視される。
  4. 携行性・取り回し:全長・重量・収納性。要人警護やCQBではコンパクトさが命を分ける。
  5. 拡張性・近代性:光学照準器やライトを載せるレールの有無、モジュラー設計など、現代戦への適応度。

ここで分類の整理をしておきたい。読者がよく混同するのが、サブマシンガン・機関銃・アサルトライフルの境界だ。

なお、グロック18のように拳銃をフルオート化した「マシンピストル」は、厳密にはサブマシンガンと別カテゴリだ。拳銃の威力比較は世界最強の拳銃ランキングを参照してほしい。本記事はあくまで、専用設計された現役の短機関銃に焦点を当てる。

それでは、10位から順に見ていく。

サブマシンガン最強ランキングTOP10【現役限定】

TOP10の読み方

第10位:9mm機関けん銃(ミネベアM9/PM-9)|国産という意地

自衛隊・警備訓練装備をイメージした写真
9mm機関けん銃やMP5、MP7系装備を見ると、日本の警備・特殊作戦装備の変化が見えてくる。
項目内容
製造国日本(ミネベア/現ミネベアミツミ)
口径9×19mmパラベラム
作動方式単純吹き戻し式(オープンボルト)
発射速度約1,100発/分
装弾数25発
採用1999年(陸海空自衛隊)

ランキングの口火を切るのは、我が国唯一の現用国産サブマシンガン、9mm機関けん銃だ。防衛省の略称はM9、海外ではMinebea PM-9とも呼ばれる。戦後に米軍から供与された11.4mm短機関銃M3A1(グリースガン)の後継、そして指揮官が携行する拳銃の火力増強を目的に、長野県のミネベアが開発した。

正直に書く。この銃の評価は、決して高くない。銃床を持たず、両手の握力だけで反動を抑える構造で、外観も機構もイスラエルのUZIに近い。集弾性は低く、光学照準器も載らない。配備部隊の指揮官からは「従来の9mm拳銃や折り曲げ銃床式の89式の方がはるかにマシ」という辛辣な声まで記録されている。海上自衛隊の特殊部隊・特別警備隊に至っては、操作性の悪さを理由に採用を見送り、最終的にドイツ製のMP5へ更新した経緯がある。1挺あたり約42万円という調達価格も、削り出し加工と少量生産が招いた重荷だ。

それでも筆者が10位に置いたのは、これが「日本の小火器産業が現に作り、現に配備している一挺」だからだ。陸自向けの調達は266挺で終了したが、航空自衛隊の基地警備隊、海上自衛隊の艦艇乗員や立入検査隊では今も700挺以上が運用されている。駐屯地の装備展示で間近に見ると、無骨な削り出しの機関部に、武器輸出に長く背を向けてきた国が抱える事情そのものが刻まれているように見える。性能ランキングの最下位は、同時に、日本の防衛産業を考える入口でもある。

第9位:PP-19-01 ヴィチャーズ|AKの信頼性をそのまま短機関銃に

項目内容
製造国ロシア(カラシニコフ・コンツェルン)
口径9×19mm(9×19mm 7N21貫通弾対応)
作動方式ブローバック(クローズドボルト)
発射速度約700発/分
装弾数30発
登場2004年

ロシア内務省と軍が制式採用する標準サブマシンガンが、このPP-19-01ヴィチャーズ(Vityaz=勇士)だ。設計の出自はAK-74で、レシーバーや操作系をカラシニコフ譲りにまとめている。つまり、泥や砂、極寒でも確実に動くという「AKの信頼性」を、そのまま9mm短機関銃に移植した一挺だ。

派手な技術的革新はない。だが、ロシア式の装備思想は「壊れないこと」を最優先する。対テロ部隊から治安維持まで、過酷な環境で数を揃えて使う前提なら、ヴィチャーズの素朴な堅牢性は強力な美点になる。9×19mmの貫通弾と組み合わせれば、近距離でのボディアーマー対処もこなす。洗練ではなく堅実さで上位の名銃に食らいついてくる、東側の実用主義の結晶である。

第8位:H&K UMP|MP5の正統後継、樹脂で軽く、.45で重く

項目内容
製造国ドイツ(ヘッケラー&コッホ)
口径.45ACP/.40S&W/9×19mm
作動方式ブローバック(クローズドボルト)
発射速度約600発/分(.45ACP)
装弾数25発(.45)/30発(9mm)
登場1999年

UMP(Universal Machine Pistol)は、H&Kが「MP5の後継」として送り出した一挺だ。MP5の精緻なローラー遅延式機構をあえて捨て、シンプルなブローバックとポリマーフレームを採用することで、大幅な軽量化とコストダウンを実現した。

最大の魅力は、.45ACPという大口径を選べる点にある。9mmより重く遅い.45ACPは、亜音速のためサプレッサーとの相性がよく、近距離での確実な制圧力に優れる。発射速度を約600発/分に抑えた設計も、フルオートでの制御をしやすくしている。MP5ほどの「芸術品」ではないが、現代的な素材と運用思想で実用性をまとめ上げた、堅実な傑作だ。MP5と並べてその思想の違いを味わうと、H&Kという会社の懐の深さが見えてくる。

第7位:CZ スコーピオンEVO 3 A1|チェコ発、コスパ最強のモジュラーSMG

項目内容
製造国チェコ(チェスカー・ズブロヨフカ/CZ)
口径9×19mm
作動方式ブローバック
発射速度約1,150発/分
装弾数20発/30発
登場2009年

チェコの名門CZが放つスコーピオンEVO 3 A1は、「現代サブマシンガンの優等生」と呼ぶにふさわしい。ポリマーを多用した軽量ボディ、両利き対応の操作系、工具なしで調整できるパーツ群。光学照準器もサプレッサーも前提にしたモジュラー設計で、しかも価格は良心的だ。

米陸軍のサブコンパクト・ウェポン選定でも候補に挙がった実力機であり、世界中の警察・軍に輸出されている。約1,150発/分という高い発射速度は好みが分かれるが、現代的な拡張性と入手性を「ちょうどいい価格」で両立させたバランス感覚は見事だ。なお、CZは近年コルトを傘下に収め、コルトCZグループとして上場している。一挺の名銃の裏に、防衛企業の合従連衡が透けて見えるのも、この銃を眺める面白さである。

第6位:UZI(ウージー)|世界を席巻した伝説のイスラエル製SMG

項目内容
製造国イスラエル(IMI/現IWI)
口径9×19mm
作動方式オープンボルト・ブローバック(テレスコピックボルト)
発射速度約600発/分(マイクロUZIは約900発以上)
装弾数20/25/32発
登場1950年代

サブマシンガンを語ってUZIを外すことはできない。設計者ウジ・ガルが1950年代に生み出したこの銃は、ボルトが銃身を包み込む「テレスコピックボルト」構造で全長を劇的に短縮した、戦後設計の金字塔だ。グリップ内に弾倉を収める方式は暗所での装填を容易にし、堅牢な金属プレス構造は数十カ国の軍・警察に採用された。

映画やゲームで「サブマシンガンといえばこの形」という原風景を作ったのもUZIだ。フルサイズから、片手で扱えるマイクロUZIまでバリエーションは広く、現代では近代化された後継のUZI PROが生産されている。純粋な最新性能では上位機に譲るが、普及の広さ、文化的影響力、そして完成された設計思想を評価し、6位に据えた。我が国の9mm機関けん銃が「UZIに似ている」と評されること自体、この銃が一つの基準点であることの証だ。

第5位:KRISS ベクター|反動を下に逃す、唯一無二の異端児

項目内容
製造国アメリカ(KRISS USA)
口径.45ACP/9×19mm/10mm/.40S&W
作動方式Super V遅延式ブローバック
発射速度約1,200発/分
装弾数.45で13/25発など
登場2000年代後半

技術ファンの心を最も強く掴むのが、このKRISSベクターだろう。最大の特徴は「Super V」と呼ばれる独自の反動制御システムだ。通常、銃の反動は射手の方向(後方)へまっすぐ伝わり、銃口が跳ね上がる。ベクターはボルトの運動を下方向へ逃がす機構を組み込み、銃口の跳ね上がりを物理的に抑え込む。

結果として、反動の強い.45ACPをフルオートで撃っても、銃口がほとんどぶれない。約1,200発/分という猛烈な連射速度にもかかわらず、弾着が一点にまとまるのだ。その近未来的な外観も相まって、登場以来エンタメ作品の常連となった。採用実績の面では上位の定番機に及ばないが、「反動制御の設計思想そのものを刷新した」という一点で、技術的価値はランキング屈指だ。発想の独創性に敬意を込めて5位とした。

第4位:B&T APC9K|米陸軍がMP5の後継に選んだスイスの精密機

APC9Kをイメージした新世代短機関銃の展示写真
APC9Kは近代的な拡張性とコンパクトさで、MP5K後継を狙う新世代SMGの象徴である。
項目内容
製造国スイス(B&T/ブリュガー&トーメ)
口径9×19mm
作動方式ブローバック(クローズドボルト)/油圧バッファ
発射速度約1,080発/分(フルサイズ参考値)
装弾数15/20/25/30発
採用米陸軍サブコンパクト・ウェポン(2019年)

2019年、米陸軍は半世紀ぶりに新型サブマシンガンの選定を行った。要人警護(PSD)部隊向けに、拳銃と小銃の中間を埋める高隠匿性の火器を求めたのだ。SIG、CZ、H&Kなど名だたるメーカーが競い合うなか、勝者となったのが、スイスのB&Tが送り込んだAPC9Kだった。米陸軍はこれを採用し、約315〜350挺を調達して、長年使われてきたMP5Kの後継に据えている。

APC9Kの強みは、徹底した近代設計にある。油圧バッファで反動と銃口の跳ね上がりを抑え、伸縮ストックで全長を約32cmまで縮められる。さらに、グロックやSIG P320の弾倉まで使える高いモジュラー性を備える。あの厳しい米陸軍トライアルで、SIGの本命を退けて頂点に立ったという実績は重い。MP5という絶対王者の後継を勝ち取った新世代機として、堂々の4位に置いた。米軍がどんな小火器を選ぶのかという視点は、世界最強特殊部隊ランキングを読むとさらに立体的に見えてくる。

第3位:FN P90|50発を撃ち尽くす、ベルギーが拓いたPDWの地平

MP7とP90をイメージしたPDW比較写真
P90とMP7は、ボディアーマー対処を意識した小口径高速弾でPDWという新しい領域を切り開いた。
項目内容
製造国ベルギー(FNハースタル)
口径5.7×28mm
作動方式ストレートブローバック
発射速度約900発/分
装弾数50発(本体上部に水平装填)
登場1990年

ここからはトップ3、すなわち「PDW(個人防衛火器)」という新ジャンルの傑作が並ぶ。その先駆けがFN P90だ。1990年に登場したこの銃は、従来のサブマシンガンの常識を根底から覆した。

まず弾薬が違う。FNが新規開発した5.7×28mm弾は、小口径・高速でボディアーマーを貫く。次に装弾方式が違う。本体上部に水平に乗る独自の弾倉に、なんと50発を収めるのだ。そしてブルパップ構造により、全長を抑えながら十分な銃身長を確保している。コンパクトな塊の中に「貫通力・多弾数・取り回し」を凝縮した、まさに未来からやってきたような一挺だった。

実戦デビューも鮮烈だった。1997年、ペルーの在ペルー日本大使公邸人質事件の解決作戦で、突入したペルー陸軍特殊部隊の一部がP90を携行していたことが確認されている。日本人にとっても他人事ではないこの事件で、P90は近接戦闘用火器として世界の注目を集めた。米シークレットサービスをはじめ各国の要人警護・特殊部隊に採用され、PDWという概念を世に定着させた功績は計り知れない。

第2位:H&K MP7|ボディアーマーを撃ち抜く、特殊作戦の現代標準

項目内容
製造国ドイツ(ヘッケラー&コッホ)
口径4.6×30mm
作動方式ガス圧式(ショートストロークピストン)
発射速度約950発/分
装弾数20/30/40発
登場2001年

P90が拓いたPDWの地平に、ドイツの巨人H&Kが投じた回答がMP7だ。FNの5.7mmに対抗し、H&Kは4.6×30mmという独自の小口径高速弾を新規開発した。この弾はライフル弾に似た細長い形状を持ち、防弾ベストやヘルメットを貫く貫通力を狙って設計されている。MP5の9mmが抱えた「ボディアーマーへの威力不足」を、口径そのものを変えることで解決した一挺だ。

MP7の凄みは、その完成度と運用実績にある。標準でピカティニーレールを備え、光学照準器やライトを自在に載せられる。伸縮ストックと折りたたみフォアグリップで、拳銃に近い秘匿携帯から両手での精密射撃まで対応する。小型軽量ながら命中精度は高く、ドイツ連邦軍に2004年に制式採用されて以降、GSG-9、KSK、英警察、そして米海軍特殊部隊DEVGRUへと採用が広がった。ウサマ・ビン・ラディン急襲作戦で使われたとされる逸話も、その信頼性を物語る。

そして日本だ。防衛省は「4.6mm短機関銃(B)」という名称で、ヘッケラー&コッホ社製・4.6×30mm弾仕様の装備を調達している。条件が完全に一致する火器は事実上MP7しか存在せず、陸上自衛隊の特殊作戦群で運用されている可能性が高いと見られている。世界の特殊部隊が選び、我が国の精鋭部隊もおそらく手にしている現代PDWの完成形。1位との差はごくわずかで、用途を「対アーマー・特殊作戦」に絞れば、実質的な最強候補と言ってよい。

第1位:H&K MP5|半世紀を君臨する、サブマシンガンの絶対王者

H&K MP5をイメージした短機関銃の展示写真
MP5はローラー遅延式ブローバックによる命中精度と採用実績で、短機関銃の王者と呼べる存在だ。
項目内容
製造国ドイツ(ヘッケラー&コッホ)
口径9×19mmパラベラム
作動方式ローラー遅延式ブローバック(クローズドボルト)
発射速度約800発/分
装弾数15/30発
登場1966年

栄えある第1位は、誰もが予想したであろうH&K MP5だ。1966年の登場から半世紀以上、この銃は「サブマシンガンの代名詞」であり続けている。あらゆる後継機・競合機が「打倒MP5」を掲げて開発され、そしてそのほとんどが王座を奪えずにいる。

MP5を不動の存在にしたのは、ローラー遅延式ブローバックという閉鎖機構だ。多くの旧来のサブマシンガンがオープンボルト(ボルトが開いた状態から撃発する方式)で命中精度を犠牲にしていたのに対し、MP5はクローズドボルトと精緻なローラー機構を採用し、小銃に匹敵する命中精度を手に入れた。「狙ったところに確実に当たる短機関銃」という当たり前を、初めて高い水準で実現したのだ。

その完成度は、採用実績が証明している。世界40カ国以上の軍・警察・特殊部隊がMP5を選んだ。サプレッサーを内蔵したMP5SD、超小型のMP5Kなど派生型も豊富で、隠密作戦から要人警護まであらゆる任務に対応する。我が国でも、警視庁SATや各都道府県警の銃器対策部隊、海上保安庁のSST、海上自衛隊の特別警備隊が採用している。

筆者がサバゲーフィールドでMP5系の実物大モデルを構えたとき、まず驚いたのはその「手に吸い付く」バランスだった。コンパクトな機関部、適度な重量、自然に頬付けできるストック。半世紀前の設計とは思えない完成度が、なぜこの銃が今なお現役なのかを雄弁に語っていた。9mmの威力不足を指摘され、APC9KやMP7に役割を譲りつつある場面もある。それでもなお、総合的な完成度と歴史的影響力において、MP5を超える短機関銃はまだ現れていない。これこそがサブマシンガンの絶対王者だ。

サブマシンガン最強ランキングTOP10 まとめ表

順位名称製造国口径特徴
1位H&K MP5ドイツ9×19mm半世紀君臨する絶対王者。閉鎖機構で小銃並みの精度
2位H&K MP7ドイツ4.6×30mm対アーマーの現代PDW。自衛隊特殊作戦群も運用か
3位FN P90ベルギー5.7×28mm50連発・ブルパップ。PDWの先駆
4位B&T APC9Kスイス9×19mm米陸軍がMP5K後継に採用した新世代機
5位KRISS ベクターアメリカ.45ACP他反動を下方へ逃すSuper Vシステム
6位UZIイスラエル9×19mm世界を席巻した戦後設計の伝説
7位CZ スコーピオンEVO 3 A1チェコ9×19mmコスパと拡張性を両立した優等生
8位H&K UMPドイツ.45ACP他樹脂で軽く、.45で重いMP5後継
9位PP-19-01 ヴィチャーズロシア9×19mmAKの信頼性を継ぐ堅実機
10位9mm機関けん銃日本9×19mm唯一の現用国産。日本の小火器産業の縮図

総合力で頂点に立つのはMP5だが、対アーマー任務ならMP7、要人警護のコンパクトさならAPC9K、というように、任務によって最適解は変わる。これがサブマシンガンというカテゴリの奥深さだ。

番外編|歴史を変えた伝説のサブマシンガン

現役機のランキングからは外したが、サブマシンガンの歴史を語るうえで欠かせない名銃がある。技術の系譜として、ここで簡単に触れておきたい。

第二次世界大戦は、サブマシンガンが歩兵火力の主役に躍り出た時代だった。アメリカの威信を背負ったトンプソン、ドイツの折りたたみストックで知られるMP40、東部戦線で大量投入されたソ連のPPSh-41。これらの銃が近接戦闘の様相を一変させた。こうした大戦期の名銃の序列は、本記事とは切り口を分け、第二次世界大戦の銃器ランキングで詳しく扱っている。トンプソンやMP40の評価を知りたい読者は、ぜひそちらを読んでほしい。

日本の小火器史に目を向ければ、戦前には南部麒次郎という稀代の銃器設計者がいた。現在のミネベアは、その血脈を新中央工業から受け継いだ会社だ。旧軍の拳銃に興味があれば、南部十四年式拳銃の徹底解説が、日本の銃器設計のルーツを教えてくれる。歴史的名銃を時代ごとに俯瞰したい場合は、アサルトライフル歴史的名銃ランキングも合わせて読むと、小火器の進化が一本の線でつながる。

サブマシンガンを生む防衛産業と「兵器→メーカー→株」の視点

ここまで読んで、ある事実に気づいた読者もいるだろう。世界の名銃は、特定の防衛企業によって生み出されているということだ。MP5・MP7・UMPはドイツのヘッケラー&コッホ、P90はベルギーのFNハースタル、APC9KはスイスのB&T、スコーピオンはチェコのCZ。そして9mm機関けん銃は、日本のミネベアミツミが手がけている。

兵器を一つの「企業の製品」として見ると、ミリタリーの世界は投資のテーマへと地続きになる。実際、近年は各国の防衛費増額を背景に、防衛関連企業への関心が世界的に高まっている。日本でもミネベアミツミ(証券コード6479)のように、小火器から精密部品まで幅広く手がける上場企業が存在する。国産小銃を支える老舗メーカーの事業構造を知りたいなら、豊和工業の防衛事業と株価の解説が、銃器メーカーをビジネスとして読む良い入口になる。

防衛をテーマに資産形成を考えるなら、まず全体像を押さえたい。どの企業が防衛費の恩恵を受けるのか、どんな銘柄群があるのかは、防衛関連銘柄 完全投資ガイドで体系的に整理している。より値動きの大きい中小型株に関心があれば、防衛関連の穴株10選も参考になるだろう。

なお、投資は自己責任が原則であり、防衛関連株も例外ではない。株価は地政学リスクや為替、各国の予算編成に左右され、上昇も下落もする。「兵器に詳しいこと」と「その企業の株で利益が出ること」は別の話だ。値上がりを保証するものは何もない、という前提を忘れずに、まずは少額から仕組みを学ぶのが賢明だ。証券口座は、こうした学びの第一歩を踏み出すための道具にすぎない。

兵器の知識を投資の視点へ広げる作業は、机上の勉強だけでは退屈になりがちだ。通勤中や作業中に戦史や軍事産業の良書を耳から学べるオーディオブックは、知識の幅を効率よく広げてくれる。

サブマシンガンをエアガンで楽しむ

サバゲー向けエアガンと保護具のイメージ
日本では、MP5やP90の雰囲気を安全に楽しむならエアガンとサバゲー装備から入るのが現実的だ。
エアガンで楽しむときの入口

実銃を手にできない日本では、サバイバルゲーム(サバゲー)こそが、これらの名銃に触れる最も現実的な手段だ。幸い、本ランキングの上位機の多くは、精巧なエアガンとして製品化されている。

入門に最もおすすめしたいのは、やはり第1位のMP5だ。コンパクトで取り回しがよく、室内系のフィールドでも屋外でも扱いやすい。電動ガンならメンテナンスも比較的容易で、初めての一挺として失敗が少ない。第3位のP90も、独特のブルパップ形状と50連発マガジンの装填感が再現されており、所有する満足感が高い。

サバゲーを本格的に始めるなら、まずは銃そのものの仕組みを理解しておきたい。電動ガン・ガスガン・エアコキの違いを押さえれば、自分の戦い方に合った一挺を選びやすくなる。最初の主武装に迷ったら電動ガンおすすめランキングを、サイドアーム選びにはサバゲー用ハンドガンおすすめを参考にしてほしい。一撃必殺の狙撃手を目指すなら、VSR-10から始めるサバゲースナイパー入門という道もある。

どの銃を選ぶにせよ、消耗品のBB弾は欠かせない。命中精度に直結するため、安定した品質のものを選びたい。

サブマシンガンに関するよくある質問(FAQ)

サブマシンガンとアサルトライフルの違いは何ですか?

使用する弾薬が最大の違いだ。サブマシンガンは9mmなどの拳銃弾を連射する小型火器で、近距離での取り回しに優れる。一方、アサルトライフルは5.56mmなどの中間弾を使い、より長い射程と威力を持つ歩兵の主武装だ。MP5は前者、M4や89式は後者にあたる。詳しくは世界最強アサルトライフルランキングで比較している。

PDWとサブマシンガンは何が違うのですか?

PDW(個人防衛火器)は、サブマシンガンの一種だが、ボディアーマー貫通を狙った専用の小口径高速弾を使う点が大きく異なる。P90の5.7×28mmやMP7の4.6×30mmが代表例だ。従来のサブマシンガンが拳銃弾の威力不足を抱えていたのに対し、PDWは弾薬そのものを刷新して防弾装備への対処能力を高めている。本記事のトップ3はいずれもPDW、またはその系譜にある。

自衛隊はどんなサブマシンガンを使っていますか?

制式装備としては、ミネベアミツミ製の9mm機関けん銃が陸海空各自衛隊で運用されている。加えて、海上自衛隊の特別警備隊はドイツ製のMP5を採用している。さらに陸上自衛隊は「4.6mm短機関銃(B)」という名称でヘッケラー&コッホ製の装備を調達しており、これはMP7とみられ、特殊作戦群で運用されている可能性が高いと考えられている。

MP5とMP7はどちらが強いのですか?

任務によって答えが変わる。総合的な完成度と汎用性ではMP5が上で、本記事でも1位とした。一方、相手がボディアーマーを着込んでいる状況や特殊作戦に限れば、4.6mm高速弾で貫通力に優れるMP7が有利だ。MP5は9mm拳銃弾、MP7は対アーマー用の専用弾という設計思想の違いが、そのまま得意分野の違いになっている。

サブマシンガンは今でも軍隊で主力なのですか?

歩兵分隊の主力はアサルトライフルに移っており、サブマシンガンの役割は限定的になっている。ただし、市街地戦やCQB(近接戦闘)、要人警護、後方部隊や車両乗員の自衛火器といった用途では、軽量で取り回しのよいサブマシンガンの価値は依然として高い。特に特殊部隊や法執行機関では、現在も欠かせない装備であり続けている。

次に読むなら

まとめ|王者MP5、しかし最適解は任務が決める

現役サブマシンガンの頂点に立つのは、半世紀にわたり君臨し続けるH&K MP5だ。閉鎖機構が生む小銃並みの命中精度と、40カ国以上での圧倒的な採用実績は、いまだ他の追随を許さない。これがサブマシンガンの絶対王者である。

とはいえ、本記事で見てきたとおり、「最強」は任務によって姿を変える。ボディアーマーを貫くMP7、50発を撃ち尽くすP90、米陸軍が選んだAPC9K、反動を制したベクター。それぞれが異なる思想で、異なる戦場の最適解を提示している。一つの正解に収束しないこの多様性こそ、短機関銃というジャンルの魅力だ。

そして忘れてはならないのが、これらの名銃がすべて特定の防衛企業の製品だという事実だ。兵器を企業の視点で見れば、ミリタリーの知識は投資のテーマへとつながっていく。火器の世界をさらに広げたい読者は、3kmの狙撃を可能にする世界最強スナイパーライフルランキングへと読み進めてほしい。本記事の冒頭で触れた機関銃ランキングや拳銃ランキングと合わせて読めば、小火器という分野の全体像が立体的に見えてくる。一挺の銃から、技術・歴史・産業・投資へと視界が広がっていくはずだ。

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