潜水艦保有数ランキング【2026】|国別・原潜・通常動力を比較

世界各国の潜水艦戦力を規模別に比較した展示

潜水艦の強さは保有隻数だけでは決まらない。しかし、原子力潜水艦と通常動力潜水艦の内訳、任務、即応性まで分けて読むと、各国が守る海域と戦力の到達範囲が見えてくる。

2026年の公開情報を同じ基準で並べると、潜水艦保有数の上位はロシア66隻、米国66隻、中国61隻である。続いてイラン25隻、北朝鮮24隻、日本23隻、韓国22隻、インド18隻となる。ただし、この数字は「就役中の主力潜水艦」だけを示すものではない。情報源によっては、練習潜水艦、予備艦、特殊任務艦、建造中の艦、沿岸用の小型・ミゼット潜水艦まで含まれる。

本稿はGlobal Firepowerの2026年版集計を基準とし、米海軍、海上自衛隊、各国政府資料で実態を補正する。順位表は公開情報上の保有規模、各国解説は戦力構成を読むものだ。

目次

2026年の潜水艦保有数ランキング

世界各国の潜水艦戦力を規模別に比較した展示
世界各国の潜水艦戦力を規模別に比較した展示
順位表の読み方
  • 同じ一隻でも原潜・通常動力艦・小型潜水艦では任務と能力が異なる
  • 予備艦・訓練艦・建造中を含むかで各資料の数字は変わる
  • 保有数は戦略を読む入口であり、そのまま強さの順位にはならない
順位保有数主な動力艦隊の特徴
1ロシア66隻原子力・通常動力SSBN、SSGN、SSN、特殊任務艦、通常動力艦を併用
2米国66隻原子力のみ世界展開型のSSN、SSGN、SSBNで構成
3中国61隻原子力・通常動力通常動力艦が主力だが原潜を急速に増強
4イラン25隻通常動力小型・ミゼット潜水艦を多数保有
5北朝鮮24隻通常動力沿岸用の旧式・小型艦が中心
6日本23隻通常動力高性能な大型通常動力潜水艦に集中
7韓国22隻通常動力国産化を進め、潜水艦発射弾道ミサイルにも対応
8インド18隻原子力・通常動力核抑止用SSBNと通常動力攻撃型を併用
9トルコ14隻通常動力209型系からAIP搭載Reis級へ更新中
10英国10隻原子力のみSSNと核抑止用SSBNに特化
11フランス9隻原子力のみ独自のSSN・SSBN戦力を維持
12ギリシャ9隻通常動力東地中海向けの沿岸・近海戦力
13エジプト8隻通常動力209/1400mod型を中心に近代化
14イタリア8隻通常動力212A型など静粛性重視の艦隊
15パキスタン8隻通常動力AIP艦と新型Hangor級を整備

この順位は、原潜とディーゼル・エレクトリック潜水艦を区別せず、艦齢や建造品質も点数化しない。25隻のイランや24隻の北朝鮮が、9隻のフランスより水中戦能力で上という意味ではない。Global Firepower自身も、この一覧が動力、分類、艦齢、建造品質を考慮しないと明記している。

私は、この表を「潜水艦の強さランキング」ではなく、「各国が潜水艦という道具をどれほど広く配備しているかの一覧」と読むべきだと考える。潜水艦の一隻は、艦隊表では数字の1だが、海図の上では海域を沈黙させる疑問符になる。その疑問符の大きさは、船体の数だけでなく、静粛性、兵装、乗員、整備、情報網で決まる。

性能差まで含めて比べたい場合は、世界の潜水艦を性能で比較したランキングも本文の流れに沿って確認してほしい。

1位ロシアは原潜と通常動力潜水艦を併用

2026年版の共通ランキングでは、ロシアは66隻で首位となる。北方艦隊と太平洋艦隊を中心に、ボレイ級戦略原潜、ヤーセン級巡航ミサイル原潜、アクラ級などの攻撃原潜、キロ級・ラーダ級通常動力潜水艦を運用する。核抑止、空母・水上艦攻撃、対潜戦、巡航ミサイル攻撃、特殊任務まで、潜水艦に担わせる任務が広い。

ただし、ロシアの隻数は資料による振れが特に大きい。公開情報を集約したRussianShips.infoは、2026年6月1日時点でSSBN15隻、SSGN12隻、SSN16隻、原子力特殊任務潜水艦10隻、特殊用途潜水艦1隻、通常動力攻撃潜水艦27隻の81隻を掲載する。一方、この一覧は現役だけでなく、予備艦や建造中の艦も含むと説明している。

つまり、66隻と81隻のどちらかが単純に誤りなのではない。戦闘艦として算入する範囲を絞るか、特殊任務艦や予備・建造中まで「保有船体」として数えるかの違いである。ロシア潜水艦隊の数字は、戦力比較であると同時に会計基準の問題でもある。

ロシアは通常動力艦と原潜の双方を自国建造できる。北極海から北大西洋へ出る北方艦隊、オホーツク海を核抑止の聖域として使う太平洋艦隊、黒海やバルト海で活動する通常動力艦というように、海域ごとに異なる潜水艦を割り当てられる。一方、旧ソ連期の艦を含むため、名簿上の隻数と実際に出動可能な隻数は同じではない。

2位米国は66隻すべてが原子力潜水艦

原子力潜水艦と通常動力潜水艦の構成差
原子力潜水艦と通常動力潜水艦の構成差

米国はランキング上66隻でロシアと同数だが、艦隊の性格は大きく異なる。米海軍の潜水艦は、攻撃型SSN、巡航ミサイル型SSGN、戦略ミサイル型SSBNのすべてが原子力推進である。通常動力潜水艦を保有せず、長期間の潜航、高速での外洋移動、世界規模の展開を優先している。

米海軍の公式Naval Vessel Registerでは、2026年7月10日更新の戦力算入潜水艦が66隻とされる一方、就役状態の艦は71隻と表示される。ここにも、就役旗を掲げている艦と、米海軍が戦力規模として数えるbattle forceの差がある。

核抑止の中核は14隻のオハイオ級SSBNであり、残る艦隊の中心はロサンゼルス級、シーウルフ級、バージニア級のSSNである。4隻のオハイオ級SSGNは多数のトマホーク巡航ミサイルを搭載できるが、艦齢の上昇に伴って順次退役へ向かう。米海軍公式資料はオハイオ級SSBNを14隻とし、攻撃原潜についても各級の任務と更新状況を公開している。

航続性、センサー、兵装、通信、乗員練度まで含めれば、米国の66隻は単なる同数ではない。私はロシアとの「66対66」を、戦力が同一という意味ではなく、異なる思想で構成された二つの巨大な水中艦隊が偶然同じ欄に並んだ数字と見る。

3位中国は通常動力中心から原潜併用へ移行

中国は61隻で3位となる。人民解放軍海軍の潜水艦隊は、039A/B型「元」級などの通常動力攻撃潜水艦が数の中心で、093型「商」級攻撃原潜、094型「晋」級戦略原潜を組み合わせる。近海で敵艦隊の接近を妨げる任務と、遠洋で核抑止・情報収集を行う任務を同時に拡大している。

中国の正確な内訳は公表されない。米国防総省資料を引用した2024年の報道では、2022年時点でSSBN6隻、SSN6隻、ディーゼル攻撃潜水艦48隻の計60隻とされ、2025年に65隻、2035年に80隻へ増えるとの予測が示された。2026年版の横断ランキングが61隻としていることからも、退役艦の除外時期や新造艦の戦力化時期で数字が動くと考えるのが妥当だ。

注目点は総数より構成比である。中国は大量の通常動力艦を維持しつつ、原潜の静粛性、建造能力、弾道ミサイル射程を改善している。通常動力艦は東シナ海、南シナ海、台湾周辺など基地に近い海域で使いやすく、原潜は西太平洋やインド洋への継続展開に向く。二種類の動力を競合させず、地理に応じて使い分ける構成だ。

今後は総数だけでなく、旧式艦を新型原潜とAIP通常動力艦へ置き換える速度が重要になる。数が横ばいでも質は上がり得る。

4位イランと5位北朝鮮は小型潜水艦が順位を押し上げる

イランは25隻、北朝鮮は24隻で、日韓より上位に入る。ここでランキングの読み違いが起こりやすい。両国の数字には、外洋を長期間航行する大型潜水艦だけでなく、沿岸で待ち伏せや特殊部隊輸送に使う小型・ミゼット潜水艦が強く反映される。Global Firepowerはミゼット潜水艦も集計対象としている。

イラン海軍はロシア製キロ級を外洋・遠海任務に使い、国産Fateh級やGhadir級などをペルシャ湾、ホルムズ海峡、オマーン湾で運用する。狭い海域では、大型原潜の速力や航続力より、浅海で潜伏できる小型艦の数と機雷・魚雷による接近拒否が価値を持つ。25隻という数字は、世界展開力よりも、地理を利用した非対称戦の厚みを示す。

北朝鮮については資料差がある。Global Firepowerの2026年版は24隻だが、日本の2025年版防衛白書が引用する資料では北朝鮮21隻、韓国21隻とされる。北朝鮮の装備は情報公開が乏しく、保管状態、稼働状態、改造艦の扱いを外部から確定しにくい。したがって、21〜24隻程度の公開推計として見るのが安全である。

北朝鮮は原子力潜水艦の建造構想を発表しているが、2026年時点で実戦配備された原潜を保有する国として数えることはできない。既存艦隊は通常動力・沿岸型が中心であり、隻数の多さをそのまま静粛性や連続作戦能力へ置き換えるべきではない。

6位日本は23隻だが、海自公式一覧には25隻掲載

日本が運用する通常動力潜水艦の海上試験
日本が運用する通常動力潜水艦の海上試験

国際比較表では、日本は23隻で世界6位となる。全艦が通常動力潜水艦で、原潜は保有しない。主力はそうりゅう型とたいげい型であり、おやしお型の一部は教育訓練部隊へ移されている。

一方、海上自衛隊潜水艦隊の公式部隊一覧を2026年7月時点で数えると、第1・第3・第5潜水隊に各4隻、第2潜水隊に3隻、第4潜水隊に4隻、第6潜水隊に3隻が掲載され、作戦部隊は計22隻となる。さらに第11潜水隊には「まきしお」「いそしお」「たいげい」の3隻があり、公式ページ上の掲載艦は合計25隻である。

国際ランキングの23隻との差は、集計時点、練習潜水艦の扱い、退役・種別変更の反映時期によるスナップショット差と考えられる。日本の防衛計画上で重視される作戦用潜水艦22隻という骨格と、保有船体を広く数えた数字を分けて理解すると混乱しない。

2026年3月10日には、たいげい型5番艦「ちょうげい」が就役し、第2潜水隊へ加わった。海自公式資料によれば、基準排水量約3,000トン、ディーゼル電気推進で、乗員は約70名である。

原潜が外洋を走り続ける長距離ランナーなら、海自の通常動力潜水艦は第一列島線の複雑な音響環境に身を隠す伏兵である。同じ一隻でも、仕事の設計図が違う。日本は隻数を無制限に増やすのではなく、静粛性の高い比較的新しい艦を継続建造し、乗員と整備基盤を含む22隻体制を維持する方向にある。

関連する詳しい解説として、たいげい型潜水艦の性能と特徴も本文の流れに沿って確認してほしい。

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7位韓国と8位インドは国産化で存在感を増す

韓国は22隻で7位である。日本と同様に通常動力艦を中心とするが、ドイツ系設計の導入から国産化へ段階的に移行してきた。張保皐級、孫元一級に続き、島山安昌浩級では大型化、AIP、国産システム、潜水艦発射弾道ミサイル運用を進めている。

ただし、2025年版防衛白書の比較表では韓国21隻とされる。2026年版Global Firepowerの22隻との差は、新造艦の就役または集計基準の違いとみられる。日韓は隻数が近いが、日本は対潜・対水上戦と情報収集を重視し、韓国は朝鮮半島での通常抑止と陸上打撃能力も意識している。

インドは18隻で8位となる。通常動力艦に加え、国産アリハント級SSBNを保有する点が日韓と異なる。インド政府は2024年8月29日、2隻目のアリハント級「アリガート」を就役させ、「アリハント」と合わせて核抑止力を強化したと発表した。

通常動力戦力では、2025年1月にスコルペヌ型を基礎とするカルヴァリ級6番艦「ヴァグシール」が就役した。インドはパキスタンへの抑止だけでなく、インド洋へ進出する中国海軍への対応も必要であり、SSBNによる核抑止と、通常動力艦による海峡・沿岸・近海監視を併用する。

9位以下は海域に合わせた潜水艦隊を構成

9位トルコの14隻は、黒海、エーゲ海、東地中海という三つの正面を持つ地理を反映する。既存の209型系を運用しながら、燃料電池AIPを備える214TN型Reis級へ更新している。通常動力潜水艦は、基地に近い閉鎖性の高い海域では費用対効果を発揮しやすい。

10位英国は10隻、11位フランスは9隻で、両国とも潜水艦隊を原子力推進に統一している。英国政府資料では、2025年10月時点でアスチュート級5隻が就役し、6・7番艦は建造中、核抑止はヴァンガード級SSBNが担う。Global Firepowerの10隻という数字には、集計時点の旧型艦や新造艦の扱いが影響している可能性がある。

フランスはル・トリオンファン級SSBNと攻撃原潜で核抑止・外洋作戦能力を維持する。2026年6月24日には、バラクーダ計画のシュフラン級4番艦「ド・グラース」が引き渡された。Naval Groupによれば、最初の3隻はすでに現役入りし、残る2隻も建造中である。新旧艦の交代期には総数が変動する。

ギリシャ9隻、エジプト8隻、イタリア8隻はいずれも通常動力艦を中心とする。地中海は海峡、島嶼、沿岸交通が密集し、長大な航続力よりも静粛な待ち伏せ能力が重要になる。パキスタンは8隻だが、中国設計のHangor級導入が進めば順位を上げる可能性がある。

原子力潜水艦の保有国ランキングはどう見るか

原子力潜水艦と通常動力潜水艦の船体規模の違い
原子力潜水艦と通常動力潜水艦の船体規模の違い

2026年時点で、実用的な原子力潜水艦戦力を運用している国は、米国、ロシア、中国、英国、フランス、インドの6か国である。 オーストラリアはAUKUSを通じて原子力潜水艦を導入する計画だが、現時点の保有艦はコリンズ級通常動力潜水艦6隻であり、原潜保有国には入らない。英国政府も、豪州向けSSN-AUKUSの最初の艦は2040年代初頭になるとの見通しを示している。

公開情報から読める原潜規模主な構成
米国戦力算入66隻、全艦原子力SSN・SSGN・SSBN
ロシア戦闘用原潜43隻、特殊任務原潜10隻を掲載する広義資料ありSSN・SSGN・SSBN・特殊任務
中国2022年基準でSSN6隻・SSBN6隻、増勢中SSN・SSBN
英国総保有10隻の集計、全艦原子力SSN・SSBN
フランス総保有9隻の集計、全艦原子力SSN・SSBN
インド少なくとも国産SSBN2隻を公式確認SSBN中心、SSN計画も推進

この表で最も注意したいのは、ロシアの広義資料には予備・建造中が含まれ、中国の数字は公表情報が限られ、英仏は新旧艦の交代時期にある点だ。原潜保有数は通常動力艦以上に秘匿性が高く、修理中の艦を即応戦力として扱うかでも答えが変わる。

関連する詳しい解説として、原子力潜水艦の仕組み・長所・課題も本文の流れに沿って確認してほしい。

日本の水上艦を含む全体像は、海上自衛隊の艦艇一覧で一覧できる。

通常動力潜水艦の保有数は中国・ロシア・沿岸国家が上位

通常動力潜水艦を同一基準で並べた2026年の公式世界統計はない。公開資料では、中国は40隻台後半、ロシアは資料上27隻、イランと北朝鮮は小型艦を含め20隻台、日本と韓国は20隻台、インドは10隻台半ばとなる。

通常動力艦は、浮上またはシュノーケル航走でディーゼル機関を使って発電し、水中では蓄電池と電動機で航走する。AIPは低速潜航時間を延ばし、リチウムイオン電池は大きな電力を素早く出し入れできる。原潜ほど長期間高速で潜り続けられないが、機関停止時の低騒音、取得・運用費、沿岸での扱いやすさに強みがある。

私は「原潜か通常動力か」を技術の上下関係だけで見るのは適切でないと思う。太平洋を横断して敵を追跡するなら原潜が有利だが、自国基地から近い海峡で待ち伏せるなら、高性能通常動力艦が合理的な場合も多い。動力方式は国力の象徴であると同時に、作戦距離への回答である。

潜水艦の保有数だけで強さを決められない5つの理由

保有数と実働数を分ける整備・修理期間
保有数と実働数を分ける整備・修理期間

艦齢と静粛性が違う

冷戦期に就役した艦と、最新の音響低減技術を採用した艦を同じ一隻として数えても、探知されにくさは同じではない。潜水艦では、最大速力や潜航深度と同じか、それ以上に騒音管理が重要である。

任務が違う

SSBNは核ミサイルを隠して第二撃能力を維持する艦、SSNは敵潜水艦・水上艦の追跡や巡航ミサイル攻撃を行う艦、通常動力SSKは沿岸・近海での待ち伏せを得意とする。同じ国でも任務別の構成が異なる。

稼働率と整備能力が違う

名簿に載る艦がすべて同時に出港できるわけではない。定期整備、原子炉燃料・炉心管理、近代化改修、事故修理、乗員不足により、実働数は減る。米国の66隻と71隻、ロシアの66隻と広義81隻という差は、この問題を端的に示す。

兵装と情報網が違う

長射程巡航ミサイル、対艦ミサイル、魚雷、機雷、特殊部隊、無人潜航機を運用できるかで任務範囲は変わる。さらに哨戒機、衛星、海底音響センサー、水上艦から得る情報がなければ、潜水艦は広い海で目標を効率よく探せない。

乗員を何組用意できるかが違う

潜水艦は高度な専門職の集合体である。船体を建造しても、艦長、機関、ソーナー、兵器、通信などの乗員を育成し、交代要員を確保できなければ継続運用は難しい。艦数の急増には、造船所だけでなく学校、訓練海域、整備員、救難体制が必要になる。

2030年代にランキングを動かす国

最大の変数は中国である。米国防総省の従来予測では、中国潜水艦隊は2035年に80隻へ達する可能性が示されている。ただし、新造艦の追加と並行して旧式通常動力艦も退役するため、総数が一直線に増えるとは限らない。注目すべきは、原潜比率と新型艦の静粛性である。

オーストラリアはAUKUSで原潜へ転換するが、2026年のランキングでは通常動力艦6隻の国である。原潜取得には乗員育成、原子力安全、基地、整備、規制、米英との産業協力が必要で、ランキング上の変化は2030年代以降になる。

パキスタンはHangor級、トルコはReis級、インドは追加の通常動力艦と原潜計画を進める。フランスはシュフラン級、英国はアスチュート級と将来のSSN-AUKUS、米国はバージニア級とコロンビア級へ更新する。各国の総数が変わらなくても、旧式艦一隻を新型艦一隻へ置き換えるだけで、探知・攻撃・情報共有能力は大きく変わる。

日本は毎年に近い建造テンポを維持し、たいげい型を増やしながら旧型艦を教育訓練へ回す循環を作っている。総数の順位を争うより、22隻の作戦体制を新しい艦で保ち続ける政策である。私はこの更新の規則性こそ、日本の潜水艦戦力を読むうえで隻数以上に重要だと見る。

潜水艦保有数に関するFAQ

潜水艦を最も多く保有する国はどこか

2026年版Global Firepowerでは、ロシアが66隻で1位、米国も66隻で2位となる。掲載順位はロシアが上だが隻数は同じである。中国が61隻で続く。

米国の潜水艦は66隻か71隻か

どちらも異なる区分を示す。米海軍公式Naval Vessel Registerでは、戦力算入のbattle force submarinesが66隻、就役状態のsubmarines in commissionが71隻とされる。国際比較では66隻を使う方が整合しやすい。

日本の潜水艦は23隻か25隻か

Global Firepowerの国際比較は23隻だが、2026年7月時点の海自公式部隊一覧には、作戦潜水隊22隻と第11潜水隊3隻の計25隻が掲載される。集計時点と教育訓練艦の扱いが異なるためで、作戦体制を論じる場合は22隻を基準にすると理解しやすい。

原子力潜水艦を保有する国は何か国か

実戦配備された原子力潜水艦を運用する国は、米国、ロシア、中国、英国、フランス、インドの6か国である。オーストラリアは導入計画中で、2026年時点の運用国には含めない。

原潜と通常動力潜水艦はどちらが強いか

外洋での高速・長期潜航、遠距離展開では原潜が有利である。沿岸、海峡、基地近傍での待ち伏せ、取得・運用費、低速時の静粛性では通常動力艦が適する場合がある。任務と海域を決めずに優劣は決められない。

北朝鮮やイランが日本より上位なのはなぜか

小型・ミゼット潜水艦も一隻として数える集計だからである。大型艦の航続力、静粛性、センサー、兵装、稼働率を比較した順位ではない。

まとめ

2026年の潜水艦保有数ランキングでは、ロシア66隻、米国66隻、中国61隻が上位を占める。イラン25隻、北朝鮮24隻、日本23隻、韓国22隻、インド18隻が続く。だが、この数字には原潜、通常動力艦、ミゼット潜水艦、教育訓練艦、予備艦などが混在し、資料ごとの集計範囲も異なる。

米国は全艦を原子力で統一し、ロシアは原潜と通常動力艦を広範な任務へ振り分け、中国は通常動力中心の大艦隊から原潜比率を高めつつある。日本は原潜を持たず、作戦用22隻を軸に、新しい通常動力潜水艦へ継続更新する。

結局、潜水艦の隻数が示すのは海軍力の答えではなく、戦略を読む入口である。原潜か通常動力か、外洋か沿岸か、名簿上の保有か実際の即応戦力かまで分けて初めて、数字の下に隠れた水中戦力の実像が見えてくる。

参考・主要資料

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