
航空自衛隊の機体一覧というと、F-15やF-35のような戦闘機に目が向きやすい。しかし、実際の防空は戦闘機だけでは成立しない。遠方の目標を見つける警戒機、戦闘機の行動半径を延ばす空中給油機、人員と物資を運ぶ輸送機、遭難者を救う救難機、そして次世代の操縦者を育てる練習機が一つの網として働いているからだ。
本記事では、2026年時点で航空自衛隊が運用する機体と、配備・取得が進む新型機を任務別に整理する。結論を先に言えば、航空自衛隊の強さは戦闘機の数だけでは測れない。「見る・つなぐ・運ぶ・救う・育てる」という機能を、どこまで切れ目なく回せるかが本当の航空戦力である。
- 戦闘機はF-35・F-15・F-2の3系列
- 警戒管制・情報収集機が防空の目となる
- 輸送・給油機が南西方面を含む展開を支える
- 救難・点検・練習機まで含めて航空作戦が成立する
なお、防衛省が機種別の保有数を一括して公表した最新表は2025年3月31日時点である。その後、C-1輸送機は2025年4月に退役し、F-35Bは新田原基地への配備が始まった。したがって本記事では、機種の現況は2026年7月までの公表情報、機数は原則として2025年3月31日時点の一括公表値として区別する。[1][2][3]
また、政府は2026年度中に航空自衛隊を「航空宇宙自衛隊」へ改編する方針を示している。日本語の略称「空自」と英語略称「JASDF」は維持される予定であり、本記事では検索上なじみのある航空自衛隊の名称を用いる。[4]
航空自衛隊の機体一覧を任務別に整理
- 戦闘・防空
- 警戒・情報
- 輸送・給油
- 救難・支援
- 教育・点検
2026年の現役機と導入中の機体を大きく分けると、次のようになる。A/B、J/DJのような単座・複座型を別機種と数えるか、KC-130Hのような改修型を独立して数えるかで総数は変わるが、主要な型式はおおむね24〜25種類である。
| 区分 | 機体 | 主な任務 | 2026年の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 戦闘機 | F-35A | ステルス防空、対地・対艦攻撃 | 主力化が進行 |
| 戦闘機 | F-35B | 短距離離陸・垂直着陸、分散運用 | 新田原で配備開始 |
| 戦闘機 | F-15J/DJ | 要撃、制空 | 近代化機を中心に継続運用 |
| 戦闘機 | F-2A/B | 防空、対艦・対地攻撃 | 国産系マルチロール機 |
| 警戒管制機 | E-767 | 広域警戒、指揮管制 | 4機体制 |
| 早期警戒機 | E-2C | 低空目標を含む警戒監視 | E-2Dへ移行中 |
| 早期警戒機 | E-2D | 警戒監視、ネットワーク連接 | 増勢中 |
| 無人偵察機 | RQ-4B | 高高度・長時間の情報収集 | 3機体制 |
| 電波情報収集機 | YS-11EB | 電波情報の収集 | RC-2へ更新予定 |
| 電波情報収集機 | RC-2 | 広帯域の電波情報収集 | 取得・量産段階 |
| 輸送機 | C-2 | 大型・長距離航空輸送 | 主力輸送機 |
| 輸送機 | C-130H | 戦術輸送、国際任務 | 継続運用 |
| 給油・輸送機 | KC-130H | 空中給油、輸送 | C-130H改修型 |
| 空中給油機 | KC-767 | 給油、輸送 | 4機体制 |
| 空中給油機 | KC-46A | 給油、輸送、航空医療搬送 | 増勢中 |
| 特別輸送機 | B-777 | 政府要人輸送 | 政府専用機 |
| 輸送ヘリ | CH-47J | 基地間・災害派遣輸送 | 4個飛行隊で運用 |
| 救難捜索機 | U-125A | 遭難者捜索、救難誘導 | UH-60Jとペア運用 |
| 救難ヘリ | UH-60J | 捜索救助、救難員投入 | 全国の救難隊で運用 |
| 多用途支援機 | U-4 | 連絡、小型貨物、人員輸送 | 支援任務 |
| 飛行点検機 | U-125 | 航空保安施設の点検 | U-680Aへ更新 |
| 飛行点検機 | U-680A | 航法・着陸支援施設の点検 | 新世代の点検機 |
| 練習機 | T-7 | 初等操縦教育 | 後継機へ更新予定 |
| 練習機 | T-4 | ジェット操縦教育、連絡 | ブルーインパルスでも使用 |
| 練習機 | T-400 | 多発機操縦教育 | 輸送・警戒系要員を教育 |
航空自衛隊の公式装備ページは代表的な現役機を分かりやすく掲載している一方、2026年に配備が始まったF-35Bや、すでに運用されているE-2Dなどが一覧へ反映されるまで時間差がある。2026年版の一覧は、公式装備ページ、防衛白書の保有数表、年度末の部隊編成資料、新規配備の発表を重ねて読む必要がある。[1][2][3]

戦闘機はF-35・F-15・F-2の3系列
- F-35A/Bは新主力
- F-15Jは近代化機を継続
- F-2は対艦を含む多用途
- 型式ごとの役割を区別
航空自衛隊の戦闘機部隊は、F-35、F-15、F-2の3系列で構成される。2025年度末の航空自衛隊資料では、戦闘機部隊は12個飛行隊とされている。F-35Bが加わったことで型式は4種類に見えるが、系列としてはF-35A/Bを一つにまとめるのが分かりやすい。[3]
F-35A|ステルスとセンサー融合を担う新主力
F-35Aは通常の滑走路から運用する空軍型である。レーダーに探知されにくいステルス性だけでなく、機体が集めた情報を統合して操縦者へ提示し、他の航空機や地上部隊と共有できる点に価値がある。航空自衛隊では三沢基地を皮切りに部隊配備が進み、2025年3月31日時点の保有数は39機だった。[2]
従来の戦闘機比較では、速度、旋回性能、搭載ミサイル数が中心になりやすい。だがF-35Aの強みは、敵を先に見つけ、味方へ情報を渡し、相手に有効な反撃の機会を与えにくいことにある。私はF-35Aを単なるF-15の後継ではなく、航空自衛隊の情報網へ前方から接続する「飛ぶセンサー兼射撃手」と見るべきだと考える。
F-35B|新田原に加わった短距離離陸・垂直着陸型
F-35Bは短距離で離陸し、垂直に着陸できる型である。航空自衛隊は宮崎県の新田原基地へ配備を開始し、2026年2月7日に配備記念式典を実施した。2025年3月末の保有数表にはまだ含まれていないため、F-35Bの機数を同表と単純に合算することはできない。[3][5]
F-35Bの意味は、護衛艦「いずも」型との連携だけではない。長い滑走路が使えない状況でも運用拠点を分散しやすく、南西方面で航空戦力の生残性を高める選択肢になる。通常離着陸型より航続距離や搭載量に制約はあるが、その代わりに基地選択の自由を得る機体である。
F-15J/DJ|数の中核を担う大型要撃戦闘機
F-15Jは単座型、F-15DJは複座型であり、長年にわたり日本の防空を支えてきた。2025年3月末の一括公表値は200機で、航空自衛隊の戦闘機では最大勢力である。ただし全機が同じ能力ではない。近代化改修に適した機体と、改修対象外となる古い機体が混在し、今後は能力向上型を残しながらF-35へ段階的に交代していく。[2]
大型のF-15は航続力、レーダー、兵装搭載量に余裕がある。将来も能力向上機は、F-35が探知した情報を受けて長射程兵器を運ぶ役割で価値を保つだろう。
F-2A/B|対艦攻撃に強い国産系マルチロール機
F-2Aは単座型、F-2Bは複座型である。F-16を基礎に日米共同開発されたが、機体は大型化され、複合材主翼や国産レーダー、国産空対艦ミサイルの運用能力など、日本独自の要求が盛り込まれた。2025年3月末の保有数は91機である。[2]
F-2は防空に加え、海上から接近する艦艇への対処を重視してきた。今後はスタンド・オフ兵器への対応を含む能力向上が進む。
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警戒機・無人偵察機・情報収集機は空自の「目」
- E-767広域指揮
- E-2D低空・島嶼監視
- RQ-4B長時間偵察
- RC-2電波情報
戦闘機が刀なら、警戒機は暗闇の中で敵の影を先に拾う目であり、給油機はその刀を遠くまで運ぶ血流である。私は、航空自衛隊の実力を考える際に最初に見るべきなのは戦闘機数ではなく、警戒機を何時間空中に置き、得た情報を何機へ配れるかだと考えている。
E-767|空の司令所となる早期警戒管制機
E-767は旅客機B-767を基礎に大型レーダーと指揮管制システムを搭載した早期警戒管制機である。単に敵機を見つけるだけでなく、機内の管制員が状況を整理し、味方戦闘機を誘導する。航空自衛隊は浜松基地で4機を運用しており、公式資料では約9,000kmの航続距離と高高度・長時間の警戒能力が示されている。[2][6]
4機すべてを常時飛ばせるわけではないため、近代化とE-2Dとの役割分担が警戒網の持続性を左右する。
E-2CとE-2D|沿岸・島嶼部を見張る早期警戒機
E-2Cは上面の円盤形レーダーが特徴の双発ターボプロップ機である。短い滑走路でも運用しやすく、低空で接近する航空機や巡航ミサイルを早期に捉える任務を担ってきた。2025年3月末時点ではE-2Cが10機、後継のE-2Dが9機だった。[2]
E-2Dはレーダー、情報処理、通信能力を強化した発展型である。航空自衛隊の2025年度末の編成資料では、三沢、浜松、那覇にE-2CまたはE-2Dが配置され、警戒航空団は3個飛行隊体制となっている。南西方面で継続的な監視を行ううえで、E-2Dの増勢は戦闘機の増加と同じくらい重要である。[3]
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RQ-4Bグローバルホーク|約36時間飛べる高高度無人機
RQ-4Bは高高度を長時間飛行し、広い地域の情報を収集する無人航空機である。航空自衛隊は三沢基地で3機を運用し、2023年6月に当初計画の3機体制が整った。公式諸元では航続時間は約36時間、最大高度は約6万フィートとされる。[2][7]
長時間任務で搭乗員の疲労を直接受けにくい一方、衛星通信、地上管制、情報処理要員が揃って初めて機能する。機体が無人でも、情報戦には人と通信網が必要である。
YS-11EBとRC-2|電波情報収集の世代交代
YS-11EBは、周辺で発せられるレーダーや通信の電波を収集・分析する特別用途機である。2025年7月には東シナ海上空で情報収集任務に就いていたYS-11EBへ中国軍JH-7が接近したと防衛省が公表しており、少なくとも同時点で実任務に使用されていた。[8]
後継となるRC-2はC-2輸送機を基礎に開発された。防衛省資料は、YS-11EBより航続距離と滞空時間を延ばし、収集できる周波数帯を広げ、複数目標の同時収集や分析の自動化を図るとしている。2026年度予算でも1機の取得が計上されており、旧世代機からの交代が進む段階である。[8][9]

輸送機・空中給油機は部隊を動かす基盤
- C-2大型長距離輸送
- C-130H戦術輸送
- KC-46A・KC-767給油
- CH-47J不整地輸送
航空機は飛行場に置いてあるだけでは戦力にならない。人員、整備器材、弾薬、燃料を必要な場所へ運び、戦闘機へ空中で燃料を渡し、負傷者を後方へ搬送する仕組みが必要である。輸送・給油機は目立ちにくいが、部隊が何日間戦えるかを決める機種である。
C-2|国産の大型・長距離輸送機
C-2はC-1の後継として開発された国産輸送機で、航空自衛隊の主力航空輸送を担う。公式資料では、20トン搭載時の航続距離は約7,600km、最大速度はマッハ約0.82であり、C-1と比べて航続距離は約4倍、搭載重量は約3倍に向上したとされる。2025年3月末の保有数は17機だった。[2][10]
大型装備を積める貨物室と長い航続力により、邦人輸送、国際緊急援助、共同訓練への展開で寄港回数を減らせる。C-2は日本の航空輸送を広域展開型へ変えた機体である。
C-1は2025年4月をもって約55年の運用を終えた。2025年3月末の保有数表には2機が残るが、2026年の現役機一覧には含めない。[2][11]
この論点を広く比較するなら、「C-2輸送機とは|性能・航続距離・国産大型輸送機の強みを解説」もあわせて確認したい。
C-130HとKC-130H|小牧を拠点とする戦術輸送機
C-130Hは世界各国で使われる四発ターボプロップ輸送機である。大型のC-2より低速で搭載量も小さいが、戦術輸送で豊富な実績を持ち、海外任務や災害派遣にも投入されてきた。2025年3月末の公表値はC-130Hが13機、空中給油能力を付加したKC-130Hが3機である。[2]
KC-130Hはプローブ・アンド・ドローグ方式で給油する。受油機側との規格が合う必要があり、この接続条件は機数表だけでは見えない兵站上の制約である。
KC-767とKC-46A|戦闘機の行動半径を延ばす
KC-767はB-767を基礎とする空中給油・輸送機で、2025年3月末時点で4機を保有する。KC-46Aはより新しい給油・輸送機で、同じく4機が計上されていた。KC-46Aは今後も取得が続き、2026年度予算には2機が計上されている。[1][2][9]
空中給油機があれば、戦闘機は基地から遠い空域で長く待機でき、離れた基地への展開も容易になる。逆に給油機が不足すれば、F-35やF-15の航続性能を十分に引き出せない。高価な戦闘機を増やすほど、その後ろで飛ぶ給油機の価値も上がる。
B-777政府専用機|国家の移動を支える特別輸送機
B-777は内閣総理大臣や皇室などの要人輸送を行う政府専用機で、2019年4月からB-747に代わって運用を開始した。航空自衛隊の特別航空輸送隊が運航し、公式諸元の航続距離は約14,000kmである。[12]
政府首脳の移動、外交、緊急時の輸送を支える国家航空資産であり、航空自衛官が運航を担う。
CH-47J|滑走路がなくても運べる大型輸送ヘリ
CH-47Jは前後に二つのローターを持つ大型輸送ヘリコプターである。航空自衛隊では主にレーダーサイトなどへの物資輸送、災害派遣、消火支援に使われる。2025年3月末の保有数は15機で、2025年度末の編成では4個飛行隊が示されている。[2][3]
滑走路のない山間部や被災地へ荷物を運び、基地維持と災害派遣の双方を支える。

救難機は操縦者と国民の命を回収する
- U-125Aが捜索・誘導
- UH-60Jが救難員を投入
- 海上・山岳・夜間へ対応
- 災害派遣にも使用
航空自衛隊の航空救難は、U-125A救難捜索機とUH-60J救難ヘリコプターを組み合わせて行う。2025年度末の資料では全国10個の救難隊が示され、広い海空域を担当している。[3]
U-125A|先に発見し、救難ヘリを導く
U-125Aは捜索レーダー、赤外線暗視装置、援助物資投下機構などを備える救難捜索機である。遭難地点を広範囲に捜し、発見後はUH-60Jを誘導する。高速で捜索区域へ進出でき、ヘリコプターより広い範囲を効率よく確認できる。
広い海上で遭難者を見つけなければ救助は始まらない。U-125Aは「見つける救難機」である。
UH-60J|救難員を現場へ送り込む
UH-60Jは長い航続距離を持つ救難ヘリコプターで、救難員を降下させ、遭難者を収容する。公式諸元の航続距離は約1,295kmで、2025年3月末の保有数は37機だった。[2][13]
航空救難部隊は災害派遣や急患輸送でも活動する。危険な飛行任務を支える最後の安全網でもある。
多用途支援機・飛行点検機は日常運用を止めない
- U-4連絡輸送
- U-680A飛行点検
- 航法施設の健全性確認
- 基地間の人員・物資移動
U-4|連絡と小型輸送を担うビジネスジェット
U-4はガルフストリームIVを基礎とする多用途支援機で、指揮連絡、人員輸送、小型貨物輸送、訓練支援などに使用される。大型輸送機を使わない部隊間移動を効率よく支える。
U-125とU-680A|地上の航法施設を空から検査する
U-125飛行点検機は、航空機の航行や着陸を助ける無線施設が正確に働くかを実際に飛行して確認する。航空自衛隊は計3機を取得したが、現在は後継のU-680Aへ交代が進んでいる。U-680Aはセスナ・サイテーション・ラティチュードを基礎とする新しい飛行点検機である。[1][14]
飛行点検は戦闘とは離れて見える。しかし、計器進入や航法支援の誤差は、悪天候や夜間に重大事故へ直結する。飛行点検機は滑走路へ降りる最後の数分を守る機体であり、平時の安全と有事の稼働率を同時に支えている。
練習機は将来の戦闘力をつくる
- T-7初等
- T-4ジェット教育
- T-400多発機教育
- 任務別操縦者を段階育成
T-7|初めて空を学ぶ初等練習機
T-7はプロペラ式の初等練習機で、操縦者候補が基本操作、離着陸、航法、編隊飛行の基礎を学ぶ。航空自衛隊は後継としてT-6を選定しており、今後は地上教育器材と一体で更新が進む。2026年は現用T-7と次期初等練習機への移行準備が重なる時期である。[3]
T-4|ジェット教育とブルーインパルスを支える国産機
T-4は国産の中等ジェット練習機で、戦闘機操縦者へ進む学生の教育、部隊間の連絡、訓練支援に使われる。松島基地の第11飛行隊「ブルーインパルス」もT-4を使用するが、展示飛行用に塗装や一部装備を変更した機体であり、別の機種ではない。
T-4は初飛行から長い年月がたち、後継練習機の検討が避けられない。次世代戦闘機やF-35へつながる教育では、操縦技術だけでなくセンサー、データリンク、複雑な任務管理を地上教育とシミュレーターでどう教えるかが焦点になる。
T-400|輸送機・警戒機要員を育てる多発機練習機
T-400はビーチジェット400を基礎とする練習機で、輸送機や警戒管制機など、多発ジェット機へ進む操縦者の教育に使われる。戦闘機コースとは異なる速度管理、計器飛行、複数乗員での連携を学ぶための機体である。
輸送、警戒、救難、飛行点検にも専門の操縦者が必要であり、T-7、T-4、T-400が任務別の入口を形づくる。
2026年の航空自衛隊機で注目すべき5つの変化
- F-35B部隊配備
- E-2D増勢
- KC-46A増加
- RC-2更新
- 旧型輸送・点検機の交代
2026年の一覧を過去のものと比べると、単なる新旧交代ではなく、航空自衛隊が何を重視する組織へ変わるかが見えてくる。
第一はF-35Bの実部隊配備である。短距離離陸・垂直着陸能力により、固定された大型基地だけに依存しない運用へ一歩進んだ。
第二はE-2Dの増勢である。巡航ミサイルや低空を飛ぶ航空機を早く捉え、戦闘機や地上の防空部隊へ情報を渡す能力が、迎撃の成否を左右する。
第三はKC-46Aの増加である。南西方面や遠距離展開を重視するほど、空中給油機は戦闘機と同時に増やさなければならない。
第四はYS-11EBからRC-2への更新である。古い国産旅客機を基礎とする収集機から、大型ジェット輸送機を基礎とした長距離・広帯域の情報収集機へ移る。目に見えるミサイルだけでなく、相手が発する電波を平時から蓄積する能力が強化される。
第五はC-1退役とT-7後継選定である。輸送と教育の世代交代が同時に進み、航空自衛隊は冷戦期に整えた機体体系から、長距離展開、ネットワーク、無人機、宇宙領域を前提とする体系へ移行している。
私は2026年を、F-35Bが増えた年というより「航空機を単体で評価する時代が終わった年」と捉えている。F-35が見つけ、E-2Dが全体像を整え、KC-46Aが滞空時間を延ばし、C-2が部隊を運び、RC-2が相手の電波を蓄積する。機種同士がデータと兵站でつながって初めて、一つの航空戦力になるからだ。
よくある質問
航空自衛隊には何種類の航空機がある?
数え方によるが、現役機と配備・取得中の主要型式は約24〜25種類である。単座・複座型や改修型を別に数えるかで数字が変わる。[1]
航空自衛隊の戦闘機は何機ある?
2025年3月31日時点では、F-15J/DJが200機、F-2A/Bが91機、F-35Aが39機で、合計330機である。ただし国有財産数であり、飛行可能数とは一致しない。F-35Bも基準日後に配備が始まった。[2][5]
航空自衛隊に爆撃機はある?
B-1やB-2のような専用爆撃機は保有していない。一方、F-2、F-35A/B、能力向上後のF-15Jは対地・対艦兵器を運用できるため、長距離打撃の一部は戦闘機が担う。航空自衛隊では、専用爆撃機を持つ方式ではなく、戦闘機に多用途能力とスタンド・オフ兵器を組み合わせる方向である。
航空自衛隊で最も大きい機体は?
全長と全幅では政府専用機B-777が最大級で、全長73.9m、全幅64.8mである。部隊や装備の輸送を主目的とする機体ではC-2が最大である。E-767やKC-767、KC-46Aも旅客機を基礎とする大型機に入る。[6][12]
ブルーインパルスの機体は戦闘機?
ブルーインパルスが使うT-4は中等ジェット練習機であり、戦闘機ではない。展示飛行用の塗装と装備を持つが、機種としては操縦教育に使われるT-4と同じ系列である。
正確な「現在の保有数」が分かりにくいのはなぜ?
納入、退役、事故、修理は基準日後も続き、保有数と飛行可能数も一致しない。数字を見る際は基準日と集計方法の確認が必要である。
まとめ|航空自衛隊の強さは機体をつなぐ網にある
- センサーで発見
- 指揮管制で共有
- 戦闘機が対処
- 輸送・給油・救難が持続
2026年の航空自衛隊は、F-35A、F-15J/DJ、F-2A/BにF-35Bが加わり、戦闘機体系の更新を進めている。同時に、E-2D、RQ-4B、KC-46A、C-2、RC-2など、警戒監視、無人情報収集、空中給油、長距離輸送、電波情報収集を担う機体の比重も高まった。
一方で、U-125AとUH-60Jの救難、U-680Aの飛行点検、T-7・T-4・T-400による教育が止まれば、戦闘機部隊だけを維持することはできない。航空自衛隊の機体一覧は、人気機種を並べたカタログではなく、日本の防空を構成する機能表として読むべきである。
冒頭で述べた通り、航空自衛隊の強さは戦闘機の数だけでは測れない。敵を見つける機体、味方を指揮する機体、燃料を渡す機体、人と物を運ぶ機体、命を救う機体、操縦者を育てる機体が一つの網として働く。2026年の変化は、その網がステルス、無人機、長距離展開、電磁波、そして宇宙へ広がり始めたことにある。
この論点を広く比較するなら、「航空自衛隊の基地一覧|全国の主要基地と配備機種を地図で解説【2026】」もあわせて確認したい。
この論点を広く比較するなら、「航空宇宙自衛隊構想とは|名称変更案と宇宙作戦の役割」もあわせて確認したい。
参考資料
8: 防衛省「中国軍機による自衛隊機への接近」およびRC-2関連資料
参考資料・主な出典
1: 航空自衛隊「装備」|資料を確認
mod.go.jp|資料を確認
3: 航空自衛隊「航空自衛隊の概要」2026年版|資料を確認
4: 航空幕僚長記者会見、2026年6月30日|資料を確認
mod.go.jp|資料を確認
6: 航空自衛隊「E-767」|資料を確認
7: 航空自衛隊「RQ-4B(グローバルホーク)」|資料を確認
8: 防衛省「中国軍機による自衛隊機への接近」およびRC-2関連資料|資料を確認
9: 財務省「令和8年度防衛関係予算」|資料を確認
10: 航空自衛隊「C-2」|資料を確認
11: 航空自衛隊「C-1輸送機退役」|資料を確認
12: 航空自衛隊「B-777」|資料を確認
13: 航空自衛隊「UH-60J」|資料を確認
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