
海上自衛官の給料は、階級だけでなく、同じ階級の中での号俸、勤務地、扶養状況、そして艦艇に乗り組んでいるかどうかで大きく変わる。とくに海上自衛隊では、陸上基地勤務、水上艦艇勤務、潜水艦勤務の差が給与明細へ表れやすい。
2026年7月時点では、高卒で採用される2等海士や一般曹候補生の基本給は月額23万9,500円からであり、一般の隊員に支給されるボーナスの年間支給月数は4.65月分である。[S1] さらに護衛艦などの乗組員には現在の号俸の43%、潜水艦乗組員には55.5%を基準とする乗組手当が示されている。[S3][S4]
- 俸給は階級だけでなく同じ階級内の号俸でも変わる
- 2026年度の高卒初任給は2等海士・一般曹候補生で月額23万9,500円から
- 護衛艦などの乗組手当は俸給月額の43%、潜水艦は55.5%
- 高い手当は長期航海・当直・生活制約への対価として考える
私は、海上自衛官の収入を調べるとき、単純な「平均年収」よりも、どの階級で、どの号俸を受け、どこに配置されているかを見る方が実用的だと考える。本記事では、2026年時点の公表資料を基に、基本給、階級別の目安、艦艇勤務による差、年収モデル、手取りを見る際の注意点を整理する。
この記事の結論
海上自衛官の給料を理解するうえで、先に押さえるべき点は次の通りである。
- 基本給に当たる俸給は、階級と号俸で決まる
- 2026年度の高卒初任給は、2等海士・一般曹候補生で<span class="swl-marker mark_green">月額23万9,500円</span>からである
- 一般の隊員のボーナスは<span class="swl-marker mark_blue">年間4.65月分</span>が基準である
- 護衛艦などの乗組手当は現在の号俸の<span class="swl-marker mark_orange">43%</span>、潜水艦は<span class="swl-marker mark_orange">55.5%</span>である
- 航海手当や海上警備等手当は、実際の航海や対象任務に応じて加わる
- 同じ階級でも、号俸、勤務地、扶養、住居、配置によって年収は数十万から百万円単位で変わり得る
- 艦艇勤務の高い収入は、長期航海、当直、生活制約、家族との別居時間に対する処遇でもある
結論を一言でまとめれば、海上自衛官の年収は「階級」だけでは決まらず、「階級×号俸×配置」で決まる。

海上自衛官の給料は何で構成されるのか
- 俸給は階級と号俸で決まる
- 期末・勤勉手当は年2回支給される
- 生活関連手当は家族・住居・勤務地で変わる
- 乗組・航海・海上警備等の手当は配置と実績で変わる
海上自衛官の給与は、主に俸給、各種手当、期末・勤勉手当、現物給付から構成される。俸給は毎月の土台であり、各種手当が勤務環境や家族状況を反映し、6月と12月の期末・勤勉手当が年収を押し上げる。
俸給は階級と号俸で決まる
自衛官には、自衛官俸給表が適用される。海上自衛官の場合、2等海士、1等海士、海士長、3等海曹、2等海曹、1等海曹、海曹長、准海尉、3等海尉、2等海尉、1等海尉、3等海佐、2等海佐、1等海佐、海将補、海将という階級ごとに俸給欄が分かれている。[S2]
ただし、階級が同じなら全員同額という意味ではない。同じ階級の中にも複数の号俸があり、採用時の学歴・職歴、勤続、昇給、昇任などによって号俸が変わる。若い海士長と、長く勤務している海士長では、同じ階級章でも俸給月額が異なる。
給与の話で階級だけが注目されやすいが、実務上は号俸の影響も大きい。艦艇の乗組手当は現在の号俸を基礎に計算されるため、号俸が上がれば基本給だけでなく乗組手当も増えるからである。
ボーナスは年間4.65月分が基準
2025年12月に成立した給与改正では、一般の隊員の期末・勤勉手当が年間4.60月分から4.65月分へ引き上げられた。[S1] 単純化すると、基本給23万9,500円なら、4.65月分は約111万4,000円となる。
ただし、採用初年度は在職期間によって支給額が調整される。4月採用者が初年度から必ず4.65月分を満額受け取るわけではない。また、期末・勤勉手当の算定には基準日、在職期間、勤務成績、算定対象となる給与項目などが関係するため、「月給×4.65」を個人の確定額として扱うべきではない。
一般的な手当と海上自衛隊特有の手当がある
海上自衛官にも、扶養手当、住居手当、通勤手当、地域手当、単身赴任手当、広域異動手当、特地勤務手当、寒冷地手当など、国家公務員に共通する手当が条件に応じて支給される。
そのうえで、海上自衛隊では乗組手当、航海手当、海上警備等手当などが収入差を作る。艦艇勤務の給与を考えるときは、毎月の配置に対する乗組手当と、実際の航海・任務に対する日額系の手当を分けて考える必要がある。
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2026年の海上自衛官の初任給
- 学歴・職歴によって採用時の号俸が変わる
- 採用初年度の賞与は在職期間で調整される
- 教育期間中と部隊配属後では手当の条件が異なる
- 月給だけでなく任期・昇任・再就職支援も確認する
2026年度の採用時基本給では、2等海士と一般曹候補生は月額23万9,500円からとされる。[S1] 学歴や職歴によって初任給が加算される場合があり、大卒の一般曹候補生は月額25万7,200円が公表例となっている。
一般幹部候補生は、候補生としての採用時と3等海尉への任官時で給与の見方が異なる。防衛省資料では、一般幹部候補生の採用時基本給は月額28万8,300円からという公表例があり、大卒で3等海尉に任官した時点の公表例は月額31万1,000円である。[S1]
| 採用区分・段階 | 月額の公表例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 2等海士・一般曹候補生(高卒) | 239,500円から | 学歴・職歴で変動 |
| 一般曹候補生(大卒) | 257,200円 | 大卒初任給の公表例 |
| 一般幹部候補生(採用時) | 288,300円から | 採用区分・経歴で変動 |
| 一般幹部候補生(大卒任官時) | 311,000円 | 3等海尉任官時の公表例 |
任期制の2等海士は、最初の任期が海上自衛隊では3年である。任期満了後に継続任用を選ぶ道も、退職して民間へ移る道もある。給料だけで進路を比較するときは、毎月の収入に加えて、任期満了時の特例退職手当、資格取得支援、再就職支援まで含める必要がある。
海上自衛官の階級別基本給
- 表の1号俸は平均月給ではない
- 同じ階級でも勤続と昇給で俸給は変わる
- 上級佐官・将官は官職による適用区分がある
- 実収入は手当・控除・配置まで含めて確認する
次の表は、2026年4月時点の自衛官俸給表から、各階級の1号俸を抜き出したものである。[S2] これは階級ごとの最低スタートに近い比較であり、その階級にいる隊員の平均月給ではない。
| 海上自衛隊の階級 | 1号俸の俸給月額 | 基本給だけの年収目安 |
|---|---|---|
| 2等海士 | 239,500円 | 約399万円 |
| 1等海士 | 250,000円 | 約416万円 |
| 海士長 | 250,200円 | 約417万円 |
| 3等海曹 | 267,900円 | 約446万円 |
| 2等海曹 | 286,200円 | 約477万円 |
| 1等海曹 | 295,000円 | 約491万円 |
| 海曹長 | 295,100円 | 約491万円 |
| 准海尉 | 302,600円 | 約504万円 |
| 3等海尉 | 308,200円 | 約513万円 |
| 2等海尉 | 313,400円 | 約522万円 |
| 1等海尉 | 335,200円 | 約558万円 |
| 3等海佐 | 374,100円 | 約623万円 |
| 2等海佐 | 398,800円 | 約664万円 |
| 1等海佐 | 459,000円から | 約764万円から |
| 海将補 | 604,200円から | 約1,006万円から |
| 海将 | 736,000円から | 約1,225万円から |
年収目安は、俸給月額を12か月受け取り、ボーナスを4.65月分として単純計算したものである。地域手当、扶養手当、住居手当、乗組手当などは含めていない。実際には同じ階級でも上位号俸へ進むため、中堅・ベテラン隊員の俸給は1号俸より高い。
1等海佐には職責に応じて複数の俸給欄があり、海将補にも適用区分がある。将官や上級佐官の給与は、単純な勤続年数だけでなく、占める官職と適用区分に左右される。一般の応募者がキャリア初期を考えるなら、海士、海曹、尉官の推移を見る方が現実的である。
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艦艇勤務で給料はいくら増えるのか
- 水上艦艇の乗組手当は俸給月額の43%
- 潜水艦の乗組手当は俸給月額の55.5%
- 航海手当は乗組手当と別の実績連動手当
- 対象艦・配置・任務の支給要件を満たす必要がある
海上自衛官の給与で最大の分岐になるのが、陸上基地勤務か、艦艇乗組員かである。海上自衛隊の公式資料では、護衛艦の乗組手当は各階級の現在の号俸の43%、潜水艦は55.5%とされている。[S4]
護衛艦などの乗組手当は現在の号俸の43%
基本給23万9,500円の2等海士が、43%の対象となる水上艦艇乗組員であると仮定すると、乗組手当の単純計算は月額10万2,985円である。基本給との合計は月額34万2,485円となる。
| 基本給 | 43%の乗組手当 | 基本給との月額合計 |
|---|---|---|
| 239,500円 | 約102,985円 | 約342,485円 |
| 267,900円 | 約115,197円 | 約383,097円 |
| 295,000円 | 約126,850円 | 約421,850円 |
| 335,200円 | 約144,136円 | 約479,336円 |
| 374,100円 | 約160,863円 | 約534,963円 |
これは説明用の単純計算であり、乗組員として正式に配置され、支給要件を満たしていることが前提である。教育隊にいる段階、陸上部隊へ異動した期間、艦艇乗組員ではない配置では、同じ計算は使えない。
私は、43%という数字だけを見て「海上自衛隊は簡単に月給が10万円以上増える」と理解するのは危険だと考える。乗組手当は臨時ボーナスではない。出港すれば勤務場所と生活場所が同じ艦内になり、当直、訓練、警戒監視、整備、入港後の作業まで連続する。高い支給率は、その勤務条件を給与上評価したものだ。
潜水艦乗組員は現在の号俸の55.5%
潜水艦乗組員の乗組手当は、現在の号俸の55.5%と公表されている。[S4] 基本給23万9,500円なら、単純計算で月額約13万2,923円、基本給との合計は約37万2,423円となる。
潜水艦は、水上艦艇より閉鎖性が高く、長い出港、限られた生活空間、厳格な安全手順、心理的負担が伴う。海上自衛隊自身も、潜水艦勤務には水上艦艇勤務と比べてさまざまな制約があると説明している。[S4]
ただし、海上自衛隊に入隊すれば自動的に潜水艦へ配属されるわけではない。適性、教育、職域、本人希望、人員配置を経て潜水艦乗員となる。潜水艦勤務の年収と選抜・勤務実態は別記事の検索意図であり、本記事では給与差の説明に留める。
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航海手当は乗組手当とは別である
乗組手当は、対象となる艦艇の乗組員として配置されていることを評価する月額の手当である。これに対し、航海手当は実際の航海日数、水域、艦艇、階級などの条件に応じて支給される。
防衛省の過去のモデルでは、護衛艦乗組員の1等海尉が20日間航海した場合に、航海手当1万8,200円を加える例が示されている。[S5] ただし、この金額を「航海1日につき一律910円」と一般化してはならない。航海区域や支給区分によって額が異なるためである。
海上警備等手当は対象任務に従事した場合に付く
海上警備行動、海賊対処、警戒監視など、制度上の対象となる任務に従事した場合は、海上警備等手当の対象になり得る。乗組手当が毎月の配置を評価するのに対し、海上警備等手当は実際の対象任務と従事日数に連動する。
したがって、艦艇乗組員の月収は毎月同じとは限らない。基本給と乗組手当は比較的見通しを立てやすいが、航海手当や海上警備等手当は、艦の行動、任務、日数で変化する。

陸上勤務・護衛艦・潜水艦の年収モデル
- ボーナスは俸給月額の4.65月分で単純計算
- 乗組手当は12か月支給と仮定
- 地域・扶養・住居・航海関係の手当は含めない
- 個人の確定年収ではなく配置差を見る比較モデル
配置差を分かりやすくするため、基本給23万9,500円の若手隊員が1年間勤務した場合を単純計算する。ボーナスは基本給の4.65月分、乗組手当は12か月支給、地域・扶養・住居・航海・海上警備等の各手当は含めない。
| 配置 | 毎月の基本給+乗組手当 | 単純年収モデル |
|---|---|---|
| 陸上基地勤務 | 239,500円 | 約399万円 |
| 護衛艦など | 約342,485円 | 約522万円 |
| 潜水艦 | 約372,423円 | 約558万円 |
このモデルでは、陸上基地勤務と水上艦艇勤務で年額約124万円、潜水艦勤務では約160万円の差となる。実際には、初年度のボーナス按分、教育期間、途中の配置換え、休職、各種手当、税・共済掛金などがあるため、入隊初年度から表の年収がそのまま支給されるわけではない。
次に、1号俸の3等海曹、1等海尉、3等海佐を同じ条件で比較する。
| 階級・基本給 | 陸上勤務 | 水上艦艇43% | 潜水艦55.5% |
|---|---|---|---|
| 3等海曹・267,900円 | 約446万円 | 約584万円 | 約625万円 |
| 1等海尉・335,200円 | 約558万円 | 約731万円 | 約781万円 |
| 3等海佐・374,100円 | 約623万円 | 約816万円 | 約872万円 |
号俸が高くなるほど、割合で計算される乗組手当の金額も増える。同じ43%でも、若手海士と中堅幹部では上乗せ額が異なる。これが、海上自衛官の収入を「階級別」だけでなく「配置別」に見るべき理由である。
艦艇勤務の給与明細には、同じ階級章の中に、海に出る責任と家族から離れる時間が金額として刻まれる。私は、この点こそ海上自衛官の給与制度を理解する核心だと思う。
艦艇勤務なら常に高年収なのか
- 艦艇を降りる配置では乗組手当が変わる
- 長期航海では家族との別居時間が増える
- 当直・整備・警戒監視は生活時間と連続する
- 手当だけで職種や配属希望を決めない
乗組手当の割合だけを見れば、艦艇勤務は陸上勤務より有利である。しかし、生涯収入や生活の満足度まで含めると、単純に高い方が得とは言い切れない。
艦艇を降りれば乗組手当は変わる
乗組手当は、対象艦艇の乗組員としての配置に対する手当である。陸上部隊、教育機関、司令部、募集業務、学校勤務などへ異動すれば、艦艇乗組員としての手当が続くとは限らない。
海上自衛官のキャリアは、同じ艦に乗り続ける一本道ではない。職域教育、昇任、部隊運用、健康状態、家族事情などにより、艦艇と陸上の配置を経験する場合がある。住宅ローンや教育費を考えるとき、最も高かった乗艦中の月収を恒久的な収入として家計へ組み込むのは危険である。
長期航海中は支出を抑えやすいが、生活制約も大きい
艦内では規定に基づく食事が支給され、出港中は外食や娯楽への支出が減りやすい。このため、独身の若手隊員は貯蓄しやすい場合がある。一方で、寄港時の支出、通信環境、家族との連絡、帰港後の消費などは個人差が大きい。
「艦艇勤務は家賃も食費も全部ゼロ」と一括りにするのは正確ではない。営舎内居住、官舎、民間賃貸、持ち家、扶養家族の有無で生活費は変わる。出港中に食事が支給されても、陸上の住居費や家族の生活費が消えるわけではない。
残業代という見方は民間と同じではない
防衛省は、自衛官の俸給について、公安職俸給表を参考にしつつ、任務の特殊性や超過勤務手当相当分を織り込んだ独自の水準であると説明している。[S5] そのため、民間会社員のように「航海中の全時間を残業時間として時給換算する」という考え方は制度と一致しない。
長時間拘束を乗組手当だけで割り戻し、時給が高いか低いかを断定することも難しい。給与制度は、勤務時間、責任、危険性、生活制約、待機、現物給付を一体で設計しているからである。
海上自衛官の手取りはどれくらいか
- 俸給と月額手当を確認する
- 実績連動手当を分けて見る
- 税金・共済掛金・宿舎関係の控除を確認する
- 乗組手当を固定生活費へ使い切らない
手取りは、額面給与から所得税、住民税、共済組合掛金、年金関係の掛金などを差し引いた金額である。扶養状況、前年所得、居住地、年齢、官舎・営舎の利用、財形貯蓄、団体保険などで差が出るため、階級別の一律手取り表は作れない。
若手隊員の手取りを確認するときは、次の順序で給与明細を見ると分かりやすい。
1. 俸給月額 2. 乗組手当などの月額手当 3. 航海手当などの実績連動手当 4. 地域・扶養・住居・通勤関係の手当 5. 税金と共済掛金 6. 食事代や宿舎関係の調整、財形、保険など
とくに注意したいのは、年収500万円と手取り500万円はまったく違う点である。また、艦艇勤務で額面が増えれば、税・掛金も増える。増えた手当の全額が自由に使えるお金になるわけではない。
私なら、入隊後の家計を考えるとき、最高月収ではなく、陸上配置でも維持できる基本給中心の生活設計を作る。そのうえで乗組手当や航海関係の手当を、貯蓄、投資、資格取得、将来の住居費へ回す。配置転換に強い家計になるからである。

海上自衛官はどうすれば給料が上がるのか
- 号俸の上昇
- 海曹・幹部への昇任
- 艦艇・航空・特殊分野での専門性
- 勤務地・家族状況による生活関連手当
海上自衛官の給料を長期的に上げる要素は、昇給、昇任、専門性、配置の四つである。
号俸が上がる
勤務成績や制度上の基準により昇給すると、同じ階級でも俸給月額が上がる。艦艇乗組員の場合、現在の号俸に対する割合で乗組手当が計算されるため、基本給と手当が同時に増える効果がある。
海曹・幹部へ昇任する
長期勤務を考えるなら、海士から海曹へ進むことが重要である。一般曹候補生は、専門分野に精通した中堅の基幹要員を目指す採用コースであり、任期制隊員にも選抜を経て3等海曹へ進む道がある。[S6]
さらに部内幹部候補生などの選抜を経て幹部へ進めば、職責と俸給水準が上がる。ただし、幹部は給与が上がる一方、部門の安全、教育、人事、整備、作戦計画などへの責任も重くなる。
艦艇・航空・特殊分野の配置に就く
艦艇乗組員、潜水艦乗組員、航空機乗員、特別警備隊員など、特殊な勤務条件を持つ配置には高率の手当がある。ただし、身体検査、適性、教育、資格、本人希望、部隊需要が関係し、給料だけを理由に自由に選べるものではない。
地域・家族状況で手当が変わる
同じ階級・号俸・艦種でも、勤務地の地域手当、扶養親族、住居、単身赴任、広域異動などによって額面は変わる。横須賀、呉、佐世保、舞鶴、大湊など、主要基地ごとに生活費も異なるため、額面収入と可処分所得を分けて考えるべきである。
よくある質問
海上自衛官の平均年収はいくらか
海上自衛官だけを階級・年齢・配置別に分けた単一の平均年収を、公表資料から簡単に確定することはできない。自衛官全体の平均値を海上自衛官へそのまま当てはめると、艦艇乗組員と陸上勤務者の差が見えなくなる。本記事の階級別基本給と配置別モデルから、自分に近い条件で見る方が実用的である。 関連記事:target_slug=jsdf-salary-annual-income-guide / anchor=自衛官全体の年収・給料モデル
高卒で海上自衛隊に入ると年収はいくらか
2026年度の高卒初任給は、2等海士・一般曹候補生で月額23万9,500円からである。基本給12か月とボーナス4.65月分を単純計算すると約399万円になる。ただし、初年度のボーナスは在職期間で調整され、教育期間や配置によって乗組手当の有無も変わる。
護衛艦に乗れば月給は必ず43%増えるのか
護衛艦などの対象艦艇の乗組員として配置され、支給要件を満たす場合に、現在の号俸の43%を基準とする乗組手当が支給される。海上自衛隊へ入隊しただけ、艦艇見学をしただけ、短期間乗艦しただけで自動的に付く手当ではない。
潜水艦乗りは護衛艦乗りより高収入か
同じ基本給で比較すれば、乗組手当の支給率は水上艦艇43%、潜水艦55.5%なので、潜水艦の方が月額は高くなる。ただし、潜水艦特有の適性、教育、閉鎖環境、長期出港、生活制約があり、金額だけで優劣を決めるべきではない。
艦艇勤務の年収は毎年同じか
同じではない。号俸の上昇、昇任、配置換え、航海日数、対象任務、地域手当、扶養状況、ボーナスの算定などで変化する。艦艇を降りて陸上勤務になれば、乗組手当がなくなる場合もある。
海上自衛官は貯金しやすいか
営舎内居住や出港中の食事支給により、若手独身者は支出を抑えやすい場合がある。一方、家族世帯の住居費、単身赴任、帰省、寄港時の支出などもある。貯金しやすさは給与の高さより、乗組手当を恒常的な生活費へ使い切らない家計設計に左右される。
まとめ|海上自衛官の年収は「階級×号俸×配置」で決まる
2026年7月時点で、2等海士・一般曹候補生の高卒初任給は月額23万9,500円からであり、一般の隊員のボーナスは年間4.65月分が基準である。俸給は階級と号俸で決まり、海士から海曹、尉官、佐官へ進むにつれて基本給は上がる。
海上自衛隊で大きな差を生むのが艦艇勤務である。護衛艦などの乗組手当は現在の号俸の43%、潜水艦は55.5%であり、基本給23万9,500円の単純計算では、水上艦艇で月額約10万3,000円、潜水艦で約13万3,000円が上乗せされる。さらに実際の航海や対象任務に応じて、航海手当や海上警備等手当が加わる場合がある。
ただし、高い手当は楽に稼げる追加報酬ではない。長期航海、当直、狭い生活空間、整備、警戒監視、家族との別居、高い安全責任を給与上評価したものである。海上自衛官の給料を見るときは、最も高い乗艦中の月収だけでなく、陸上配置へ移った後も続く基本給、昇任可能性、専門性、生活費まで含めて判断すべきだ。
本記事のテーマを貫く答えは明確である。海上自衛官の年収は階級表だけでは読めない。同じ階級章の下でも、号俸と配置が変われば、給与明細に現れる海の重さも変わるのである。
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参考資料・主な出典
防衛省新潟地方協力本部|令和7年人事院勧告の自衛官等給与等の改正|資料を確認
海上自衛隊|身分・待遇など|資料を確認
防衛省|第2回処遇・給与部会資料|資料を確認
海上自衛隊|採用情報|資料を確認
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