世界の現役爆撃機一覧【2026】|B-52・B-2・Tu-160・H-6を整理

異なる設計思想を持つ現役長距離爆撃機の編隊
異なる設計思想を持つ現役長距離爆撃機の編隊
現役爆撃機はステルス性・速度・搭載量・巡航ミサイル運用で役割が分かれる

世界の現役爆撃機一覧を調べると、2026年時点で大型の長距離爆撃機を継続運用している国は、事実上アメリカ、ロシア、中国の3か国に集約される。しかも各国の主力には、1950年代に原型が生まれたB-52やTu-95、旧ソ連のTu-160、中国のH-6といった古参機が残る。

これは爆撃機の進歩が止まったからではない。2026年の爆撃機戦力を分けるのは、機体の新旧よりも、ステルスで敵防空網へ侵入するのか、長射程ミサイルを防空圏外から発射するのか、地域戦域へ大量の兵器を運ぶのかという運用思想である。

2026年の現役爆撃機を読む要点

本記事では、現役の専用長距離爆撃機を国別に整理し、B-52H、B-1B、B-2A、Tu-95MS、Tu-160、Tu-22M3、H-6系列の役割を比較する。開発中のB-21、H-20、PAK DAは現役一覧から分け、公開保有数と実際の稼働機数が一致しない理由も解説する。

目次

2026年の世界の現役爆撃機一覧

現役判定の基準

本記事でいう現役爆撃機とは、2026年7月31日時点で軍の編制または公表インベントリーに入り、長距離爆撃、戦略打撃、巡航ミサイル発射、海洋打撃などを主な任務とする有人固定翼機である。F-15E、Su-34、JH-7のような戦闘爆撃機、A-10のような攻撃機、試験中の次世代機は含めない。

機種・系列主な役割核任務公開情報で確認できる規模2026年の位置づけ
アメリカB-52H ストラトフォートレス長距離ミサイル発射、大量通常攻撃、核抑止あり総在籍76機最古参だが将来も主力
アメリカB-1B ランサー高速・大搭載量の通常攻撃、対艦打撃なし45機B-21への移行まで運用
アメリカB-2A スピリットステルス侵攻、通常・核精密打撃あり20機、うち1機は試験用少数精鋭の侵入爆撃機
ロシアTu-95MS/MSM長距離巡航ミサイル発射、核抑止ありTu-160と合わせ約60機と推定亜音速の戦略ミサイル母機
ロシアTu-160/Tu-160M超音速長距離打撃、核抑止あり機種別内訳は不明、Tu-95と合計約60機生産・近代化を継続
ロシアTu-22M3/M3M戦域長距離打撃、対艦・地上攻撃可能性あり公式な最新稼働数は不明戦略級より一段短い長距離爆撃機
中国H-6K通常巡航ミサイルによる地域長距離打撃通常任務が中心H-6系列全体で数百機級中国爆撃機部隊の主力
中国H-6N空中給油、空中発射弾道ミサイル運用ありと評価約20機との慎重推定中国の空中核戦力を担う型
中国H-6J/H-6G海洋打撃、対艦ミサイル運用公開確認なし系列内訳は不明南部戦区などで訓練を継続

アメリカの数字は、2025年9月30日現在の総航空機インベントリーを基にした2026年版資料による。B-2については米空軍ファクトシートも2026年5月時点で20機と記載している。ロシアと中国は同じ粒度の公式一覧を公開していないため、研究機関による推定や衛星画像分析を併用した。[出典: SRC-ASF-01、SRC-USAF-03、SRC-FAS-RU-01、SRC-FAS-CN-01]

ここで最も注意したいのは、保有数がそのまま出撃可能数を意味しない点である。定期整備、近代化改修、訓練、試験、事故修理、部品不足を考えれば、ある日に任務へ投入できる機数は総在籍数より少ない。ロシアでは実戦損耗や基地攻撃の影響も加わるため、機種別の稼働数を一点の数字で断定するのは危険である。

爆撃機を運用する国が事実上3か国に絞られた理由

保有国が少ない理由

第二次世界大戦から冷戦初期までは、イギリスやフランスも独自の戦略爆撃機を保有していた。だが大型爆撃機は、機体を購入するだけでは戦力にならない。長大な滑走路、空中給油機、専用弾薬、電子戦支援、情報収集、整備施設、熟練搭乗員、核指揮通信まで一体で維持する必要がある。

弾道ミサイルと潜水艦発射弾道ミサイルが発達すると、核抑止だけを目的に高価な爆撃機部隊を残す合理性は薄れた。それでも爆撃機には、発進後の任務中止や経路変更が可能で、戦闘機より遠くへ大量の兵器を運べる柔軟性がある。この能力を国家規模で維持できるのが3か国なのである。

爆撃機の価値は、滑走路に並ぶ尾翼の数ではなく、遠方の発射線まで兵器を運び、帰還させ続ける国家システムの厚みに宿る。私は、この点を外すと機体スペックの比較だけで各国の実力を見誤ると考える。

米空軍の大型爆撃機三機種が飛行する訓練空域
米国はB-52・B-1B・B-2を任務別に使い分けながらB-21への移行を進める

アメリカの現役爆撃機|B-52・B-1B・B-2の三層構造

米国の三機種

アメリカ空軍は2026年時点で、B-52H、B-1B、B-2Aという性格の異なる3機種を運用する。総在籍数は141機だが、すべてを同じ任務に使うのではない。大量搭載と長射程兵器のB-52、通常攻撃に特化した高速・大搭載量のB-1B、敵防空網への侵入能力を持つB-2という役割分担である。[出典: SRC-ASF-01]

B-52Hストラトフォートレス|古い機体を最新兵器の発射母機に変える

B-52は1955年に就役し、現存するB-52Hの最終号機は1962年に納入された。航空機としては異例の長寿だが、米空軍は2050年まで運用する方針を示している。2026年版の総航空機インベントリーでは、現役部隊58機、空軍予備役18機、合計76機である。[出典: SRC-USAF-01、SRC-ASF-01]

B-52Hの強みは、ステルス性や超音速性能ではない。無給油戦闘航続距離は1万4080キロメートル超、最大兵器搭載量は約31.5トンで、核兵器と通常兵器の双方を搭載できる。空中給油を受ければ、乗員の持久力が実質的な制約になるほど長時間飛行できる。[出典: SRC-USAF-01]

現代の高脅威環境でB-52が敵防空網の中心へ無理に突入するとは限らない。長射程巡航ミサイルやスタンドオフ兵器を多数搭載し、安全な距離から発射する「兵器トラック」として使えるからだ。海洋監視、対艦攻撃、機雷敷設、近接航空支援まで任務の幅も広い。

私はB-52を「古い爆撃機」とだけ呼ぶのは適切でないと思う。機体構造は古くても、センサー、通信、兵器、エンジンを更新できれば、巨大な搭載力を備えた空中発射プラットフォームとして価値は残る。B-52Jへの改修は、古い機体を温存する計画ではなく、発射母機として再定義する計画である。

関連記事:target_slug=b52-stratofortress-guide / anchor=B-52が70年以上現役でいられる理由とB-52J近代化

B-1Bランサー|通常兵器を大量に運ぶ高速爆撃機

B-1Bは可変後退翼と4基のアフターバーナー付きエンジンを備え、低空から高空まで高速で飛行できる。最大速度はマッハ1.2、兵器搭載量は約34トンで、米空軍爆撃機の中でも最大級の通常兵器搭載能力を持つ。2026年版資料の総在籍数は45機である。[出典: SRC-USAF-02、SRC-ASF-01]

かつては核任務を想定した戦略爆撃機だったが、核任務は1994年に廃止され、機体の通常任務専用化は2011年に完了した。したがって2026年のB-1Bは、核三本柱の一部ではなく、大量の精密誘導兵器を迅速に運ぶ通常攻撃機である。[出典: SRC-USAF-02]

長射程対艦ミサイルLRASMの運用により、海洋打撃でも重要性が増した。一方で機体年齢と整備負担は重く、長期的にはB-21への移行対象になる。

B-2Aスピリット|防空網を抜く少数精鋭のステルス爆撃機

B-2Aは全翼型のステルス戦略爆撃機であり、通常兵器と核兵器の双方を運用する。無給油航続距離は約9600キロメートル、最大搭載量は約27.2トンである。米空軍は2026年5月時点の在籍数を20機とし、そのうち1機を試験用としている。[出典: SRC-USAF-03]

B-2の役割は、B-52のように敵防空圏外から多数の巡航ミサイルを撃つことだけではない。低被探知性を利用して厳重に防護された空域へ入り、地下施設や核関連施設など価値の高い目標を精密攻撃する点にある。少数でも、他の航空機では接近しにくい目標へ到達できることが戦略的価値になる。

20機という規模は整備や改修の影響を受けやすい。B-2は大量爆撃の主力というより、必要な場面へ投入される希少な突破戦力である。

可変翼機とターボプロップ機を運用する長距離航空部隊
ロシアはTu-95・Tu-160・Tu-22M3を長距離ミサイル運用と地域打撃に使い分ける

ロシアの現役爆撃機|Tu-95・Tu-160・Tu-22M3を使い分ける

ロシアの三機種

ロシア国営企業ロステックは、ロシア長距離航空部隊の中核をTu-160、Tu-95MS、Tu-22M3の3機種と説明している。前二者は大陸間任務を担う戦略ミサイル母機、Tu-22M3は主に戦域レベルの長距離攻撃機という位置づけである。[出典: SRC-ROSTEC-01]

ロシア軍は機種別の最新総数と稼働率を透明には公表していない。FASは2025年の衛星画像と整備施設を照合し、Tu-160とTu-95MSを合わせた核任務対応の現役在籍数を約60機と推定した。2025年6月のウクライナによる基地攻撃では複数機が破壊・損傷したと分析され、以後は配備の分散も確認されている。このため古い資料の数字をそのまま2026年の戦力とみなすべきではない。[出典: SRC-FAS-RU-01]

Tu-95MS/MSM|プロペラ機でも巡航ミサイル母機として現役

Tu-95は二重反転プロペラを持つターボプロップ戦略爆撃機で、原型の初飛行は1950年代にさかのぼる。ジェット戦闘機より低速で、大きな機体はステルスでもない。それでもTu-95MSは、長射程巡航ミサイルを遠距離まで運ぶ母機として現役に残る。

現代のTu-95MSが担うのは、重防御目標の真上まで飛んで自由落下爆弾を投下する任務ではない。Kh-101などの巡航ミサイルをロシア領内や周辺空域から発射し、母機を防空圏外に置く運用が中心である。MSM近代化では航法、通信、兵器統合などを更新し、旧式の飛行プラットフォームへ新しい打撃能力を載せている。

Tu-160/Tu-160M|超音速で発射位置へ進出する戦略爆撃機

Tu-160は可変後退翼を備えた世界最大級の超音速戦略爆撃機で、NATOではブラックジャック、ロシアでは白鳥を意味する愛称で知られる。Tu-160Mはエンジン、アビオニクス、電子機器などを大幅に更新した型であり、ロシアは既存機の改修と新造機生産の再開を進めている。

ロステックによれば、Tu-160Mは80%のシステムと装備を更新し、無給油で1万2000キロメートル超を飛行でき、最高速度は時速2000キロメートル超、搭載量は40トン超とされる。ロシア側の公表値であるため運用条件を含む単純比較には注意が必要だが、大型・高速・長航続という設計思想は明確である。[出典: SRC-ROSTEC-02]

Tu-160の速度は、広大な国土の基地から短時間で発射空域へ進出し、巡航ミサイルを放って帰投する時間を縮めるために生きる。

私がTu-160で最も注目するのは最高速度ではなく、ロシアが途絶えていた生産技術を再構築した点である。新造Tu-160Mの計画は、爆撃機そのものに加え、大型機を造る工場、チタン加工、エンジン、試験設備を維持する産業政策でもある。機数が少なくても、生産線が生きていることは長期戦力に直結する。[出典: SRC-KREMLIN-01、SRC-ROSTEC-01]

Tu-22M3/M3M|戦略爆撃機と戦闘爆撃機の間を埋める

Tu-22M3は可変後退翼を持つ超音速長距離爆撃機で、Tu-95やTu-160より航続距離が短い。大陸間核抑止の主役というより、欧州、北極圏、中東、海洋正面などで大型ミサイルや爆弾を運ぶ戦域打撃機である。

冷戦期には空母機動部隊への対艦攻撃が重視され、現在は地上目標への長距離攻撃にも使われる。M3M近代化型の改修機数と部隊配備には不透明な部分が残る。

公開資料では数十機規模の在籍が語られるものの、飛行可能機、修理中、保管機、訓練用を切り分けた信頼できる2026年の一覧はない。実戦損耗や基地攻撃の影響もあるため、本記事では単一の確定数を置かない。現役機種であることと、いつでも多数を投入できることは別問題である。

長距離対艦・巡航ミサイルを搭載する大型ジェット爆撃機
H-6系列は改良を重ね、地域打撃と海洋目標への長距離ミサイル母機へ進化した

中国の現役爆撃機|H-6を地域ミサイル母機へ進化させた

H-6系列の役割

中国の大型爆撃機戦力はH-6系列へ集中している。H-6の原型はソ連のTu-16だが、中国はエンジン、機首、レーダー、電子機器、兵器搭載部を改め、巡航ミサイル、対艦ミサイル、空中発射弾道ミサイルを運ぶ複数の派生型へ発展させた。

FASの2026年分析では、中国は8種類を超えるH-6系列を数百機保有するとされる。ただし核任務対応と評価されるのはH-6Nで、H-6Nの機数と割り当てられた核兵器数は非公表である。FASは約20機と最大20発のミサイルを慎重に推定している。[出典: SRC-FAS-CN-01]

中国軍の公式発信でも、2026年4月にH-6GとH-6Jが飛行訓練へ参加し、5月にはH-6Kが海空合同戦備警戒パトロールに参加したことが確認できる。少なくとも主要派生型が部隊で継続運用されている点は明白である。[出典: SRC-PLA-01、SRC-PRC-MOD-01]

H-6K|中国の通常長距離打撃を支える主力型

H-6Kは新しいターボファンエンジン、改良された機首、デジタル化された操縦・航法系統、翼下の兵器搭載点を備える。主な役割は長距離巡航ミサイルによる通常打撃であり、中国本土から第一列島線周辺、南シナ海、西太平洋へ影響力を伸ばす手段になる。

機体単独ではアメリカやロシアの大陸間戦略爆撃機ほどの航続性能を持たない。だが搭載ミサイルの射程を加えれば、母機は目標から遠い位置で発射できる。爆撃機の行動半径だけでなく、兵器との組み合わせで到達範囲を見る必要がある。

H-6Kはステルス機ではない。戦闘機、早期警戒機、給油機、衛星・無人機の情報と結びつき、複数方向からミサイルを撃つ体系の一部として価値を発揮する。

H-6N|空中給油と弾道ミサイルで核三本柱を補う

H-6Nは機首に空中給油プローブを持ち、胴体下面へ大型の空中発射弾道ミサイルを搭載できるよう改修された。従来の爆弾倉を取り外したとみられ、自由落下爆弾を大量搭載する古典的な爆撃機より、大型ミサイル専用母機に近い。

FASはH-6Nが大陸間航続距離を持つわけではなく、重い弾道ミサイルを積めば航続性能も低下すると指摘する。その弱点を補うのが空中給油である。2025年には航空機発射型の長距離ミサイルが公の場で示され、中国が限定的ながら陸・海・空の核三本柱を成立させたとの評価が強まった。[出典: SRC-FAS-CN-01]

機数、警戒態勢、核弾頭の搭載手順、給油実績、指揮通信は非公開である。H-6Nは完成形というより、中国が空中核戦力を制度化する入口に立った機体と見るのが妥当だ。

H-6J・H-6G|西太平洋を意識した海洋打撃型

H-6Jは中国海軍航空部隊で発展した海洋打撃型で、複数の対艦ミサイルを搭載し、艦艇や基地を遠距離から攻撃する任務を担う。H-6Gも南部戦区で運用が確認され、海上目標に対する訓練や警戒活動へ参加している。

海上目標を攻撃するには、偵察衛星、哨戒機、無人機、艦艇、地上レーダーから位置情報を更新し続ける必要がある。H-6Jの実力は、この目標捕捉網の完成度に左右される。

私はH-6を「Tu-16のコピーを延命しただけ」と片付けるべきではないと考える。原型が古いのは事実だが、中国は同じ大型機体を、通常巡航ミサイル母機、核弾道ミサイル母機、対艦攻撃機へ分化させた。古い器を用途別のミサイル母艦へ作り替えた点こそ、H-6系列の本質である。

B-21・H-20・PAK DAを現役一覧に入れない理由

現役判定の基準
開発中の次世代機

次世代爆撃機として最も先行しているのはアメリカのB-21レイダーである。しかし米空軍は2026年4月の公式発表で、B-21を継続中の試験・評価によって運用開始へ近づけている段階と説明した。したがって2026年7月時点では、将来の主力であっても実戦部隊の現役爆撃機とは扱わない。[出典: SRC-USAF-04]

B-21はB-2より維持しやすく、有人・無人の将来運用も視野に入れたステルス爆撃機として開発されている。配備が始まればB-1BとB-2を段階的に置き換え、B-52と組み合わせた二機種体制へ移る予定である。B-52が大量の長射程兵器を運び、B-21が防空網内部へ侵入する分業が想定される。[出典: SRC-USAF-05]

関連記事:target_slug=b21-raider-guide / anchor=B-21レイダーの開発状況とB-52Jとの役割 中国のH-20は長距離ステルス爆撃機とされるが、2026年7月までに公式確認された初飛行や実戦配備はない。FASは、飛行中と称する映像や画像が認証されておらず、米国防総省の2025年版中国軍事力報告書にもH-20への言及がなかったと整理している。そのため現役一覧へ含める根拠はない。[出典: SRC-FAS-CN-01]

ロシアのPAK DAも次世代長距離爆撃機として開発が語られてきたが、部隊配備を確認できる公開情報はない。ロシアが現実に維持しているのはTu-95、Tu-160、Tu-22M3の改修と、Tu-160Mの生産基盤である。計画名称と現役戦力を混同しないことが重要だ。

爆撃機の侵入・長距離発射・高速突破任務を比較する航空作戦室
同じ爆撃機でも防空圏内へ侵入する機体と遠距離からミサイルを放つ機体では評価軸が異なる

7機種を比較すると見える3つの爆撃機運用思想

三つの運用思想

1.敵防空網へ侵入するステルス型

代表はB-2Aで、将来はB-21が加わる。レーダー反射を抑え、敵が守る重要目標へ接近して精密兵器を投下する。少数でも代替しにくい能力を持つ反面、取得費、整備費、ステルス管理の負担が大きい。

2.防空圏外から撃つスタンドオフ型

B-52H、Tu-95MS、Tu-160H-6K、H-6Nは、長射程ミサイルの発射母機としての性格が強い。機体自体が古くても、射程の長い兵器、正確な目標情報、堅牢な通信があれば戦力価値を更新できる。高性能防空網の外側に母機を置けるため、ステルス性の弱さを一定程度補える。

3.大量搭載と速度で戦域へ圧力をかける型

B-1BとTu-22M3は、核抑止専用というより、大量の通常兵器や大型ミサイルを必要な戦域へ運ぶ性格が強い。高速性能は発射地点までの進出時間を短縮し、広い正面での運用に向く。ただし可変後退翼や大型エンジンを含む複雑な構造は、整備負担を増やす。

実際にはB-2もスタンドオフ兵器を使い、B-52も脅威の低い空域では直接爆撃できる。分類より、部隊・兵器・支援機の組み合わせを見るべきである。

現役爆撃機の保有数を読むときの注意点

機数比較の落とし穴

爆撃機の数字には、帳簿上の総在籍数、部隊配備数、整備を終えた飛行可能数、搭乗員・兵器・給油機までそろった任務可能数という層がある。アメリカは総在籍数を比較的詳しく公開するが、ロシアと中国は衛星画像や基地の駐機状況から推定する部分が多い。

したがって「B-52は76機、ロシア戦略爆撃機は約60機」と並べても、即応戦力が16機分違うとは結論づけられない。整備、兵器、給油、基地防護、乗員練度まで含めて判断する必要がある。

よくある質問

世界で爆撃機を保有している国はどこか

本記事のように専用の大型・長距離爆撃機へ限定すれば、2026年時点の主要運用国はアメリカ、ロシア、中国である。戦闘爆撃機や攻撃機まで含めれば保有国は増えるが、検索意図が異なるため一覧から除外した。

2026年に世界最強の爆撃機はどれか

任務によって答えが変わる。防空網への侵入ならB-2A、大量の通常兵器ならB-1B、長射程兵器の搭載力と継続運用ならB-52H、超音速長距離打撃ならTu-160が有力である。本記事では順位を付けず、現役機種と役割の整理に限定した。 関連記事:target_slug=world-strongest-bomber-ranking / anchor=世界最強爆撃機ランキングTOP10

B-21は2026年に現役なのか

2026年7月時点では試験・評価段階であり、運用開始へ向けて成熟させている途中である。将来の主力爆撃機だが、本記事の現役一覧には含めていない。[出典: SRC-USAF-04]

中国のH-20は実在するのか

開発計画は広く報じられているが、2026年7月までに公式確認された初飛行や部隊配備はない。未認証の画像だけを根拠に現役機と断定することはできない。[出典: SRC-FAS-CN-01]

まとめ|現役爆撃機は古さではなく任務で見る

2026年の世界の現役爆撃機は、アメリカのB-52H、B-1B、B-2A、ロシアのTu-95MS、Tu-160、Tu-22M3、中国のH-6系列に整理できる。大型の専用長距離爆撃機を国家規模で運用する国は、事実上この3か国である。

アメリカは大量搭載、通常高速攻撃、ステルス侵入を三機種で分担する。ロシアはTu-95とTu-160を戦略ミサイル母機として使い、Tu-22M3で戦域打撃を補う。中国はH-6を通常巡航ミサイル、核弾道ミサイル、対艦攻撃へ分化させ、西太平洋を意識した地域打撃体系を築いている。

B-52、Tu-95、H-6の原型が古くても、長射程兵器と情報網を更新すれば戦力価値は残る。一方、B-2のようなステルス爆撃機は、防空網内部へ到達する代替困難な能力を提供する。次の転換点はB-21の実戦配備であり、H-20とPAK DAは公表事実が伴うまで将来計画として扱うべきである。

私は、爆撃機の世代を初飛行年だけで測るべきではないと考える。2026年の爆撃機は「爆弾を落とす大型機」ではなく、長射程兵器、センサー、通信、給油、基地、産業基盤を結びつける空中ノードである。古参機が残る理由も、次世代ステルス機へ巨額を投じる理由も、この視点から見れば同じ一本の線でつながる。

参照資料

  • SRC-USAF-01:U.S. Air Force, “<span class="swl-marker mark_blue">B-52</span>H Stratofortress,” Fact Sheet。任務、航続距離、搭載量、運用方針を参照。
  • SRC-USAF-02:U.S. Air Force, “B-1B Lancer,” Fact Sheet。通常任務専用化、速度、搭載量を参照。
  • SRC-USAF-03:U.S. Air Force, “<span class="swl-marker mark_green">B-2</span> Spirit,” Fact Sheet、2026年5月更新。航続距離、搭載量、在籍数を参照。
  • SRC-USAF-04:U.S. Air Force, “<span class="swl-marker mark_green">B-2</span>1 Raider accelerates delivery of long-range strike capability,” 2026年4月14日。試験・評価段階と運用開始への移行状況を参照。
  • SRC-USAF-05:U.S. Air Force, “DAF provides <span class="swl-marker mark_green">B-2</span>1 Raider program updates,” 2024年9月18日。B-1・B-2の段階的代替を参照。
  • SRC-ASF-01:Air &amp; Space Forces Magazine, “2026 USAF &amp; USSF Almanac Equipment: Total Aircraft Inventory.” 2025年9月30日現在のB-1B、<span class="swl-marker mark_green">B-2</span>A、<span class="swl-marker mark_blue">B-52</span>H総在籍数を参照。
  • SRC-FAS-RU-01:Federation of American Scientists / Bulletin of the Atomic Scientists, “Russian nuclear weapons, 2026.” Tu-95MS・<span class="swl-marker mark_orange">Tu-160</span>の推定在籍数、基地配備と損耗分析を参照。
  • SRC-ROSTEC-01:Rostec, “Лучшие среди дальних,” 2024年12月23日。ロシア長距離航空部隊の三機種構成と近代化を参照。
  • SRC-ROSTEC-02:Rostec, “Ту-160: «Белый лебедь» обновляется,” 2024年3月1日。<span class="swl-marker mark_orange">Tu-160</span>Mの公称性能を参照。
  • SRC-KREMLIN-01:President of Russia, “Visiting the Gorbunov Kazan Aviation Plant” および “Vladimir Putin flies a <span class="swl-marker mark_orange">Tu-160</span>M missile carrier,” 2024年2月。Tu-160Mの改修・生産基盤を参照。
  • SRC-FAS-CN-01:Federation of American Scientists / Bulletin of the Atomic Scientists, “Chinese nuclear weapons, 2026.” <span class="swl-marker mark_blue">H-6</span>系列の規模、H-6N推定数、H-20の未確認状況を参照。
  • SRC-PLA-01:China Military Online, “<span class="swl-marker mark_blue">H-6</span> bombers set out for training,” 2026年4月24日。H-6G・H-6Jの訓練参加を参照。
  • SRC-PRC-MOD-01:Ministry of National Defense of the People’s Republic of China, “Joint Air-Sea Combat-readiness Patrols,” 2026年5月2日。<span class="swl-marker mark_blue">H-6</span>Kの戦備警戒活動を参照。

参考資料・主な出典

U.S. Air Force|Aircraft Fact Sheets|資料を確認

U.S. Department of Defense|B-21 Raider|資料を確認

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