「結局、世界で一番強い軍隊ってどこなんだろう?」
ミリタリーファンなら誰もが一度は考えたことがあるこの疑問。私も子供の頃から、戦車や戦闘機、軍艦の写真集を眺めながら、各国の軍事力を比較することに夢中だった。
そして今、世界情勢は激動の時代を迎えている。
ウクライナでは今もロシア軍との戦いが続き、中東ではイスラエルとイランの緊張が高まり、台湾海峡では中国軍の活動が活発化している。インド太平洋地域では中国の軍拡が加速し、日本の安全保障環境もかつてないほど厳しさを増している。
こうした中で、各国の軍事力を客観的に評価することの重要性は増すばかりだ。
この記事では、世界的に権威のある軍事力評価サイト「Global Firepower」が発表した2025年版ランキングを基に、世界の軍事大国TOP20を徹底解説する。単なる順位の紹介だけでなく、各国の具体的な装備数、防衛予算、戦略的特徴まで詳しく分析していく。
特に気になる日本の順位と実力、そして周辺国との比較についても深掘りするので、最後まで読んでいただければ、世界の軍事バランスの全体像が見えてくるはずだ。
Global Firepowerとは?ランキングの算出方法を解説
まず、このランキングを発表している「Global Firepower(GFP)」について説明しておこう。
GFPは2005年から毎年、世界145カ国の軍事力を評価・ランキング化している米国拠点の軍事分析サイトだ。軍事専門家や研究者からも参照されることが多く、世界的に最も信頼性の高い軍事力ランキングの一つとして知られている。
60以上の評価指標
GFPの特徴は、60以上の多様な指標を用いて総合的に評価している点だ。主な評価項目は以下の通り。
人員関連では、総人口、軍事適齢人口、現役兵力、予備役、準軍事組織の規模などを評価する。
航空戦力は、総航空機数、戦闘機、攻撃機、輸送機、練習機、特殊任務機、空中給油機、ヘリコプター、攻撃ヘリの数を計算に入れる。
陸上戦力として、戦車、装甲戦闘車両、自走砲、牽引砲、多連装ロケットシステムなどを数える。
海上戦力では、総艦艇数、空母、ヘリ空母、駆逐艦、フリゲート、コルベット、潜水艦、哨戒艇、機雷戦艦艇を評価する。
財政面は、国防予算、対外債務、購買力平価、外貨準備高などを分析する。
ロジスティクスとして、労働人口、商船隊、港湾数、空港数、道路網、鉄道網を考慮する。
天然資源では、石油生産量・消費量・埋蔵量、天然ガス、石炭についても評価に含める。
地理的要素として、国土面積、海岸線、国境線なども計算に入る。
PowerIndexスコアの仕組み
これらの指標を独自の計算式で処理し、各国に「PowerIndex(PwrIndx)」というスコアを付与する。このスコアは0.0000が理論上の完璧な値で、数値が小さいほど軍事力が強いことを意味する。
重要なのは、核兵器は評価に含まれていないという点だ。あくまで通常戦力による評価であり、核保有の有無は順位に直接反映されない。これは批判も受ける点だが、通常戦力を純粋に比較できるという利点もある。
また、単純な装備数だけでなく、地理的条件やロジスティクス能力、経済力なども考慮されるため、小国でも技術的に優れていれば上位に食い込むことが可能だ。
2025年版では新たに「海軍総排水量」が指標に追加され、艦艇の質(大きさ)も評価に反映されるようになった。これにより、海洋戦力の実態がより正確に評価されるようになっている。
2025年世界軍事力ランキングTOP10
それでは、2025年版のランキングTOP10を発表しよう。
| 順位 | 国名 | PowerIndex |
|---|---|---|
| 1位 | アメリカ | 0.0744 |
| 2位 | ロシア | 0.0788 |
| 2位 | 中国 | 0.0788 |
| 4位 | インド | 0.1184 |
| 5位 | 韓国 | 0.1656 |
| 6位 | イギリス | 0.1785 |
| 7位 | フランス | 0.1878 |
| 8位 | 日本 | 0.1839 |
| 9位 | トルコ | 0.1902 |
| 10位 | イタリア | 0.2164 |
注目すべきは、ロシアと中国が同率2位でタイという結果だ。また、韓国が5位に躍進し、日本(8位)を上回っている。この点については後ほど詳しく分析する。
第1位:アメリカ合衆国|圧倒的な軍事大国の実力
PowerIndex: 0.0744(世界1位)
「世界最強の軍隊」の称号は、2025年もアメリカが保持している。2005年のGFPランキング開始以来、一度も首位の座を明け渡したことがない。その理由は数字を見れば明らかだ。
圧倒的な規模
まず人員から見ていこう。総人口約3億4,200万人から、現役軍人約132.8万人、予備役約79.9万人を擁する。
航空戦力は文字通り世界最大だ。総航空機数は13,000機以上で、これは2位以下を大きく引き離す圧倒的な数字である。内訳は戦闘機が約1,900機、攻撃機が約700機、輸送機が約900機、練習機が約2,500機、ヘリコプターが約5,500機(うち攻撃ヘリ約900機)となっている。
主力戦闘機のF-22ラプターは世界唯一の第5世代制空戦闘機として君臨し、F-35ライトニングIIは世界最先端のマルチロール機として各同盟国にも配備が進んでいる。B-2スピリット、B-21レイダーといったステルス爆撃機は、敵の防空網を突破して戦略目標を攻撃する能力を持つ。
陸上戦力も強力だ。戦車は約4,640両で、主力のM1エイブラムスは120mm滑腔砲と複合装甲を持つ世界最高クラスの主力戦車である。装甲戦闘車両は約45,000両、自走砲が約1,500門、多連装ロケットシステムは約1,300基を保有。HIMARSは高機動ロケット砲システムとして、ウクライナ戦争でその有効性を実証した。
世界に君臨する海軍力
しかし、アメリカ軍の真の強さは海軍にある。
総艦艇数は約480隻だが、注目すべきは空母打撃群だ。原子力空母を11隻保有しており、これは世界の空母総数の過半数を超える。空母打撃群1つで、中小国の全軍事力を上回る戦力投射能力を持つ。
最新のジェラルド・R・フォード級空母は満載排水量約10万トン、電磁カタパルト(EMALS)を装備し、F-35CやF/A-18E/Fスーパーホーネットを70機以上搭載できる。
駆逐艦は約90隻で、アーレイ・バーク級イージス駆逐艦が主力。潜水艦は約68隻で、オハイオ級戦略原潜14隻、バージニア級攻撃原潜などを保有する。
世界に展開する軍事プレゼンス
アメリカ軍の強みは、単なる装備数だけではない。世界約80カ国に750以上の海外基地を持ち、地球上のどこでも迅速に戦力を展開できる「パワー・プロジェクション」能力が他国を圧倒している。
在日米軍基地には約5.4万人の兵力が駐留し、在韓米軍は約2.8万人。ドイツ、イタリア、イギリスなど欧州にも大規模な基地を維持している。
防衛予算は世界一
2025年度の国防予算は約8,800億ドル(約130兆円)に達し、世界の軍事支出の約40%を占める。2位以下の国々を合計してもアメリカに及ばないという、桁違いの規模だ。
この予算は、最先端の研究開発にも投入されている。宇宙軍の創設、AI・自律兵器システム、極超音速兵器、サイバー戦能力など、次世代戦争への備えも怠りない。
同盟ネットワークの力
さらに、NATOをはじめとする同盟国ネットワークがアメリカの軍事力を増幅させている。日米同盟、米韓同盟、AUKUS(米英豪)、QUADなど、世界中に張り巡らされた同盟関係は、単独の軍事力では測れない戦略的優位性を生み出している。
「世界最強」という評価に異論を挟む余地はほぼないと言っていいだろう。
第2位(タイ):ロシア連邦|核超大国の通常戦力
PowerIndex: 0.0788(世界2位タイ)
ウクライナ侵攻から3年以上が経過したロシアは、2025年も世界2位の座を維持している。ただし、戦争による消耗と、その実態が明らかになったことで、かつてほどの「恐怖」は薄れてきているとも言える。
世界最大の核戦力
まず確認しておくべきは、ロシアが世界最大の核兵器保有国だということだ。GFPのランキングには核兵器は含まれないが、ロシアは約5,900発の核弾頭を保有している。これはアメリカの約5,100発を上回る数字だ。
大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、戦略爆撃機による「核の三本柱」を維持し、戦略的抑止力は健在である。
世界最大の戦車保有国
通常戦力に目を向けると、ロシアは世界最大の戦車保有国だ。保有戦車数は約12,500両で、これは2位以下を大きく引き離す。ただし、この数字には旧ソ連時代の旧式戦車(T-62、T-72など)が大量に含まれており、実際に即座に戦闘投入できる数は大幅に少ない。
最新のT-14アルマータは開発が遅延しており、量産配備は進んでいない。主力は改良型のT-90MやT-72B3Mだが、ウクライナ戦争で多数が撃破されている。
人員面では、現役約110万人、予備役約150万人、準軍事組織約55万人を擁する。総勢約350万人の軍事人員は世界でもトップクラスだ。
航空戦力と防空システム
航空機総数は約4,290機で、世界2位の規模を誇る。主力戦闘機Su-35、Su-57(第5世代機)、攻撃機Su-34などを保有。ただしSu-57の配備数は限定的で、西側の第5世代機に比べ質的な遅れがある。
一方、防空システムは世界最高レベルとされる。S-400、S-500といった長距離地対空ミサイルシステムは、西側の航空戦力への強力な対抗手段となっている。
海軍力の課題
海軍は総艦艇数約600隻を擁するが、その多くは旧式化している。
特に水上艦艇は深刻で、ウクライナのドローン攻撃や対艦ミサイルにより、黒海艦隊の旗艦「モスクワ」をはじめ多数の艦艇を失った。2025年時点でロシアが保有する正規空母は「アドミラル・クズネツォフ」1隻のみで、長期修理中という状況だ。
一方、潜水艦戦力は依然として強力で、原子力潜水艦約50隻を含む約65隻を保有。戦略原潜は核抑止力の重要な柱である。
ウクライナ戦争が暴いた問題点
ウクライナ侵攻は、ロシア軍の強さと同時に、多くの問題点も露呈させた。
兵站(ロジスティクス)の脆弱性が大きな問題だ。長距離での補給に失敗し、多くの部隊が孤立。ドローンによる脅威への対応の遅れも指摘されている。ジャベリン対戦車ミサイルやバイラクタルTB2ドローンに多くの戦車が撃破された。
士気と訓練の問題も深刻だ。徴兵による兵力は質的に低く、指揮系統の問題も多発している。装備の近代化の遅れも顕著で、GPS誘導兵器、暗視装置、通信装置などで西側との格差が明らかになった。
防衛予算と経済制裁の影響
2024年のロシア国防予算は約13.5兆ルーブル(約1,450億ドル)で、これは同国GDP比で過去最高水準だ。ただし、西側の経済制裁により、先端半導体や精密部品の調達が困難になっており、装備の近代化に支障をきたしている。
それでも、核戦力と大量の通常兵器を持つロシアが「世界2位」の座を維持しているのは事実だ。ただし、質的な評価を加味すれば、その実力は数字ほどではないかもしれない。
第2位(タイ):中華人民共和国|急成長する軍事大国
PowerIndex: 0.0788(世界2位タイ)
2025年版ランキングで最も注目すべきは、中国がロシアと同率2位になったことだ。わずか数年前まで4位だった中国が、急速に軍事力を拡大している。
この事実は、日本の安全保障にとって極めて重要な意味を持つ。
世界最大の兵力
中国人民解放軍(PLA)は、世界最大の現役兵力を誇る。現役軍人は約203万人で、これは世界1位。予備役約51万人、準軍事組織(武装警察など)約62.5万人を加えると、総勢300万人以上の軍事人員を持つ。
しかし中国軍の真の強みは、その「質」の急速な向上にある。
世界最大の海軍艦艇数
最も顕著なのが海軍力の拡大だ。中国海軍(人民解放軍海軍)は、総艦艇数で約390隻を保有し、アメリカを超えて世界最大となった。2030年までに440隻に達するとの予測もある。
空母は現在3隻を保有している。「遼寧」は旧ソ連製ワリヤーグを改修したもの、「山東」は国産初の空母、そして最新の「福建」は電磁カタパルト(EMALS)を搭載した初の国産大型空母だ。「福建」の技術レベルはアメリカのフォード級に迫るとも言われている。
駆逐艦約50隻(055型、052D型など)、フリゲート約70隻、潜水艦約79隻(うち原子力潜水艦約12隻)も保有する。特に055型駆逐艦は満載排水量12,000トン以上の大型艦で、アメリカのタイコンデロガ級巡洋艦に匹敵する能力を持つとされる。
世界最大の戦車保有数(運用可能)
戦車保有数は約6,800両で、ロシアの総数には及ばないが、実際に運用可能な戦車数では世界最大とも言われる。主力は99式戦車(99A型)で、125mm滑腔砲、複合装甲、アクティブ防護システムを装備した近代的な主力戦車だ。
装甲戦闘車両は約35,000両以上、自走砲約4,000門、多連装ロケットシステム約2,500基と、陸上戦力も充実している。
急速に近代化する航空戦力
航空機総数は約3,300機で、世界3位の規模だ。
最も注目すべきはJ-20(殲-20)だ。これは中国初の第5世代ステルス戦闘機で、F-22やF-35に対抗するために開発された。2025年時点で約200機以上が配備されているとされる。
その他の主力機として、J-16(多用途戦闘機)、J-10C(軽量多用途機)、Su-35(ロシアから輸入)などがある。爆撃機はH-6Kが主力で、長距離巡航ミサイルを搭載可能。次世代ステルス爆撃機H-20の開発も進んでいるとされる。
ミサイル戦力:「空母キラー」の脅威
中国軍の最大の脅威は、実はミサイル戦力かもしれない。
DF-21D(東風21D)は「空母キラー」として知られる対艦弾道ミサイルで、射程約1,500km。移動する空母を狙撃できるとされ、アメリカの空母打撃群への対抗手段として開発された。
DF-26は射程約4,000kmの中距離弾道ミサイルで、グアムの米軍基地を射程に収める。YJ-12は超音速対艦巡航ミサイルで、マッハ3以上の速度で艦艇を攻撃できる。
これらのミサイルは「接近阻止・領域拒否(A2/AD)」戦略の中核をなし、西太平洋における米軍の活動を制約する能力を持つ。
「世界一流の軍隊」を目指して
習近平政権は、2049年(建国100周年)までに「世界一流の軍隊」を建設することを目標に掲げている。
2025年度の国防予算は公式発表で約1.78兆元(約2,450億ドル)だが、実際の軍事支出はこの2~3倍に上るとの推計もある。研究開発、準軍事組織、対外軍事援助などが別予算で計上されているためだ。
サイバー戦能力、宇宙戦能力、AI兵器など、次世代領域への投資も急速に進んでいる。
日本への含意
中国の軍事力拡大は、日本にとって最も深刻な安全保障上の課題だ。
尖閣諸島周辺では中国海警局の船舶が常態的に領海侵入を繰り返し、台湾海峡では軍事演習が頻繁に行われている。有事の際、日本は最前線に立つことになる。
この現実を直視し、日本の防衛力強化と日米同盟の深化が急務となっている。
第4位:インド|台頭するアジアの軍事大国
PowerIndex: 0.1184(世界4位)
南アジアの大国インドが、安定して4位の座を維持している。人口14億人を超える世界最大の民主主義国家は、軍事面でも存在感を増している。
巨大な人的資源
インドの強みは、何といっても人口だ。約14.4億人という世界最大の人口から、膨大な軍事人員を動員できる。
現役軍人は約145万人で世界4位、予備役約120万人、準軍事組織約150万人以上。合計500万人以上の軍事関連人員を持つ。
三軍バランスの取れた戦力
航空機は約2,220機を保有。主力戦闘機はSu-30MKI(ロシア製のライセンス生産)で約270機を運用。国産のテジャスMk1/Mk1Aの配備も進んでおり、フランス製ラファールも36機を導入済みだ。
陸上戦力は、戦車約4,200両、装甲戦闘車両約20,000両以上を保有。主力戦車T-90Sと国産のアルジュンMk2を運用している。
海軍は空母2隻を保有する世界でも数少ない国の一つだ。「ビクラマーディティヤ」(旧ロシア製)と国産初の空母「ビクラント」を運用。潜水艦は約18隻で、原子力潜水艦「アリハント」級も就役している。
核保有国としての抑止力
インドは公式に核兵器保有を宣言している核保有国だ。推定で約160~170発の核弾頭を保有し、ICBM「アグニ5」(射程5,000km以上)、SLBM「K-4」など、核の三本柱を構築中である。
パキスタン、そして中国という2つの核保有国と国境を接するインドにとって、核抑止力は安全保障の要だ。
国産化の推進
モディ政権は「メイク・イン・インディア」政策の下、防衛装備の国産化を推進している。
テジャス戦闘機、アルジュン戦車、ピナカ多連装ロケットシステム、ブラモス超音速巡航ミサイル(ロシアとの共同開発)など、国産兵器の開発・配備が進んでいる。
2025年度の国防予算は約750億ドルで、世界4位の規模。今後も増加傾向が続くと見られている。
地政学的重要性
インドはインド洋における最大の海洋国家であり、その地政学的重要性は増している。
QUAD(日米豪印戦略対話)の一員として、インド太平洋地域の安定に重要な役割を果たしている。中国の海洋進出に対抗する「自由で開かれたインド太平洋」構想において、インドは欠かせないパートナーだ。
第5位:韓国(大韓民国)|北朝鮮と対峙する最前線国家
PowerIndex: 0.1656(世界5位)
2025年版で最も躍進したのが韓国だ。日本(8位)を上回る5位にランクインしている。
「なぜ韓国が日本より上なのか?」
この疑問を持つ読者も多いだろう。その理由を詳しく見ていこう。
徴兵制がもたらす人的資源
韓国の強みは、徴兵制による大規模な人員だ。
現役軍人は約50万人、予備役は約310万人。合計約360万人以上の軍事人員は、人口5,100万人の国としては異例の規模である。
18~35歳の男性に約18~21カ月の兵役義務があり、これにより常に訓練された予備兵力を確保できる。一方、日本の自衛隊は約24.7万人(現役)で、予備役も約5.6万人に過ぎない。
北朝鮮の脅威と前線配備
韓国軍の特徴は、「今そこにある危機」に対応する体制が整っていることだ。
北朝鮮との軍事境界線(DMZ)から首都ソウルまでわずか約40km。敵の長距離砲がソウルを射程に収めるという地理的条件から、韓国軍は常時高い即応態勢を維持している。
国産兵器の輸出大国
韓国は今や世界有数の兵器輸出国だ。
K2「黒豹」戦車はポーランドに大量輸出が決定。K9自走榴弾砲はポーランド、フィンランド、エジプト、トルコなど多くの国に輸出されている。KF-21「ポラメ」は韓国初の国産ステルス戦闘機で、2026年以降の量産配備を目指している。FA-50軽攻撃機もポーランドなどに輸出されている。
こうした兵器産業の成長が、韓国の軍事力を底上げしている。
具体的な戦力
航空機は約1,590機を保有。F-35A(約40機導入済み)、F-15K、KF-16などの戦闘機に加え、国産のKF-21の開発が進む。
戦車は約2,236両で、K2戦車が主力。K2は複合装甲、自動装填装置、アクティブ防護システムを備えた先進的な主力戦車だ。
海軍は艦艇約230隻を保有し、イージス艦「世宗大王」級3隻、次期イージス艦「正祖大王」級の建造も進む。潜水艦は約22隻で、島山安昌浩級(3,000トン級)も就役している。
米韓同盟の力
在韓米軍約2.8万人の存在も、韓国の軍事力を増幅させている。朝鮮半島有事には米軍の大規模増援が予定されており、韓国単独の軍事力以上の抑止力を発揮している。
第6位:イギリス(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)
PowerIndex: 0.1785(世界6位)
かつての「日の沈まない帝国」イギリスは、2025年も世界6位の軍事大国として存在感を保っている。
現役軍人は約15万人と規模は小さいが、その質は極めて高い。
最新鋭空母と核抑止力
海軍の中核は、クイーン・エリザベス級空母2隻だ。満載排水量約70,000トンの大型空母で、F-35Bステルス戦闘機を最大36機搭載可能。「クイーン・エリザベス」と「プリンス・オブ・ウェールズ」の2隻を運用している。
核抑止力として、ヴァンガード級戦略原潜4隻がトライデントII SLBMを搭載。イギリスは独自の核戦力を維持する欧州2カ国の1つだ。
駆逐艦6隻、フリゲート12隻、攻撃型原潜7隻など、質の高い水上・水中戦力を保有する。
NATOの中核戦力
イギリスはNATOの主要加盟国として、同盟の抑止力に大きく貢献している。アメリカに次ぐ国防費をNATOに投入し、バルト三国やポーランドへの前方展開も積極的だ。
サイバー戦、情報戦、特殊作戦の能力も高く、SAS(特殊空挺部隊)は世界最高峰の特殊部隊として知られる。
国防予算は約610億ドルで、NATOが目標とするGDP比2%を達成している。
第7位:フランス共和国
PowerIndex: 0.1878(世界7位)
フランスは欧州最強の軍事大国として、世界7位にランクインしている。
欧州唯一の原子力空母保有国
フランス海軍の象徴は、原子力空母「シャルル・ド・ゴール」だ。満載排水量約42,000トンで、ラファールM艦載機を最大40機搭載可能。アメリカ以外で原子力空母を保有する唯一の国である。
潜水艦は約10隻で、トリオンファン級戦略原潜4隻がM51 SLBMを搭載。独自の核抑止力を維持している。
独自の軍事行動能力
フランスは国連常任理事国として、アフリカなどで独自の軍事介入を行う能力を持つ。
現役軍人約20.3万人、航空機約1,000機(ラファールが主力)、戦車約400両(ルクレールが主力)を保有。質的には世界トップクラスの戦力だ。
国防予算は約620億ドルで、EU加盟国としては最大。欧州の防衛自律化を主導する立場にある。
第8位:日本|自衛隊の実力と課題
PowerIndex: 0.1839(世界8位)
さて、われらが日本である。2025年版では8位にランクインし、2024年の7位から1つ順位を落とした。
「えっ、日本が8位?韓国より下なの?」
そう思った読者も多いだろう。この結果をどう解釈すべきか、詳しく分析してみよう。
自衛隊の規模
まず基本データから確認する。
人口は約1億2,320万人。現役自衛官は約24.7万人(定員約24.7万人に対し充足率約93%)で、予備自衛官は約5.6万人、即応予備自衛官は約0.8万人となっている。
航空戦力:質では世界トップクラス
航空自衛隊は航空機約1,440機を保有する。
戦闘機は約217機で、F-35A/Bの導入が進んでおり、最終的に147機を配備予定だ。F-15J/DJは約200機だったが、近代化改修(J-MSIP)により「令和のイーグル」に生まれ変わりつつある。F-2は約90機を運用中で、対艦攻撃能力に優れた国産機だ。
特筆すべきは特殊任務機で、世界3位の141機を保有。E-767 AWACS(空中警戒管制機)4機、E-2D早期警戒機など、情報収集・警戒監視能力は極めて高い。
空中給油機も10機を保有し、作戦行動半径を大幅に拡大できる。
海上戦力:世界屈指の対潜能力
海上自衛隊は「世界最強の対潜戦力」とも称される。
総艦艇数は約150隻で、内訳はヘリコプター空母4隻(いずも型2隻、ひゅうが型2隻)、イージス艦8隻(こんごう型4隻、あたご型2隻、まや型2隻)、護衛艦(DD/DE)約40隻、潜水艦24隻(そうりゅう型、たいげい型など)、掃海艇22隻(世界4位)となっている。
特に注目すべきは、いずも型護衛艦のF-35B搭載改修だ。これにより、日本は事実上の「軽空母」を保有することになる。
潜水艦は「そうりゅう型」「たいげい型」など、通常動力潜水艦として世界最高レベルの静粛性を誇る。AIP(非大気依存推進)システムやリチウムイオン電池の採用により、長時間の潜航が可能だ。
海上自衛隊の詳細については、「【2025年最新版】海上自衛隊の艦艇完全ガイド」で詳しく解説しているので、ぜひ参照してほしい。
陸上戦力:質は高いが数で劣る
陸上自衛隊は戦車約520両、装甲車両約32,000両、自走砲約149門を保有する。
主力戦車の「10式戦車」は、世界最先端の性能を持つと評価されている。44トンという軽量(90式は50トン)ながら、90式と同等以上の火力・防御力を実現。C4Iシステムによるネットワーク戦闘能力も備える。
ただし、戦車総数は520両に過ぎず、中国の約6,800両、韓国の約2,236両と比べると大きく見劣りする。
10式戦車については「【2025年最新版】陸上自衛隊の日本戦車一覧」で詳細を解説している。
日本が順位を落とした理由
では、なぜ日本は韓国に抜かれ、順位を落としたのか。
最大の理由は人員の差だ。自衛隊の現役兵力約24.7万人に対し、韓国軍は約50万人。予備役を含めると、韓国360万人以上に対し日本は約6万人。GFPの評価では、人員規模が大きく影響する。
防衛費の伸びでも韓国に遅れをとっている。韓国は長年GDP比2.5%以上を維持してきたが、日本は長くGDP比1%前後に留まってきた。
また、韓国は「攻撃的兵器」(弾道ミサイル、巡航ミサイル、長射程砲など)を多数保有するが、日本は憲法上の制約から「専守防衛」に徹してきたことも影響している。
変わりつつある日本の防衛姿勢
ただし、この状況は急速に変化している。
2023年度から5年間の防衛力整備計画では、総額43兆円という過去最大の予算が計上された。2027年度にはGDP比2%(約11兆円)に到達する見込みだ。
2025年度の防衛予算は約8.7兆円で、世界7位の規模となった。
さらに重要なのは、「反撃能力(敵基地攻撃能力)」の保有方針だ。12式地対艦誘導弾の長射程化(スタンドオフミサイル)、トマホーク巡航ミサイルの導入などにより、日本は初めて敵国領土を攻撃できる能力を持つことになる。
これは戦後日本の防衛政策における歴史的な転換点である。
日本のミサイル戦力については「日本が保有するミサイル全種類を完全解説!」で詳しく解説している。
日本の真の強み
GFPのランキングは数値化できる要素を重視するため、以下のような日本の強みが十分に反映されていない可能性がある。
まず日米同盟の力だ。在日米軍約5.4万人、そして有事には米軍の大規模増援が約束されている。この同盟関係は、日本単独の軍事力をはるかに超える抑止力を生み出している。
技術力・品質の高さも重要だ。自衛隊の装備は数こそ少ないが、その質は世界トップクラスである。10式戦車の射撃精度、そうりゅう型潜水艦の静粛性、イージス艦のBMD能力など、質では他国を凌駕する分野も多い。
練度・士気の面でも、自衛官の練度と士気は極めて高いと評価されている。毎年の富士総合火力演習では、その精密な射撃が世界の軍事関係者を驚かせている。
地理的優位性も見逃せない。日本は四方を海に囲まれた島国であり、上陸作戦は極めて困難。海上自衛隊と航空自衛隊が機能している限り、日本本土への侵攻はほぼ不可能だ。
総合的に見れば、日本の防衛力は「8位」という数字以上のものがあると言えるだろう。
第9位:トルコ共和国
PowerIndex: 0.1902(世界9位)
NATO加盟国でありながら、独自の外交・軍事路線を歩むトルコが9位にランクインしている。
ドローン大国としての台頭
トルコ軍の最大の特徴は、無人機(ドローン)戦力の充実だ。
バイラクタルTB2は、ウクライナ戦争やナゴルノ・カラバフ紛争で威力を発揮し、世界的に有名になった。安価ながら効果的な武装ドローンとして、多くの国に輸出されている。
より大型のバイラクタル・アクンジュ、TAIアンカなど、国産ドローンの開発が活発だ。
NATO第2位の陸軍
トルコ軍の現役兵力は約35.5万人で、NATO加盟国ではアメリカに次ぐ規模だ。
戦車は約2,200両、装甲車両約10,000両以上を保有。国産戦車「アルタイ」の量産も始まっている。
航空機は約1,060機で、F-16が主力。F-35計画からは除外されたが、国産ステルス戦闘機「カーン(KAAN)」の開発を進めている。
地政学的重要性
トルコはヨーロッパ、アジア、中東の結節点に位置し、黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡を管理している。
この地理的優位性から、トルコは常に戦略的重要性を持ち続けている。ロシア、イラン、シリアなど、複数の地域大国と国境を接する前線国家でもある。
第10位:イタリア共和国
PowerIndex: 0.2164(世界10位)
「イタリア軍は弱い」というステレオタイプは、2025年には当てはまらない。イタリアはTOP10に入る軍事大国である。
空母保有国
イタリア海軍は空母「カヴール」と軽空母「ジュゼッペ・ガリバルディ」の2隻を保有する。「カヴール」は満載排水量約30,000トンで、F-35Bステルス戦闘機を運用可能だ。
駆逐艦、フリゲートなど質の高い水上艦艇も保有し、地中海では主要な海軍国として存在感を示している。
先進的な装備
航空機は約860機で、F-35A/Bの導入が進む。ユーロファイター・タイフーンが主力戦闘機だ。
陸上では、アリエテ戦車約200両、チェンタウロ装甲車など国産装備を運用。多国間共同開発にも積極的で、欧州の防衛協力の中核を担っている。
国防予算は約370億ドルで、NATO基準のGDP比2%には届いていないが、着実に増加傾向にある。
11位~20位の国々
TOP10以外にも、注目すべき軍事大国は多い。11位から20位の国々を簡潔に紹介しよう。
第11位:ブラジル(PowerIndex: 0.2415)
南米最大の軍事大国で、現役約36万人を擁する。空母「サン・パウロ」は退役したが、広大な国土と海岸線を守る地域大国として存在感がある。
第12位:パキスタン(PowerIndex: 0.2513)
核保有国で、推定170発の核弾頭を保有。現役約65万人、予備役約55万人という大規模な軍を持つ。ただし2024年の9位から順位を落としており、経済危機が軍事力にも影響している。
インドとの緊張関係から、常に高い警戒態勢を維持している。
第13位:インドネシア(PowerIndex: 0.2557)
東南アジア最大の軍事大国で、人口2.7億人から約40万人の現役兵力を擁する。17,000以上の島嶼を持つ海洋国家として、海軍力の強化を進めている。
第14位:ドイツ(PowerIndex: 0.2601)
欧州最大の経済大国だが、軍事力は歴史的制約から抑制されてきた。しかしウクライナ戦争を機に「時代の転換点(ツァイテンヴェンデ)」を宣言し、1,000億ユーロの特別基金を設立して軍の近代化を急いでいる。
レオパルト2戦車は世界最高クラスの主力戦車として知られ、各国に輸出されている。
第15位:イスラエル(PowerIndex: 0.2661)
中東最強の軍事国家で、核兵器も保有しているとされる(公式には未確認)。
現役約17万人と規模は小さいが、F-35I、メルカバMk4戦車、アイアンドームなど最先端の装備を持つ。情報機関モサドの能力も世界トップクラスだ。
周囲を敵対国に囲まれながら、圧倒的な質的優位で安全を確保している。
第16位:イラン(PowerIndex: 0.3048)
中東の地域大国で、現役約61万人、革命防衛隊を含めると100万人以上の兵力を持つ。
弾道ミサイル、巡航ミサイル、無人機の開発に注力し、「代理勢力」を通じた間接的な軍事介入も活発だ。核開発疑惑が続いており、国際社会との緊張が続いている。
第17位:スペイン(PowerIndex: 0.3242)
空母「フアン・カルロス1世」を保有するNATO加盟国。艦艇建造能力に優れ、オーストラリアなどに揚陸艦を輸出している。
第18位:オーストラリア(PowerIndex: 0.3298)
AUKUS(米英豪)同盟の一員として、原子力潜水艦の取得を進めている。広大な国土と長い海岸線を持ち、インド太平洋地域の安定に重要な役割を果たす。
第19位:エジプト(PowerIndex: 0.3427)
中東・アフリカ最大の軍事大国の一つで、現役約45万人を擁する。米国から大量の軍事援助を受け、M1エイブラムス戦車やF-16戦闘機を保有。フランス製ラファールや空母「ミストラル」級2隻も導入している。
第20位:ウクライナ(PowerIndex: 0.3755)
ロシアとの戦争を3年以上戦い続けているウクライナが20位にランクイン。
戦争前は30位台だったが、西側からの大量の軍事援助と実戦経験により、軍事力が大幅に向上。現役約90万人(動員兵含む)、予備役約90万人という大規模な軍を持つに至った。
ただし、人員・装備の消耗も激しく、戦争の長期化による疲弊も見られる。
地域別の軍事バランス分析
東アジア:中国の台頭と日米韓の対応
東アジアの軍事バランスは、中国の急速な軍拡により大きく変化している。
中国は艦艇数でアメリカを超え、航空戦力でも急速に差を縮めている。尖閣諸島、台湾、南シナ海における軍事的プレゼンスは年々拡大しており、地域の安定を脅かしている。
これに対し、日本は防衛費を増額し、反撃能力の保有に踏み切った。韓国も北朝鮮への対応に加え、中国の脅威も意識した防衛力整備を進めている。
日米同盟、米韓同盟を軸に、日米韓の三カ国協力も深化しつつある。さらにQUAD(日米豪印)、AUKUS(米英豪)といった新たな枠組みも、中国への抑止力として機能している。
欧州:ウクライナ戦争と再軍備
ウクライナ戦争は、欧州の安全保障環境を一変させた。
「平和の配当」を享受してきた欧州諸国は、一斉に再軍備に舵を切った。ドイツの1,000億ユーロ特別基金、NATO加盟国のGDP比2%目標達成への圧力、スウェーデン・フィンランドのNATO加盟などが進んでいる。
ロシアはウクライナ戦争で多大な損害を被っているが、依然として核超大国であり、欧州への脅威は続いている。
中東:不安定の常態化
中東は依然として世界で最も不安定な地域の一つだ。
イスラエルとイラン(およびその代理勢力)の対立、サウジアラビアとイランの競争、シリア・イエメンなどの内戦が続いている。
この地域では、通常戦力に加え、弾道ミサイル、無人機、非国家武装組織といった「非対称戦力」が重要な役割を果たしている。
ランキングの限界と注意点
GFPランキングは有用な指標だが、いくつかの限界もある。
核兵器が含まれない
最も重要な限界は、核兵器が評価に含まれていないことだ。
核保有国(米、露、中、英、仏、印、パキスタン、イスラエル、北朝鮮)は、通常戦力に関係なく戦略的抑止力を持つ。特にロシアの約5,900発という核弾頭数は、通常戦力の劣化を補って余りある。
北朝鮮は通常戦力では34位だが、核・ミサイル能力を考慮すれば、その脅威は順位以上のものがある。
質より量が重視される傾向
GFPは装備の「数」を重視する傾向がある。例えば、旧式のT-62戦車も最新のレオパルト2も「1両」としてカウントされる。
そのため、大量の旧式装備を持つ国が高く評価される一方、少数精鋭の軍が過小評価される可能性がある。
同盟関係が反映されない
各国の軍事力は単独で評価されるが、現実の戦争では同盟関係が決定的に重要だ。
日本の場合、日米同盟を考慮すれば、その抑止力は「8位」をはるかに超える。NATO加盟国も同様で、集団防衛の力は個々の順位の合計以上となる。
実戦経験・練度が見えにくい
装備の数は分かっても、それを使う人間の練度、士気、実戦経験は測りにくい。
ウクライナ軍は装備では劣勢だが、高い士気と西側の支援により、ロシア軍と互角以上に戦っている。イスラエル軍も、数的劣勢を質と練度で補ってきた。
地理的条件の影響
島国と大陸国家、平野と山岳地帯では、必要な軍事力の性質が大きく異なる。
日本のような島国は、海軍と空軍が機能している限り、陸上侵攻を受けにくい。この地理的優位性は、数値化しにくい重要な要素だ。
まとめ:2025年世界軍事力の構図
2025年ランキングの要点
2025年の世界軍事力ランキングから見えてくるのは、以下のような構図だ。
アメリカは依然として「超大国」であり、軍事力では世界に比肩する国はない。ただし、中国の急速な追い上げにより、その優位性は相対的に縮小しつつある。
ロシアと中国が同率2位となったが、その内実は大きく異なる。ロシアはウクライナ戦争で消耗しつつあり、核戦力に依存する度合いが高まっている。一方、中国は通常戦力を急速に近代化・拡大しており、2030年代にはアメリカに並ぶ可能性もある。
アジアでは韓国の躍進が目立つが、これは徴兵制による大規模な人員と、活発な兵器産業によるものだ。日本は「質」では世界トップクラスだが、「量」では周辺国に劣る。
欧州はウクライナ戦争を機に再軍備を進めており、今後数年でランキングに変動が起きる可能性がある。
中東は依然として不安定で、イスラエル、イラン、トルコ、エジプト、サウジアラビアなどが複雑な関係を持つ。
そして、最も重要なことは、ランキングは単なる数字であり、実際の戦争の結果を決めるのは数字だけではないということだ。
同盟関係、地理的条件、士気と練度、政治的意志、経済力、技術力——これらすべてが絡み合って、国家の安全保障は成り立っている。
数字だけでは測れないもの
正直に言おう。
ランキングは参考にはなるが、絶対的な指標ではない。
軍事力の本質は、「国を守る意志」と「それを実現する能力」の両方にある。いくら立派な装備があっても、使う人間の士気が低ければ意味がない。逆に、装備が劣っていても、高い士気と練度で補える部分もある。
ウクライナ戦争は、まさにそのことを証明した。数の上ではロシアが圧倒的に有利だったが、ウクライナ軍は祖国を守る強い意志で戦い続けている。
日本の自衛隊を誇りに思う
最後に、個人的な思いを述べさせてほしい。
私は、自衛隊を誇りに思う。
世界第8位という順位、防衛費GDP比1%台という制約、「専守防衛」という縛りの中で、自衛隊は最大限の努力をしてきた。10式戦車、たいげい型潜水艦、F-35──日本の技術者と自衛官が生み出した装備は、世界に誇れるものだ。
もちろん、課題はたくさんある。人員不足、弾薬の備蓄、継戦能力、サイバー防衛……。改善すべき点は山積している。
しかし、私は信じている。
日本の自衛隊は、いざという時、必ず国を守ってくれると。
その時のために、私たちも「国を守る意志」を持ち続けなければならない。ランキングの数字を知ることは、その第一歩だと思う。
世界の軍事バランスを知り、日本の立ち位置を理解する。その上で、この国の安全保障をどうすべきか、考える。
それが、この記事を読んでくれたあなたに伝えたかったことだ。
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