空母保有国ランキング【2026】|国別の隻数と運用能力を比較

各国の空母保有数と艦隊規模

世界で空母を保有している国はどこか。米国、中国、英国、インド、フランスなどが思い浮かぶが、単純に艦の数を並べるだけでは、実際の海空戦力は見えてこない。

同じ「空母」と呼ばれていても、原子力推進の大型艦から、F-35Bを運用する軽空母、無人機を発着させる強襲揚陸艦、艦載戦闘機を失った象徴的な艦まで能力差は大きい。さらに、飛行甲板があっても、艦載機、早期警戒、護衛艦、補給艦、整備拠点、搭乗員の訓練がそろわなければ、空母打撃群として継続的に戦うことはできない。

本記事では、2026年7月時点の公表情報を基に、空母保有国を隻数順に整理する。そのうえで、艦載機、発着方式、早期警戒能力、護衛・補給体制、複数艦運用の成熟度まで比較する。

結論を先に述べれば、空母戦力は「何隻あるか」ではなく、「何隻を、どの航空団と支援艦隊で、どれだけ継続して動かせるか」で決まる。

目次

空母保有国ランキング【2026年版】

各国の空母保有数と艦隊規模
各国の空母保有数と艦隊規模
ランキングの基準
  • 固定翼機・F-35B・実用無人機を運用する全通甲板艦を広義に集計
  • 船体数と作戦運用可能数を分ける
  • 艦載機・早期警戒・護衛・補給まで含めて評価

本記事では、正式な航空母艦に加え、固定翼戦闘機、F-35B、実用的な艦載無人機を運用する、またはそのために改修された全通甲板艦を広義の空母として数えた。したがって、イタリアの強襲揚陸艦トリエステ、日本のいずも型護衛艦、スペインのフアン・カルロス1世、トルコのTCGアナドルを含む。

一方、ヘリコプターだけを運用する一般的な強襲揚陸艦やヘリ空母は除外した。ロシアのアドミラル・クズネツォフは船体が残っているため保有数には入れるが、作戦運用可能数は0隻として扱う。

順位広義の保有数主な艦主力艦載機2026年の運用評価
1位米国11隻ニミッツ級、ジェラルド・R・フォード級F/A-18E/F、F-35C、E-2DS
2位中国3隻遼寧、山東、福建J-15系列、J-35、KJ-600A
3位タイ英国2隻クイーン・エリザベス級F-35BA
3位タイインド2隻ヴィクラマディチャ、ヴィクラントMiG-29K、将来ラファールMB
3位タイイタリア2隻カヴール、トリエステF-35B、AV-8BB
3位タイ日本2隻いずも、かがF-35BC
7位タイフランス1隻シャルル・ド・ゴールラファールM、E-2CA
7位タイスペイン1隻フアン・カルロス1世AV-8BC
7位タイトルコ1隻TCGアナドルバイラクタルTB3C
7位タイタイ1隻チャクリ・ナルエベトヘリコプターD
7位タイロシア1隻アドミラル・クズネツォフ現在は実用運用なしD

この順位は船体数のランキングであり、戦闘力の順位ではない。たとえばフランスは1隻しか持たないが、蒸気カタパルト、着艦制動装置、固定翼早期警戒機、ラファールMを組み合わせる。能力面では、2隻を持つ国の多くより上に位置する。

反対に、日本は広義には2隻保有国となるものの、2026年時点ではF-35B部隊、艦上運用、整備、護衛、指揮手順を一体化する途上にある。船体の数だけを見て「世界3位の空母国」と表現するのは適切ではない。

個別の性能や順位は、世界最強空母ランキングもあわせて確認してほしい。

空母の隻数はどこまで数えるべきか

CATOBAR・STOBAR・STOVLの甲板構成
CATOBAR・STOBAR・STOVLの甲板構成

空母保有国ランキングが資料によって変わる最大の理由は、空母の定義が統一されていないことにある。

狭義には、航空母艦として建造され、固定翼艦載機を運用する艦だけを数える。この基準では、強襲揚陸艦のフアン・カルロス1世とTCGアナドル、護衛艦のいずも型は空母に含まれない。

しかし現代の比較では、艦種名だけでなく機能を見る必要がある。本記事は、カタパルト式正規空母、スキージャンプ式・F-35B運用空母、航空運用能力を加えた兼用艦を区別しつつ、固定翼機や実用無人機を海上から運用できる艦を広義に集計する。

空母は海に浮かぶ飛行場ではない。飛行甲板を頂点に、造船所、弾薬庫、給油艦、衛星、護衛艦、教育部隊までを一本の神経でつないだ「国家規模の航空システム」である。艦の写真だけを比べると、その巨大な後方部分が見えなくなる。

1位:米国は11隻の原子力空母を運用

空母・護衛艦・補給艦で構成する空母打撃群
空母・護衛艦・補給艦で構成する空母打撃群

米国は2026年も、空母保有数と運用能力の双方で他国を大きく引き離している。米海軍の空母戦力はニミッツ級10隻とジェラルド・R・フォード級1隻を中心に構成され、合計11隻である。

すべて原子力推進で、カタパルトと着艦制動装置を備える。主力はF/A-18E/FスーパーホーネットとF-35Cで、EA-18G電子戦機、E-2D早期警戒機、MH-60系列ヘリコプター、CMV-22B輸送機を組み合わせる。空母単艦の大きさより、この多層的な航空団こそ米国の強さである。

ジェラルド・R・フォード級は電磁式カタパルトEMALSと新型着艦制動装置AAGを採用し、将来の無人給油機MQ-25を含む航空団の更新を見込む。一方、2番艦ジョン・F・ケネディは2026年中には就役艦として数えず、引き渡しは2027年予定である。ニミッツも退役準備が進むが、2026年7月時点では現役艦であり、11隻という数え方が妥当だ。

米国の優位は、11隻を同時に出すことではなく、整備と訓練を回しながら複数海域へ継続展開できる点にある。イージス艦、攻撃型原潜、補給艦、海外基地まで含む体系は容易に模倣できない。私は「11」という数字以上に、別の艦と航空団を送り出せる交代能力を米国空母の本質的な強さと見る。

個別の性能や順位は、ジェラルド・R・フォード級の性能とEMALSもあわせて確認してほしい。

個別の性能や順位は、ニミッツ級全10隻と退役計画もあわせて確認してほしい。

2位:中国は福建艦の就役で3隻体制へ

中国は遼寧、山東、福建の3隻を保有し、米国に次ぐ空母保有国となった。福建は2025年11月に就役し、中国海軍は正式に3空母体制へ移行した。

遼寧と山東は艦首のスキージャンプを使ってJ-15系列を発艦させるSTOBAR方式である。これに対し、福建は電磁式カタパルトを備えたCATOBAR方式を採用した。中国国防部は、J-15T、電子戦型J-15DT、ステルス艦載戦闘機J-35、固定翼早期警戒機KJ-600を使った発着試験・訓練を公表している。

カタパルト化により、戦闘機は燃料・兵装を積んで発艦しやすくなり、KJ-600のような大型支援機も運用できる。ただし就役は完成ではない。福建は試験と訓練を続けており、多機種の高頻度運用、護衛艦との統合、長期遠洋展開では米国との差が残る。

私が2026年の中国空母戦力で最も重視するのは、保有数が3隻になったことより、固定翼早期警戒機を含む航空団へ移行した点である。J-35だけを見れば戦闘機の世代交代だが、KJ-600まで含めれば、艦隊全体の目と頭脳が変わる。

3位タイ:英国は2隻体制を実戦的な段階へ

英国はクイーン・エリザベスとプリンス・オブ・ウェールズの2隻を保有する。いずれも満載排水量約6万5,000トン級の大型艦で、F-35Bをスキージャンプから発艦させる。

英国政府は2025年11月、空母打撃群が完全作戦能力に達したと発表した。2026年にはプリンス・オブ・ウェールズがNATO活動でF-35B運用を継続し、クイーン・エリザベスもドック整備後に復帰して高即応任務へ戻っている。2隻のうち一方を展開、もう一方を整備・訓練に充てる体制が現実味を増した。

クイーン・エリザベス級の強みは、F-35Bのセンサー融合とネットワーク能力を、大型飛行甲板と組み合わせられることにある。弱点は、固定翼早期警戒機を搭載できず、早期警戒をマーリン・ヘリコプターに依存すること、英国単独で常時十分な数のF-35Bをそろえる負担が大きいことである。

米海兵隊F-35Bを組み込める同盟運用は強みだが、英国単独で二つの大規模航空団を同時形成できるわけではない。それでも艦、航空団、護衛・補給、海外展開経験がそろい、欧州ではフランスと並ぶ上位国である。

個別の性能や順位は、クイーン・エリザベス級2隻の役割もあわせて確認してほしい。

3位タイ:インドはアジアで2隻運用を維持

インドはロシア製空母を改修したヴィクラマディチャと、初の国産空母ヴィクラントの2隻を保有する。両艦ともスキージャンプ式で、主力艦載戦闘機はMiG-29Kである。

インド海軍は2隻の空母を同時に運用し、35機以上の航空機を投入した演習実績を公表している。ヴィクラマディチャは改修・整備を受けつつ現役へ戻り、ヴィクラントも2026年の多国間演習MILANで中心的な役割を担った。東西に長いインド洋沿岸を持つインドにとって、2隻体制はベンガル湾とアラビア海の双方へ航空戦力を振り向ける基盤になる。

課題はMiG-29Kの更新である。インドはフランスからラファールMを26機導入する方針を進めており、実戦配備が進めば、センサー、兵装、稼働率の改善が期待される。ただし、航空団の機種転換、艦上資格訓練、整備・部品供給の再構築には時間がかかる。

中国や英国ほど先進的な航空団ではないが、国産艦建造、複数空母運用、遠洋演習を積み重ねてきた。インド洋で継続的に航空戦力を示せる価値は大きい。

3位タイ:イタリアはカヴールとトリエステの2隻

イタリアは軽空母カヴールと、強襲揚陸艦トリエステを保有する。狭義の空母はカヴール1隻だが、トリエステもF-35B運用を支援する「代替空母」として位置付けられるため、本記事では広義の空母2隻と数えた。

カヴールはAV-8BからF-35Bへの移行を進め、イタリア海軍の空母打撃群は2024年にF-35Bの初期作戦能力へ到達した。F-35Bは短距離離陸・垂直着陸が可能で、カヴールの飛行甲板からステルス戦闘機を運用できる。

トリエステは全通甲板と大型格納庫を持つ強襲揚陸艦で、本来は上陸部隊、車両、ヘリコプターを運ぶ艦である。しかし、カヴールが整備中でもF-35Bの発着や航空運用を支える選択肢を提供する。2隻の役割は同一ではなく、「空母打撃群を二つ同時に編成できる」という意味の2隻体制ではない。

F-35Bの海空軍共同基盤とNATOの護衛・基地網を利用できる点は強い。イタリアは巨大空母を持たず、第5世代機と複数の全通甲板艦を組み合わせるモデルを作った。

3位タイ:日本は「2隻の空母保有国」なのか

日本は、いずも型護衛艦のいずもとかがをF-35B運用に対応させる改修を進めている。広義の機能分類では2隻の空母保有国に含められるが、海上自衛隊の正式な艦種はヘリコプター搭載護衛艦である。

2026年2月には航空自衛隊F-35Bの配備記念行事が新田原基地で行われた。同年6月には、かがと米海兵隊F-35Bによる発着艦訓練が実施され、改修した飛行甲板を使う実機運用が進んだ。これにより、「将来搭載できる」という計画段階から、実際の艦上運用を検証する段階へ移っている。

ただし英国やイタリアと同じ成熟度ではない。F-35B部隊、海空自衛隊の指揮、艦上整備、兵装、継続訓練、護衛艦隊との統合が必要である。専用空母ではないため、格納庫、弾薬、燃料、整備区画にも限界がある。

日本については「空母を2隻持った」と言い切るより、「2隻の空母化改修艦を使い、空母航空団を作り始めた」と表現するのが正確だと私は考える。F-35Bの発着に成功したことと、独力で継続的な海上航空作戦を実施できることの間には、なお訓練と制度の距離がある。

日本はイージス護衛艦、潜水艦、補給艦、P-1、陸上基地を持つ。F-35Bを既存の防空・対潜網へ接続できれば、西太平洋の分散航空拠点として独自の価値を持つ。

個別の性能や順位は、海上自衛隊の艦艇といずも型の空母化もあわせて確認してほしい。

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7位タイ:フランスは1隻でも高い運用能力を持つ

フランスの空母は原子力空母シャルル・ド・ゴール1隻である。隻数では7位タイだが、運用能力では中国、英国と並ぶA評価に置いた。

同艦は米国外で唯一の現役原子力空母であり、蒸気カタパルトと着艦制動装置を備える。ラファールMに加え、E-2C早期警戒機を運用できるため、空母から離れた空域を監視し、戦闘機を管制できる。2026年にもインド洋で作戦活動を続けており、フランス政府は次期空母への交代まで2030年代後半に運用を続ける方針を示している。

弱点は1隻しかなく、大規模整備中は固定翼空母航空戦力が海上から消えることだ。それでも私の評価では、フランスを船体数だけで日本、イタリア、インドより下に置くと実態を誤る。カタパルト、固定翼早期警戒機、実戦経験が1隻の価値を引き上げる。

7位タイ:スペインはAV-8Bを運用する1隻

スペインは強襲揚陸艦フアン・カルロス1世を保有し、AV-8BハリアーIIを運用している。2026年にもスペイン海軍は同艦とAV-8Bを展開させており、固定翼艦載機を実際に使える状態を維持している。

専用空母ではないため航空団規模は小さいが、近接航空支援、偵察、限定的な艦隊防空を担える。問題はAV-8Bの老朽化であり、後継機を導入しなければ、艦が残っても固定翼航空能力を失う。

7位タイ:トルコは無人機空母を実用化

トルコのTCGアナドルは、もともとF-35B運用を念頭に置いた強襲揚陸艦だった。しかし、トルコがF-35計画から除外された後、有人戦闘機ではなく艦載無人機を中心とする方向へ転換した。

2026年のNATO演習では、バイラクタルTB3がアナドルから発着し、誘導弾による攻撃を含む任務を実施した。トルコ国防産業庁も、海上で多数の発着と射撃が行われたことを公表している。これは、無人機空母という概念が展示用の試験から、連合演習で使われる段階へ進んだことを示す。

TB3は速度、搭載量、空対空戦闘、生存性でF-35Bに及ばない。一方、長時間監視、低コストの精密攻撃、情報中継には利点がある。私はアナドルを小型空母というより、航空母艦の費用構造を変え、海上航空戦力への参入障壁を下げる実験艦と見る。

7位タイ:タイは1隻を保有するが戦闘機はない

タイ海軍のチャクリ・ナルエベトは、東南アジアで初めて就役した空母であり、現在も海軍の旗艦である。艦そのものは現役扱いだが、かつて搭載したAV-8Sは退役しており、2026年時点で固定翼戦闘機を運用していない。

主用途はヘリコプター運用、指揮、災害救援、輸送である。全通甲板があっても、戦闘機航空団がなければ制空・遠距離打撃を担う空母打撃群にはならない。保有数と戦力を分ける必要性を示す例である。

7位タイ:ロシアは1隻保有、作戦運用可能数は0隻

ロシアはアドミラル・クズネツォフ1隻を保有しているが、2017年以降、実戦配備に戻っていない。長期修理では浮きドック事故、火災、工程遅延が重なり、2025年には修理作業の停止と、売却・解体を含む将来検討が報じられた。2026年にも最終的な処遇は確定しておらず、ムルマンスクで係留されたままとされる。

帳簿上は1隻でも、運用可能数は0隻と見るべきである。艦載機・搭乗員の再編、船体修復、海上試験、護衛艦との訓練には巨額の費用と時間を要する。ロシアの他の海軍・航空戦力が強くても、空母の稼働を意味しない。

個別の性能や順位は、世界の海軍力を空母・潜水艦・駆逐艦で比較もあわせて確認してほしい。

発艦方式で分かる空母の能力差

飛行甲板で進む艦載機の発着・整備作業
飛行甲板で進む艦載機の発着・整備作業

空母の運用能力を比べるうえで、発艦方式は重要である。大きく分けるとCATOBAR、STOBAR、STOVLの三方式がある。

CATOBARはカタパルトで航空機を射出し、着艦制動装置で回収する。米国、フランス、中国の福建が採用する。重い燃料・兵装を積んだ戦闘機だけでなく、固定翼早期警戒機、輸送機、将来の無人機を運用しやすい。設備と訓練は複雑だが、航空団の選択肢は最も広い。

STOBARはスキージャンプを使って自力発艦し、着艦時は制動索を使う。中国の遼寧・山東、インドの2空母が代表例である。カタパルトが不要な一方、発艦重量に制約が出やすく、固定翼早期警戒機の運用も難しい。

STOVLはF-35Bやハリアーの短距離離陸・垂直着陸能力を使う。英国、イタリア、スペイン、日本が該当する。比較的小型の艦でもジェット戦闘機を運用できるが、垂直着陸に備えるため燃料・兵装管理が必要で、固定翼支援機も搭載しにくい。

トルコの無人機運用は、この三分類からさらに枝分かれする。低速で短距離離着陸できるTB3は、有人ジェット機より小さな艦と簡素な設備で運用できる。代わりに、制空戦闘や高速迎撃の能力を持たない。

空母の実力を決める六つの要素

空母の実力は、艦載機・早期警戒・出撃回数・護衛・補給・交代能力の総合力で決まる。

空母の実力は、艦載機、早期警戒、出撃回数、護衛艦隊、補給・基地、複数艦と人員の交代能力で決まる。大型艦でも戦闘機がなければ制空・打撃はできず、固定翼早期警戒機がなければ探知と管制の範囲が狭くなる。

搭載機数が多くても、給油、兵装搭載、整備、発艦、回収を高頻度で回せなければ戦力にならない。空母自身も潜水艦、対艦ミサイル、航空攻撃に対して脆弱であり、防空艦、対潜艦、潜水艦による護衛が欠かせない。

さらに燃料、弾薬、部品を洋上補給し、整備中の艦と乗員を交代させる必要がある。2隻あっても航空団、護衛艦、補給艦、人員を二組用意できなければ常時展開はできない。この総合力で米国が突出し、中国が追い、英仏印伊が異なる方式で実用戦力を維持している。

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隻数ではなく運用能力で並べるとどうなるか

運用能力を大まかに階層化すると、S評価は米国だけである。複数の原子力空母打撃群を世界規模で交代展開し、固定翼早期警戒、電子戦、空中給油、潜水艦、補給艦、海外基地を一体運用できる。

A評価には中国、英国、フランスを置ける。中国は3隻体制と福建のCATOBAR化で急速に上昇したが、長期遠洋運用の経験では米英仏に及ばない。英国はF-35B空母打撃群を完成させ、2隻を交代運用できる。フランスは1隻ながら、原子力CATOBAR空母と固定翼早期警戒機を持つ。

B評価はインドとイタリアである。インドは2隻のSTOBAR空母と地域展開経験を持ち、イタリアはF-35BとNATO連携に強い。両国とも実用的だが、航空団の規模や固定翼早期警戒能力に限界がある。

C評価は日本、スペイン、トルコである。日本はF-35B運用を立ち上げている途中、スペインは老朽化するAV-8Bの後継が課題、トルコは艦載無人機という別方向の能力を伸ばす。三国とも将来性はあるが、2026年時点で正規空母打撃群と同列には置けない。

D評価はタイとロシアである。タイは固定翼戦闘機を持たず、ロシアは船体が稼働していない。形式上の空母保有国であっても、海上航空優勢を争う戦力には数えにくい。

この評価は、国全体の海軍力順位ではない。潜水艦や陸上航空戦力を含めれば別の順位になる。あくまで、空母を中核として航空作戦を継続する能力の比較である。

2026年の注目点は米中だけではない

有人機と無人機を組み合わせる将来の空母航空団
有人機と無人機を組み合わせる将来の空母航空団

最大の変化は、中国が福建を就役させ、電磁式カタパルト空母を実用化段階へ進めたことだ。一方、英国は2隻体制、インドは国産空母を含む運用を定着させ、フランスとイタリアも実戦的な航空団を維持する。

日本はF-35Bの分散運用拠点、トルコは無人機空母という別解を選んだ。今後は排水量だけでなく、無人機、長射程兵器、衛星通信、陸上基地をつなぎ、空母を海上のセンサー・兵器群の司令塔にできるかが問われる。

空母保有国に関するFAQ

世界で空母を最も多く持つ国はどこか

米国である。2026年7月時点では、ニミッツ級10隻とジェラルド・R・フォード級1隻の計11隻を現役空母として数える。強襲揚陸艦を加えれば航空運用可能な大型艦はさらに多いが、本記事の米国の数字には含めていない。

日本は空母保有国なのか

正式な艦種名では、いずもとかがは護衛艦である。ただし、F-35Bを運用するための改修と発着艦訓練が進んでいるため、機能面では広義の空母保有国に含められる。2026年時点では、成熟した空母打撃群というより、空母航空運用能力の形成期にある。

原子力空母を持つ国はどこか

現役の原子力空母を持つのは米国とフランスである。米国は11隻すべてが原子力空母で、フランスはシャルル・ド・ゴール1隻を運用する。中国、英国、インド、イタリアなどの現役空母は通常動力である。

ロシアは空母保有国に数えられるのか

船体の保有という基準なら1隻保有国である。しかし、アドミラル・クズネツォフは長期間作戦運用できず、修理継続も不透明である。軍事的な比較では「保有1隻、稼働0隻」と分けて示すのが適切だ。

まとめ

2026年の空母保有数は、米国11隻、中国3隻、英国・インド・イタリア・日本が広義で各2隻、フランス・スペイン・トルコ・タイ・ロシアが各1隻となる。ただし、イタリア、日本、スペイン、トルコには強襲揚陸艦や護衛艦を含み、ロシアの1隻は作戦運用できない。

運用能力で見れば、米国が別格である。中国は福建の就役でCATOBARと固定翼早期警戒機の時代へ入り、英国とフランスは成熟した航空団と護衛体制を持つ。インドとイタリアは地域・同盟内で実用的な戦力を維持し、日本とトルコは新しい空母運用を立ち上げている。

空母保有国ランキングを見るときは、船体の数だけで結論を出してはいけない。艦載機、発艦方式、早期警戒、護衛艦、補給、整備、訓練を一つのシステムとして見る必要がある。

空母戦力を決めるのは飛行甲板の長さではない。その甲板から航空機を飛ばし、敵を見つけ、守り、補給し、翌日も同じ任務を続けられる国家の総合力である。

出典・確認資料

米海軍「Aircraft Carriers – CVN」、USS Nimitz関連発表、USS John F. Kennedy海上公試関連発表。

中国国防部「Aircraft Carrier Fujian, Commissioned!」、福建艦の実兵力訓練・艦載機発着に関する発表。

英国政府・英国海軍、空母打撃群の完全作戦能力、2026年のクイーン・エリザベス級活動に関する発表。

インド政府広報局・インド海軍、2空母運用、ヴィクラント、MILAN 2026、ラファールM導入に関する発表。

フランス軍・フランス海軍、シャルル・ド・ゴールの2026年活動と将来運用に関する発表。

イタリア海軍・イタリア国防省、カヴールのF-35B運用、トリエステの代替空母機能に関する発表。

防衛省・海上自衛隊・航空自衛隊、2026年のF-35B配備とかが艦上訓練に関する発表。

スペイン海軍、2026年のフアン・カルロス1世とAV-8B展開に関する発表。

トルコ国防省・国防産業庁・Baykar、TCGアナドルとバイラクタルTB3の2026年演習に関する発表。

タイ王国海軍、チャクリ・ナルエベトの艦歴・任務に関する公式資料。

アドミラル・クズネツォフの修理停止・将来検討に関する2025~2026年報道。

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