日本 vs 中国 軍事力リアル比較【2026年版】|自衛隊は人民解放軍に勝てるのか?防衛費・海空戦力・ミサイル・核の全データで徹底検証

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この記事を読めば、日本と中国の「本当の実力差」がわかる

2026年3月、中国は国防予算を前年比7%増の約1.91兆元(約2,770億ドル)に引き上げた。対する日本の令和8年度(FY2026)防衛予算は過去最大の9.04兆円(約580億ドル)。12年連続の過去最高更新である。

数字だけを見れば、中国の国防費は日本の約4.8倍。しかも米国防総省は「中国の実際の軍事支出は公表額の1.3~1.6倍」と推定しており、購買力平価(PPP)で換算すれば実質4,700億ドルに達するという分析すら存在する。

だが、「予算が大きい=強い」と即断するのは素人の見方だ。

戦争は「数」だけで決まらない。装備の質、練度、同盟関係、地理的条件、そして何より「何を守るために戦うのか」という戦略目標によって、戦場の現実はまるで違うものになる。

この記事では、2026年時点で入手可能な最新データをもとに、日本と中国の軍事力を「海」「空」「陸」「ミサイル・核」「同盟・戦略」の5つの軸で徹底的に比較する。自衛隊ファンにとっても、安全保障を真剣に考える読者にとっても、「今、日本はどこに立っているのか」を正確に知るための必読ガイドになるはずである。

なお、中国人民解放軍の軍事力とは?陸海空の主要装備と戦力をわかりやすく解説【2025年版】の記事で中国軍の全体像を解説しているので、あわせて読んでいただきたい。


防衛予算で見る日中格差──「4.8倍」の真実と嘘

まず冷静に数字を並べよう。

項目日本(FY2026)中国(2026)
公表国防予算約9.04兆円(580億ドル)約1.91兆元(2,770億ドル)
GDP比約2.0%約1.3%(公表値)
推定実質支出640億ドル前後3,000~4,700億ドル
前年比伸び率+9.4%+7.0%
世界ランク第10位前後第2位

中国の「公表予算」には研究開発費、外国装備の購入費、軍人年金、武装警察・海警局の予算が含まれていない。英国際戦略研究所(IISS)は2024年の中国の実質軍事支出を約2,350億ドル、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は約3,180億ドルと推計している。さらに米テキサス国家安全保障レビューに掲載された2024年の論文では、購買力平価ベースで4,710億ドルという数字すら出ている。

つまり、公表値ベースで「4.8倍差」と言われる両国の差は、実質ベースでは「5倍~7倍」に膨らむ可能性がある。これが冷厳な現実である。

しかし、ここで一つ重要な視点がある。日本の防衛予算は2022年の「安保三文書」改定以来、劇的に増加している。2022年度に約5.4兆円だった防衛費は、わずか4年で9兆円を突破。5年間で43兆円という「防衛力整備計画」は着実に進行中であり、高市早苗政権のもとで2%目標の前倒し達成が宣言された。

日本の防衛費増額は「量」で中国に追いつくためではない。「質」で圧倒し続けるための投資なのである。では、その「質」はどこに表れているのか。各軍種ごとに見ていこう。


海の戦い──海自 vs 中国海軍(PLAN)

数の暴力:世界最大の海軍 vs 精鋭の海自

項目海上自衛隊(JMSDF)中国海軍(PLAN)
主要戦闘艦艇約50隻約370~400隻
空母・軽空母2隻(いずも型)3隻(遼寧、山東、福建)
イージス艦8隻0隻(ただしイージス級駆逐艦相当8隻以上)
駆逐艦約36隻約50隻以上
フリゲートもがみ型等約10隻約40隻以上
潜水艦22隻(通常動力)約73隻(うち原潜12隻)
揚陸艦3隻約13隻(大型)
総兵力約4.5万人約38.4万人(海兵5.5万含む)

数字だけ見れば絶望的な差だ。中国海軍(PLAN)は234隻の主要戦闘艦と167隻の支援艦を擁する世界最大の海軍であり、毎年、英国海軍の全艦隊に匹敵する量の艦艇を進水させている。2035年までに475隻体制を目指すという米海軍情報局の予測は、決して誇張ではない。

特に注目すべきは055型(レンハイ級)ミサイル駆逐艦の存在である。満載排水量13,000トン、VLS(垂直発射装置)112セルを搭載するこの「巡洋艦」は、2026年初頭までに8隻が就役。対艦、対空、対潜、対地のすべてをカバーする万能型であり、米海軍ですらその能力を認めている。

さらに中国は2025年に空母「福建」の海上公試を開始。電磁式カタパルト(EMALS)を搭載した同艦は、満載排水量約80,000~85,000トンの世界最大の通常動力空母である。J-15T、第5世代ステルス艦載機J-35、さらに早期警戒機KJ-600の運用が計画されており、完成すれば中国海軍の外洋展開能力は飛躍的に向上する。

詳しくは中国最新空母「福建」とは?電磁カタパルト搭載のモンスター空母の実力をわかりやすく解説を参照してほしい。

海自の「質」は本物か?

だが、ここで問いたい。「数で劣る海自は、本当に無力なのか?」

答えは断じて「否」である。

海上自衛隊には、中国海軍が逆立ちしても手に入れられない「質」がある。

第一に、イージス・システム。こんごう型4隻、あたご型2隻、まや型2隻の合計8隻のイージス艦は、弾道ミサイル防衛(BMD)と艦隊防空の両方をこなす世界最高水準の防空プラットフォームである。2026年度中には「みょうこう」「あたご」にトマホーク発射能力が付与され、8隻すべてがスタンドオフ打撃能力を持つことになる。これは日本のイージス艦を徹底解説で詳しく解説している。

第二に、対潜水艦戦(ASW)能力。海自のASW能力は米海軍に次ぐ世界第2位と評されている。たいげい型潜水艦のリチウムイオン電池技術は世界唯一の実用化例であり、そうりゅう型と合わせた22隻体制は、通常動力潜水艦としては世界最高の静粛性を誇る。P-1哨戒機の探知能力も極めて高く、中国の原潜がこの対潜網を突破するのは容易ではない。たいげい型の詳細は日本の潜水艦の歴史を完全解説世界の潜水艦ランキングで解説しているので、あわせて読んでほしい。

第三に、乗員の練度。海自の訓練水準は世界的に高く評価されており、環太平洋合同演習(RIMPAC)をはじめとする多国間演習での実績は圧倒的である。中国海軍が外洋での実戦経験をほぼ持たないのに対し、海自はソマリア沖海賊対処行動など実任務の蓄積がある。

そして2025年に設立された自衛隊統合作戦司令部(JJOC)により、陸海空の統合運用が強化された。これは有事における日米共同作戦の即応性を飛躍的に高めるものであり、単なる組織改編ではなく、戦略レベルの変革と言える。

海の結論:「量」の中国、「質」の日本

正直に言おう。外洋での艦隊決戦を挑めば、海自に勝ち目はない。しかし、日本の防衛戦略はそもそも「外洋で決戦する」ことを想定していない。南西諸島周辺の「閉じた海」で、潜水艦・地対艦ミサイル・航空機による重層的な拒否戦略を展開し、中国艦隊の接近を阻止する──これが海自の勝ち筋である。

そしてその戦略においては、海自の「質」は中国の「量」に十分対抗し得る。海上自衛隊の艦艇完全ガイドで、その全貌を確認してほしい。


空の戦い──航空自衛隊 vs 中国空軍(PLAAF)

数字で見る航空戦力

項目航空自衛隊(JASDF)中国空軍(PLAAF)+ 海軍航空隊
総航空機数約1,400機約3,150機以上
戦闘機(第5世代)F-35A(約40機導入済み)J-20(約200~300機)
戦闘機(第4/4.5世代)F-15J/DJ約150機、F-2約60機J-16約450機、J-10系約550機、Su-30/Su-35等多数
早期警戒機E-767×4、E-2D×導入中KJ-500、KJ-2000等多数
爆撃機なしH-6K/N約150機以上
次世代機GCAP(2035年配備予定)J-36(第6世代開発中)

航空戦力においても、中国の「量」は圧倒的である。PLAAF(人民解放軍空軍)と海軍航空隊を合わせた戦闘機の総数は2,400機以上。これに対し航空自衛隊の戦闘機は約260機程度。単純な数の比較で約9倍の差がある。

特筆すべきは、J-20「威龍」の急速な増勢だ。2020年には約50機だったJ-20は、2025年中頃までに約300機に達したとされる。これはF-35ファミリーに次ぐ世界第2位の第5世代ステルス戦闘機群であり、もはや「実験的な少数配備」などという段階ではない。J-20の実力は中国ステルス戦闘機J-20の実力は?で詳しく解説している。

さらに中国は、2025年9月の抗日戦争勝利80周年記念軍事パレードで、極超音速対艦ミサイルYJ-20を初公開。J-20のステルス性能と組み合わせた「ステルス突破→極超音速ミサイル発射」という戦術は、西太平洋の軍事バランスを根底から変える可能性を秘めている。

空自の強みはどこにあるのか

では、航空自衛隊は圧倒されるだけなのか。

そうではない。空自には、中国空軍にはない決定的な強みがいくつかある。

まず、F-35の「質」。空自のF-35Aは約40機が導入済みであり、最終的には147機(F-35A×105機、F-35B×42機)の大量導入が計画されている。F-35は単なるステルス戦闘機ではなく、空のセンサーノードとして機能する「飛ぶ情報端末」だ。Link 16やMADL(多機能先進データリンク)を通じてイージス艦や地上防空システムとリアルタイムで情報を共有し、「ネットワーク中心の戦い」(NCW)を実現する。

次に、F-15Jの近代化改修。「まだF-15が現役なの?」という声をよく聞くが、令和の近代化改修(J-MSIP)を受けたF-15Jは、もはや別物だ。最新の電子戦装置、AAM-4B(99式空対空誘導弾改)やJSM(ジョイント・ストライク・ミサイル)の運用能力が付与され、スタンドオフ攻撃が可能になっている。古い機体に最新のミサイルと電子戦能力を搭載する──これは日本の「質」へのこだわりを象徴している。

そして、防空ネットワーク。日本列島全域をカバーするE-767 AWACS、E-2D早期警戒機、地上レーダー網、PAC-3ペトリオット、イージス艦のSM-3/SM-6という多層防空システムは、世界でもトップクラスの密度と精度を誇る。中国の戦闘機やミサイルがこの防空網を「すり抜けて」日本本土を攻撃するのは、極めて困難な作業である。日本のミサイル防衛システムで、その全容を確認してほしい。

さらに、日英伊三カ国による次世代戦闘機「GCAP」の共同開発も見逃せない。2035年配備を目指すこの第6世代戦闘機は、AI随伴無人機との連携を前提とした革新的なプラットフォームであり、2026年度予算で1,600億円以上が計上されている。中国もJ-36(第6世代)を開発中とされるが、三カ国の技術力を結集したGCAPの方が、技術的信頼性では優位に立つと見てよいだろう。

空の結論:「数」で勝てなくても「網」で守れる

航空戦力でも、数の差は歴然としている。しかし空自の戦い方は「敵の数だけ戦闘機を揃えること」ではない。日本列島という「不沈空母」の上に、世界最高水準のセンサー網と防空システムを張り巡らせ、敵機が飛来する前に探知し、飛来したら多層的に迎撃する──この「網」の戦いにおいて、空自は依然として優位にある。

ただし、中国のミサイル飽和攻撃に対しては、現行の防空システムだけでは対処しきれない可能性がある。だからこそ日本は「反撃能力」(スタンドオフ・ミサイル)の整備を急いでいるのだ。


陸の戦い──陸上自衛隊 vs 中国陸軍(PLA陸軍)

中国陸軍の主力戦車99A式。最新鋭の第3世代戦車

数字で見る陸上戦力

項目陸上自衛隊(JGSDF)中国陸軍(PLA陸軍)
総兵力約15万人約97.5万人
主力戦車約560両(10式、90式、74式)約5,800両以上
装甲車両約1,100両約9,000両以上
自走砲・野砲約600門約6,000門以上
攻撃ヘリ約120機約300機以上

陸上戦力の差は、すべての軍種の中で最も大きい。中国陸軍は約97.5万人の世界最大級の地上軍であり、主力戦車だけで日本の10倍以上を保有する。

しかし、ここで冷静に考えてみてほしい。「中国陸軍の戦車が、どうやって海を渡って日本に来るのか?」

日中間には広大な東シナ海が横たわっている。中国が日本本土に大規模な地上侵攻を行うためには、まず制海権と制空権を確保し、大量の揚陸艦で部隊を輸送しなければならない。これは第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦に匹敵する(あるいはそれ以上の)大作戦であり、現時点の中国軍にそのような能力があるかは疑問だ。

陸上自衛隊の真の戦場は、南西諸島の島嶼防衛である。2018年に新編された水陸機動団(ARDB)は「日本版海兵隊」として島嶼奪還能力を持ち、16式機動戦闘車は空輸可能な火力として南西諸島の迅速展開に対応する。

そして10式戦車。44トン級という軽量ボディにC4Iシステム(指揮統制通信コンピュータ情報システム)を完全統合した同車は、ネットワーク戦闘における世界最先端のMBTの一つである。中国の99式戦車は重装甲・大火力で知られるが、電子戦能力とネットワーク統合の面では10式に及ばないと見られている。10式戦車 vs 中国99式戦車の比較で詳しく解説しているので、ぜひ読んでほしい。

陸自の装備については陸上自衛隊の日本戦車一覧でも網羅的に解説している。

陸の結論:日本に「大陸で戦う」必要はない

陸上戦力の数的劣勢は明らかだが、日本は大陸で中国と地上戦を行う必要がない。日本の陸上防衛は「島嶼防衛」と「着上陸阻止」に特化しており、この文脈においては陸自の質的優位は十分に発揮される。問題は、南西諸島への事前展開と補給ラインの確保であり、ここに12式地対艦誘導弾の配備が進んでいることは極めて心強い。


ミサイル・核戦力──最も深刻な「戦力差」

ミサイル戦力比較

項目日本中国
弾道ミサイルなしICBM/IRBM/MRBM 多数(DF-41、DF-26、DF-21D等)
巡航ミサイル12式改(射程約1,000km)配備開始巡航ミサイル多数(CJ-10、CJ-20等)
極超音速兵器HVGP(島嶼防衛用高速滑空弾)配備開始DF-17(極超音速滑空体)実戦配備済み
対艦弾道ミサイルなしDF-21D、DF-26(空母キラー)
核弾頭なし(非核三原則)約600発以上(2030年までに1,000発超へ)
ミサイル防衛PAC-3、SM-3 Block IIA、SM-6HQ-9、HQ-19(BMD開発中)

ここが、日中軍事バランスにおける最大の「戦力差」である。

中国人民解放軍ロケット軍は、世界最大の地上発射型ミサイル戦力を保有している。射程4,000kmのDF-26は「グアム・キラー」と呼ばれ、日本列島全域はもちろん、米軍のグアム基地すら射程に収める。DF-21Dは「空母キラー」として対艦弾道ミサイルの先駆けであり、DF-17極超音速滑空体は既存のミサイル防衛システムでの迎撃が極めて困難とされる。中国の極超音速兵器の脅威で、その恐るべき実態を解説している。

さらに中国ロケット軍とは何者か?の記事で詳述したように、中国のミサイル戦力は日本にとって最も深刻な脅威だ。弾道ミサイルの飽和攻撃を受けた場合、現行の日本のBMDシステム(イージス艦のSM-3による上層迎撃+PAC-3による下層迎撃)だけでは、すべてを撃ち落とすことは物理的に困難である。

そして核兵器。中国は約600発以上の核弾頭を保有し、2030年までに1,000発超、2035年までに1,500発に達すると米国防総省は予測している。日本は非核三原則のもと核兵器を持たず、米国の「核の傘」に依存している。この非対称は、通常戦力の比較だけでは測れない根本的な力の差を意味する。

日本の「反撃能力」は間に合うのか

しかし、日本もただ手をこまねいているわけではない。

2026年度予算では、スタンドオフ・ミサイル能力の強化に9,700億円以上が計上された。その中核が12式地対艦誘導弾の改良型(スタンドオフ・ミサイル)であり、射程約1,000kmに延伸された同ミサイルの地上発射型は2025年度末から熊本の第5地対艦ミサイル連隊に配備が開始された。さらに艦発射型、空中発射型の開発も進んでおり、2027年度からF-2戦闘機に搭載されて運用が始まる予定だ。

加えて、島嶼防衛用高速滑空弾(HVGP)も2025年度末から実戦配備が開始された。これは日本初の極超音速兵器であり、島嶼防衛における火力の飛躍的強化を意味する。

そしてトマホーク巡航ミサイル。米国から最大400発の取得が計画されており、2025年度中にイージス艦3隻(ちょうかい、はぐろ、きりしま)への搭載が完了。2026年度にはさらに2隻(みょうこう、あたご)に拡大される。最終的には全8隻のイージス艦がトマホーク発射能力を持つことになる。日本が保有するミサイル全種類を完全解説で、その全容を確認してほしい。

「専守防衛」から「反撃能力」へ。この戦略転換は、戦後日本の防衛政策における最大の変革であり、中国に対する抑止力を飛躍的に高めるものだ。だが、中国のミサイル戦力の「量」を考えれば、まだまだ不十分と言わざるを得ない。この分野こそ、日本が最も投資を加速させるべき領域である。


同盟・戦略──日本の「最強のカード」

日米同盟という決定的優位

ここまで日中二国間の戦力比較を行ってきたが、実際の安全保障環境において、日本が「一国で」中国と対峙することはあり得ない。

日米安全保障条約のもと、在日米軍は約54,000人が日本に駐留しており、横須賀を母港とする第7艦隊、三沢・嘉手納・岩国の航空戦力、沖縄の海兵隊は、日本防衛の「第二の盾」として機能している。

2025年に設立された自衛隊統合作戦司令部(JJOC)は、米インド太平洋軍との相互運用性を飛躍的に高めるものであり、有事における日米共同対処の速度と精度を大きく向上させた。

さらに日本は、オーストラリア、インド、英国、フィリピン、韓国とも安全保障協力を深化させている。特に2025年8月にオーストラリアが三菱重工のもがみ型フリゲート改良版を次期汎用フリゲートに選定したことは、日豪防衛協力の新たな象徴となった。日本の防衛ビジネス超入門三菱重工の防衛産業の記事で、日本の防衛産業の国際展開について詳しく解説している。

中国の「弱点」

一方の中国は、実質的な軍事同盟を持たない。ロシアとの「戦略的パートナーシップ」は存在するが、NATOのような集団安全保障体制ではなく、有事に自動的にロシアが参戦する保証はない。北朝鮮は名目上の同盟国だが、中国にとっては「資産」であると同時に「負担」でもある。

さらに中国は、南シナ海ではフィリピン、ベトナム、台湾と、東シナ海では日本と、インド国境ではインドと、それぞれ領土紛争を抱えている。つまり中国は複数の正面に同時に対処しなければならず、すべての軍事力を対日戦に集中させることはできない。

これは日本にとって大きな戦略的利点である。

台湾有事と日本

2024年11月、高市早苗首相は「中国が台湾に行動を起こせば、日本の安全保障に直結する」と明言した。2025年12月には、沖縄南方海域で中国空母打撃群の艦載機が航空自衛隊機に対し火器管制レーダーを照射するという事案が発生。これはミサイル発射直前の行為に等しい極めて危険な挑発であり、日中関係は一気に緊迫した。

台湾有事は、もはや「もし」ではなく「いつ」の問題として議論されている。習近平は2027年までに台湾統一の軍事的準備を完了させるよう命じたとされ、PLAのすべての近代化はこの目標に向けて設計されている。

日本にとって台湾有事は「他人事」ではない。台湾が落ちれば、中国海軍は太平洋への自由なアクセスを手に入れ、日本のシーレーン(海上交通路)は致命的な脅威にさらされる。だからこそ日本は南西諸島の防衛強化を急ぎ、「反撃能力」の整備を進めているのだ。


総合評価──日本は中国に「勝てる」のか?

ここまでのデータを総合して、最終評価を行う。

評価軸日本中国優勢
防衛予算580億ドル2,770億ドル(実質最大4,700億)中国
海上戦力(量)50隻370隻超中国
海上戦力(質)イージス8隻、世界最高ASW055型8隻、空母3隻ほぼ互角(近海は日本優位)
航空戦力(量)約260機約2,400機中国
航空戦力(質)F-35+多層防空網J-20約300機やや日本(防空網込み)
陸上戦力15万人97.5万人中国(ただし海を渡れない)
ミサイル戦力12式改+HVGP+トマホークDF-26、DF-21D、DF-17等中国
核戦力なし600発超中国
同盟関係日米同盟+QUAD+豪英比実質的な軍事同盟なし日本
実戦経験・練度高い(多国間演習豊富)限定的日本
防衛産業高品質だが規模小世界最大の造船能力中国(量)日本(質)

「日本単独で中国と全面戦争を戦えるか?」──答えは「否」である。予算、兵力、ミサイル、核のすべてにおいて中国が圧倒的に上回っている。特に核戦力の非対称は、通常戦力の比較を無意味にしかねない根本的な差だ。

しかし、「日本の防衛は成り立つか?」──答えは「是」である。

日本の防衛戦略は「中国に勝つ」ことではなく、「中国に攻撃を思いとどまらせる」ことを目的としている。精強な海自・空自の質的優位、世界最高水準の防空・ASW能力、急速に整備が進むスタンドオフ・ミサイル、そして何より日米同盟という圧倒的な「抑止の連鎖」──これらが組み合わさることで、中国に「日本を攻撃するコストは、得られる利益をはるかに上回る」と認識させること。これこそが日本の安全保障の本質である。

だが、油断は許されない。中国の軍拡は止まる気配がなく、2027年の「建軍100年」に向けてPLAの近代化は最終段階に入っている。日本もまた、防衛力の「質的跳躍」を続けなければ、抑止は崩壊する。

我々ミリタリーファンにできることは、正確な情報を知り、日本の防衛の現実を直視し、そして自衛隊の努力に敬意を払うことだ。そしてもし君が、この壮大な軍事バランスの世界をもっと深く知りたいなら──ぜひプラモデルや書籍を手に取ってほしい。1/350スケールのイージス艦を組み立てながら、あるいは防衛白書を読みながら、「日本を守る」ということの意味を、自分の手で感じてほしいのである。

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この軍事バランスを「手」で感じたいなら

ここまで読んでくれた読者には、きっと「もっと深く知りたい」「形として手元に置きたい」という衝動が湧いているはずだ。

日中の海上戦力バランスを実感したいなら、タミヤやピットロードの1/700護衛艦シリーズが最高の入門になる。海自のイージス艦「まや」と、中国海軍の055型駆逐艦を並べて飾れば、両国の設計思想の違いが一目瞭然である。VLSのセル数、艦橋の形状、ステルス設計のアプローチ──プラモデルだからこそ見えてくる「軍艦の思想」がある。

航空戦力に惹かれたなら、ハセガワの1/72 F-35A(航空自衛隊仕様)を強くおすすめする。あの独特のステルス形状を自分の手で組み上げる喜びは、スペック表を読むだけでは絶対に味わえない。そしてもう一つ、J-20のキットを隣に置けば、日中のステルス戦闘機を直接比較できる贅沢な体験が待っている。

戦車派なら、タミヤの1/35 10式戦車は鉄板だ。C4Iアンテナの繊細なディテール、世界最小級のMBTならではのコンパクトな車体──組めば組むほど、この戦車に込められた日本の技術者の執念が伝わってくる。

そしてこの記事の内容をさらに深く理解したいなら、防衛白書や各種軍事解説書もおすすめだ。「中国の軍事力」「日本の防衛」というテーマは、書籍でこそ体系的に学べる。

世界最強戦闘機ランキングTOP10世界最強戦車ランキングTOP10も読んで、グローバルな軍事バランスの中での日中の位置づけを確認してほしい。


まとめ──2026年、日本の安全保障は「正念場」

2026年の日中軍事バランスは、一言で言えば「量の中国、質の日本」である。

中国は世界最大の海軍、世界第2位の空軍、急拡大する核戦力、世界最大のミサイル軍を擁する。予算規模でも日本の約5倍。数字だけ見れば、勝負にならないように見える。

しかし日本には、世界最高水準の装備品質、練度、同盟ネットワーク、そして「専守防衛」から「反撃能力」への戦略転換がある。南西諸島を中心とした拒否戦略において、自衛隊は依然として強力な抑止力を維持している。

問題は「今日勝てるか」ではなく、「明日も抑止が効くか」だ。中国の軍拡ペースを考えれば、日本が防衛力整備の手を緩める余裕はない。2027年の「建軍100年」に向けたPLAの最終スパートに対し、日本は「防衛力の抜本的強化」の5カ年計画を確実に完遂し、さらにその先を見据えた投資を続けなければならない。

自衛隊員たちは、この厳しい安全保障環境の中で、日々訓練に励んでいる。彼らの努力に報いるためにも、我々は正確な情報を持ち、日本の防衛について真剣に考え続けなければならない。

この記事が、その一助となれば幸いである。

関連記事として、中国空軍の戦闘機一覧中国空母3隻体制で何が変わる?中国ロケット軍とは何者か?日本の防衛産業・軍事企業一覧世界の軍事力を”仕組み”で読み解く:8つの指標もぜひ読んでいただきたい。

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