
第6世代戦闘機一覧を追うと、2026年の開発競争が単純な「次のステルス機選び」では済まないことが見えてくる。米空軍はF-47を開発段階へ進め、日本・英国・イタリアのGCAPは大型契約を締結した。中国では正体未公表の無尾翼機が飛び、欧州ではフランス・ドイツ主導の共同戦闘機が止まった。
この記事を貫くテーマは、第6世代戦闘機の本質が最強の一機を作る競争から、有人機・無人機・衛星・センサー・ソフトウェアを束ねる「空の戦闘ネットワーク」を作る競争へ移ったことにある。2026年7月31日現在の公開情報を基に、各計画の名称、参加国、開発段階、実用化目標、確度を整理する。
- 第6世代戦闘機一覧を追うと、2026年の開発競争が単純な「次のステルス機選び」では済まないことが見えてくる
- 米空軍はF-47を開発段階へ進め、日本・英国・イタリアのGCAPは大型契約を締結した
- 中国では正体未公表の無尾翼機が飛び、欧州ではフランス・ドイツ主導の共同戦闘機が止まった
- この記事を貫くテーマは、第6世代戦闘機の本質が最強の一機を作る競争から、有人機・無人機・衛星・センサー・ソフトウェアを束ねる「空の戦闘ネットワーク」を作る競争へ移ったことにある

第6世代戦闘機とは何か
- 広い周波数帯を意識した低被探知性
- 太平洋や欧州正面で長時間戦うための航続力と滞空力
- レーダー、赤外線、電子戦装置を統合するセンサー融合
- 協働戦闘機や随伴無人機を率いる有人・無人協働
「第6世代」に国際統一規格はない。F-22やF-35を第5世代と呼ぶときも認証機関の合格証はなく、ステルス性、センサー融合、情報共有能力などをまとめた便宜的な分類である。第6世代も同じだ。
世代名は物差しだ。
私は、この名称を性能証明書よりも、軍と企業がどの方向へ投資するかを示す札として読む。公開資料を横断すると、第6世代戦闘機にはおおむね次の要素が重なる。
- 広い周波数帯を意識した低被探知性
- 太平洋や欧州正面で長時間戦うための航続力と滞空力
- レーダー、赤外線、電子戦装置を統合するセンサー融合
- 協働戦闘機や随伴無人機を率いる有人・無人協働
- 衛星、艦艇、地上部隊までつなぐ戦闘クラウド
- ソフトウェアを短い周期で更新できる開放型・モジュール型設計
- 電子戦、通信、指揮統制まで機体設計へ織り込む統合性
機体単体の最高速度や格闘性能だけでは評価しにくい。第6世代機は「空飛ぶ司令塔」「長距離センサー」「ミサイル運搬機」「無人機の編隊長」を一つの機体に重ねる構想だからだ。性能表の一列に収まらないところが、この世代の扱いにくさであり面白さでもある。
レーザー兵器、可変サイクルエンジン、完全自律飛行は有力な候補技術だが、全計画の共通要件として確認されていない。秘密指定も多く、未公表の性能を完成済みと扱うのは避けたい。
第6世代戦闘機一覧【2026年版】
- 同じ一覧に載っていても、政府契約を得た開発計画と、飛行映像だけが確認された機体と、名称しか流通していない構想では確度が違う
- 2026年の現在地を段階別に並べると次のようになる
- F/A-XXは米海軍の正式要求に基づく計画だが、2026年7月末には開発主契約者が決まっていない
- 中国の二機は飛んでいる可能性が高いものの、国防当局が名称、要求性能、配備時期を説明していないため、開発の成熟度を契約段階の西側計画と同じ尺度では測れない
差は大きい。
同じ一覧に載っていても、政府契約を得た開発計画と、飛行映像だけが確認された機体と、名称しか流通していない構想では確度が違う。2026年の現在地を段階別に並べると次のようになる。
| 計画・通称 | 国・組織 | 2026年の開発段階 | 公表された目標 | 確度 |
|---|---|---|---|---|
| F-47/NGAD有人機 | 米空軍 | ボーイングが技術・製造開発契約を受注 | 現米政権中の飛行を掲げる | 高い |
| GCAP次期戦闘機 | 日本・英国・イタリア | GIGOとEdgewingが46億ポンドの次段階契約 | 2035年の引き渡し・運用開始を目標 | 高い |
| F/A-XX | 米海軍 | 企業選定前の競争段階 | F/A-18E/F後継として整備 | 高いが機体未選定 |
| FCAS再編後の有人機 | フランス・ドイツ・スペイン | 共同NGFを停止し、国別チームへ再編 | 欧州システム全体は2040年像を維持 | 再設計中 |
| 中国・成都系大型無尾翼機 | 中国 | 飛行中とみられる試作機を公開情報で確認 | 公式名称・就役年とも未公表 | 機体の存在は高い、任務は不明 |
| 中国・瀋陽系無尾翼機 | 中国 | 飛行中とみられる別系統の試作機 | 公式名称・就役年とも未公表 | 機体の存在は高い、任務は不明 |
| PAK DP/MiG-41 | ロシア | 構想・報道段階 | MiG-31後継とされる | 低い |
この表で先頭集団と呼べるのは、正式な顧客、予算、開発主体、工程がそろうF-47とGCAPである。F/A-XXは米海軍の正式要求に基づく計画だが、2026年7月末には開発主契約者が決まっていない。中国の二機は飛んでいる可能性が高いものの、国防当局が名称、要求性能、配備時期を説明していないため、開発の成熟度を契約段階の西側計画と同じ尺度では測れない。
私の見立てでは、技術実証の先行は米国、国際的な制度設計の完成度はGCAP、中国は機体試作の速度で圧力をかけている。欧州大陸は有人機の共同開発をいったん解体し、どの企業連合が次の主導権を握るかを決め直している最中だ。

F-47|米空軍NGADの有人中核
- 米空軍は2025年3月、次世代航空優勢計画NGADの有人戦闘機について、ボーイングへ技術・製造開発契約を与えた
- 機体名はF-47となり、米空軍は「世界初の第6世代戦闘機」と位置づけている
- F-47で見逃せないのは、表に出た時点ですでに実験機による飛行データが蓄積されていたことだ
- 米空軍によれば、関連するXプレーンは5年間で数百時間飛行した
米空軍は2025年3月、次世代航空優勢計画NGADの有人戦闘機について、ボーイングへ技術・製造開発契約を与えた。機体名はF-47となり、米空軍は「世界初の第6世代戦闘機」と位置づけている。[1]
米国は先に進んだ。
F-47で見逃せないのは、表に出た時点ですでに実験機による飛行データが蓄積されていたことだ。米空軍によれば、関連するXプレーンは5年間で数百時間飛行した。2026年に公開された説明資料は、1,000海里超の戦闘行動半径と現政権中の飛行を掲げる。[2] 1,000海里は約1,852キロメートルで、F-22より広い作戦半径を狙う姿勢が読み取れる。
私がF-47を先行計画と見る理由は、派手な完成予想図より、試験データと開発契約が接続しているからだ。航空機開発では、要求性能の言葉より、誰がどの契約で設計を固め、試験へ進むかの方が重い。
F-47は単独で戦う機体でもない。米空軍はNGADを、有人機、協働戦闘機CCA、次世代兵器、センサー、通信、支援装備を束ねたファミリー・オブ・システムズとして進めている。有人機は秘匿性の高い空域へ入り、複数のCCAへ索敵、電子戦、兵器投射などを分担させる司令塔となる構想だ。
それでも、公開情報には大きな空白が残る。正確な寸法、エンジン、兵装搭載量、調達単価、初期作戦能力の時期は確認できない。米空軍が示す外形も実機設計をそのまま描いた保証はない。F-47について確実に言えるのは、ボーイングが有人中核機の開発契約を得て、実験機の蓄積を使いながら本開発へ入ったところまでだ。
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GCAP|日英伊は2035年を守れるか
- GCAPは、日本のF-2、英国とイタリアのユーロファイターを引き継ぐ次期戦闘機を共同開発する計画である
- 政府側には国際機関GIGO、企業側にはBAEシステムズ、レオナルド、日本航空機産業振興株式会社が各3分の1を持つEdgewingが置かれた
- 三つの政府と三つの産業基盤を、単一の顧客機関と設計権限へまとめる仕組みだ
- 2026年7月3日、GIGOとEdgewingは2027年末までを対象とする46億ポンドの契約を締結した
GCAPは、日本のF-2、英国とイタリアのユーロファイターを引き継ぐ次期戦闘機を共同開発する計画である。政府側には国際機関GIGO、企業側にはBAEシステムズ、レオナルド、日本航空機産業振興株式会社が各3分の1を持つEdgewingが置かれた。三つの政府と三つの産業基盤を、単一の顧客機関と設計権限へまとめる仕組みだ。
日本には期限がある。
2026年7月3日、GIGOとEdgewingは2027年末までを対象とする46億ポンドの契約を締結した。高度な構想・評価段階を完了し、詳細設計と開発を進める18か月の契約で、同年4月の6億8,600万ポンド契約に続く第2弾である。[3][4] 量産契約より前の段階だが、GCAPは共同声明中心の時期を越え、設計作業へ大きな資金を流す局面に入った。
目標は2035年である。F-2の退役を見据える日本にとって、これは工程を縛る実務上の期限だ。後ろへずれれば、F-2の延命、F-35の追加取得、搭載兵器や整備基盤の再配分まで連鎖する。英国とイタリアにもユーロファイター更新の事情があり、三国の都合が2035年へ集中している。
2026年7月21日にはカナダが初のオブザーバー国となった。意思決定権は持たないが、能力開発、産業協力、長期計画へ直接触れる立場を得た。[5] 参加国の追加は費用と市場を広げる反面、要求変更や輸出管理を増やす。GCAP三国が2035年の工程を崩さず、外部参加の入口をどこまで広げるかが次の焦点となる。
機体の価値は、三国が担当部品を分け合うことだけにない。センサー・通信分野ではG2E、動力分野では日英伊の企業連合が動き、機体を長距離センサー網の中心へ組み込もうとしている。日本企業にとっては完成品を輸入する案件より深い。設計権、知的財産、改修権、輸出判断へ長期に関与できるかが、戦闘機の性能と同じくらい重要になる。
私はGCAPを、戦後日本の航空機産業が「ライセンス生産の巧者」から「国際戦闘機の設計当事者」へ移れるかを測る試験だと見ている。零戦以来の国産機礼賛へ戻る話でも、外国技術へ乗るだけの話でもない。三国で一つの設計権限を動かす政治工学こそ、この計画で最も難しい装備なのだ。
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F/A-XX|米海軍の艦載第6世代機
- F/A-XXは米海軍がF/A-18E/Fスーパーホーネットを更新し、F-35Cと組み合わせるために進める次世代艦載戦闘機計画である
- 空母から発艦し、広い洋上で防空、長距離打撃、情報収集、無人機指揮を担うことが想定される
- 米空軍のF-47をそのまま艦載化して済む話ではない
- 艦載機はカタパルト射出、着艦時の衝撃、塩害、狭い飛行甲板と格納庫、限られた整備人員へ適応しなければならない
F/A-XXは米海軍がF/A-18E/Fスーパーホーネットを更新し、F-35Cと組み合わせるために進める次世代艦載戦闘機計画である。空母から発艦し、広い洋上で防空、長距離打撃、情報収集、無人機指揮を担うことが想定される。
空母には別解が要る。
米空軍のF-47をそのまま艦載化して済む話ではない。艦載機はカタパルト射出、着艦時の衝撃、塩害、狭い飛行甲板と格納庫、限られた整備人員へ適応しなければならない。主翼折り畳み、着艦装置、低速操縦性を加えると、航続力やステルス形状との折り合いも難しくなる。
2026年7月末のF/A-XXは、ボーイングとノースロップ・グラマンが争う企業選定前の段階と報じられており、米海軍の選定は同年8月が見込まれている。[6] したがって、一覧には正式計画として載せられるが、F-47やGCAPと並ぶ開発契約済み機として扱うのは早い。
米海軍は将来空母航空団で無人機との協働も進めている。F/A-XXの価値は、搭載ミサイル数だけで決まらない。空母から離れた海域でセンサーの目を延ばし、無人機へ仕事を割り振り、敵の長射程ミサイル圏外から航空団全体を働かせられるかが核心となる。
なお、F/A-XXは要求・計画段階の呼称である。企業選定後も設計審査、試作、艦上試験が続くため、完成形を断言できる段階には達していない。

欧州再編|FCAS/SCAFの共同戦闘機は止まった
- 2026年の第6世代戦闘機一覧で最大の変化は、フランス、ドイツ、スペインが進めてきたFCAS/SCAFの有人次世代戦闘機NGFが従来形のまま続かなかったことだ
- ドイツのメルツ首相は6月10日、マクロン大統領と共同戦闘機の建造を追求しないことで合意したと説明した
- そのうえで、戦闘クラウドや無人機を含む「システム・オブ・システムズ」は欧州計画として続ける方針を示した
- ダッソー・アビアシオンも7月の業績説明資料で、FCAS/NGFの停止と、フランス単独または別の協力枠組みによる将来戦闘機実証機の検討を明記した
2026年の第6世代戦闘機一覧で最大の変化は、フランス、ドイツ、スペインが進めてきたFCAS/SCAFの有人次世代戦闘機NGFが従来形のまま続かなかったことだ。ドイツのメルツ首相は6月10日、マクロン大統領と共同戦闘機の建造を追求しないことで合意したと説明した。そのうえで、戦闘クラウドや無人機を含む「システム・オブ・システムズ」は欧州計画として続ける方針を示した。[7]
欧州は割れた。
ダッソー・アビアシオンも7月の業績説明資料で、FCAS/NGFの停止と、フランス単独または別の協力枠組みによる将来戦闘機実証機の検討を明記した。[8] これは名称変更程度の調整を超え、有人戦闘機を誰が主導して設計するかという中核部分の解体である。
背景には、ダッソーとエアバスの主導権、作業分担、知的財産をめぐる長期対立があった。戦闘機は各社の技術体系を一つへ寄せる必要があり、単純な部品割り当てでは統合できない。ユーロファイターが四か国の要求と産業分担に苦しんだ歴史を考えれば、主契約者と設計責任の曖昧さは次世代機でも致命傷になりうる。
残った枠組みもある。エアバスは再編後、ドイツの航空宇宙・電子・エンジン・ミサイル企業8社による「Team Gen 6」と、スペイン側の企業チームを紹介している。戦闘クラウド、無人機、AI、低被探知技術、精密兵器をつなぐFCAS全体は継続し、2040年に完全な協働戦闘能力を目指す構想だ。[9]
つまり「FCASがすべて消滅した」と書くのも、「計画は順調に継続」と書くのも正確さを欠く。共同NGFは止まり、システム全体は残った。フランスはラファールF5と将来実証機を軸に再設計し、ドイツとスペインは国別産業チームを組み直す。今後、各国の有人機が再び一つへ合流するのか、別々の機体を共通クラウドへ接続するのかは決まっていない。
私は、この再編を欧州航空産業の敗北だけで片づけない。むしろ一つの機体へ政治的平等を詰め込みすぎた設計を捨て、共通規格とネットワークで協力範囲を引き直す動きと読める。次の勝負は、共通戦闘機の国旗を何色に塗るかより、異なる戦闘機を同じデータ網で戦わせられるかに移る。
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中国の2機はどこまで進んでいるのか
- 中国では2024年12月以降、形状の異なる大型無尾翼機と小型無尾翼機の飛行映像・写真が相次いだ
- 前者は成都飛機工業集団系、後者は瀋陽飛機工業集団系と広く見られており、西側では便宜上「J-36」「J-XDS」「J-50」などの呼称が使われる
- 大型機は三発エンジンとみられる無尾翼形状、小型機は別の翼面構成を持つと観察されている
- 二系統が同時期に飛んだ事実が示すのは、中国が一案へ絞る前に、任務やサイズの異なる設計を並行して試している可能性だ
中国では2024年12月以降、形状の異なる大型無尾翼機と小型無尾翼機の飛行映像・写真が相次いだ。[11]前者は成都飛機工業集団系、後者は瀋陽飛機工業集団系と広く見られており、西側では便宜上「J-36」「J-XDS」「J-50」などの呼称が使われる。
姿は見えている。
大型機は三発エンジンとみられる無尾翼形状、小型機は別の翼面構成を持つと観察されている。二系統が同時期に飛んだ事実が示すのは、中国が一案へ絞る前に、任務やサイズの異なる設計を並行して試している可能性だ。大型機を長距離制空・打撃、小型機を制空中心とみる分析もあるが、中国政府は任務を公表していない。
中国国営系メディアの環球時報でさえ、「J-36」は軍事ファンが与えた未確認名称で、写真の真正性や計画内容も未確認と記している。また、中国は当該航空機の開発を正式発表していない。[10] ここは西側計画との大きな違いだ。
だからといって、映像をすべて模型や宣伝と切り捨てるのも無理がある。飛行する大型試験機を複数の地点と時期で隠し通すのは難しく、少なくとも先進的な無尾翼機の飛行試験が進んでいるとみるのが自然だ。問題は、その機体が第6世代戦闘機の実用試作機なのか、技術実証機なのか、爆撃・偵察寄りの航空機なのかが分からないことにある。
私なら、中国機の欄には「試作機あり、計画名なし」と書く。F-47の契約やGCAPの国際機関と同じ欄へ無条件に並べると開発段階を誤認するが、存在を無視すれば中国の試作速度を見落とす。確実な部分と不明な部分を分けるしかない。
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ロシアのMiG-41は一覧に入るのか
- ロシアのPAK DP、通称MiG-41は、MiG-31を継ぐ高速長距離迎撃機として長く報じられてきた
- 極超音速、宇宙近傍での飛行、無人型など大きな性能値も流通する
- 2026年7月までに、ロシア政府または統一航空機製造会社が、量産へ向けた正式な機体名称、確定設計、試作機の初飛行、具体的な契約工程を公表したとは確認できない
- 現実に生産と改良が続くのは第5世代のSu-57であり、PAK DPは要求研究または概念設計の域を出たかさえ外部から判定しにくい
ロシアのPAK DP、通称MiG-41は、MiG-31を継ぐ高速長距離迎撃機として長く報じられてきた。極超音速、宇宙近傍での飛行、無人型など大きな性能値も流通する。
証拠は薄い。
2026年7月までに、ロシア政府または統一航空機製造会社が、量産へ向けた正式な機体名称、確定設計、試作機の初飛行、具体的な契約工程を公表したとは確認できない。現実に生産と改良が続くのは第5世代のSu-57であり、PAK DPは要求研究または概念設計の域を出たかさえ外部から判定しにくい。
一覧から完全に外すと「MiG-41はどうなったのか」という疑問に答えられないため、本記事では構想枠に残した。だが、F-47、GCAP、F/A-XX、中国の飛行試作機と同列に順位づけはしない。公式の初飛行や開発契約が確認されるまでは、未来装備の候補名として扱うのが妥当だ。[12]
各計画を比べる5つの軸
第6世代戦闘機の「最強ランキング」を今作っても、秘密情報と予想図を競わせるだけになる。順位はまだ早い。代わりに、次の五つで進捗を比較すると実像へ近づける。
1. 契約と統治機構
開発予算が付き、顧客と主契約者が決まり、設計変更を誰が承認するか明確か。F-47は米空軍とボーイング、GCAPはGIGOとEdgewingが対応する。欧州旧FCASは、この統治設計が有人機の主導権争いを吸収できなかった。
2. 飛行実証の蓄積
風洞模型やデジタル設計から、実際の飛行へ進んでいるか。F-47は関連Xプレーンの試験時間を米空軍が公表し、中国は正体不明ながら実機映像がある。GCAPは契約と組織が先行し、有人実証機の公開飛行はこれからだ。
3. エンジンと電力
長い航続距離、高出力レーダー、電子戦、冷却を同時に支えるには、推力だけでなく発電と熱管理が要る。機体形状が完成しても、エンジンと電力系が遅れれば戦闘システムは載らない。第6世代機の真の重量物は、ミサイルより電力需要かもしれない。
4. 有人・無人協働
無人機を何機連れるかより、通信妨害下でどこまで任務を委任し、人間がどの段階で判断するかが重要になる。撃墜されてもよい安価なCCAと、高価な有人機の役割分担を設計できれば、同じ数のパイロットで広い空域を覆える。
5. 改修権と輸出性
2030年代の戦闘機は、就役後もソフトウェア、センサー、兵器を更新し続ける。自国がソースコード、暗号、兵器統合、輸出承認へどこまで触れられるかで、保有国の自由度が変わる。GCAPで日本が設計当事者になる意義もここにある。
日本にとってGCAPは何を意味するか
日本の目線では、F-47の方が先進的か、GCAPの方が強いかという比較だけでは足りない。航空自衛隊が2035年以降に必要とするのは、日本周辺の広い海空域で長時間行動し、地上レーダー、艦艇、早期警戒機、衛星、無人機から集めた情報を束ねる戦闘システムだ。
焦点は主権にある。
F-35は優れた共通機だが、米国主導の国際プログラムである。GCAPでは日本が要求、設計、試験、改修へ深く入る余地が広い。将来の国産ミサイルを統合する時期、電子戦装置の更新、脅威データの扱い、第三国輸出の判断まで、参加国間の交渉事項になる。
同時に、国際共同開発には遅延の種が多い。三国の防衛予算、輸出政策、企業利益、作戦要求がずれれば、2035年は簡単に圧迫される。Edgewingへ設計権限を集め、GIGOを単一顧客とした仕組みは、その摩擦を減らすための答えである。制度が機能するかは、今後の詳細設計と試験で証明される。
防衛産業の面では、三菱重工、IHI、三菱電機を中心に、材料、電子部品、ソフトウェア、製造装置まで長い供給網が動く。量産数だけを見れば巨大民間機に及ばなくても、要求の厳しい技術を国内へ残し、次の無人機や宇宙・電子戦へ横展開する効果は大きい。
私は、日本がGCAPへ払う費用を一機当たり価格だけで評価するのは足りないと考える。買うのは戦闘機の機体数に加え、改修の自由、設計者の経験、試験設備、輸出市場へ入る席でもある。逆に、その権利が実務で確保されなければ、共同開発の看板だけが残る。
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疑問を絞る。
よくある質問
第6世代戦闘機はすでに実戦配備されているか
実戦配備機は確認されていない。F-47とGCAPは本開発、F/A-XXは企業選定前、中国機は正体未公表の飛行試作段階とみられる。
F-47の初飛行はいつか
米空軍は2026年資料で現米政権中に飛行させる方針を示したが、具体的な年月は公表していない。関連Xプレーンはすでに数百時間飛行したと説明される。
GCAPの日本名はF-3なのか
「F-3」は報道や通称で広く使われるが、防衛省が制式名称として決定した段階に達していない。現時点の公式な計画名はGCAP、対象機は次期戦闘機である。
FCASは中止されたのか
フランスとドイツが共同で造る有人NGFは停止した。戦闘クラウド、無人機、既存機改修を含む欧州のシステム・オブ・システムズ構想は継続している。
中国のJ-36は正式名称か
正式名称として確認されていない。公開映像の大型無尾翼機へ軍事ファンや海外メディアが使う呼称であり、中国当局は名称、任務、就役目標を発表していない。
第6世代機は無人戦闘機になるのか
主要計画は有人中核機と複数の無人機を組み合わせる方向にある。将来さらに自律化が進む余地はあるが、F-47、GCAP、F/A-XXはいずれも有人機を中核に据える計画として扱われている。
まとめ
競争は機体外にある。
2026年の第6世代戦闘機一覧では、F-47とGCAPが契約・組織の面で先頭に立ち、F/A-XXが企業選定を待つ。中国は二系統の無尾翼試作機で技術的な圧力を示すが、公式名称も任務も未公表だ。欧州では共同NGFが止まり、フランス、ドイツ、スペインが有人機の作り方を組み直す一方、戦闘クラウドを中心とするFCAS全体は残った。ロシアのMiG-41は、なお構想枠を出ない。
第6世代戦闘機の勝者は、最も未来的な外形を先に公開した国だけで決まらない。有人機、無人機、衛星、センサー、兵器、ソフトウェアを一つの作戦体系として動かし、就役後も改修を続けられる国が優位に立つ。最強の一機を競う時代から、空全体を一つの武器として設計する時代へ移った。この変化を押さえれば、F-47、GCAP、中国機、欧州再編が同じ一覧に並ぶ理由も見えてくる。
参考資料
1. 米空軍公式 2. 米空軍公式 3. 防衛省、GCAPにおけるGIGOとEdgewing間での契約締結について 4. leonardo.com 5. gov.uk 6. news.usni.org 7. bundesregierung.de 8. dassault-aviation.com 9. airbus.com 10. globaltimes.cn 11. reuters.com 12. aerospaceglobalnews.com
参考資料・主な出典
米空軍公式|資料を確認
米空軍公式|資料を確認
防衛省、GCAPにおけるGIGOとEdgewing間での契約締結について|資料を確認
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