
世界の空母一覧は、強襲揚陸艦や長期非稼働艦を含めるかで隻数が変わる。本稿では2026年7月31日時点で、各国が空母として扱う艦、または固定翼戦闘機の洋上運用を担う全通飛行甲板艦を整理した。F-35Bを搭載可能というだけの強襲揚陸艦は原則として数えない。
この基準では、世界の空母は9カ国24隻となる。原子力空母は米国11隻とフランス1隻の計12隻、通常動力空母も計12隻である。海の上では原子力と通常動力が12隻ずつ並んでいる。しかし戦力が半分ずつ分かれているわけではない。原子力空母12隻のうち11隻を、米国一国が握っているからだ。
- 本記事の基準では現役空母は9カ国24隻
- 原子力12隻・通常動力12隻だが、原子力空母11隻は米国が保有
- CATOBAR・STOBAR・STOVLで運用できる艦載機と支援機が異なる
- 強襲揚陸艦や長期非稼働艦は基準を明示して別枠に整理
この論点を広く比較するなら、「【2026年最新】世界最強空母ランキングTOP10|イランで投入されたアメリカフォード級・中国3隻体制・ニミッツ退役…激変する世界の海を徹底解説」もあわせて確認したい。
世界の空母は9カ国24隻|2026年の結論
- 就役中の艦は定期整備や改修中でも含める
- 長期非稼働で復帰見通しのない艦は現役数から除外
- 固定翼戦闘機運用を主目的としない強襲揚陸艦は原則除外
- 公式区分と機能が異なる艦は両方を明記する
2026年7月31日時点の国別内訳は次の通りである。ここでいう「就役中」には、定期整備、大規模改修、原子炉燃料交換などで一時的に展開できない艦も含む。逆に、ロシアの「アドミラル・クズネツォフ」のように長期間運用されず、修理再開の見通しも立っていない艦は現役数から除外した。
| 国 | 隻数 | 艦級・艦名 | 動力 | 発艦方式 | 2026年の位置づけ |
|---|---|---|---|---|---|
| アメリカ | 11 | ジェラルド・R・フォード級1隻、ニミッツ級10隻 | 原子力 | CATOBAR | 世界最大の空母戦力 |
| 中国 | 3 | 遼寧、山東、福建 | 通常動力 | STOBAR/CATOBAR | 福建就役で3隻体制 |
| イギリス | 2 | クイーン・エリザベス級2隻 | 通常動力 | STOVL | F-35B運用の大型空母 |
| フランス | 1 | シャルル・ド・ゴール | 原子力 | CATOBAR | 米国外唯一の現役原子力空母 |
| インド | 2 | ヴィクラマーディティヤ、ヴィクラント | 通常動力 | STOBAR | 東西両艦隊を支える2隻 |
| イタリア | 1 | カヴール | 通常動力 | STOVL | F-35B運用空母 |
| スペイン | 1 | フアン・カルロス1世 | 通常動力 | STOVL | LHD兼軽空母 |
| 日本 | 2 | いずも、かが | 通常動力 | STOVL | 公式区分は護衛艦、F-35B運用へ改修 |
| タイ | 1 | チャクリ・ナルエベト | 通常動力 | STOVL設計 | 現在はヘリコプター中心 |
| 合計 | 24 | 9カ国 | 原子力12、通常動力12 | CATOBAR/STOBAR/STOVL | 定義により増減する |
24隻すべてが同時に出撃できるわけではない。大規模整備や改修中の艦も含むため、実際の展開可能数は整備周期、乗員、艦載機、護衛艦、補給艦に左右される。
空母一覧の数え方|強襲揚陸艦をすべて含めない理由
- 海軍が航空母艦として公式分類している
- 固定翼戦闘機の発着艦を主要任務とする
- 改修計画だけでなく艦載機取得・訓練・試験が具体化している
- 境界事例は除外理由または算入理由を明示する
空母に国際的な単一定義はない。本稿では次の三条件を基準とした。
- 海軍が航空母艦として公式に分類している
- 固定翼戦闘機の発着艦を主要任務としている
- 改修計画だけでなく、艦載機の取得・訓練・試験が具体化している
このため、スペインのフアン・カルロス1世はNATO区分ではLHDだが、スペイン海軍がAV-8Bを運用し、公式資料でも「空母形態」を明記しているため一覧へ含めた。日本の「いずも」型も公式艦種はDDH、すなわちヘリコプター搭載護衛艦である。しかし「かが」ではF-35B発着艦訓練が進み、航空自衛隊へのF-35B配備も始まったため、実用上の軽空母として扱った。[出典14][出典15][出典16][出典17]
米国のアメリカ級・ワスプ級、中国の075型、イタリアのトリエステ、トルコのアナドル、ブラジルのアトランティコは主任務が異なるため除外した。
この論点を広く比較するなら、「強襲揚陸艦とは?空母との違い・仕組み・各国の保有状況から日本の導入可能性までわかりやすく解説【2026年最新版】」もあわせて確認したい。

空母の発艦方式はCATOBAR・STOBAR・STOVLの3種類
- CATOBARは重い戦闘機や固定翼早期警戒機を運用しやすい
- STOBARは簡素だが発艦重量と機種に制約がある
- STOVLは中型艦でも運用しやすいが機種が限定される
- 方式は艦載機・発艦回数・早期警戒能力を左右する
世界の空母一覧を理解するうえで、艦の大きさ以上に重要なのが艦載機の発艦方式である。
CATOBAR|カタパルト発艦・拘束着艦
CATOBARは、カタパルトで航空機を加速し、着艦時には着艦フックを制動索へ引っ掛けて停止させる方式である。米国のフォード級・ニミッツ級、フランスのシャルル・ド・ゴール、中国の福建が採用する。
重い戦闘機、固定翼早期警戒機、輸送機を運用しやすい反面、カタパルトや制動装置を含む複雑なシステムが必要になる。
フォード級と福建は電磁式カタパルトを採用する。ニミッツ級とシャルル・ド・ゴールは蒸気式である。中国国防部は福建を同国初の電磁カタパルト搭載空母とし、2025年11月5日の就役後、J-15T、J-35、KJ-600などの発着艦訓練を公表している。[出典4][出典5]
STOBAR|スキージャンプ発艦・拘束着艦
STOBARは、艦首のスキージャンプで戦闘機を発艦させ、着艦時は制動索を使う方式である。中国の遼寧・山東、インドのヴィクラマーディティヤ・ヴィクラントが該当する。ロシアのアドミラル・クズネツォフも同方式で設計された。
CATOBARより簡素だが、発艦重量と機種に制約がある。私は、両方式の差は搭載機数以上に、固定翼早期警戒機を使えるかという「空からどこまで遠くを見られるか」へ表れると考える。
STOVL|短距離発艦・垂直着艦
STOVLは、F-35BやAV-8Bのような短距離離陸・垂直着陸機を使う方式である。イギリスのクイーン・エリザベス級、イタリアのカヴール、スペインのフアン・カルロス1世、日本の「いずも」型が代表例となる。
中型艦でもジェット戦闘機を運用しやすいが、機種が限定され、耐熱甲板も必要になる。

アメリカの空母一覧|原子力空母11隻
- フォード級1隻とニミッツ級10隻
- 空母航空団・護衛艦・原潜・補給艦を統合
- 原子炉・造船所・乗員教育を半世紀単位で維持
- 整備周期があるため11隻すべてが同時展開するわけではない
米海軍は2026年7月31日時点で、フォード級1隻とニミッツ級10隻、計11隻の原子力空母を就役させている。全艦がCATOBAR方式であり、空母航空団と巡洋艦・駆逐艦・攻撃型原潜・補給艦を組み合わせた空母打撃群を編成する。[出典1]
| 艦級 | 艦名 | 艦番号 | 動力・方式 |
|---|---|---|---|
| ジェラルド・R・フォード級 | ジェラルド・R・フォード | CVN-78 | 原子力・電磁CATOBAR |
| ニミッツ級 | ニミッツ | CVN-68 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ドワイト・D・アイゼンハワー | CVN-69 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | カール・ヴィンソン | CVN-70 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | セオドア・ルーズベルト | CVN-71 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | エイブラハム・リンカーン | CVN-72 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ジョージ・ワシントン | CVN-73 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ジョン・C・ステニス | CVN-74 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ハリー・S・トルーマン | CVN-75 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ロナルド・レーガン | CVN-76 | 原子力・蒸気CATOBAR |
| ニミッツ級 | ジョージ・H・W・ブッシュ | CVN-77 | 原子力・蒸気CATOBAR |
米海軍公式資料は、ニミッツ級とフォード級を約50年の運用寿命を想定した艦としている。ジョン・C・ステニスは燃料交換・複合オーバーホール中だが、退役艦ではない。最古参ニミッツも2026年春から夏にかけて南米周航任務へ投入され、7月10日に最終母港となるノーフォークへ到着したため、本稿の基準日には現役へ数える。[出典1][出典2][出典3]
11隻の重みは船体だけでなく、原子炉、艦載機、乗員、護衛艦、補給網、海外基地を半世紀単位で維持する制度にある。空母は造船所を出た日に完成する兵器ではなく、海軍システムが動いて初めて完成し続ける兵器である。

中国の空母一覧|福建の就役で3隻体制
- 遼寧は訓練と戦力化の基盤
- 山東は国産STOBAR空母
- 福建は電磁カタパルトを備えるCATOBAR空母
- 艦載機・早期警戒・護衛艦を含む編隊運用が次の評価点
中国海軍は遼寧、山東、福建の3隻を保有する。2025年11月5日に福建が就役したことで、「訓練・戦力化の基盤」「国産STOBAR空母」「電磁カタパルト空母」という三段階の発展が同時に見える艦隊となった。[出典4]
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 遼寧 | 16 | 通常動力 | STOBAR | 旧ソ連系設計を基礎とする中国初の空母 |
| 山東 | 17 | 通常動力 | STOBAR | 中国国内で建造された初の空母 |
| 福建 | 18 | 通常動力 | 電磁CATOBAR | 中国初の電磁カタパルト搭載空母 |
遼寧と山東はスキージャンプを使うSTOBAR空母である。福建は通常動力のままCATOBARへ移行し、電磁カタパルトと制動索を備える。中国国防部が公表した訓練では、J-15Tだけでなく、J-35ステルス戦闘機、KJ-600固定翼早期警戒機、J-15DT電子戦機が発着艦した。艦載機の種類から見ても、福建は中国海軍航空戦力を量から体系へ進める艦である。[出典5]
私は福建を「中国版フォード級」と単純化すべきではないと考える。動力、運用経験、航空団、補給網は異なる。ただし固定翼早期警戒機とステルス艦載機を同じ甲板から運用し始めた意味は大きい。
この論点を広く比較するなら、「中国最新空母「福建」とは?電磁カタパルト搭載のモンスター空母の実力をわかりやすく解説」もあわせて確認したい。
イギリスの空母一覧|クイーン・エリザベス級2隻
イギリス海軍はクイーン・エリザベスとプリンス・オブ・ウェールズの2隻を保有する。いずれも通常動力の大型STOVL空母で、艦首のスキージャンプからF-35Bを発艦させる。[出典6]
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 |
|---|---|---|---|
| クイーン・エリザベス | R08 | ガスタービン・ディーゼル発電 | STOVL |
| プリンス・オブ・ウェールズ | R09 | ガスタービン・ディーゼル発電 | STOVL |
満載6万5000トン級の船体はSTOVL空母として最大級であり、英海軍公式資料では最大36機のF-35Bを搭載可能としている。2026年7月にはクイーン・エリザベスがNATO連合即応部隊海上部門の指揮艦となった。[出典6][出典7]
フランスの空母一覧|シャルル・ド・ゴール1隻
フランス海軍のシャルル・ド・ゴールは、米国外で唯一就役している原子力空母である。蒸気カタパルトと制動索を使うCATOBAR空母で、ラファールM戦闘機とE-2C早期警戒機を運用する。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 |
|---|---|---|---|
| シャルル・ド・ゴール | R91 | 原子力 | 蒸気CATOBAR |
フランス国防省は2026年5月、同艦が就役25周年を迎え、インド洋へ展開中であると公表した。運用は2038年ごろまで続く予定で、後継艦「フランス・リーブル」へ引き継ぐ計画である。[出典8]
1隻体制には整備中の空白があるが、フランスは原子力推進、CATOBAR、固定翼早期警戒機、国産艦載戦闘機を維持する。
インドの空母一覧|ヴィクラマーディティヤとヴィクラント
インド海軍はヴィクラマーディティヤとヴィクラントの2隻を保有する。両艦とも通常動力のSTOBAR空母で、MiG-29Kを中心とする航空団を運用してきた。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| ヴィクラマーディティヤ | R33 | ボイラー・蒸気タービン | STOBAR | ロシア製艦を大改装 |
| ヴィクラント | R11 | ガスタービン | STOBAR | インド初の国産空母 |
インド海軍公式資料によれば、ヴィクラマーディティヤは8基のボイラーを使う通常動力艦で、30機以上の航空機を搭載できる。2024年末には短期改修・入渠契約が結ばれ、改修後に能力を高めて現役艦隊へ戻る計画とされた。[出典9][出典10]
ヴィクラントは4基のガスタービンを備え、スキージャンプと制動索を使う。2026年2月の多国間演習MILANでは式典会場となり、就役後の運用を継続している。[出典11][出典12]
輸入改装艦と国産艦の並行運用により、インドは設計、建造、整備、航空運用の知識を国内へ蓄積している。
イタリアの空母一覧|カヴール1隻
イタリア海軍の主力空母はカヴールである。通常動力のSTOVL空母で、AV-8BからF-35Bへの移行を進めている。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 |
|---|---|---|---|
| カヴール | 550 | ガスタービン | STOVL |
イタリア海軍公式資料では、カヴールは4基のガスタービンを備え、スキージャンプを使ってF-35Bを運用できる。2025年末のNATO活動では、イタリア海軍と空軍のF-35Bを搭載した空母打撃群の中核となった。[出典13]
同国には全通飛行甲板を持つ強襲揚陸艦トリエステもある。しかしイタリア海軍は2026年時点で、カヴールを空母打撃群、トリエステを水陸両用任務群の旗艦として区別している。そのため本稿の空母数はカヴール1隻とした。
スペインの空母一覧|フアン・カルロス1世
スペイン海軍はフアン・カルロス1世を運用する。公式分類はLHDだが、スキージャンプを備え、AV-8Bを搭載する空母形態を持つため、本稿では軽空母として数えた。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 |
|---|---|---|---|
| フアン・カルロス1世 | L61 | ガスタービン・ディーゼル電気 | STOVL |
スペイン海軍公式資料は、同艦が空母形態でAV-8BまたはF-35Bを10~12機とヘリコプターを運用できるとしている。平時の任務は上陸部隊輸送、戦力投射、航空部隊支援、人道支援まで幅広い。[出典14]
同じ船体が搭載機と任務によってLHDにも軽空母にもなる代表例である。
日本の空母一覧|「いずも」「かが」は軽空母なのか
- 法令・組織上の公式区分はヘリコプター搭載護衛艦
- F-35B運用へ向けた改修と艦上試験を段階的に実施
- 2026年6月の米海兵隊F-35B複数機訓練は中止
- 公式区分と機能面の双方を分けて表現する
海上自衛隊は「いずも」と「かが」の2隻を、いずも型護衛艦として運用する。公式艦種はDDHであり、名称上は空母ではない。ただしF-35Bの艦上運用を可能にする改修と訓練が進んでいるため、本稿では軽空母相当艦へ含めた。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 | 公式区分 |
|---|---|---|---|---|
| いずも | DDH-183 | ガスタービン | STOVL対応へ改修 | ヘリコプター搭載護衛艦 |
| かが | DDH-184 | ガスタービン | STOVL | ヘリコプター搭載護衛艦 |
海上自衛隊公式資料では、いずも型は基準排水量1万9950トン、ガスタービン4基2軸、全長248メートルである。「かが」は2024年に米国沖でF-35Bの短距離発艦・垂直着艦試験を実施した。2026年6月にも米海兵隊F-35Bとの複数機訓練が計画されたが、海上幕僚長会見によれば天候などの都合で中止されたため、実施済みとは扱わない。航空自衛隊では新田原基地でF-35Bの運用準備が進んでいる。[出典15][出典16][出典17]
法令・組織上は護衛艦だが、F-35Bを海上で運用する機能は軽空母に近い。私は「公式には護衛艦、機能面では2隻の軽空母戦力を形成中」と答えるのが最も正確だと考える。
この論点を広く比較するなら、「〖2026年最新版〗海上自衛隊の艦艇一覧|護衛艦・イージス艦・潜水艦から「もがみ型」豪州輸出・F-35B空母化まで全艦種を徹底解説」もあわせて確認したい。
タイの空母一覧|チャクリ・ナルエベト
タイ海軍はチャクリ・ナルエベト1隻を保有する。タイ海軍公式資料でも、同国最初かつ唯一の航空母艦とされる。
| 艦名 | 艦番号 | 動力 | 発艦方式 | 現状 |
|---|---|---|---|---|
| チャクリ・ナルエベト | CVH-911 | 通常動力 | STOVL設計 | 固定翼機は退役、ヘリ中心 |
満載排水量は1万1544トンで、現役の空母としては小型である。かつてはAV-8Sを運用したが、タイ海軍公式資料では9機すべてが退役済みとされる。現在はヘリコプター運用、災害派遣、指揮艦任務が中心である。[出典18]
それでも一覧へ残すのは、船体が正式に空母として就役を続けているからだ。ただし「固定翼空母戦力」という基準なら、タイを除いて8カ国23隻と数える選択もあり得る。
原子力空母と通常動力空母の違い
- 原子力でも航空燃料・弾薬・食料・部品は補給が必要
- 通常動力でも福建のように電磁カタパルトを搭載できる
- 艦載機・早期警戒・護衛・補給・基地網を総合評価する
- 推進方式は運用体系を構成する一要素
2026年の24隻を動力別に分けると、原子力12隻、通常動力12隻となる。見かけ上は完全に同数だが、保有国は大きく偏る。
| 区分 | 隻数 | 保有国 | 主な艦級 |
|---|---|---|---|
| 原子力空母 | 12 | アメリカ、フランス | フォード級、ニミッツ級、シャルル・ド・ゴール |
| 通常動力空母 | 12 | 中国、イギリス、インド、イタリア、スペイン、日本、タイ | 福建、QE級、ヴィクラント、カヴール、いずも型など |
原子力空母は推進燃料の補給頻度を減らし、大量の電力を得られる。ただし航空燃料、弾薬、食料、部品は必要であり、補給艦と港湾なしには戦えない。
通常動力空母は中型化しやすい。福建が通常動力で電磁カタパルトを採用したため、「原子力はCATOBAR、通常動力はスキージャンプ」という図式は崩れた。
結局、動力だけで空母の強さは決まらない。艦載機の質と数、発艦回数、早期警戒能力、護衛艦、潜水艦、補給、衛星、基地網まで含めて初めて戦力になる。原子炉は空母の心臓だが、空母打撃群という身体全体を代替するものではない。
ロシアのアドミラル・クズネツォフを現役数から除外した理由
- 2017年以降、修理・近代化で長期離脱
- 復帰時期を裏付ける安定した公式発表が確認できない
- 船体保有と現役運用を分けて数える
- 正式退役または処分済みとも断定しない
ロシアはアドミラル・クズネツォフ1隻の船体を保有する。同艦は通常動力のSTOBAR艦で、ロシア海軍では重航空巡洋艦に分類されてきた。
しかし2017年以降、修理・近代化のため長期離脱している。2025年には修理作業の停止と、修理継続か退役・解体かを検討しているとの報道が出た。2026年にもムルマンスクで非稼働状態が続き、復帰時期を裏付ける公式発表は確認できない。[出典19]
したがって本稿では、ロシアを「空母の船体を保有する国」には含めるが、「現役空母運用国」および24隻の合計からは除外した。正式退役が発表されたと断定する段階でもないため、処分済みとは扱わない。
| 艦名 | 状態 | 本稿の扱い |
|---|---|---|
| アドミラル・クズネツォフ | 2017年以降長期非稼働、修理停止報道 | 船体保有、現役数から除外 |
空母に含めなかった主な全通甲板艦
- 強襲揚陸艦は上陸部隊輸送と支援が主軸
- 無人機母艦は有人戦闘機空母と別カテゴリー
- ヘリコプター中心の艦は固定翼空母戦力と分ける
- 同じ船体でも常用航空団と任務で位置付けが変わる
空母に似た艦をすべて含めると、世界の空母数は24隻を超える。代表例は次の通りである。
| 国 | 艦級・艦名 | 主分類 | 除外理由 |
|---|---|---|---|
| アメリカ | アメリカ級、ワスプ級 | 強襲揚陸艦 | F-35B運用可能だが上陸作戦が主軸 |
| 中国 | 075型 | 強襲揚陸艦 | ヘリコプター・上陸戦力が中心 |
| 中国 | 076型 | 強襲揚陸艦・無人機運用艦 | 2026年時点で戦力化途上 |
| イタリア | トリエステ | 強襲揚陸艦 | カヴールと任務を分担 |
| トルコ | アナドル | 強襲揚陸艦・無人機母艦 | TB3運用は始まったが有人戦闘機空母ではない |
| ブラジル | アトランティコ | 多目的航空母艦 | 現在の航空運用はヘリコプター中心 |
トルコ国防省は2026年、アナドルからTB3無人航空機を発進させたと公表した。有人戦闘機空母ではないが、「ドローン空母」という別カテゴリーを現実のものにしている。[出典20]
ブラジル海軍はアトランティコを多目的航空母艦と呼ぶが、航空運用はヘリコプター中心のため除外した。[出典21]
よくある質問
世界に空母は何隻ある?
本稿の基準では9カ国24隻である。ロシアの非稼働艦を含めると10カ国25隻となり、強襲揚陸艦やドローン母艦まで加えればさらに増える。
空母を最も多く持つ国は?
アメリカの原子力空母11隻が最多で、中国3隻、イギリス・インド・日本が各2隻と続く。
原子力空母を持つ国は?
アメリカ11隻とフランス1隻の2カ国だけである。福建は電磁カタパルト搭載艦だが通常動力である。
日本は空母保有国に入る?
公式には護衛艦だが、F-35B対応改修と発着艦訓練が進むため、本稿では機能面を重視して2隻と数えた。
ロシアは空母を持っていない?
船体は残るが2017年以降運用されていない。本稿では保有船体1隻、現役0隻と整理した。
強襲揚陸艦と空母の違いは?
空母は航空作戦、強襲揚陸艦は上陸部隊の輸送・支援が主任務である。外見ではなく主任務と常用航空団で区別する。

まとめ|空母の隻数より運用体系を見る
2026年7月31日時点で、本稿の基準による世界の空母一覧は9カ国24隻である。内訳は原子力空母12隻、通常動力空母12隻となる。
- アメリカは原子力空母11隻で突出する
- 中国は福建の就役により3隻体制となった
- イギリスとインドは2隻体制を維持する
- フランスは<span class="swl-marker mark_green">米国外唯一の原子力空母</span>を運用する
- イタリア、スペイン、日本はSTOVL方式で固定翼航空戦力を海へ出す
- タイは正式な空母を保有するが、固定翼機は退役している
- ロシアのクズネツォフは長期非稼働のため現役数から除外する
空母は艦載機、早期警戒、護衛艦、補給艦、造船所、乗員教育が揃って初めて航空基地として動く。24隻という数字の背後にある運用体系を見る必要がある。
この論点を広く比較するなら、「〖2026年最新〗世界最大の空母ランキングTOP15|満載排水量と全長で並べる「鋼鉄の巨城」」もあわせて確認したい。
参照ソース
- [出典1~3] U.S. Navy: CVN fact file、Southern Seas 2026、USS Nimitz最終母港到着
- [出典4~5] 中国国防部: 福建就役、就役後初の海上実兵力訓練
- [出典6~7] Royal Navy: Queen Elizabeth級、NATO即応部隊旗艦
- [出典8] フランス国防省: シャルル・ド・ゴール就役25周年
- [出典9~12] Indian Navy/インド政府PIB: ヴィクラマーディティヤ、ヴィクラント、MILAN 2026
- [出典13] Marina Militare: カヴール、F-35B
- [出典14] Armada Española: フアン・カルロス1世
- [出典15~17] 防衛省・海上自衛隊: いずも型、かがF-35B訓練、新田原F-35B運用
- [出典18] タイ海軍教育局海軍史部: チャクリ・ナルエベト
- [出典19] Zona Militar: アドミラル・クズネツォフ修理停止後の状況
- [出典20] トルコ国防省: Mavi Vatan-2026
- [出典21] ブラジル海軍航空部隊: NAMアトランティコ2026年活動
参考資料・主な出典
U.S. Navy|Aircraft Carriers – CVN|資料を確認
中国国防部|福建艦の就役|資料を確認
中国国防部|福建艦の初海上実兵力訓練|資料を確認
Royal Navy|Queen Elizabeth Class|資料を確認
フランス国防省|シャルル・ド・ゴール就役25周年|資料を確認
インド政府PIB|MILAN 2026とINS Vikrant|資料を確認
イタリア海軍|カヴール搭載F-35Bの初期作戦能力|資料を確認
スペイン海軍|Juan Carlos I|資料を確認
海上自衛隊|かがF-35B艦上運用試験|資料を確認
海上自衛隊|2026年6月の訓練中止に関する会見|資料を確認
タイ海軍教育局海軍史部|チャクリ・ナルエベト|資料を確認
関連記事
この記事が参考になったら、応援の意味で以下のリンクから何か購入いただけると幸いです。執筆の励みになります。リンク先以外の商品でも構いません。
コメント