世界最強の爆撃機はどれか――2026年現在、その頂点に最も近いのはアメリカの第6世代ステルス爆撃機B-21レイダーである。ただしB-21はまだ試験中で、2027年の配備を待つ身だ。すでに実戦配備されている「現役最強」となると、いまも唯一の現役ステルス爆撃機であるB-2スピリットが筆頭になる。
そして意外に知られていないが、戦略爆撃機を保有・運用している国は、世界でアメリカ・ロシア・中国のわずか3か国しかない。数千kmを飛び、数十トンの兵器を運び、核を投射できるこの巨大兵器は、それを設計・製造・維持できる国家が極端に限られる、究極の「国力の象徴」なのだ。この記事では、2026年時点の世界の戦略爆撃機を、現役機と次世代機をあわせてランキング形式で徹底比較する。各機の性能、開発状況、役割、そして後半では当ブログらしく「爆撃機を作る企業に投資する」という防衛株の視点までを、一次ソースと最新の数字を軸に整理していく。
- 2026年版の世界最強爆撃機ランキングTOP10を一覧で比較できる
- B-21、B-2、Tu-160M、B-52J、H-6Nの強みと限界がわかる
- 爆撃機メーカーを防衛株として見る投資視点まで押さえられる

評価基準|現役+次世代を5つの軸で比較する
- 現役機だけでなく、試験中・開発中の次世代機も状態を明記して評価する
- 飛行していないH-20やPAK DAは、将来性があっても下位に置く
- 単純な速度や搭載量だけでなく、敵防空網を突破できるかを重視する
本ランキングは、以下の5つの軸を総合して順位を決めている。①ステルス性・突破力(敵防空網を抜けられるか)、②兵装搭載量、③航続距離、④実戦・運用実績、⑤戦略的価値(核運用・即応性・抑止力)。
ひとつ断っておきたい。当ブログの世界最強戦闘機ランキングでは「現役配備機限定」を貫き、試作機や計画機を順位に含めていない。実戦データや稼働率で評価できないからだ。しかし爆撃機は事情が違う。前述のとおり運用国は3か国だけで、機種数も極端に少ない。そして爆撃機の世界では、次世代機の開発こそが各国の国力差をもっとも雄弁に物語る。そこで本ランキングは現役機を上位に置きつつ、開発中の次世代機も「現役/試験中/開発中」の状態を明記したうえで含めることにした。評価軸の考え方そのものに関心がある人は軍事力の評価フレームワークもあわせて読んでほしい。
なお、未飛行の機体(H-20・PAK DA)を下位に置いているのは意図的だ。どれだけ構想が壮大でも、飛んでいない以上は「絵に描いた爆撃機」にすぎない。この一点に、現在の爆撃機開発をめぐる残酷な現実が表れている。
そもそも、なぜ戦略爆撃機を運用できる国が3か国しかないのか。理由は単純で、開発・製造・維持のすべてが桁外れに難しく、高価だからだ。大陸間を飛ぶ巨大な機体には、特殊な合金やチタンの加工技術、強力なエンジン、長時間の運用に耐える構造が要る。ステルス機ともなれば、電波吸収素材と形状設計を完璧に統合する四半世紀分の蓄積が必要になる。実際ロシアはTu-160の生産を再開する際、失われたチタンの真空溶接技術を一から復元せねばならなかった。1機あたり数億ドルという価格と、それを何十年も支える兵站・整備の体制まで含めて、戦略爆撃機は「持てる国」を極限まで絞り込む。だからこそ、この兵器は国力そのものの象徴なのだ。
世界最強爆撃機ランキング一覧比較表
- 上位2機はステルス爆撃機で、突破力がランキング上位の決定要因になっている
- Tu-160MとB-52Jは非ステルスながら、長射程ミサイル母機として価値が高い
- H-20とPAK DAは構想上は強力でも、未飛行のため実力評価は保留になる
まず全体像を表で俯瞰する。状態欄の「現役」は実戦配備済み、「試験中」は飛行試験中、「開発中」は未飛行を意味する。
| 順位 | 機体 | 国 | メーカー | 状態 | 最高速度 | ステルス |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | B-21 レイダー | 米 | ノースロップ・グラマン | 試験中 | 高亜音速 | ◎第6世代 |
| 2 | B-2 スピリット | 米 | ノースロップ・グラマン | 現役 | 高亜音速 | ◎ |
| 3 | Tu-160M ブラックジャック | 露 | ツポレフ/UAC | 現役 | マッハ2.0 | ×非ステルス |
| 4 | B-52H/J ストラトフォートレス | 米 | ボーイング | 現役 | マッハ0.9 | ×非ステルス |
| 5 | B-1B ランサー | 米 | ロックウェル→ボーイング | 現役 | マッハ1.25 | △低RCS |
| 6 | Tu-95MS ベア | 露 | ツポレフ | 現役 | 約830km/h | ×非ステルス |
| 7 | H-6N | 中 | 西安(AVIC) | 現役 | 高亜音速 | ×非ステルス |
| 8 | Tu-22M3 バックファイア | 露 | ツポレフ | 現役 | マッハ1.8 | ×非ステルス |
| 9 | H-20 | 中 | 西安(AVIC) | 開発中 | 高亜音速 | ◎(計画) |
| 10 | PAK DA | 露 | ツポレフ | 開発中 | 高亜音速 | ◎(計画) |
それでは1位から順に見ていく。
第1位:B-21 レイダー(アメリカ/試験中)

- 最新のステルス性と将来改修を前提にした設計思想が突出している
- 最低100機規模の調達計画により、B-2の弱点だった少数運用を克服しうる
- まだ試験中のため、実戦配備済みの現役最強はB-2として分けて読む
文句なしの本命だ。ノースロップ・グラマンが開発する第6世代ステルス爆撃機B-21レイダーは、敵の最新防空網を突破して核・通常両方の攻撃を行うために設計された、現時点で人類が手がける最先端の爆撃機である。
2023年11月に初飛行し、2026年現在はエドワーズ空軍基地で2機が飛行試験中だ。注目すべきはその開発スピードで、本来180日を予定していた試験キャンペーンをわずか73日で完了し、2026年4月にはKC-135からの空中給油試験にも成功した。同年6月には開発試験と運用試験を同時並行で進める異例の体制に入っており、近年のアメリカ機で最速級の進捗を見せている。配備は2027年、サウスダコタ州エルズワース空軍基地から始まる。
順位の根拠は、ステルス性・ネットワーク能力・将来の無人運用への対応という総合力の高さだ。最低100機(最大150機)という調達規模も、21機で終わったB-2とは比較にならない。まだ実戦配備されていない点だけが唯一の留保であり、それゆえ「現役」ではなく試験中として扱うが、性能の頂点であることは揺るがない。各種スペックや開発の詳細、製造元への投資の視点まではB-21レイダー個別解説で徹底的に掘り下げているので、本命機をもっと知りたい人はそちらを参照してほしい。なお将来の爆撃機部隊は、敵防空網の内側へ突入するB-21と、外側からミサイルを撃ち込む第4位B-52Jの「突破役・投射役」の2機種体制に集約されていく見込みだ。最先端のステルス機を消耗品のミサイル運搬には使わず、安価で頑丈な老雄に任せる――この組み合わせの合理性こそ、B-21とB-52がともに生き残る理由である。
第2位:B-2 スピリット(アメリカ/現役)
「現役最強」の称号は、いまもこの機体のものだ。ノースロップ・グラマンのB-2スピリットは、1989年の初飛行以来、世界で唯一の実戦配備されたステルス爆撃機であり続けている。黒い全翼のシルエットは、軍用機のステルス時代を切り開いた歴史的な傑作である。
現在の保有数は19機で、すべてミズーリ州ホワイトマン基地に配備されている。当初21機が製造されたが、2008年のグアムでの墜落と2022年の事故で2機を失った。少数精鋭ゆえに維持費は莫大で、ステルス塗装は7年ごとに専用格納庫で塗り直される。それでもアメリカは2024年に約70億ドルを投じて電子戦能力やステルス素材を近代化し、当初2032年頃とされた退役を先送りした。コソボ、イラク、アフガニスタン、そして2026年のイラン作戦と、実戦で防空網を突破してきた実績は他のどの現役機も持たないものだ。なぜB-21がこのB-2を置き換えるのかという系譜の話は、第1位のB-21個別解説でも詳しく触れている。搭載量は公式には約18トンとされるが、これは機密上の控えめな数字で、実際にはさらに大きいといわれる。たった19機の希少な機体が、ステルスでしか叩けない最重要目標を担い続けてきた事実は、この爆撃機の戦略的価値の高さを物語っている。
第3位:Tu-160M ブラックジャック(ロシア/現役)

非アメリカ機の最高峰がこれだ。ツポレフのTu-160は、可変後退翼を持つ超音速戦略爆撃機で、史上最大・最重量の戦闘機として知られる。全長はB-52を上回る約54m、翼を広げれば全幅56mに達する巨体が、マッハ2で飛行する。
ロシアはこのソ連時代の傑作を、近代化型Tu-160Mとして甦らせている。エンジンをNK-32-02に換装し、アビオニクスを刷新。カザン工場で既存機の改修と新造を進め、2025年末から2026年初頭には新造機2機が部隊に加わった。ロステックは年2機ペースで生産し、2027年までに新造10機体制を目指している。ただしステルス性はなく、ウクライナでの戦いでは敵防空圏に踏み込めず、ロシア領空からKh-101巡航ミサイルを撃ち込む「スタンドオフ母機」として運用されている。その立ち位置は、奇しくもアメリカのB-52とよく似ている。新造費は1機あたり2.5〜3億ドルとされる。
第4位:B-52H/J ストラトフォートレス(アメリカ/現役)

- ステルス性ではなく、搭載量と航続距離、長射程兵器の投射能力で価値を持つ
- B-21が突破役、B-52Jが投射役という役割分担が将来の米爆撃機部隊の軸になる
- F130エンジンとAESAレーダーへの近代化で、老朽機を2050年代まで使い続ける構想である
1955年就役、70年選手の生きる伝説だ。ボーイングのB-52は、ステルス爆撃機が飛び交う2026年の空でなお主力を張る、世界最古参の大型爆撃機である。現役76機が、新型エンジンF130とAESAレーダーを得て「B-52J」へと近代化されつつあり、2050年代まで――通算100年に迫る運用が見えている。
ステルス性はないが、約31.5トンという現用機最大級の搭載量を誇り、防空圏の外側から大量のスタンドオフミサイルを撃ち込む「投射役」として、むしろ価値を高めている。将来的には極超音速ミサイルの運用母機にもなる。第3位のTu-160Mとは「古い非ステルス機を近代化して延命し、標的母機として使い倒す」という思想がそっくりで、米露の発想が一致した好例といえる。性能・歴史・B-52J近代化・B-21との役割分担まではB-52爆撃機個別解説で詳述している。エンジン換装で機体を甦らせるという手法は、空自のF-15J近代化改修とも通じるものがある。
第5位:B-1B ランサー(アメリカ/現役)
アメリカ空軍で最速、そして通常兵器の搭載量は全機種中最大――それがロックウェル(現ボーイング)のB-1Bランサーだ。可変後退翼と4基のアフターバーナー付きエンジンにより、マッハ1.25で低空を突っ走る。
ただし核運用能力は、START I条約に基づき1994〜95年に物理的に撤去され、現在は通常兵器専用機となっている。イラク・アフガニスタン・シリアでの酷使で機体の疲労が進み、保有数は約44〜45機まで減った。一度は2030年代初頭の退役が決まっていたが、2026年のイラン作戦などで爆撃機需要が急増したため、アメリカ空軍は約17億ドルを投じてB-1BとB-2を2037年頃まで延命する方針へ転換した。退役予定機が「やはり必要だ」と呼び戻される――現代の長距離打撃力がいかに逼迫しているかを示す象徴的な動きである。近年は極超音速ミサイルARRWの運用試験母機としても注目されており、退役どころか新たな兵器の実験台として現役の幅を広げている。皮肉なことに、核を捨てた通常専用機であることが、かえって柔軟な運用を可能にしている面もある。
第6位:Tu-95MS ベア(ロシア/現役)
ジェット全盛の時代に、ターボプロップ(プロペラ)で飛び続ける異色の戦略爆撃機がこのTu-95MSだ。独特の轟音から「ベア(熊)」の名で呼ばれ、Tu-160と同じくロシアの核の三本柱を支える長寿命機である。
最高速度こそ約830km/hと遅いが、長大な航続距離を活かし、Kh-101/Kh-55巡航ミサイルを満載してロシア領空から撃ち込むスタンドオフ母機として現役を続けている。設計は1950年代に遡り、アメリカのB-52と同世代の「冷戦の生き残り」だ。ウクライナ戦争でも巡航ミサイル攻撃の主力として繰り返し投入されており、古さと実用性が同居する点でも、米露の老兵爆撃機の事情はよく似ている。70年前に設計された機体が、最新の巡航ミサイルを運ぶプラットフォームとして今なお必要とされる――爆撃機という兵器の本質が「ミサイルをどれだけ遠くまで運べるか」に移ったことを、このベアの長寿は静かに証明している。
第7位:H-6N(中国/現役)

中国唯一の戦略爆撃機系統が、この西安H-6シリーズだ。原型は1950年代のソ連製Tu-16という年代物だが、中国はこれを執拗に近代化し続けてきた。なかでも2019年に登場したH-6Nは、機体下面に大型の空中発射弾道ミサイル(ALBM)を1発抱え、空中給油も可能にした重要型である。
このH-6Nの登場により、中国は地上・海中・空中からなる核の三本柱を実質的に復活させた。搭載するJL-1(驚雷-1)は核弾頭を運べる精密な戦域兵器で、DF-26中距離弾道ミサイルと並ぶ脅威とされる。中国の弾道ミサイル戦力の全体像は中国ロケット軍とはで、極超音速兵器という新たな脅威は中国の極超音速兵器は止められないのかで詳しく解説している。通常型のH-6Kは中国爆撃機部隊の主力で、2024年にはロシア機と共同でアラスカ近傍の国際空域まで進出した。ただしアメリカ空軍地球規模攻撃軍団の司令官は、中国の爆撃戦力を「せいぜい地域的な戦力にとどまる」と評価している。大陸間を自在に飛べる本物の戦略爆撃力には、まだ届いていないのが実情だ。とはいえ、Tu-16という1950年代の設計をここまで延命し、核ALBM母機にまで仕立て上げた中国の改良執念は侮れない。次世代のH-20が飛ぶまでは、このH-6シリーズが中国の長距離打撃を一手に担い続けることになる。
第8位:Tu-22M3 バックファイア(ロシア/現役)
ロシアが運用するもう一つの可変翼超音速爆撃機が、ツポレフのTu-22M3バックファイアだ。Tu-160ほど巨大ではないが、マッハ1.8の高速性を活かし、対艦・対地攻撃の中距離爆撃機として運用されている。
冷戦期には空母打撃群を脅かす対艦ミサイル母機として西側に恐れられた。近年はウクライナ戦争で、巡航ミサイルや大型滑空爆弾を用いた長距離攻撃に投入されている。戦略爆撃機というより戦域レベルの打撃機に近い位置づけだが、ロシアの長距離航空部隊の数的中核を担う重要な存在だ。
第9位:H-20(中国/開発中)
ここからは「未飛行」の次世代機となる。中国初の本格的なステルス戦略爆撃機として期待されるのが、西安のH-20だ。B-2やB-21に似た全翼形状で、第一・第二列島線を突破できる中国版ステルス爆撃機を目指している。実現すれば、現行の主力H-6Kの約5倍の戦略的効果を持つともいわれる。
しかし、2016年に開発が公表されてから10年が経つ2026年現在も、確認された飛行や配備は一度もない。「もうすぐ」という当局の発言は何度も繰り返されてきたが、近年はその声も小さくなった。アメリカ国防総省の2025年12月の年次報告は、H-20に一切言及しなかった。専門家は熱管理や低被探知技術の統合に難航しているとみており、計画は「凍結状態」とまで評される。壮大な構想と未飛行という現実のギャップゆえ、本ランキングでは第9位とした。
第10位:PAK DA(ロシア/開発中)
ロシアの次世代ステルス爆撃機計画が、ツポレフのPAK DA(開発名イズデーリエ80「ポスランニク」)だ。老朽化するTu-95とTu-160を将来的に置き換える全翼ステルス機として構想されている。
だが、その歩みはH-20以上に厳しい。開発は20年近く続いているにもかかわらず、いまだ飛行に至らず、カザンで地上試験用の静的試作機を1機組み立てている段階にすぎない。西側の精密電子部品への制裁、ウクライナ戦争による資源の流用が重くのしかかり、初飛行は2026〜2027年以降、さらなる遅延が濃厚とされる。専門家からは「航空機というより幻に近い」とまで言われる始末だ。ロシアがTu-160Mの新造という「つなぎ」に頼らざるを得ないこと自体が、PAK DAの難航を物語っている。将来性は認めつつ、現状では最下位の第10位とせざるを得ない。米露中の次世代爆撃機3機――B-21・H-20・PAK DA――のうち、実際に空を飛んでいるのはB-21だけ。この一点が、2026年における三国の航空技術の差を、何よりも雄弁に示している。
爆撃機を作る企業に投資する|防衛株の視点

- B-21とB-2はノースロップ・グラマン、B-52とB-1Bはボーイングが軸になる
- 防衛企業は長期契約が魅力だが、固定価格契約や開発遅延のリスクも大きい
- 本文はテーマ整理であり、特定銘柄の売買を推奨するものではない
ここからは当ブログの本領だ。最強の爆撃機を眺めて終わるのではなく、「それを作る企業に投資する」という視点でこのランキングを読み替えてみたい。
上位を独占したアメリカ機を製造しているのは、実は2社に集約される。第1位B-21と第2位B-2を手がけるのがノースロップ・グラマン(NOC)、第4位B-52と第5位B-1Bを手がけるのがボーイング(BA)である。つまり世界最強の爆撃機ランキングは、そのままこの2社の技術力ランキングでもある。
とりわけ注目はノースロップ・グラマンだ。B-21は固定価格契約のため量産初期のコスト超過を同社が負担しており、累計20億ドルを超える損失を計上してきたという「影」がある。一方で、記録的な受注残高、2025年の大型歳出法による追い風、生産能力25%増の決定といった「光」も大きい。短期のリスクと長期の成長性をどう天秤にかけるか――投資判断が分かれる典型例である(個別の財務はNOC株の解説記事を参照)。一方のボーイングは民間機事業の不振が重しになる時期もあるが、防衛部門は爆撃機に加え戦闘機や輸送機まで幅広く手がけ、米軍との長期契約が安定収益を支える。爆撃機メーカーへの投資は、こうした「国家が長期にわたり買い続ける」という需要の固さが魅力だ。ただし投資にリスクはつきもので、本記事は特定銘柄の購入を勧めるものではない点は申し添えておく。爆撃機以外にも、ミサイルやレーダーを手がけるレイセオン(RTX)、F-35のロッキード・マーチン(LMT)、装甲車両と造船のジェネラル・ダイナミクス(GD)など、防衛セクターには有力企業が揃う。業界全体の勢力図は世界の防衛産業ランキングで確認できる。
個別株のリスクを避けたいなら、複数の防衛企業をまとめて持てる防衛ETFという手もある。これらアメリカの防衛株は日本のネット証券から取引でき、口座開設や買い付けの実務は防衛株投資ガイド2026にまとめた。新NISAを使った非課税での米国株投資には、下記の入門書が手堅い。
なお、各国がこうした爆撃機にいくら投じているかは世界の軍事費ランキングを見ると一目瞭然で、2027年にはアメリカが過去最高の1.5兆ドル規模の国防予算を要求している。リアルタイムの投資判断材料がほしい人は、専門の投資情報サービスを併用すると精度が上がる。
日本と戦略爆撃機|保有しない日本の選択
ここまで読んで気づいた人も多いだろう。このランキングに日本機は一機も登場しない。日本は戦略爆撃機を保有していないからだ。専守防衛を国是とする日本にとって、他国の奥深くを攻撃する戦略爆撃機は、長らく装備の選択肢から外れてきた。
だが状況は変わりつつある。日本は近年、敵基地を射程に収めるスタンドオフミサイルの整備を進めており(日本のミサイル徹底解説)、F-35A/Bのようなステルス戦闘機や、イギリス・イタリアと共同開発する次期戦闘機GCAPといった「突破力」を持つ機体も導入・開発している。爆撃機こそ持たないが、長距離打撃という機能そのものは、戦闘機と無人機の組み合わせで獲得しつつあるのだ。航空自衛隊の戦闘機全体の布陣は航空自衛隊の戦闘機一覧で、弾道ミサイル防衛の備えは日本のミサイル防衛で俯瞰できる。世界全体の軍事バランスのなかでの日本の立ち位置を知りたい人は世界軍事力ランキングも参考になる。地政学と防衛産業の関係を背景から理解したい人には、下記の書籍が役立つ。
爆撃機のランキングは、性能比較で終わらせると薄くなる。B-29による本土空襲、日本の迎撃機、未成に終わった富嶽構想まで見ると、爆撃機という兵器の重さが立体的に見える。
B-29から続く系譜|本土防空と日本の爆撃機の夢
最後に、大日本帝国の歴史に関心を持つ読者へ。現代アメリカの戦略爆撃の系譜は、B-17、そして日本本土を焼いたB-29から、B-52、B-2、そしてB-21へと、一本の線でつながっている。第二次大戦の「大量に造って敵地深くへ突っ込み、損害に耐える」という思想を最も色濃く継ぐのが、皮肉にも本ランキング第4位の老雄B-52だ。
その系譜の反対側に、日本本土防空の苦闘がある。高高度から襲来するB-29に対し、日本は雷電(J2M)や鍾馗(Ki-44)といった局地戦闘機を迎撃に上げた。だが与圧された高高度を飛ぶB-29を捉えるのは難しく、本土の空は焼かれ、多くの民間人が犠牲になった。戦争の現実の重さは、爆撃機の系譜を語るうえで決して忘れてはならない。
そして日本もまた、アメリカ本土を爆撃する超大型機「富嶽」を構想していた。中島飛行機が構想した富嶽は、アメリカ本土を無着陸で爆撃して帰還するという、当時としては途方もない超重爆撃機だった。実現はしなかったが、海を越えて敵国の中枢を叩くという発想自体は、日本の航空技術者の中にも確かに存在したのだ。戦後、その夢を現実の戦力として体現し続けているのが、本ランキングに並ぶアメリカの戦略爆撃機たちだという見方もできるだろう。爆撃する側とされる側、その双方の技術と思想の積み重ねの先に、いまの世界最強爆撃機たちがある。旧日本軍航空戦力の全体像は大日本帝国陸海軍の航空戦力で詳しくまとめている。
世界最強爆撃機ランキングに関するよくある質問(FAQ)
世界最強の爆撃機はどれですか?
性能の頂点は、アメリカの第6世代ステルス爆撃機B-21レイダーだ。ただし2026年時点では試験中で、配備は2027年から。すでに実戦配備されている「現役最強」となると、世界で唯一の現役ステルス爆撃機であるB-2スピリットが筆頭になる。
戦略爆撃機を持っている国はどこですか?
2026年現在、戦略爆撃機を運用しているのはアメリカ・ロシア・中国の3か国のみだ。アメリカがB-52・B-1B・B-2・B-21、ロシアがTu-160M・Tu-95MS・Tu-22M3、中国がH-6K/H-6Nを運用する。設計・製造・維持のすべてを担える国家が極端に限られる、究極の戦略兵器である。
中国のH-20やロシアのPAK DAはなぜ順位が低いのですか?
どちらも壮大なステルス爆撃機構想だが、2026年時点で一度も飛行が確認されていないためだ。H-20は2016年公表から10年、PAK DAは20年近く開発が続くが、いまだ未飛行。本ランキングは「飛んでいない機体は絵に描いた爆撃機にすぎない」という立場から、両機を下位に置いている。
日本は戦略爆撃機を持っていますか?
持っていない。専守防衛を国是とする日本は戦略爆撃機を保有してこなかった。ただし近年は、スタンドオフミサイルやF-35、次期戦闘機GCAPなどを通じて、長距離打撃という機能そのものは段階的に獲得しつつある。
爆撃機メーカーの株は日本から買えますか?
買える。B-21・B-2を作るノースロップ・グラマン(NOC)、B-52・B-1Bを作るボーイング(BA)はいずれも米国株として、日本のネット証券から投資できる。口座開設や買い方の詳細は防衛株投資ガイドで解説している。
まとめ|2026年の世界最強爆撃機ランキング
2026年版のランキングを振り返る。性能の頂点は試験中のB-21レイダー、現役最強はB-2スピリット、非アメリカ機の筆頭はロシアのTu-160Mだった。そしてこの分野は、アメリカが質・量・実戦経験のすべてで他を圧倒している。中国とロシアは次世代ステルス爆撃機を構想しているが、いずれも未飛行で、両国とも老朽機の延命でしのいでいるのが現実だ。
爆撃機は、それを造り、飛ばし、維持できる国家の総合力を映す鏡である。そしてその総合力は、ノースロップ・グラマンやボーイングといった企業の技術力に支えられている。兵器の進化を追いかける目を、そのまま「それを作る企業へ投資する目」に変えていく――それが当ブログの一貫した提案だ。世界最強の爆撃機を生み出す企業に、投資という形で関わってみるのも一つの楽しみ方だろう。本命B-21の詳細や米国防衛株の始め方は、本文で紹介した各記事にまとめている。なお当ブログでは世界最強空母ランキングや世界最強戦車ランキングなど、他カテゴリの兵器ランキングも公開しているので、ミリタリーの世界をさらに掘り下げたい人はあわせて読んでほしい。
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