ロッキード・マーチン(LMT)株とは?F-35・高配当・業績・買い方・今後を完全解説

ロッキード・マーチン(LMT)の株とは?F-35・高配当・業績・買い方・今後を完全解説

ロッキード・マーチン(Lockheed Martin/ティッカー:LMT)とは、ステルス戦闘機F-35を擁する世界最大の防衛企業である。米軍を主要顧客に、戦闘機・ミサイル・回転翼機・宇宙までを手がけ、20年以上にわたって連続増配を続ける高配当株としても知られる。約1,940億ドルという巨大な受注残(バックログ)が数十年単位の収益を支える、防衛株の「本命中の本命」だ。

ロッキードはNYSE上場の米国株のため、日本の個人投資家でも比較的買いやすい。無配で高成長のパランティアとは対照的に、ロッキードは「安定収益+配当」を軸とするディフェンシブな性格を持つ。この記事では、ロッキードという企業の実像、F-35というプログラムの重み、配当と業績、日本からの買い方、そして今後の注目点までを、一次情報をもとに整理する。

目次

ロッキード・マーチンの基本情報

項目内容
企業名Lockheed Martin Corporation(ロッキード・マーチン)
ティッカーLMT(NYSE上場)
本社/起源米メリーランド州ベセスダ/起源は1912年
事業セグメント航空(Aeronautics)/ミサイル・火器管制/回転翼・ミッションシステム/宇宙
2025年売上約750億ドル(前年比+6%)※約75%が米軍向け
2026年売上ガイダンス775億〜800億ドル
受注残(バックログ)過去最高の約1,940億ドル(年商の約2.5倍)
配当年13.80ドル(四半期3.45ドル)、利回り約2.6%
増配20年以上連続増配(執筆時点で23年連続とされる)
バリュエーション実績PERおよそ25倍、フォワードPERおよそ16〜17倍

数値はロッキードのIR資料や決算発表など一次情報を確認したうえで判断してほしい。株価・配当・業績は刻々と変わるため、本記事の数字は執筆時点のものである。

ロッキード・マーチンとはどんな企業か

ロッキード・マーチン(LMT)株とF-35の解説イメージ

ロッキード・マーチンは、起源を1912年にさかのぼる米国の航空・防衛大手で、現在は世界最大の防衛コントラクター(防衛装備の元請企業)だ。本社はワシントン近郊のメリーランド州ベセスダ。売上のおよそ75%を米軍向けが占め、世界最大の国防予算を持つ米国の調達に深く組み込まれている点が、この企業の安定性の源泉になっている。

事業は大きく4つのセグメントに分かれる。F-35やF-16、C-130輸送機を担う「航空(Aeronautics)」、PAC-3やTHAADといった迎撃ミサイルを担う「ミサイル・火器管制」、シコルスキー製ヘリコプターや艦載戦闘システム(イージス)を担う「回転翼・ミッションシステム」、そして衛星やミサイル防衛を担う「宇宙」だ。陸・海・空・宇宙のあらゆる領域に製品を持ち、特に西側のハイエンド戦闘機市場を長く支配してきた。

地政学的な緊張が高まり、各国が防衛予算を積み増す局面では、ロッキードのような大手のバックログが膨らみやすい。その背景として中国人民解放軍の軍事力の拡大なども押さえておくと、なぜ防衛大手が長期の収益を見込めるのかが理解しやすい。

ロッキードの主力|F-35という史上最大の兵器プログラム

ロッキードを語るうえで欠かせないのが、ステルス戦闘機F-35だ。2001年に開発・製造の元請を勝ち取ったF-35は、史上最大の兵器プログラムと呼ばれ、製造に加えて長期にわたる維持・整備(サステインメント)でも収益を生む。米国だけでなく同盟国にも広く採用され、2060年代まで続くと見られる調達・整備が、ロッキードに数十年単位の安定収益をもたらすと評価されている。

日本の読者にとって身近なのは、航空自衛隊がF-35Aを主力として大量に導入している点だろう。さらにF-35B(短距離離陸・垂直着陸型)は、護衛艦「いずも」型の改修により運用される計画で、日本はロッキードにとって重要な海外顧客の一つだ。F-35そのものの能力や、空自での運用はF-35A/B(航空自衛隊)の解説に、現役戦闘機の中での位置づけは世界最強戦闘機ランキングステルス戦闘機ランキングに詳しい。日本の保有機全体の中での立ち位置は日本の戦闘機一覧で確認できる。

F-35以外にも、ロッキードの製品ラインは厚い。迎撃ミサイルのPAC-3やTHAAD、高機動ロケット砲HIMARS、開発が進む極超音速兵器、シコルスキー製ヘリコプター、イージス戦闘システム、宇宙関連と、稼ぐ柱が複数ある。なお、日英伊が共同開発する第6世代戦闘機GCAP(次期戦闘機)はロッキードとは別陣営の取り組みで、F-35の「次」をめぐる競争の構図を理解しておくと、ロッキードの長期的な立ち位置も見えてくる。

ロッキードの最新業績|2025年実績と2026年ガイダンス

ロッキードの業績は、派手さよりも安定感が身上だ。2025年通期の売上は約750億ドル(前年比+6%)で、年末の受注残は過去最高の約1,940億ドルに達した。これは年間売上のおよそ2.5倍にあたり、すでに契約済みの仕事が数年分積み上がっていることを意味する。国際売上の比率も31%程度まで高まり、米軍依存からの多角化も進んでいる。

2026年については、売上775億〜800億ドル、フリーキャッシュフロー65億〜68億ドルというガイダンスを示している。このキャッシュ創出力が、後述する手厚い配当と自社株買いの原資になっている。

一方で、短期の弱さも正直に押さえておきたい。2026年第1四半期は売上180.2億ドル(前年同期比+0.3%)とほぼ横ばいで、1株利益は市場予想に届かなかった。F-16関連の不利な調整やC-130・CH-53K・シーホークといった一部プログラムの圧力で、セグメント営業利益率が前年の12%から10%へ低下している。巨大な受注残が長期の支えである一方、四半期ごとの利益は変動しうるのが、固定価格の大型契約を多く抱える防衛大手の特徴だ。投資テーマの理解を深めたいなら、安全保障や防衛経済を扱った書籍を音声で学ぶのも一つの手だ。

ロッキード株の配当|20年以上連続増配の高配当株

ロッキードが個人投資家、とりわけインカム(配当)狙いの層に人気なのは、その配当政策にある。年間配当は1株あたり13.80ドル(四半期ごとに3.45ドル)で、利回りはおおむね2.6%前後。米国市場の平均的な配当株を上回る水準だ。

特筆すべきは、20年以上にわたって連続で増配を続けている点(執筆時点で23年連続とされる)で、これは安定したキャッシュ創出力の裏づけがあって初めて可能になる。配当は利益・キャッシュフローの両面から無理なくカバーされており(配当性向は利益ベースでおよそ65%、キャッシュフローベースで5割台)、さらにロッキードは配当に加えて自社株買いも継続している。無配で値上がり益一本のパランティアとは、まさに正反対の性格だ。

ただし日本の投資家がロッキード株の配当を受け取る際は、米国でいったん源泉徴収されたうえで日本でも課税される二重課税の論点がある。確定申告での外国税額控除やNISAの扱いなど、税務面は各証券会社の情報や最新の制度を確認してほしい。

ロッキード株は割高か|バリュエーションと評価

ロッキードのバリュエーションは、高成長株と比べると穏当な部類に入る。実績PERはおよそ25倍、フォワードPERはおよそ16〜17倍、株価売上倍率は1.6倍程度で、フォワードPER約97倍というパランティアとは対照的だ。爆発的な成長は望みにくい代わりに、価格面の過熱は限定的、という位置づけになる。

株価そのものは、52週レンジが約410〜692ドルと幅広く、直近は高値から2割以上水準を下げ、500ドル台で推移している(執筆時点)。下押し材料の一つが、次世代制空戦闘機の開発(F-47)を競合のボーイングに奪われたことだ。ただし、ロッキードの収益の柱であるF-35プログラム自体は揺らいでおらず、この失注が会社の根幹を脅かすものではないという見方が一般的だ。

複数のアナリストがロッキードに目標株価を提示しているが、これはあくまで参考情報であり、将来の株価を保証するものではない。安定配当を受け取りながら長期で持つのか、短期の値動きを取りにいくのかで、この銘柄の評価は変わってくる。

ロッキード株は日本から買えるのか|買い方

朗報として、ロッキードはNYSE上場の米国株のため、日本の個人投資家でも買いやすい。主要なネット証券(SBI証券・楽天証券・マネックス証券など)の米国株取引で取り扱われており、1株単位、証券会社によっては端株からでも購入できる。

必要なのは米国株を扱う証券口座だ。ロッキード株はドル建て資産になるため、ドル円の為替変動が円換算のリターンや配当額に影響する点は押さえておきたい。

なお、「ロッキード1銘柄に集中するのは不安だが、世界の防衛大手にまとめて投資したい」という場合は、ロッキードを筆頭級(およそ9%前後)に組み入れた466A(グローバルX 防衛テックETF)経由で間接的に保有する方法もある。466Aなら東証で円建て・1口から買え、新NISAの成長投資枠も使えるため、1銘柄への集中を避けながら防衛テーマに参加できる。高配当を狙って米国株個別を新NISAの成長投資枠で保有することも可能だが、取扱いや外国税額控除の扱いは証券会社により異なるため、口座開設前に確認しておくと安心だ。

ロッキード株の今後と注目点・リスク

今後を考えるうえで、注目点とリスクを並べておきたい。

注目点としては、F-35の数十年にわたる調達・整備需要、PAC-3やTHAADといった迎撃ミサイルの複数年枠契約、極超音速兵器の開発、そして国際売上の拡大が挙げられる。世界的な防衛予算の増加トレンドが続く限り、巨大な受注残を着実にキャッシュへ変えていくシナリオは生きている。

一方でリスクも明確だ。売上の大半が米軍向けであるため、国防予算や政治情勢に業績が左右される。固定価格の大型契約はコスト上昇時にマージンを圧迫しやすく、四半期利益のブレ要因になる。次世代機をめぐる競争(F-47の失注)が示すように、長期の主導権争いも油断できない。さらに日本の投資家にとっては為替リスクも加わる。総じて、ロッキードは「安定とインカム」の銘柄であって、短期の派手な値上がりを狙う性格ではない。防衛株が市場全体に対して出遅れる局面もある点は理解しておきたい。

ロッキードと他の防衛株・ETF|どう組み合わせるか

ロッキードの強みは安定と配当にあるが、性格の異なる銘柄と組み合わせることで、防衛テーマをより立体的に押さえられる。

たとえば、安定・高配当のロッキードに対し、高成長・無配のパランティア、欧州再軍備のモメンタムを体現するラインメタルを組み合わせると、「安定インカム」「ソフト・AI」「欧州ハード」と異なる値動きの源泉を分散できる。これらをまとめて持ちたいなら、世界の防衛大手を一括で組み入れた466AのようなETFが土台になる。複数の防衛ETFの比較は防衛ETF・投資信託の比較ガイドに、ロッキードが世界の防衛産業の中でどの位置にいるかは世界の防衛産業企業ランキングにまとめている。

日本株で攻めたいなら、国内の防衛本命である三菱重工(7011)の株価分析川崎重工 vs 三菱重工の投資比較、より大きな値幅を狙う防衛関連の穴株10選が候補になる。日本株版の防衛テックETF513Aは日本企業のみのためロッキードは含まれないが、国内テーマを押さえる選択肢だ。テーマ全体の戦い方は防衛関連銘柄 完全投資ガイドで、防衛費増額の受益という観点は防衛費GDP2%受益銘柄ランキングで整理している。

安定配当を軸に資産形成を進めたい人は、まず米国株を扱う証券口座とNISAを整え、少額から始めるのが王道だ。考え方の整理には自衛官の貯金・資産形成ガイドも役立つ。

ロッキード・マーチンに関するよくある質問(FAQ)

ロッキード・マーチンは何の会社ですか?

世界最大の防衛企業で、戦闘機・ミサイル・回転翼機・宇宙関連を手がける。航空、ミサイル・火器管制、回転翼・ミッションシステム、宇宙の4セグメントを持ち、売上の約75%は米軍向けだ。

ロッキードはF-35のメーカーですか?

そのとおりで、F-35は史上最大の兵器プログラムと呼ばれ、ロッキードが開発・製造の元請を担う。製造に加えて長期の維持・整備でも収益を生み、航空自衛隊もF-35Aを主力として導入している。

ロッキード株は日本から買えますか?

買える。NYSE上場の米国株のため、主要ネット証券の米国株取引で1株(または端株)から購入できる。集中が不安な場合は、ロッキードを筆頭級に組み入れた466AのようなETF経由で持つ方法もある。

ロッキードの配当はいくらで、いつ支払われますか?

年間13.80ドル(四半期ごとに3.45ドル)で、利回りはおおむね2.6%前後。配当は四半期ごとに支払われ、20年以上連続で増配を続けている。最新の配当額・権利確定日は公式IRや証券会社で確認してほしい。

ロッキード株は割高ですか?

実績PERおよそ25倍、フォワードPERおよそ16〜17倍と、高成長株に比べれば穏当な水準だ。爆発的な成長は望みにくい代わり、安定収益と配当が魅力という位置づけになる。

まとめ|ロッキードは「安定とインカム」の防衛本命株

ロッキード・マーチン(LMT)は、F-35を擁する世界最大の防衛企業であり、約1,940億ドルの受注残が数十年単位の収益を支える、防衛株の本命だ。20年以上連続の増配と手厚いキャッシュ還元により、安定とインカムを重視する投資家にとって有力な選択肢になる。

一方で、米軍予算への依存、四半期利益のブレ、次世代機をめぐる競争、為替といったリスクもあり、短期の派手な値上がりを狙う銘柄ではない。だからこそ、無配・高成長のパランティアや欧州のラインメタルと組み合わせたり、466AのようなETFを土台に据えたりして、性格の違う銘柄で分散するのが、多くの個人投資家にとって現実的だろう。

まずは米国株を扱う証券口座を一つ用意し、少額から、自分の投資方針に合わせて触れていくことが第一歩になる。


※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄の購入を推奨したり、将来の株価・配当・運用成果を保証したりするものではありません。投資判断はご自身の責任で、最新の企業IR・各証券会社の情報をご確認のうえ行ってください。記載の数値・株価・配当は執筆時点のものです。

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