【2026年最新版】防衛関連銘柄 完全投資ガイド|三菱重工・川崎重工・IHIから穴株まで──”国策相場”で勝つための全知識


「防衛関連株って、もう上がりきってない?」

そう思っているあなたに、はっきり言おう。甘い。甘すぎる。

2026年度の防衛関係予算は過去最大の9兆353億円。高市早苗政権は当初2027年度に達成予定だったGDP比2%を2年前倒しで実現し、2025年度には補正予算込みで防衛関連経費が11兆円規模にまで膨らんだ。自民党の小林鷹之政調会長にいたっては「2%では到底足りない」と明言し、次期安保3文書ではGDP比3%以上が議論の俎上に載っている。

これがどういう意味か。仮にGDP比3%になれば、防衛予算は約19.6兆円。現在の2倍超だ。NATOがハーグ・サミットで合意したGDP比3.5%なら約21兆円。米トランプ政権が求める5%に至っては約30兆円規模になる計算で、これはもはや「バブル」ではなく「構造転換」と呼ぶべき次元である。

俺はミリタリーブロガーであると同時に、自衛隊の装備を愛し、日本の防衛産業を心から応援している人間だ。だからこそ断言する。防衛関連銘柄は2026年、いよいよ「第2幕」に突入する。

この記事では、防衛関連株への投資を真剣に検討している個人投資家に向けて、主要銘柄の財務分析から中小型の穴株、リスク要因、そして具体的な投資戦略まで、ミリタリーオタクの知見を総動員して徹底解説する。

投資は自己責任だが、知識の武装だけは俺に任せてほしい。


目次

なぜ2026年が「防衛関連株の第2幕」なのか──政策環境を読み解く

0式戦車、いずも型護衛艦、F-35戦闘機など近代化が進む日本の防衛装備

高市政権という「最大の触媒」

2025年10月、自民党総裁選で高市早苗氏が新総裁に選出され、第104代内閣総理大臣に就任した。高市首相はかねてから防衛力強化を最重要課題のひとつに掲げてきた政治家であり、その就任は防衛関連銘柄に即座にインパクトを与えた。

総裁選出直後の10月6日、三菱重工業(7011)の株価は前日比で11%超の急騰を記録。その後も上昇基調が続き、2026年3月2日には上場来高値の5,208円を更新している。

高市政権が推進する主な防衛政策を整理しよう。

第一に、防衛費GDP比2%の前倒し達成だ。当初2027年度に達成予定だった目標を2025年度中に実現すると表明し、補正予算で約1.3兆円を積み増した。これにより2025年度の防衛関連経費は11兆円規模となり、GDP比2%を達成した。

第二に、安保3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)の改定前倒しである。高市首相は2026年中の改定を目指しており、自民党は2026年春までに政府への提言をまとめるべく議論を開始している。次期3文書には、現行の2%を上回る新たなGDP比目標が盛り込まれる可能性が高い。

第三に、2026年度予算での過去最大の防衛関係費計上だ。9兆353億円という数字は12年連続で過去最大を更新しており、その中身には無人機を活用した沿岸防衛体制「シールド」の構築費1,001億円、次期戦闘機の日英伊共同開発費1,602億円、極超音速誘導弾取得費301億円など、先端装備への大規模投資が含まれている。

これらの装備がどんなものか知りたい方は、日本が保有するミサイル全種類を完全解説の記事も参考にしてほしい。

トランプ政権の「圧力」という追い風

国内政策だけではない。米トランプ政権は日米安全保障条約を「不公平だ」と繰り返し表明しており、同盟国に対して防衛費の大幅増額を求めている。トランプ政権のコルビー国防次官(就任前)は日本に対してGDP比3%への引き上げを主張した経緯があり、一部報道では米政府が非公式にGDP比3.5%を打診したとも伝えられている。

2025年10月末の日米首脳会談では、トランプ大統領から具体的な数値要求こそなかったものの、日本の防衛費増額の取り組みを評価する発言がなされた。ヘグセス国防長官も日本のGDP比2%前倒し達成を「大きな一歩だ」と評価している。

NATOは2025年のハーグ・サミットでGDP比3.5%+1.5%(計5%)の新たな目標を採択しており、日本も同盟国としてこの国際潮流に無関係ではいられない。野村證券の分析では、次期5カ年計画でGDP比3%が目標となった場合、2031年度の防衛予算は約19.6兆円、整備計画対象経費の5年間合計は約72兆円に達すると試算されている。現行計画の40.5兆円から実に78%増だ。

ここで重要なのは、この予算増は一過性のものではなく、少なくとも2030年代前半まで続く「構造的な成長トレンド」だということである。台湾有事のリスク、中国の軍事的台頭、北朝鮮のミサイル開発。日本を取り巻く安全保障環境が改善する兆しはまったくない。

中国の軍事力についてより詳しく知りたい方は、中国人民解放軍の軍事力とは?の記事も合わせて読んでほしい。

「もうからない事業」から「成長産業」への構造転換

防衛関連銘柄を語る上で、絶対に見逃せない変化がある。防衛装備品の利益率改革だ。

長年、日本の防衛産業は「もうからない」と言われ続けてきた。防衛省が発注する際の企業側の想定営業利益率は8%が目安だったが、契約期間中のコスト上昇を転嫁する仕組みがなく、実際の営業利益率は2~3%程度にとどまっていた。その結果、過去20年で100社を超える企業が防衛産業から撤退している。

この状況を一変させたのが、2023年度に導入された新たな利益率算定方式と、同年10月に施行された防衛生産基盤強化法だ。

新制度では、品質管理(Quality)、コスト管理(Cost)、納期管理(Delivery)における企業努力を評価し、コスト管理で最大10%、原材料高などのコスト変動調整率として1~5%のポイントを付与。合計で最大15%の営業利益率を確保できる仕組みに改められた。

これは単なる数字の変更ではない。防衛事業が「赤字覚悟の義務」から「適正利益を得られるビジネス」へと根本的に変質したということだ。そしてこの変化は、今後の各社の防衛セグメントの利益率改善として、着実に決算数字に反映されていく。

2022年末に閣議決定された防衛力整備計画では、2023~2027年度の5年間の事業費が43.5兆円と、前回計画(17.2兆円)の2.5倍超に増額された。予算の大幅増と利益率の改善。この二つが重なったとき、防衛産業は文字通りの「成長産業」に生まれ変わる。

日本の防衛産業の全体像については、日本の防衛産業・軍事企業一覧日本の防衛ビジネス超入門で詳しくまとめている。投資判断の前にぜひ目を通してほしい。


「防衛三羽烏」徹底分析──三菱重工・川崎重工・IHI

防衛関連銘柄の中核をなすのは、三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)、IHI(7013)の重工3社だ。市場では「防衛三羽烏」あるいは「軍事銘柄御三家」と呼ばれるこの3社は、防衛装備庁からの契約実績で群を抜いている。ここではそれぞれの財務状況と投資妙味を詳しく見ていこう。

三菱重工業(7011)──防衛産業の「絶対王者」

証券コード:7011(東証プライム)

三菱重工業は日本最大の総合重工メーカーであり、防衛産業の頂点に君臨する存在だ。2024年度の防衛装備品契約実績は1兆4,567億円。2位の川崎重工の2倍以上であり、その圧倒的な存在感は他の追随を許さない。

手掛ける装備品は多岐にわたる。スタンドオフ・ミサイルの開発・製造、イージス艦(まや型護衛艦)の建造、潜水艦(たいげい型)の建造、10式戦車・16式機動戦闘車の製造、次期戦闘機(日英伊共同開発)のインテグレーション。まさに陸海空すべての領域で日本の防衛力の根幹を支えている。

これらの装備について詳しく知りたい方は、海上自衛隊の艦艇完全ガイド陸上自衛隊の日本戦車一覧日本の戦闘機一覧もぜひ参照してほしい。

では、直近の業績を見てみよう。

2026年3月期第3四半期(2025年4月~12月)の連結決算は、売上収益が3兆3,269億円(前年同期比9.2%増)、事業利益が3,012億円(同25.5%増)と大幅な増収増益を記録した。特に航空・防衛・宇宙セグメントが大きく伸長し、同セグメントの事業利益は1,053億円と前年同期比で356億円も増加している。

会社側は通期の事業利益見通しを従来の3,900億円から4,100億円へ、最終利益を2,300億円から2,600億円へと上方修正。3期連続の過去最高益更新が見込まれている。

防衛・宇宙部門の売上高は前期比30%増の見通しであり、ミサイル開発・生産能力の増強、次期戦闘機の共同開発、無人アセット防衛の強化と、成長ドライバーには事欠かない。さらにオーストラリア海軍の次期フリゲート艦への採用の可能性や、台湾からの大型ガスタービン受注(約7,600億円)など、海外展開にも光が差している。

アナリストの平均目標株価は5,322円(2026年3月18日時点)。内訳は強気買い11人、買い1人、中立3人と、圧倒的に強気のコンセンサスだ。

ただし留意点もある。現在のPERは約63倍と高水準にあり、バリュエーション面での割高感は否定できない。株価は2024年春の1,200円台から2年足らずで4倍超に上昇しており、高値圏での新規参入にはそれなりのリスクが伴う。

三菱重工の防衛事業についてさらに深掘りしたい方は、三菱重工の防衛産業の記事を読んでほしい。

投資判断のポイント:防衛・エネルギーという二つの構造成長分野を柱にした収益力は盤石。ただしバリュエーションの高さを考えると、26週移動平均線(4,288円前後)への押し目を待つのが賢明だろう。

川崎重工業(7012)──「ネクスト三菱重工」の呼び声

証券コード:7012(東証プライム)

川崎重工業は、三菱重工に次ぐ防衛産業の第2位プレーヤーだ。2024年度の防衛装備品契約実績は6,383億円で、前年比64.2%増という驚異的な伸びを見せている。

同社の防衛分野は航空宇宙システムカンパニーに属し、哨戒機(P-1)、輸送機(C-2)、ヘリコプター(MCH-101、OH-1)、潜水艦(三菱重工と並ぶ国内唯一の建造メーカー)、そしてミサイルエンジンなどを手掛ける。

特筆すべきは、川崎重工がプライムコントラクターとしてだけでなく、サブコントラクターとしても受注を大きく伸ばしている点だ。サブコンの部分は防衛装備庁の開示からは把握しにくいが、一部のアナリストは同社の防衛事業売上高が2029年3月期には6,500億円(前期比1.5倍超)に達すると予想している。

2025年3月期通期決算では、受注高・売上高・事業利益がいずれも過去最高を更新。2026年3月期通期でも航空宇宙システムカンパニーは大幅な増収を見込んでいる。

株価は2025年10月の高市政権発足以降に急騰。2025年10月末の日米首脳会談を控えた局面では上場来高値を更新し、1万2,690円を付けた。

ある証券アナリストは、川崎重工を「ネクスト三菱重工として今後海外投資家から注目される可能性が高い」と評価している。三菱重工の株価上昇がやや落ち着いた足元では、出遅れ感のある川崎重工に資金が流入する構図が鮮明だ。

川崎重工が手掛ける潜水艦やP-1哨戒機について詳しくは、川崎重工の防衛事業を徹底解説の記事で紹介している。

投資判断のポイント:防衛事業の成長余地は三菱重工に匹敵するか、むしろそれ以上。潜水艦建造の独占的地位とミサイルエンジン事業の伸びに注目。ただし過去の不正問題(自衛官への金品供与)の再発リスクには注意が必要。

IHI(7013)──戦闘機エンジンの「心臓」を握る企業

証券コード:7013(東証プライム)

IHIは、防衛分野では主に戦闘機用エンジンの開発・製造で中核的な役割を担っている。F-35のエンジン(F135)の国内最終組立・検査を行うほか、次期戦闘機のエンジン開発プロジェクトにも参画している。

2026年3月期第3四半期(2025年4月~12月)は、売上収益が1兆1,293億円(前年同期比1.8%減)、営業利益が1,025億円(同0.9%減)とやや足踏みしたものの、最終利益は850億円(同10.7%増)と増益を達成した。事業ポートフォリオの改革を進めながら、防衛・宇宙関連事業の拡大を目指している。

IHIの特徴は、民間航空機エンジンと防衛用エンジンの両輪で事業を展開している点だ。世界的な航空需要の回復とアフターマーケットの拡大が民間事業を支え、防衛費増額が軍用エンジン事業を押し上げる。両面からの追い風が期待できる構造にある。

一方で財務面には注意が必要だ。自己資本比率は業界内でやや低い水準にあり、過去のPW1100G-JMエンジンに関する追加検査プログラムの影響も残っている。

IHIの防衛事業について詳しくは、IHIの防衛事業を徹底解説の記事も参照してほしい。

投資判断のポイント:次期戦闘機エンジンの共同開発は長期的な成長の柱。民間航空エンジンの整備需要拡大も追い風。ただしバリュエーションは三菱重工ほどではないものの相応に上昇しており、財務体質の改善度合いを見極めたい。


「準主力」銘柄──三菱電機・東京計器・豊和工業

三菱電機(6503)──「見えない盾」を支えるハイテク防衛

証券コード:6503(東証プライム)

三菱電機は、ミサイル誘導装置、レーダーシステム、軍事用衛星、防空指揮管制システムなど、現代戦の「目」と「頭脳」にあたるハイテク装備で圧倒的な存在感を示している。イージス艦のフェーズドアレイレーダー、PAC-3ミサイルシステムの関連装置、早期警戒管制システムなど、日本のミサイル防衛を根底から支えている企業だ。

防衛費の増額において、レーダーや通信・指揮統制システムへの投資は「統合防空ミサイル防衛能力」や「領域横断作戦能力」の強化に直結する。つまり、予算のパイが大きくなればなるほど、三菱電機への恩恵も大きくなる構造にある。

加えて、サイバーセキュリティ分野への投資拡大も同社にとっての追い風だ。高市政権はサイバー安全保障の重要性を繰り返し指摘しており、電子戦やサイバー防衛への予算配分が増える見通し。三菱電機はこの分野でも主要なプレーヤーである。

日本のミサイル防衛システムの全容については、日本が保有するミサイル全種類を完全解説の記事で詳しく解説している。三菱電機の防衛事業については三菱電機の防衛事業完全ガイドも合わせてチェックしてほしい。

投資判断のポイント:重工3社ほどの株価急騰には至っておらず、出遅れ感がある。防衛事業比率は全社売上の一部だが、中計で防衛の利益貢献力が注目され始めている。電子戦・サイバー防衛テーマでの再評価余地は大きい。

東京計器(7721)──中小型防衛銘柄の「本命」

証券コード:7721(東証プライム)

船舶・航空計器の大手である東京計器は、防衛省向けに慣性航法装置やジャイロコンパス、火器管制装置などの搭載機器を納入しており、護衛艦や潜水艦、航空機の「目」として不可欠な存在だ。

2026年3月期第3四半期は、売上高397.48億円(前年同期比16.1%増)、営業利益20.38億円(同93.4%増)と、営業利益がほぼ倍増するという驚異的な決算を叩き出している。防衛・通信機器事業が全体の業績を強力に牽引した格好だ。

通期予想は売上高604億円(前期比4.8%増)とされているが、第3四半期までの進捗率を考えると上振れの可能性がある。配当も前期の35円から40円に増配予定で、株主還元にも前向きだ。

主力の重工3社に比べてPERは相対的に低く、時価総額も小さいため、2026年は中小型防衛銘柄への資金波及の恩恵を受けやすいポジションにある。

投資判断のポイント:防衛予算増額の恩恵を直接的に受ける「ど真ん中」銘柄。業績の伸びに対してバリュエーションがまだ追いついていない印象。ただし時価総額が小さい分、流動性リスクや乱高下には注意が必要。

豊和工業(6203)──「国産ライフル」の独占サプライヤー

証券コード:6203(東証スタンダード)

豊和工業は、自衛隊の制式小銃である20式5.56mm小銃(旧89式小銃の後継)を製造する、国内唯一の小火器メーカーだ。トヨタグループにゆかりのある老舗企業で、工作機械事業と火器事業の二本柱で経営している。

2026年3月期第3四半期は、売上高168.07億円と微増だったものの、利益面では減益となった。火器事業は好調だが、工作機械関連事業の不振が全体の足を引っ張っている格好だ。通期予想では減収減益が見込まれており、業績面だけを見ると手放しでは買いにくい。

しかし、豊和工業を語る上で忘れてはならないのは、その「希少性」だ。自衛隊が使う小銃を国内で製造できるのは豊和工業だけである。防衛生産基盤強化法の文脈で、こうした「代替不可能な企業」の戦略的重要性はますます高まっている。

加えて、防衛装備移転の拡大によって、将来的に小火器の海外輸出が実現する可能性もゼロではない。そうなれば、同社の事業構造は大きく変わりうる。

豊和工業について詳しくは、豊和工業とは何者か?の記事で紹介している。

投資判断のポイント:業績だけなら厳しいが、「国産小火器の独占メーカー」という唯一無二のポジションは国策テーマの中で再評価される可能性がある。株価は3桁~1,600円台と手掛けやすい水準で、テーマ株として短期的な値幅取りの対象になりやすい。ただし工作機械事業の低迷が長引くと業績面での重荷になる点に注意。


守備範囲を広げろ──「防衛関連のすそ野」に潜む成長銘柄

2026年の防衛関連相場は、重工御三家や既存の主力銘柄だけで終わらない。買いのすそ野が広がることで、これまで注目されてこなかったセクターにもチャンスが生まれている。

造船セクター──「海の防衛」と産業再生の交差点

日本の造船業は1990年代には世界シェアの5割を占めていたが、現在は1割程度にまで落ち込んでいる。しかし政府は造船ドック建設への支援を打ち出すなど「造船業の再生」に乗り出しており、2026年は造船が半導体、防衛とともに主力テーマとして相場を牽引する展開が予想されている。

海上自衛隊向けの艦艇は防衛生産基盤強化法の対象となるため、高い利益率を確保できる可能性がある。船舶の部品、素材、塗料などのサプライチェーン企業にも資金が波及するだろう。

海上自衛隊の全艦艇については、海上自衛隊の艦艇完全ガイドで詳しく解説している。

サイバーセキュリティセクター──「見えない戦場」の防衛

高市政権がサイバー安全保障の重要性を繰り返し指摘しているにもかかわらず、サイバーセキュリティ関連銘柄にはまだ十分に買いの手が及んでいないものが少なくない。

物理的な攻撃への備えに加え、サイバー空間での防衛力強化は喫緊の課題だ。NEC(6701)はこの分野で防衛通信ネットワークやサイバーセキュリティ、宇宙監視システムなどを手掛けている。時価総額が比較的小さい関連銘柄の中から、2026年に株価が数倍になるような「スター銘柄」が生まれる可能性も指摘されている。

NECの防衛事業についてはNECの防衛事業完全ガイドで詳細をまとめている。

無人アセット関連──「シールド構想」が生む新たな需要

2026年度予算では、無人機を使った沿岸防衛体制「シールド(SHIELD)」の構築に1,001億円が計上された。10種類、計数千機の無人機取得を2027年度中に実現する計画だ。

これは従来の防衛装備品調達とは次元が異なる。「安価かつ大量」のドローンやUSV(無人水上艇)、UUV(無人水中艇)を活用する新しい戦い方への転換であり、関連するセンサー、通信機器、AI制御システム、さらには量産を担う中小メーカーに新たな受注機会が生まれる。

SUBARU(7270)──知られざる防衛企業

旧中島飛行機の流れを汲むSUBARUは、自衛隊向けのヘリコプター(UH-2)や無人偵察機システムなどを手掛けている。自動車メーカーとしてのイメージが強いが、航空宇宙事業は着実に成長しており、防衛テーマの関連銘柄としての認知度が上がれば再評価の余地がある。

SUBARUの防衛事業については、SUBARUの防衛事業完全ガイドを参照してほしい。

富士通(6702)・島津製作所(7701)

防衛通信システムやレーダー関連で富士通、航空機搭載の精密機器で島津製作所も防衛関連企業に数えられる。富士通の防衛事業島津製作所の防衛事業の記事でそれぞれの実態を確認できる。


無視できない5つのリスク要因

ここまで防衛関連銘柄の魅力を語ってきたが、俺はただの煽り屋ではない。投資には必ずリスクがある。防衛関連株特有のリスクを正しく認識しておくことが、生き残るための条件だ。

リスク1:バリュエーションの過熱

2025年を通じて三菱重工、川崎重工、IHIの株価は基本的に右肩上がりで推移しており、「割安感」や「上値余地」には乏しい面がある。すでに主力の防衛関連銘柄を高値圏で保有している場合、追加の買いはハイリスクと言わざるを得ない。

特に三菱重工のPERは約63倍と、一般的な重工業セクターの水準を大きく上回っている。市場の期待が剥落した場合、急落リスクは相応にある。

リスク2:財源問題と増税議論

防衛費増額の最大の課題は財源だ。2023年度からの増額分の財源すら完全には確保できておらず、防衛増税(たばこ税、法人税、所得税)は2027年1月から所得税への上乗せ開始が決まったものの、その規模をめぐる議論は続いている。

GDP比3%以上への引き上げとなれば、消費税率を4%弱引き上げるか、国債増発で賄うかの選択を迫られる。増税が家計を圧迫すれば消費減退による景気悪化、国債増発が進めば長期金利の上昇を招く。いずれも株式市場全体にとってはネガティブ要因となり得る。

リスク3:FMS調達(米国製装備の輸入)比率の問題

見落とされがちだが、日本の防衛装備品購入費のうち、米国からのFMS(対外有償軍事援助)契約は約9,316億円と、装備品購入費全体の50%超に達している。

つまり防衛費を増額しても、その相当部分は米国からの装備品輸入に充てられるのだ。これは国内防衛産業への直接的な恩恵を薄める要因になる。トランプ政権が米国製装備品の購入を強く求めてくれば、国産装備品への予算配分が圧迫される可能性もある。

リスク4:地政学リスクの「逆回転」

防衛関連銘柄は地政学リスクの高まりで上昇するが、逆に緊張が緩和すれば売り材料になる。ウクライナ和平の進展、米中関係の改善、北朝鮮の対話路線への転換など、安全保障環境が好転するシナリオでは、防衛関連株にはネガティブに作用する。

もっとも現時点では、こうした楽観シナリオが実現する確率は低いと見ているが、政治の世界では何が起きるかわからない。

リスク5:小型株の流動性リスク

東京計器(7721)や豊和工業(6203)のような中小型銘柄は、時価総額が小さい分、少しの売買で株価が大きく動く。テーマ株として一時的に注目を集めても、資金が引くスピードも速い。板が薄い銘柄では、損切りしたくてもできない事態に陥るリスクがある。


投資戦略──防衛関連株の「正しい買い方」

ここからは、実際の投資戦略について考える。繰り返すが、投資は自己責任だ。以下は俺の私見にすぎず、特定の銘柄の売買を推奨するものではない。

戦略1:御三家は「押し目買い」が鉄則

三菱重工、川崎重工、IHIの主力3銘柄については、足元のように26週移動平均線に接近またはタッチする局面での押し目買いが有効とされている。逆に、同平均線を明確に下回ったら一旦手仕舞いし、再度上回るまで待機するのが無難だろう。

三菱重工の場合、2026年3月時点の26週移動平均線は4,288円前後。この水準が支持線として機能するかが、テクニカル面での判断基準になる。

戦略2:出遅れ中小型株でアルファを狙う

主力銘柄以外では、まだPERが一桁~20倍台、株価が3桁~3,000円台の銘柄が残されている。2026年はこうした中小型銘柄にも買いのすそ野が広がる可能性が高い。

東京計器(7721)は防衛・通信機器事業の好調さが決算に明確に表れており、中小型防衛銘柄の中では業績面での裏付けがある。豊和工業(6203)はより投機的だが、テーマ株としての瞬発力に期待できる。

戦略3:防衛テーマETF・投資信託の活用

個別銘柄のリスクを取りたくない場合は、防衛関連に特化した投資信託やテーマ型ETFを検討するのも一手だ。銘柄選定の手間を省きつつ、テーマ全体の上昇を享受できる。

戦略4:カタリスト(材料)のスケジュールを押さえる

防衛関連株は政策イベントに敏感に反応する。2026年に予定される主なカタリストを押さえておこう。

  • 2026年春:自民党による安保3文書改定への提言とりまとめ
  • 2026年中:安保3文書の改定(GDP比の新目標が焦点)
  • 2026年度予算審議:防衛関係費9兆353億円の国会審議
  • 各社の決算発表:防衛セグメントの利益率改善がどの程度進んでいるか
  • 日米外交:トランプ政権との防衛費をめぐる交渉の行方

これらのイベントの前後で株価が大きく動く可能性があるため、スケジュール管理は必須だ。

戦略5:長期視点を忘れるな

短期的な値動きに一喜一憂するのではなく、防衛費増額が「少なくとも2030年代前半まで続く構造的な成長トレンド」であることを忘れてはならない。次期5カ年計画(2028~2032年度)の策定が本格化すれば、さらなる上昇余地が開ける可能性がある。

配当を受け取りながら長期保有するスタンスも、防衛関連株の投資戦略としては有効だ。三菱重工は安定的な増配基調にあり、東京計器も増配を実施している。


主要防衛関連銘柄一覧

以下に、本記事で取り上げた主要銘柄の概要を整理する。(※株価・業績データは2026年3月時点。最新情報は各証券会社のサイトで確認してほしい。)

三菱重工業(7011)。防衛装備品契約実績1兆4,567億円。国内最大の防衛プライム企業。イージス艦、潜水艦、戦車、ミサイル、次期戦闘機と全領域をカバー。26/3期事業利益見通しは4,100億円。

川崎重工業(7012)。防衛装備品契約実績6,383億円。哨戒機、輸送機、潜水艦、ヘリコプター。サブコン含む受注拡大で成長余地大。

IHI(7013)。戦闘機用エンジンの中核企業。F-35エンジンの国内整備、次期戦闘機エンジン開発に参画。民間航空エンジンとの両輪。

三菱電機(6503)。レーダー、ミサイル誘導装置、防空指揮管制システム。電子戦・サイバー防衛分野でも存在感。

東京計器(7721)。船舶・航空計器大手。防衛・通信機器事業がQ3営業利益93%増と急成長。中小型防衛銘柄の本命。

豊和工業(6203)。自衛隊制式小銃の国内唯一メーカー。業績面は工作機械事業が足枷だが、希少性と国策テーマで注目。

NEC(6701)。防衛通信ネットワーク、サイバーセキュリティ、宇宙監視。「見えない盾」の担い手。

SUBARU(7270)。旧中島飛行機の系譜。自衛隊向けヘリコプター、無人機システム。航空宇宙事業の成長に期待。


まとめ──「国策に売りなし」は本当か

「国策に売りなし」という相場格言がある。政府が本腰を入れて推進する政策テーマの関連銘柄は、大きな調整があっても最終的には上昇するという経験則だ。

2026年の防衛関連銘柄は、まさにこの格言が当てはまるセクターだと俺は考えている。高市政権の防衛力強化路線、トランプ政権の同盟国への増額圧力、中国の軍事的台頭、利益率改革による構造的な収益改善。これだけの追い風が重なるテーマは、そうそうない。

ただし、投資においては「何を買うか」と同じくらい「いつ買うか」が重要だ。すでに主力銘柄が大きく上昇した局面では、押し目を待つ忍耐力と、中小型株に目を向ける柔軟性が求められる。

防衛関連株への投資は、単なる金儲けの手段ではない。日本の安全保障を支える企業に資本を投じるという行為は、間接的にではあるが、この国の防衛力強化に貢献することでもある。

俺はミリタリーオタクとして、そして自衛隊を愛する一人の日本人として、日本の防衛産業が正当に評価され、成長していくことを心から願っている。

この記事が、あなたの投資判断の一助となれば幸いだ。

そして投資で得た利益の一部で、ぜひ三菱重工やIHIが製造する装備品のプラモデルを買ってほしい。タミヤの1/350護衛艦シリーズなんか、組んでいるうちに企業の技術力に惚れ直すこと請け合いだ。


(この記事は2026年3月時点の情報に基づいています。株式投資にはリスクが伴います。投資判断はご自身の責任で行ってください。本記事は特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。)


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