【2026秋冬】航空祭はどこに行くべきか|浜松・入間・岐阜・百里60周年・那覇――ブルーインパルスを”いい場所”で見るための全日程

【2026秋冬】航空祭はどこに行くべきか|浜松・入間・岐阜・百里60周年・那覇――ブルーインパルスを"いい場所"で見るための全日程

松島が終わった。10月4日、ブルーインパルスの地元での航空祭が済んで、私のタイムラインは「次どこ行く?」で埋まっている。

ここから年末までに紹介する主な航空祭は8つ。そのうちブルーインパルスが来る予定なのは5つだ。この差を知らずに「とりあえず近いところ」で選ぶと、岐阜まで行ってブルーが飛ばなかった、という悲しい日曜日になる。逆に、ブルーが来ないからこそ濃い基地もある。

それと、今年の秋冬はちょっと特別だと思っている。6月に改正防衛省設置法が成立して、航空自衛隊は今年度中に「航空宇宙自衛隊」へ名前が変わる。入間基地は夏の納涼祭をわざわざ「航空自衛隊入間基地としては最後」と案内していた。つまり、この秋冬が「航空自衛隊」の看板で開かれる最後の航空祭シーズンになる可能性が高い。記念に行くなら今年だ。

この記事では、残りの日程を全部並べたうえで、目的別にどこへ行くべきか、各基地のクセ、持ち物の落とし穴までまとめた。日程は2026年10月上旬時点で航空自衛隊公式のイベント一覧に載っているものを基準にしている。

目次

2026秋冬の航空祭・ブルーインパルス 残り全日程

先に、航空祭に奈良基地の記念行事と地域イベントを加えた一覧を出しておく。ブルー欄の「×」は、10月上旬時点の公式ブルーインパルス予定に載っていないという意味だ。

日付 行事 場所 ブルー
10月25日(日) エアフェスタ浜松2026 静岡・浜松基地 ○
11月3日(火・祝) 入間航空祭 埼玉・入間基地 ○
11月8日(日) 岩手県政150周年記念パレード 岩手・陸前高田市 ○(航空祭ではない)
11月15日(日) 芦屋基地航空祭 福岡・芦屋基地 ○
11月22日(日) 岐阜基地航空祭2026 岐阜・岐阜基地 ×
11月22日(日) 奈良基地開庁70周年記念行事 奈良 ○
11月29日(日) 築城基地航空祭 福岡・築城基地 ×(規模縮小)
12月6日(日) 新田原基地エアフェスタ2026 宮崎・新田原基地 ○
12月6日(日) 百里基地開庁60周年記念航空祭 茨城・百里基地 ×
12月13日(日) 美ら島エアフェスタ2026 沖縄・那覇基地 ○
12月20日(日) 三重県誕生150周年記念事業 三重 ○(航空祭ではない)
要点

なお展示飛行は天候で中止になることがあり、延期はしないと公式が明言している。遠征組はこれを頭の片隅に置いておいてほしい。

結論:目的別ならこう選ぶ

遠くの飛行展示を見渡す航空祭の観客席。
遠くの飛行展示を見渡す航空祭の観客席。

細かい話の前に、私ならこう選ぶという結論を書いておく。

ブルーインパルスをとにかく確実に、近場で見たい関東民なら入間。東京から電車1本で行ける唯一の大型航空祭で、ここを外す理由はない。ただし20万人の人波とセットだ。

ブルーを見つつ、戦闘機の轟音も浴びたいなら浜松か新田原。浜松はF-15とF-2が飛んでくるし、新田原は今年いちばんの目玉であるF-35Bの地元だ。

ブルーはいらない、変な飛行機と濃い歴史が見たい、というマニアは岐阜一択。ここは日本の軍用機開発の聖地で、ブルーがいないことを補って余りある。

F-2の対地攻撃デモと「首都圏唯一の戦闘機基地」の60周年を祝いたいなら百里。

旅行も兼ねてシーズンを締めくくりたいなら那覇。12月の沖縄は20度前後で、半袖で航空祭を見られる。

浜松 10月25日――ブルー誕生の地は「午前勝負」

浜松基地はブルーインパルスが1960年に生まれた場所だ。最初の機体はF-86Fで、今のT-4になったのは1995年から。だから浜松のブルーは、どこか里帰り感がある。

もう一つ言うと、浜松は戦前、陸軍の飛行連隊と浜松飛行学校が置かれた「重爆撃機の街」だった。航空の街としての歴史は100年近い。

公式発表のタイムスケジュールを見て、私が一番驚いたのはブルーの時間だ。10時10分から10時50分。多くの航空祭ではブルーは昼過ぎに来るのに、浜松は午前に持ってきている。昼前に来て「ブルーまだかな」と屋台に並んでいたら、もう終わっていた、というのが十分ありえる。

開催は9時から15時、入場開始は8時の予定。展示飛行は9時の救難機の編隊から始まって、ブルーのあと12時20分からF-15、12時40分からF-2の機動飛行、13時半からE-767の展示飛行と続く。地上展示にはE-2DやC-2、なぜかホンダジェットまで並ぶらしい。E-767やE-2Dといった「空飛ぶレーダー」系を一度に見られるのは浜松ならではで、そのあたりはE-2Dアドバンスドホークアイの解説を読んでから行くと、見え方がかなり変わる。

注意点もある。三脚・一脚・脚立・テント・タープ・ビーチパラソルは持ち込み禁止。エプロン(駐機場)と格納庫の中では、レジャーシートも椅子も使えない。椅子が使えるのはピクニックエリアだけだ。酒類も持ち込めない。ネットでよく見る「航空祭の三種の神器は双眼鏡・望遠レンズ・折りたたみ椅子」という話は、少なくとも浜松の最前列では通用しない。

あと、浜松広報館エアーパークは前日と当日が閉館になる。エアーパークとセットで考えている人は、前々日以前か翌日に回すしかない。

アクセスは公共交通機関が推奨で、例年は浜松駅からシャトルバスが出ている。前泊するなら浜松駅前が無難だ。

入間 11月3日――20万人と戦う覚悟があるか

要点

10月上旬の時点で、2026年の開催時間や細かいプログラムはまだ発表されていない。参考までに2025年は午前8時から午後1時までの「午前開催」で、ブルーは11時に離陸、展示飛行全体は9時から始まった。昼過ぎにのんびり行くと、もう店じまいという可能性があるので、今年の発表は必ず確認してほしい。

去年の西武鉄道は、稲荷山公園駅が朝の8時から10時台に大混雑し、駅からメイン会場まで最大60分かかる可能性があるとして、狭山市駅からの来場を強く勧めていた。私も同じ意見で、稲荷山公園駅で降りるのは「早朝組」だけでいい。9時以降に着くなら、狭山市駅か入間市駅から歩いたほうが結果的に早い。

来場者用の駐車場はない。車で行くなら、狭山市のふるさと納税の返礼品として駐車場が出ていることがあるので、それを狙うのが現実的だ。

もう一つ、2024年は人が多すぎて携帯がつながりにくかった。連れとはぐれたら終わりなので、集合場所はあらかじめ決めておくこと。スマホの電池もすぐ減る。これは後の持ち物の章で書く。

入間の主役は実はブルーではなく、輸送機だと私は思っている。C-2やCH-47が目の前を低く飛ぶのは入間ならではで、C-2が短い距離でぐっと上がっていく姿は国産機好きにはたまらない。C-2輸送機の解説も合わせてどうぞ。

ちなみにこの基地の敷地には、戦前は陸軍航空士官学校があった。昭和天皇が「修武台」と名付けた場所で、帝国陸軍のパイロット将校はここから巣立っていった。今は自衛隊の輸送機が飛んでいる、というのはなかなか感慨深い。

ブルーインパルスを「いい場所」で見るコツ

歩きやすさと持ち運びやすさを考えて、観覧の道具を選ぶ。
歩きやすさと持ち運びやすさを考えて、観覧の道具を選ぶ。

ここで、どの基地にも共通するブルーの見方を書いておく。

まず、ブルーの演目は会場正面、つまり観客の前の滑走路あたりを基準に組まれている。だから一番いい場所は、地上展示エリアの最前列ではなく、滑走路と並行に広がるエプロンの中央付近だ。端に寄ると、ハートやスター(星形)の形がゆがんで見える。

次に、ブルーの本番はフライトの前後にもある。離陸前のウォークダウン(パイロットが整列して機体に向かう儀式)と、着陸後のウォークバックは、ファンにとっては演技と同じくらい大事な時間だ。機体の近くで見たいなら、展示飛行が始まる30分くらい前にはブルーの駐機場所の前にいたほうがいい。

最後に、天気。ブルーの演目は雲の高さで変わる。雲が低いと縦の宙返りをやめて、横の演技中心の「ローショー」になる。これはこれで迫力があるので、曇りでもがっかりしないでいい。中止になるのは雨や強風、視程が悪いときだ。

見てきたあとにT-4を手元に置きたくなる気持ちは、私はよくわかる。ハセガワの1/72は定番で、組みやすい。

芦屋 11月15日――T-4の「学校」で見るブルー

芦屋基地は、T-4で戦闘機パイロットの卵を育てる第13飛行教育団の基地だ。つまりT-4の「学校」に、T-4のアクロチームが来る。T-4好きには筋のいい組み合わせだと思う。

規模は浜松や入間ほど大きくないので、比較的落ち着いて見られるのが魅力だ。福岡市内から日帰りもしやすい。戦前は陸軍の芦屋飛行場で、九州の空の玄関口の一つだった。

パイロット志望の中高生がいる家庭なら、ここで「自分が乗るかもしれないT-4」を見せておくのは悪くない。進路の話は航空自衛隊パイロットになる3ルートにまとめてある。

岐阜 11月22日――ブルーは来ないが、ここが一番濃い

ここからが私の推しだ。

岐阜基地航空祭にブルーは来ない。同じ日に奈良基地の70周年行事があって、ブルーはそっちに行く。それでも岐阜に行く価値はある。むしろマニアならこっちだ。

岐阜基地には、新しい機体や装備の試験をする飛行開発実験団がいる。試験用の機体は派手な塗装だったり、計測用の長い棒(ピトー管)が機首から突き出ていたり、見た目がとにかく変わっている。F-2やF-15、C-2といったおなじみの機体でも、「試験機」になると別物に見える。ここでしか見られない機体が普通に飛ぶので、カメラ好きの密度が異様に高い。

歴史も濃い。岐阜基地のルーツは1917年に開かれた陸軍の各務原飛行場で、日本で最も古い飛行場の一つだ。隣には川崎航空機の工場があって、ここで陸軍の三式戦闘機「飛燕」が造られ、飛んでいった。今その川崎重工が、ブルーのT-4を造っている。100年かけて一周しているわけだ。

基地のすぐ近くにある岐阜かかみがはら航空宇宙博物館には、現存する飛燕の実機が展示されている。航空祭の前日か翌日に寄るのを強くすすめる。飛燕については飛燕(Ki-61)の完全解説で、液冷エンジンに苦しんだ話を詳しく書いた。

築城 11月29日――今年は「縮小版」と割り切る

築城基地はF-2の飛行隊がいる福岡の戦闘機基地だ。ただ、今年は基地内の工事の影響で、例年より規模を縮小して開催すると発表されている。ブルーも来ない。

それでも地元のF-2の機動飛行は見られる見込みで、九州でF-2を見たいなら候補にはなる。遠方から旅費をかけて行くかどうかは、正式なプログラムが出てから判断したほうがいい。F-2そのものの話はF-2戦闘機の解説を読んでほしい。

12月6日の究極の二択――新田原のF-35Bか、百里の60周年か

12月6日は、九州と関東で大きな航空祭がぶつかる。

新田原基地エアフェスタには、ブルーが来る。そして何より、ここは航空自衛隊で初めてF-35Bが配備された基地だ。2025年8月に最初の機体が到着し、去年12月のエアフェスタで空自パイロットの操縦による初めての飛行展示が行われた。今は8機が配備されていて、最終的には42機まで増やす計画になっている。

F-35Bは護衛艦「いずも」「かが」に載せる短距離離陸・垂直着陸の戦闘機だ。空中で止まってゆっくり降りてくるホバリングを航空祭で見られる機会は、日本ではまだ新田原くらいしかない。今年いちばん「歴史の現場」に近い航空祭はここだと私は思う。機体についてはF-35A/Bの完全解説にまとめた。

ちなみに新田原は、戦前に陸軍の落下傘部隊(挺進部隊)が訓練した場所でもある。空から降りる部隊の故郷に、今は垂直に降りる戦闘機がいる。こういう偶然があるから基地巡りはやめられない。

一方の百里基地は、開庁60周年の記念航空祭になる。首都圏で唯一、戦闘機部隊がいる基地で、F-2の飛行隊が所在する。去年はF-2による模擬の対地射爆撃が見られた。地上の標的に向けて急降下していくあの迫力は、ブルーとは違う種類の興奮がある。

ただし、10月上旬時点の公式ブルー予定に百里は入っていない(同じ日の新田原に行く)。60周年でゲスト機が増える可能性はあるので、続報を待ちたい。

百里には一般向けの駐車場がなく、例年は石岡駅、土浦駅、大洗駅などからシャトルバスが出る。前日から周辺道路で交通規制があるので、車で近くまで行けると思わないほうがいい。旅行会社の送迎バスツアーも出ているので、東京から楽をしたいならそれも手だ。

どっちを選ぶか。ブルーとF-35Bを両方見たいなら新田原、関東から日帰りで戦闘機を浴びたいなら百里。私は今年、新田原に行くつもりでいる。

那覇 12月13日――シーズンの締めは沖縄で

美ら島エアフェスタは、今年度の航空祭シーズンの最後を飾る。ブルーも来る。

那覇基地にはF-15Jの飛行隊が2つあって、南西の空を守る最前線だ。スクランブル(緊急発進)の多さでは全国トップクラスの基地で、F-15の機動飛行にも気合いが入っている感じがある。近代化改修の話はF-15J改の解説に書いた。

那覇基地は那覇空港と滑走路を共用しているので、民間機と戦闘機が同じ景色に収まるのも面白い。もとをたどれば、ここは旧日本海軍の小禄飛行場だった。

12月の沖縄はホテルも比較的取りやすく、航空祭の前後で観光もできる。シーズンの締めとしては一番ぜいたくな選択だと思う。

持ち物の落とし穴――「三種の神器」より大事なもの

持ち出し袋は、必要な道具を取り出しやすくまとめる。
持ち出し袋は、必要な道具を取り出しやすくまとめる。

航空祭の持ち物リストはネットにいくらでもあるが、実際に困るのはだいたい次の3つだ。

一つ目は、禁止物。浜松の例で書いたように、三脚・一脚・脚立はほとんどの基地で持ち込めない。手荷物検査で見つかると、その場で放棄することになる。望遠レンズは手持ちで撮る前提で考えよう。

二つ目は、スマホの電池。入間のように携帯がつながりにくくなると、スマホは電波を探して電池を一気に食う。そこに写真と動画を撮りまくるので、昼過ぎには真っ赤になる。帰りの電車の時刻も、ブルーの動画も、全部スマホ頼みだ。モバイルバッテリーは本気で必須だと思っている。

三つ目は、寒さ。11月の入間や12月の百里は、朝はかなり冷える。日なたのない滑走路で何時間も立っているので、想像の一段上の防寒をしていくこと。逆に那覇は日差しが強いので、帽子と日焼け止めがいる。

あとは、ゴミは持ち帰り、商業施設の駐車場に車を止めない。これは毎年どこの基地も言っている。地元に嫌われたら航空祭は続かないので、ここは守ろう。

投資家の目で見る航空祭――T-4は誰が造っているのか

整備台に固定したターボファンエンジンの点検
整備台に固定したターボファンエンジンの点検。

航空祭は、実は防衛産業の「ショールーム」でもある。

ブルーインパルスのT-4を例にとると、機体を造ったのは川崎重工、エンジン(F3)を造ったのはIHIだ。つまりブルーが1回飛ぶたびに、防衛株の「御三家」のうち2社の仕事が空に描かれている。浜松で見るE-767や新田原のF-35Bにも、日本の企業が整備や部品で関わっている。どの会社が何をしているかは日本の軍用航空エンジンメーカーの解説と川崎重工(7012)の株価分析にまとめてある。

もう一つ気になっているのは、T-4そのものが古くなってきていることだ。初飛行は1985年で、40年選手になる。航空専門誌では海外企業がT-4後継に名乗りを上げる話まで出ている。後継機を誰が造るのかは、数年後の防衛関連銘柄を見るうえで地味に大事な論点になると思う。航空祭で古いT-4を眺めながら「次は誰の飛行機になるのか」と考えるのも、投資家としては悪くない楽しみ方だ。

株式投資を始めるなら、まず証券口座が必要になる。私はアプリで日本株も米国株も触れる口座を使っている。

※この章は防衛産業の構造を紹介するもので、特定の銘柄の売買を勧めるものではない。株価は業績や市況、政策で大きく動き、元本を割り込むこともある。投資の判断は必ずご自身で行ってほしい。

「航空自衛隊の航空祭」は今年が最後かもしれない

最初に書いたことに戻る。

航空自衛隊は今年度中に航空宇宙自衛隊になる。宇宙作戦を担う部隊も大きくなっていく。名前が変わっても、基地もブルーインパルスも急に何かが変わるわけではないだろう。それでも、パンフレットや看板、隊員の名札から「航空自衛隊」の文字が消えていく前の最後の秋冬だと思うと、私はやっぱり見ておきたい。改称の中身については航空宇宙自衛隊構想の解説で書いた。

行く基地を決めたら、航空自衛隊の基地一覧で配備機をチェックしておくと、当日飛んでくる機体の予想がつく。機体そのものを予習したい人は航空自衛隊の機体一覧をどうぞ。

最後にもう一度だけ。開催時間とプログラムは、基地によってまだ出ていないものがある。出かける前日には、必ず各基地の公式ページかXで最新の情報を確認してほしい。展示飛行は天候で中止になることがあって、延期はない。それも含めて航空祭だ。

それでは、どこかの滑走路で。

出典・参考資料

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

軍研ノート編集部のアバター 軍研ノート編集部 自衛隊・兵器 / 戦史 / サバゲー

自衛隊で6年間勤務した編集長を中心に、自衛隊時代の仲間やサバゲーを通じた知人と記事を制作。経験と公開資料をもとに、装備の仕組みや歴史、その背景にある人々の工夫を掘り下げています。「かっこいい」から、その先の理解へ。編集長のプロフィール → 運営・編集方針

コメント

コメントする

目次