【2025年版】自衛官は5年で1000万以上貯まる!衣食住タダで貯金力最強の職業は本当か?

「自衛官って、衣食住タダで給料丸々貯金できるって本当?」

SNSやネット掲示板で、こんな噂を目にしたことはないだろうか。

結論から言おう。半分は本当で、半分は嘘だ。

たしかに、営内生活を送る自衛官は家賃ゼロ、食費ゼロ、光熱費ゼロという驚異的な環境にいる。一般的なサラリーマンが月15万円以上を固定費に消えていくのに対し、自衛官はその分をそのまま貯金に回せる。理論上は。

しかし現実はそう甘くない。入隊5年で1000万円貯める者がいる一方で、毎月給料日前に金欠になる者もいる。この差は一体どこから生まれるのか。

この記事では、自衛官の給与・ボーナス・営内生活の実態を徹底解説する。2025年12月16日に成立したばかりの給与改正法による最新の俸給月額、そして2025年4月から始まった新制度「指定場所生活調整金」まで、最新情報を網羅している。

自衛官を目指す人も、自衛官の彼氏・彼女を持つ人も、現役自衛官も。「自衛官のお金事情」を知りたいすべての人に、読んでほしい。


目次

「衣食住タダ」は本当?営内生活の実態を徹底解説

陸上自衛隊駐屯地の隊舎・営内居室のイメージ

営内生活とは何か?

まず、自衛隊特有の「営内生活」について説明しよう。

営内生活とは、駐屯地や基地の中にある隊舎(寮)で生活することを指す。自衛隊法第55条により、自衛官は「長官が指定する場所に居住しなければならない」と定められており、曹長以下の独身自衛官は原則として営内に住むことが義務付けられている。

具体的な条件は以下の通りである。

営内生活が必要な人:

  • 自衛官候補生・一般曹候補生(入隊直後)
  • 階級が士(2士・1士・士長)の独身者
  • 階級が曹でも独身かつ30歳未満の者

営外生活が許可される条件:

  • 曹になって結婚した場合
  • 30歳以上の曹の場合(部隊により異なる)
  • 幹部自衛官の場合

つまり、入隊から数年間は否応なく駐屯地内での集団生活となる。これが「衣食住タダ」の源泉だ。

本当に「衣」はタダなのか?

制服や迷彩服、戦闘服といった勤務に必要な服は、すべて官品として貸与される。下着類も年に1〜2回支給され、防寒着も充実している。これは完全に無料だ。

ただし、私服は自己負担である。外出時や休日に着る服は自分で買わなければならない。また、細かいところでは以下のような出費がある。

自腹が必要なもの:

  • 私服全般
  • ネックウォーマーなどの防寒小物
  • 革手袋(官品はあるが使用頻度が高いため私物を持つ人が多い)
  • 装具の脱落防止紐
  • インナーキャップ
  • 腕時計
  • 小物を入れるバッグ類

とはいえ、勤務中は常に制服か迷彩服なので、私服にお金をかける機会は一般人より圧倒的に少ない。週末の外出時くらいしか私服を着ないのだから、服代は最小限で済む。

「食」は完全無料の3食付き

営内生活者の食事は、朝・昼・夕の3食が隊員食堂で無料提供される。これは防衛予算から出ているため、自衛官個人の財布から1円も出て行かない。

栄養士がカロリー計算やバランスを考えて献立を作成しており、栄養面では申し分ない。量も十分で、若い隊員が体力を維持するのに必要なボリュームがある。

駐屯地によって味の評判は異なるが、総じて「普通においしい」「家庭料理レベル」という声が多い。豪華ではないが、毎日3食を無料で食べられるのは圧倒的なメリットだ。

ただし、外出時の外食や、売店でのお菓子・ジュースの購入は当然自腹となる。ここで散財するかどうかが、貯金額を大きく左右する。

「住」は家賃・光熱費・水道代すべてゼロ

営内の隊舎は、もちろん家賃無料だ。光熱費も水道代も一切かからない。入浴も大浴場が無料で使えるし、ほとんどの隊舎にはシャワールームも設置されている。

一般的な一人暮らしで家賃5〜7万円、光熱費1万円、水道代3,000円程度がかかることを考えると、月に6〜8万円相当が浮く計算になる。

さらに、駐屯地内には売店、食堂、喫茶店、床屋なども完備されており、生活に困ることはない。ある意味で「村社会」が完結しているのだ。

ただし、居室は3〜4人の相部屋が基本。プライバシーは限られる。消灯時間や入浴時間も決められており、完全な自由はない。この不便さと引き換えに、圧倒的なコストパフォーマンスを得ているわけだ。

なお、2024年以降、防衛省は隊舎の個室化を進めており、生活環境は年々改善されている。


【2025年12月最新】自衛官の給与・ボーナスはいくら?

速報:12月16日に給与改正法が成立

2025年12月16日、防衛省の職員の給与等に関する法律の一部を改正する法律が成立した。これにより、自衛官の俸給月額とボーナスがさらに引き上げられることが決定した。

この改正は令和7年(2025年)4月1日に遡って適用される。つまり、2025年4月以降に支給された給与との差額が、追加で支給されることになる。

2025年改正の具体的な内容

今回成立した給与改正法による主な改定内容は以下の通りだ。

俸給月額の引上げ(令和7年4月1日に遡及適用):

  • 2士(高校新卒):224,600円 → 239,500円(+14,900円、6.6%増)
  • 自衛官候補生:179,000円 → 190,500円(+11,500円、6.4%増)
  • 防大・防医大の学生:151,300円 → 161,000円(+9,700円、6.4%増)
  • 陸自高等工科学校生徒:138,000円 → 147,700円(+9,700円、7.0%増)

ボーナス(期末・勤勉手当)の引上げ:

  • 一般の隊員:年間4.60月分 → 4.65月分(+0.05月分)
  • 学生・生徒等:年間3.45月分 → 3.50月分(+0.05月分)
  • 指定職職員:年間3.45月分 → 3.50月分(+0.05月分)

一般隊員のボーナス引上げは、一般職給与法の改正に連動して改定される。学生・生徒等のボーナスは令和7年12月のボーナスから引上げとなる。

2年連続の大幅給与アップ

振り返ると、自衛官の給与は2年連続で大幅に引き上げられている。

2024年改定(令和6年4月遡及適用):

  • 自衛官候補生:157,100円 → 179,000円(+21,900円、13.9%増)
  • 2士(高卒):198,800円 → 224,600円(+25,800円、13.0%増)
  • ボーナス:4.50月分 → 4.60月分

2025年改定(令和7年4月遡及適用):

  • 自衛官候補生:179,000円 → 190,500円(+11,500円、6.4%増)
  • 2士(高卒):224,600円 → 239,500円(+14,900円、6.6%増)
  • ボーナス:4.60月分 → 4.65月分

わずか2年で、2士の初任給は198,800円から239,500円へと約4万円以上もアップした。これは実に20%以上の増額である。

政府が自衛官の処遇改善に本腰を入れていることがよくわかる。少子化による人材獲得競争の激化、そして安全保障環境の変化を受けて、自衛官の待遇は今後も改善が続くと予想される。

階級別の給与目安(2025年12月最新)

自衛官の給与は「階級」と「号俸」(勤続年数や評価による)で決まる。以下は2025年12月時点の目安である。

2士(入隊直後):約24万円/月
士長(入隊2〜3年目):約26〜28万円/月
3曹(入隊5年前後):約28〜32万円/月
2曹(入隊10年前後):約32〜38万円/月 1曹・曹長:約38〜48万円/月

なお、これは基本給のみの金額で、ここに各種手当が加算される。

ボーナスは年間4.65ヶ月分に

今回の改正により、一般隊員のボーナスは年間4.65ヶ月分となった。

内訳の目安: 2025年夏のボーナス:約2.30ヶ月分 2025年冬のボーナス:約2.35ヶ月分

仮に月給が24万円の若手自衛官であれば、ボーナスは年間約112万円となる。これは一般的な中小企業のボーナス水準を大きく上回る。

多彩な手当が給与を押し上げる

自衛官には40種類以上の手当が存在する。代表的なものを挙げよう。

乗組手当(海自・艦艇勤務):基本給の43%(潜水艦は55.5%)
航空手当(パイロット等):基本給の一定割合
落下傘隊員手当:危険業務に対する手当
特地勤務手当(離島等):勤務地の特殊性に応じた手当
航海手当(出港時):航海のたびに支給
広域異動手当:転勤に伴う手当
扶養手当:家族を扶養する場合
通勤手当:営外居住者に支給
住居手当:営外居住者に支給

特に注目すべきは乗組手当だ。海上自衛官で護衛艦勤務の場合、基本給の43%が上乗せされる。潜水艦乗りなら55.5%だ。月給24万円なら約10〜13万円がプラスされる計算になる。

さらに航海に出れば航海手当も支給されるため、海自の艦艇勤務者は陸自・空自よりも給与が高くなる傾向がある。

海上自衛隊の艦艇や潜水艦について詳しく知りたい方は、海上自衛隊の艦艇完全ガイド|護衛艦から潜水艦まで全艦種を徹底解説も参考にしてほしい。

自衛官の平均年収は約640万円超へ

自衛隊帯広地方協力本部のデータによると、自衛官の年齢別平均年収は以下の通り(2024年時点)。今回の給与改定でさらに上昇すると見込まれる。

20〜24歳:約374万円 → 推定400万円超へ
25〜29歳:約428万円 → 推定450万円超へ
30〜34歳:約440万円 → 推定460万円超へ
35〜39歳:約509万円 → 推定530万円超へ
40〜44歳:約599万円 → 推定620万円超へ
45〜49歳:約637万円 → 推定660万円超へ 50歳以上:約652万円 → 推定680万円超へ

全年齢の平均は640万円を超え、民間企業の平均を上回っている。特に20代前半では民間より100万円近く高くなる見込みで、若手のうちから高収入を得られるのが特徴だ。


2025年新制度「指定場所生活調整金」で最大120万円支給

営内生活者に6年間で120万円

2025年4月から、画期的な新制度が始まった。「指定場所生活調整金」である。

これは、一般曹候補生または自衛官候補生で入隊した者に対し、営舎内での不慣れな生活に対する経済的支援として支給される給付金だ。

支給額:1年間、営内または艦内で生活した場合、1年分として20万円 最大支給期間:6年間 最大支給総額:120万円

つまり、入隊してから6年間、営内生活を続ければ合計120万円が追加で受け取れるのだ。これは給与やボーナスとは別枠の支給となる。

支給を受けるための条件

指定場所生活調整金を満額受け取るには、以下の条件を満たす必要がある。

支給条件:

  • 一般曹候補生または自衛官候補生として採用されること
  • 営内または艦内で継続して生活すること
  • 6年間在籍すること

支給されなくなる場合:

  • 途中で営外生活に移行した場合
  • 自衛隊を退職した場合

この制度は、若手自衛官の処遇改善と人材確保を目的として導入された。少子化で採用競争が激化する中、自衛隊の魅力を高める狙いがある。

自衛官候補生制度の見直しも

2025年度から募集を開始し、2026年度から採用される新制度では、従来の「自衛官候補生」制度が大きく変わる。

これまで自衛官候補生は、入隊後約3ヶ月の教育訓練を経て初めて自衛官(2士)に任官していた。この期間は「候補生」であり、初任給も低かった。

新制度では、入隊直後から自衛官の身分が与えられ、任務につくことができる。初任給も一般曹候補生と同等となる。

これにより、入隊初期の低賃金問題が解消され、より魅力的な待遇となった。


なぜ自衛官は貯金しやすいのか?5つの理由

理由①:固定費がほぼゼロ

一般的なサラリーマンの場合、給与の多くが固定費に消えていく。

一般的な一人暮らしの固定費(月額):

  • 家賃:5〜8万円
  • 食費:3〜5万円
  • 光熱費:1〜1.5万円
  • 水道代:3,000円
  • 通信費:5,000〜1万円
  • 合計:約10〜16万円

手取り20万円の場合、自由に使えるのは4〜10万円程度。ここから交際費や娯楽費、被服費などを払えば、貯金に回せる額は限られる。

一方、営内生活の自衛官はどうか。

自衛官の固定費(月額):

  • 家賃:0円
  • 食費:0円(営内食堂)
  • 光熱費:0円
  • 水道代:0円
  • 通信費:5,000〜1万円(スマホ代のみ)
  • 合計:約5,000〜1万円

手取り18万円でも、17万円以上が自由に使える。ここに年2回のボーナスが加わるのだから、貯金のポテンシャルは圧倒的に高い。

理由②:お金を使う場所が限られる

営内生活者は、外出に許可が必要だ。平日は基本的に駐屯地内で過ごし、休日も「残留」制度で営内に残る日がある。

駐屯地内にはコンビニのような売店や喫茶店はあるが、大型ショッピングモールや繁華街へのアクセスは限られる。物理的にお金を使う機会が少ないのだ。

海上自衛官の艦艇勤務者はさらに顕著で、航海中は完全にお金を使う場所がない。「気づいたら口座残高が増えていた」という声も多い。

理由③:高金利の防衛省共済組合貯金

自衛官には、防衛省共済組合が運営する有利な貯金制度がある。

2025年4月時点の金利:

  • 普通預金:0.37%
  • 定額積立貯金:0.76%
  • 定期貯金:1.01%

一般的な銀行の普通預金金利が0.001%程度であることを考えると、共済貯金の金利は桁違いに高い。特に定期貯金の1.01%は、メガバンクの100倍以上だ。

さらに、2025年10月からは定期貯金の上限額が300万円から500万円に引き上げられた。より多くの資金を高金利で運用できるようになっている。

この共済貯金は自衛官(および防衛省職員)しか利用できない特権である。民間では得られない貯蓄環境が整っているのだ。

理由④:ボーナスをそのまま貯金できる

一般人にとって、ボーナスは「臨時収入」ではあるが、多くの場合は使い道が決まっている。クレジットカードのボーナス払い、家電の買い替え、旅行費用など。

しかし営内生活の自衛官は、普段の生活費がかからないため、ボーナスを「何かに充てる」必要がない。純粋な余剰資金として、そのまま貯金に回せる。

年間約112万円(月給24万円の場合)のボーナスをすべて貯金すれば、5年で560万円。これだけでも相当な資産となる。

理由⑤:福利厚生が充実している

自衛官は国家公務員であり、福利厚生が非常に充実している。

主な福利厚生:

  • 医療費無料(自衛隊病院・駐屯地医務室)
  • 防衛省共済組合直営の宿泊施設利用可
  • 野球場・テニスコートなどスポーツ施設
  • 提携保養施設の割引利用
  • 各種貸付制度(低金利)

特に医療費無料は大きい。民間では年間数万円〜数十万円かかることもある医療費がゼロになるのだから、その分を貯蓄に回せる。


自衛官のボーナスの使い道ランキング

堅実派が多い?実際の使い道

では、自衛官は実際にボーナスを何に使っているのか。現役・元自衛官への取材や各種調査から、主な使い道を見てみよう。

第1位:貯金・投資 やはり貯金に回す人が最も多い。共済貯金への預け入れや、NISAを活用した投資信託への積立が人気だ。

第2位:車・バイクの購入 駐屯地は郊外にあることが多く、車がないと不便。ボーナスで車を購入したり、ローンの頭金に充てる人が多い。

第3位:趣味・娯楽 普段我慢している分、ボーナス時にまとめて趣味に使う人も。ゲーム機、釣り道具、キャンプ用品など。

第4位:帰省・旅行 地元を離れて勤務している自衛官が多いため、帰省費用に充てる人も多い。GWや年末年始の旅行資金としても。

第5位:親への仕送り・プレゼント 初任給で親に食事をごちそうするのと同様、ボーナスで親孝行する人も少なくない。

海自の艦艇乗りは特に貯まりやすい

前述の通り、海上自衛官の艦艇勤務者は乗組手当で給与が43〜55.5%アップする。さらに航海中はお金を使う場所がない。

ある元海自幹部は、こう語っている。

「任官1年目でも月収18万円、手取り14万円ほどでしたが、護衛艦乗組員は乗組手当が33%つくので、一般自衛官より収入は増えます。年間の半分は海の上にいるので、お金はほとんど使いません」

この元幹部は、徹底した節約と不動産投資で資産4億円を達成し、30歳でFIRE(経済的自立・早期退職)したという。極端な例ではあるが、自衛官の貯金ポテンシャルを示す好例だ。


自衛官がハマりやすいお金の落とし穴

落とし穴①:周囲に流されて散財

「衣食住タダで貯金し放題」というのは理論上の話。現実には、多くの自衛官が「思ったほど貯まらない」と感じている。

最大の原因は、周囲への同調だ。

駐屯地は閉鎖的なコミュニティである。先輩が新車を買った、同期がバイクを買った、誰かが高級腕時計を買った。そんな話を聞くと、「自分も」という気持ちになりやすい。

お金を使う選択肢が増え、刺激を受けて散財してしまう。これが「自衛官あるある」だ。

特に潜水艦乗りは高給だが、金遣いが荒いことで知られる。収入が多いとつい気が大きくなり、支出も増えてしまうのだろう。

落とし穴②:外出時の一気使い

普段は駐屯地内で地味な生活を送っている分、休日の外出時には開放感からお金を使いすぎてしまう人が多い。

「平日は何も使わないから」という心理で、週末にパーッと使ってしまう。結果的に、月の収支はトントンか赤字ということも。

落とし穴③:付き合いの飲み会

自衛隊は上下関係が厳しく、飲み会文化も根強い。先輩に誘われれば断りにくいし、後輩におごる場面も出てくる。

駐屯地内の喫茶店(飲酒可能な施設もある)での飲み会は、外の居酒屋より安いとはいえ、頻度が高ければバカにならない金額になる。

落とし穴④:ギャンブル・パチンコ

残念ながら、自衛官の中にもギャンブルにハマる人は少なくない。駐屯地の近くにはパチンコ店があることが多く、休日の暇つぶしにパチンコ、というパターンにハマると貯金どころではなくなる。

落とし穴⑤:ローンの組みすぎ

自衛官は公務員であり、信用力が高い。そのため、ローンの審査に通りやすい。

これが裏目に出て、身の丈に合わない車のローンや、カードローンを組んでしまう人もいる。いくら給与が安定していても、ローンの返済に追われては貯金はできない。


自衛官のための効率的な資産形成術

基本は「先取り貯金」

貯金を成功させる最大のコツは「先取り貯金」だ。給料が入ったら、使う前に一定額を貯金口座に移す。残ったお金で生活する。

自衛官の場合、防衛省共済組合の「定額積立貯金」が便利だ。給与から天引きで毎月一定額を積み立てられる。金利も0.76%と高い。

入隊1年目から月5万円を積み立てるだけでも、年間60万円。5年で300万円以上になる(金利含む)。

共済貯金とNISAの併用がおすすめ

2024年から始まった新NISAは、自衛官にとっても有効な資産形成ツールだ。

おすすめの運用パターン:

  • 当座の生活資金・5年以内に使う予定のお金 → 共済貯金(元本保証)
  • 長期運用する余裕資金 → 新NISA(インデックス投資信託など)

共済貯金は元本保証で安心だが、金利1%程度ではインフレに負ける可能性がある。一方、NISAで長期投資すれば、年平均4〜7%程度のリターンが期待できる(過去実績)。

両者をバランスよく組み合わせるのが賢明だ。

iDeCoで節税しながら老後資金を準備

自衛官もiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入できる。掛金は月額12,000円が上限だが、全額所得控除の対象となるため、節税効果が大きい。

年間144,000円の掛金なら、所得税・住民税合わせて年間約3万円程度の節税になる(税率による)。20年続ければ60万円の節税だ。

iDeCoで積み立てた資金は60歳まで引き出せないが、その分、老後資金として確実に貯まる。早期退職のある自衛官にとって、老後資金の準備は重要だ。


入隊からの貯金シミュレーション(2025年12月最新版)

1任期(陸自1年9ヶ月、海空2年9ヶ月)でいくら稼げる?

2025年12月の給与改定を反映した収入見込みは以下の通り。

陸上自衛隊(1任期=1年9ヶ月):約920万円(給与総額)
海上・航空自衛隊(1任期=2年9ヶ月):約1,430万円
海自艦艇勤務(1任期=2年9ヶ月):約1,810万円

これに「指定場所生活調整金」(年20万円)が加わる。

2任期になると: 陸上自衛隊(計約4年):約2,050万円
海上・航空自衛隊(計約5年6ヶ月):約2,480万円
海自艦艇勤務(計約5年6ヶ月):約3,270万円

堅実に貯金すればいくら貯まる?

仮に毎月12万円を貯金し、ボーナスの半分(約56万円)を貯金に回した場合のシミュレーション。

入隊1年目:144万円 + 56万円 = 200万円
入隊2年目:144万円 + 56万円 = 200万円(累計400万円)
入隊3年目:144万円 + 60万円 = 204万円(累計604万円)
入隊4年目:144万円 + 60万円 = 204万円(累計808万円)
入隊5年目:144万円 + 65万円 = 209万円(累計1,017万円)

5年間で約1,000万円超。ここに共済貯金の金利や指定場所生活調整金(5年で100万円)を加えると、1,100万円以上に達する可能性がある。

もちろんこれは「かなり堅実に貯めた場合」だが、給与水準が上がった今、不可能な数字ではない。


結婚を考える自衛官のお金事情

自衛官との結婚、貯金はいくらあれば安心?

自衛官と結婚を考えている人にとって、相手の貯金額は気になるポイントだろう。

一般的な結婚費用の目安は約450万円と言われている。内訳は以下の通り。

結婚式・披露宴:300〜350万円
新婚旅行:50〜100万円
新生活準備:50〜100万円

ただし、ご祝儀で相殺される分を考えると、実質的な持ち出しは200万円程度で済むことも多い。

入隊5年の自衛官なら600〜1,000万円程度の貯金があっても不思議ではない。二人合わせて300〜400万円あれば、結婚資金としては十分だろう。

自衛隊割引を活用しよう

自衛隊のある街では、「自衛隊割引」を設定している結婚式場も存在する。防衛省共済組合が運営する「グランドヒル市ヶ谷」などは、組合員向けの特別料金が適用される。

こうした割引を活用すれば、結婚費用を大幅に抑えられる。


まとめ:自衛官の貯金力を活かすも殺すも自分次第

ここまで、自衛官の給与・ボーナス・営内生活の実態を詳しく見てきた。

自衛官の貯金環境まとめ(2025年12月最新):

  • 営内生活なら家賃・食費・光熱費がゼロ
  • 2025年12月の給与改正で初任給がさらにアップ(2士で239,500円)
  • ボーナスは年間4.65ヶ月分(約112万円〜)
  • 新制度「指定場所生活調整金」で6年間最大120万円追加
  • 防衛省共済貯金は金利1%超の高利率(定期上限500万円に拡大)
  • 海自艦艇勤務なら乗組手当で給与43〜55%アップ

これだけの好条件が揃っているのだから、理論上は「貯金最強」と言っても過言ではない。

しかし、現実に貯金できるかどうかは本人次第だ。周囲に流されて散財するのか、計画的に資産を形成するのか。その選択が、将来の資産額を大きく左右する。

入隊を考えている人へ:自衛隊は、若いうちから資産形成できる数少ない職場だ。「衣食住タダ」の恵まれた環境を活かし、将来に備えてほしい。2年連続の大幅給与アップで、今が入隊のチャンスかもしれない。

現役自衛官へ:今この瞬間も、あなたの貯金ポテンシャルは発揮されているだろうか。先取り貯金、共済貯金、NISA、iDeCo。使えるツールはすべて使って、賢く資産を増やしてほしい。

自衛官の彼氏・彼女を持つ人へ:パートナーの貯金額は、その人の金銭感覚を表している。入隊5年で貯金がほとんどないなら、浪費癖があるかもしれない。結婚前にしっかり確認しておこう。

国を守る仕事は、決して楽ではない。訓練は厳しいし、有事には命の危険もある。だからこそ、その対価として得られる給与と貯金環境は、最大限に活用すべきだ。

あなたの資産形成が、将来の安心につながることを願っている。


※この記事の情報は2025年12月16日の給与改正法成立を反映した最新版です。給与や制度は今後も改定される可能性があるため、詳細は防衛省の公式発表をご確認ください。


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