
世界最強フリゲートランキングを作ると、どうしてもVLSのセル数や対艦ミサイルの射程へ目が向く。だが、現代フリゲートの強さはミサイル本数だけでは決まらない。潜水艦を探し続け、同時に航空脅威へ備え、水上目標を攻撃し、少ない乗員で長期間動き続けられるか。この記事では、その総合力を基準に2026年の現役艦を比較する。
結論から言えば、1位はFREMM、2位はギリシャ仕様FDI、3位はロシアのアドミラル・ゴルシコフ級とした。海上自衛隊のもがみ型は9位である。順位だけを見ると低く感じるが、対機雷戦と省人化まで一隻へ詰め込んだ設計思想は、上位の大型艦と異なる価値を持つ。
- 世界最強フリゲートランキングを作ると、どうしてもVLSのセル数や対艦ミサイルの射程へ目が向く
- だが、現代フリゲートの強さはミサイル本数だけでは決まらない
- 潜水艦を探し続け、同時に航空脅威へ備え、水上目標を攻撃し、少ない乗員で長期間動き続けられるか
- この記事では、その総合力を基準に2026年の現役艦を比較する
なお、英国の26型(Type 26/シティ級)は有力候補だが、2026年7月31日時点では建造・試験段階にあり、本戦ランキングから外した。後半でFREMM、もがみ型と並べ、就役後の潜在順位を検討する。
フリゲートとは、戦艦の縮小版ではない。国家が「どの脅威を毎日相手にするか」を4,000~7,000トンの鋼鉄へ圧縮した政策文書である。

2026年版ランキングの評価基準
- 本ランキングは、2026年7月31日までに就役または実用配備された艦級を対象とした
- 艦名にフリゲートを用いる国だけでなく、運用国がフリゲートとして分類する大型防空艦も含めている
- 駆逐艦との境界は国ごとに違うため、排水量だけで機械的に除外していない
- フリゲートの本職は、派手な長距離ミサイル戦よりも、見えない潜水艦を何日も追い続ける仕事にあるからだ
本ランキングは、2026年7月31日までに就役または実用配備された艦級を対象とした。艦名にフリゲートを用いる国だけでなく、運用国がフリゲートとして分類する大型防空艦も含めている。駆逐艦との境界は国ごとに違うため、排水量だけで機械的に除外していない。
配点は次の通りである。
| 評価項目 | 配点 | 見るポイント |
|---|---|---|
| 防空能力 | 25 | レーダー、同時対処力、艦隊防空、近接防御 |
| 対潜能力 | 25 | 船体・曳航ソーナー、静粛性、対潜ヘリ、魚雷 |
| 対艦・対地能力 | 20 | 対艦ミサイル、巡航ミサイル、艦砲、将来拡張性 |
| センサー・生残性 | 20 | 戦闘システム、電子戦、ステルス、損害制御、ネットワーク |
| 運用成熟度 | 10 | 就役実績、量産、整備性、乗員負荷、継続運用 |
私は対潜能力を防空と同じ25点に置いた。フリゲートの本職は、派手な長距離ミサイル戦よりも、見えない潜水艦を何日も追い続ける仕事にあるからだ。公表値が乏しい艦は、推測で穴を埋めず、情報透明性の低さを評価へ反映した。
世界最強フリゲートランキングTOP10一覧
- 搭載弾種、乗員練度、他艦や航空機との連接で順位は動く
| 順位 | 艦級 | 国 | 総合点 | 最大の強み |
|---|---|---|---|---|
| 1 | FREMM/ベルガミーニ級を代表評価 | イタリア・フランス | 91 | 対潜・防空・航空運用の完成度 |
| 2 | FDI HN/キモン級 | ギリシャ | 90 | 32発Aster 30と新世代センサー |
| 3 | アドミラル・ゴルシコフ級 | ロシア | 84 | 極超音速を含む長距離打撃力 |
| 4 | ニルギリ級/Project 17A | インド | 82 | 超音速対艦ミサイルと多用途性 |
| 5 | デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級 | オランダ | 81 | APAR+SMART-Lによる広域防空 |
| 6 | アルバロ・デ・バサン級/F100 | スペイン | 80 | SPY-1Dとイージスによる艦隊防空 |
| 7 | チュンナム級/FFX Batch III | 韓国 | 79 | 固定4面レーダーと静粛な対潜設計 |
| 8 | イーヴァ・ヒュイトフェルト級 | デンマーク | 77 | 長距離防空と高い搭載余裕 |
| 9 | もがみ型 | 日本 | 76 | 省人化、対潜、対機雷を統合 |
| 10 | 054B型 | 中国 | 72 | 約5,000トン級の新世代汎用艦 |
点数は公開情報を同じ物差しへ置くための編集値であり、実戦結果の保証値とは異なる。搭載弾種、乗員練度、他艦や航空機との連接で順位は動く。
第10位:中国海軍054B型フリゲート
- 054B型は、中国海軍が054A型の次に投入した新世代フリゲートである
- 中国国防部によれば、1番艦「洛河」は2025年1月に就役し、排水量は約5,000トン
- ステルス、戦闘指揮、火力統合が改善され、艦隊全体の戦闘効率を高める艦と説明されている
- 船体大型化によってセンサー、航空運用、将来装備の余裕が増したとみられる
054B型は、中国海軍が054A型の次に投入した新世代フリゲートである。中国国防部によれば、1番艦「洛河」は2025年1月に就役し、排水量は約5,000トン。ステルス、戦闘指揮、火力統合が改善され、艦隊全体の戦闘効率を高める艦と説明されている。[^1]
船体大型化によってセンサー、航空運用、将来装備の余裕が増したとみられる。054A型を大量運用してきた中国海軍には、教育・補給・造修の基盤もある。新型艦を単艦で終わらせず、艦隊規模で揃えられる産業力は無視できない。
それでも10位に留めた。VLSの構成、ソーナー、電子戦装置の詳細について、中国側の公式発表は限られる。外観写真からの推定を確定情報として扱えば、ランキングそのものが推測の競技になる。私は未知の性能を満点で買うより、確認できない部分を割り引く方が妥当だと考える。
第9位:海上自衛隊もがみ型護衛艦
- もがみ型は基準排水量3,900トン、全長133メートル、速力約30ノット、乗員約90人の多機能護衛艦である
- 海上自衛隊は5インチ砲、SeaRAM、対艦ミサイル、VDS・TASS、対機雷戦用ソーナー、UUV、USV、VLS、哨戒ヘリを主要装備として公表している
- 2026年6月には10番艦「ながら」が引き渡され、短期間で艦数を揃える量産力も示した
- 最大の特徴は、対潜戦と水上戦に加え、機雷捜索・処分支援まで一つの船体へまとめた点にある
もがみ型は基準排水量3,900トン、全長133メートル、速力約30ノット、乗員約90人の多機能護衛艦である。海上自衛隊は5インチ砲、SeaRAM、対艦ミサイル、VDS・TASS、対機雷戦用ソーナー、UUV、USV、VLS、哨戒ヘリを主要装備として公表している。[^2] 2026年6月には10番艦「ながら」が引き渡され、短期間で艦数を揃える量産力も示した。[^3]
最大の特徴は、対潜戦と水上戦に加え、機雷捜索・処分支援まで一つの船体へまとめた点にある。狭い海峡や島嶼部が多い日本周辺では、敵潜水艦だけを見ればよい場面の方が少ない。機雷、無人機、不審船、航空脅威へ連続して対処する設計は、海上自衛隊の実務に沿っている。
弱点は艦隊防空の厚みである。大型防空フリゲートほど多数の長射程艦対空ミサイルを抱えず、単艦の火力総量でもFREMMやFDIへ届かない。そこで9位とした。
私は、もがみ型の価値を順位以上に高く見る。約90人で動かせる艦を継続的に建造し、対機雷戦まで肩代わりさせる発想は、人手不足が進む海軍にとって火力と同じほど重要だからだ。もがみ型の豪州輸出については別記事の領域となる。
関連記事:target_slug=mogami-australia-export-guide / anchor=もがみ型護衛艦の豪州輸出

第8位:デンマーク海軍イーヴァ・ヒュイトフェルト級
- イーヴァ・ヒュイトフェルト級は、デンマーク海軍が3隻を運用する防空フリゲートである
- 同海軍は本級を多目的艦と位置づけつつ、特に防空へ重点を置き、長距離レーダー、対空・対艦ミサイル、魚雷、ヘリコプターを備えると説明している
- SM-2の導入によって、単艦防御から一定範囲を守る防空艦へ進んだ
- 設計上の魅力は、大型船体とモジュール化で搭載余裕を確保しながら、建造費を抑えたことにある
イーヴァ・ヒュイトフェルト級は、デンマーク海軍が3隻を運用する防空フリゲートである。同海軍は本級を多目的艦と位置づけつつ、特に防空へ重点を置き、長距離レーダー、対空・対艦ミサイル、魚雷、ヘリコプターを備えると説明している。SM-2の導入によって、単艦防御から一定範囲を守る防空艦へ進んだ。[^4]
設計上の魅力は、大型船体とモジュール化で搭載余裕を確保しながら、建造費を抑えたことにある。空母護衛やNATO常設部隊への参加実績もあり、実際に遠洋へ出して使える艦だ。
総合順位が8位なのは、対潜戦が上位艦ほど設計の中心に置かれていないためである。長距離防空では上位を狙えるが、静粛推進、低周波曳航ソーナー、対潜ヘリとの統合を重く採点すると順位が下がる。フリゲートを「安価な防空駆逐艦」と見るなら評価は上がり、「潜水艦狩りの主役」と見るなら現在の位置に落ち着く。
第7位:韓国海軍チュンナム級/FFX Batch III
- チュンナム級は韓国海軍の3,600トン級新型フリゲートで、1番艦は2024年12月に引き渡された
- 韓国防衛事業庁は、5インチ砲、韓国型VLS、対艦ミサイル防御用誘導弾、戦術艦対地ミサイル、長距離対潜魚雷を主要兵装として挙げている
- さらに、国産の固定4面多機能フェーズドアレイレーダー、統合センサーマスト、船体ソーナー、曳航アレイソーナーを採用した
- 防空と対潜の両方を新しいセンサーで底上げした点が強い
チュンナム級は韓国海軍の3,600トン級新型フリゲートで、1番艦は2024年12月に引き渡された。韓国防衛事業庁は、5インチ砲、韓国型VLS、対艦ミサイル防御用誘導弾、戦術艦対地ミサイル、長距離対潜魚雷を主要兵装として挙げている。さらに、国産の固定4面多機能フェーズドアレイレーダー、統合センサーマスト、船体ソーナー、曳航アレイソーナーを採用した。[^5]
防空と対潜の両方を新しいセンサーで底上げした点が強い。ハイブリッド推進で水中放射雑音を抑える設計も、対潜フリゲートとして筋が通る。もがみ型より上に置いた理由は、固定4面レーダーと艦隊支援向けの防空能力を高く見たためだ。
課題は運用期間の短さである。装備の国産化率が高いほど、更新と補給を国内で回せる利点がある半面、長期航海や高強度演習での信頼性は時間をかけて確認される。現段階では完成された古参防空艦より上へ置きにくい。
第6位:スペイン海軍アルバロ・デ・バサン級/F100
- F100は、欧州で早期にイージス・システムを採用した大型フリゲートである
- スペイン海軍の公表値では排水量5,800トン、全長147メートル、速力29ノット、乗員201人
- Mk41 VLSからSM-2とESSMを運用し、SPY-1Dレーダーは弾道ミサイル追尾能力も持つ
- Harpoon、5インチ砲、短魚雷、SH-60系ヘリを組み合わせる
F100は、欧州で早期にイージス・システムを採用した大型フリゲートである。スペイン海軍の公表値では排水量5,800トン、全長147メートル、速力29ノット、乗員201人。Mk41 VLSからSM-2とESSMを運用し、SPY-1Dレーダーは弾道ミサイル追尾能力も持つ。Harpoon、5インチ砲、短魚雷、SH-60系ヘリを組み合わせる。[^6]
強みは、長年の運用で磨かれたイージスの交戦管理にある。レーダーの探知距離だけでなく、複数目標へ優先順位を付け、僚艦と情報を共有し、適切な迎撃弾を割り当てる部分が防空艦の核心だ。F100はこの領域で今も強い。
設計世代の古さと対潜装備の限界から6位とした。最新の低周波曳航ソーナーや静粛電気推進を前提にした艦と比べると、水中戦の余裕は小さい。それでも、空母や揚陸艦を航空攻撃から守る任務なら、ランキング順位以上の存在感を持つ。
関連記事:target_slug=world-strongest-aegis-destroyer-ranking / anchor=世界最強イージス艦ランキング
第5位:オランダ海軍デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級
- デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級は、APAR多機能レーダーとSMART-L長距離捜索レーダーを組み合わせた防空・指揮フリゲートである
- 建造企業Damenの資料では全長144.2メートル、最大29ノット、Mk41 VLSは40セルで48セルまでの成長余地を持つ
- 127ミリ砲、近接防御、短魚雷、ヘリを備える
- 本級の価値は、目標を遠方で見つけるSMART-Lと、精密追尾・射撃管制を担うAPARの役割分担にある
デ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級は、APAR多機能レーダーとSMART-L長距離捜索レーダーを組み合わせた防空・指揮フリゲートである。建造企業Damenの資料では全長144.2メートル、最大29ノット、Mk41 VLSは40セルで48セルまでの成長余地を持つ。127ミリ砲、近接防御、短魚雷、ヘリを備える。[^7]
本級の価値は、目標を遠方で見つけるSMART-Lと、精密追尾・射撃管制を担うAPARの役割分担にある。広域防空、指揮艦、弾道ミサイル探知支援という仕事では、現在も世界屈指だ。
5位に止まる理由は役割の偏りである。対潜能力は持つが、FREMMや26型と比べて水中静粛性の比重が低い。対地攻撃の選択肢も上位艦より狭い。防空だけの順位なら、私は本級を3位以内へ置く。

第4位:インド海軍ニルギリ級/Project 17A
ニルギリ級は、インド海軍のProject 17Aステルス・フリゲートである。1番艦は2025年1月に就役した。インド海軍は、従来のシヴァリク級よりレーダー反射を抑え、超音速対艦ミサイル、中距離艦対空ミサイル、76ミリ砲、近接防御火器、最新センサーを搭載すると説明している。MH-60Rを含む複数のヘリコプターを昼夜運用できる航空設備も持つ。[^8]
本級を4位へ押し上げたのは、インド洋で必要となる長距離対艦打撃、艦隊防空、対潜ヘリ運用を一隻へまとめた総合力である。超音速対艦ミサイルは敵艦の迎撃時間を圧縮し、相手へ大きな防空負荷を与える。
それでもトップ3へ届かない。新しい艦級で運用実績が短く、対潜センサーや電子戦の細部も公開情報だけでは比較しにくい。設計の潜在力は高いが、2026年版では実績を先取りして満点にはしなかった。
第3位:ロシア海軍アドミラル・ゴルシコフ級
アドミラル・ゴルシコフ級は、対艦・対地・対潜用のUKSK VLSと、Poliment-Redut防空システムを一つの船体へ載せたロシアの主力フリゲートである。現役の初期艦はUKSK 16セルを備え、Kalibr、Oniks、Tsirkon、対潜ミサイルを任務に応じて選ぶ。後期建造艦では32セル化が進むが、2026年の現役艦と将来艦を混同してはいけない。[^9]
最大の強みは、フリゲート級の船体から長距離巡航ミサイルと極超音速対艦兵器を運用する打撃力だ。130ミリ砲、防空VLS、近接防御、対潜・対魚雷システム、ヘリも揃い、武装密度は高い。
私は3位を上限とした。公表性能は強力でも、稼働率、整備、センサーの実効性能を第三者が継続確認しにくい。初期艦16セルと後期艦32セルを足した「架空の最強仕様」で評価すれば誤る。火力はトップ級だが、情報の確度には割引が必要である。
第2位:ギリシャ海軍FDI HN/キモン級
FDI HNは、約4,600トンの船体に32発のAster 30、固定4面AESAレーダー、Exocet 8発、RAM、76ミリ砲、短魚雷、ヘリと無人航空機を詰め込んだ新世代フリゲートである。ギリシャ海軍の公式諸元では全長121.6メートル、速力27.5ノット、乗員・収容人数149人とされる。[^10]
防空だけでも有力だが、FDIの本当の強さはバランスにある。Naval Groupは、艦首ソーナーと可変深度ソーナー、対魚雷防御、固定4面AESA、32セルのSylver VLS、対艦ミサイル、ヘリ・UAV運用、デジタル戦闘システムを一体化している。[^11] 4,000トン台でこの密度を実現した設計は、もがみ型とは別方向の省スペース技術である。
1位との差は成熟度と航空運用余力だ。FDIは就役を始めたばかりで、長期展開のデータが少ない。大型のFREMMは二機運用を含む航空設備、航続力、長年の実任務で一歩先にいる。数年後、FDIが稼働率と改修余地を証明すれば、首位が入れ替わる可能性は十分ある。
第1位:FREMM/代表評価はイタリア海軍ベルガミーニ級
2026年の世界最強フリゲート1位はFREMMとした。FREMMは国ごとに仕様が異なる。イタリアのベルガミーニ級には汎用型と対潜型があり、フランスには対潜・対地重視型と防空強化型FREMM DAがある。本稿はイタリア仕様を代表に評価し、フランス型の実績も成熟度へ反映した。
イタリア海軍の公式資料では、FREMMは満載約6,900トン、全長144メートル、最大27ノット、航続距離6,000海里、乗員165~167人。16セルのAster用防空システム、127ミリ砲または76ミリ砲、TESEO対艦ミサイルとMILAS対潜ミサイル、船体・曳航ソーナー、対魚雷防御を備え、最大2機のヘリコプターを運用する。[^12] ベルガミーニ級の個艦資料ではAster 15/30、MU90、127ミリVulcano砲、7,000海里の航続距離が確認できる。[^13]
FREMMの強さは、各数字の最大値より、任務のつながりにある。曳航ソーナーで潜水艦を捉え、ヘリを先行させ、MILASやMU90で攻撃する。航空脅威にはAster、遠距離の水上目標にはTESEO、沿岸目標には長射程艦砲を使う。フランスのFREMM DA「アルザス」は、従来艦の対潜性能を残したままレーダーとAster 15/30による防空を強化した。[^14]
私なら、2026年に一隻だけを長期派遣し、潜水艦脅威、航空攻撃、船団護衛、沿岸打撃のどれが来るか分からない条件ではFREMMを選ぶ。FDIほど新しくなく、ゴルシコフ級ほど兵器名が派手でもない。それでも、複数海軍で量産され、実任務へ出続け、対潜戦を軸に防空・対艦・航空運用を崩さない。総合ランキングの首位には、その完成度が最もふさわしい。

26型フリゲートはなぜランキング外なのか
英国の26型は、設計能力だけを採点すればトップ3候補である。英海軍公式資料では排水量6,900トン、全長149メートル、航続距離7,000海里。静粛な船体、電気推進、低周波アクティブ/パッシブ曳航ソーナー、MerlinまたはWildcat対潜ヘリ、任務区画を備える。防空用Sea Ceptorは48発、別に24セルのMk41 VLSを持つ計画だ。[^15]
それでも本戦へ入れなかった。1番艦HMS Glasgowは2025年末に主発電機を初始動し、試験・コミッショニング段階へ進んだところで、英海軍もシティ級を建造中と説明している。[^16] 即応戦力と数年後の設計を同じ順位へ置けば公平性を欠く。
設計点だけなら92点相当、2026年の実働点は算定不能である。私の予想では、26型は就役後に対潜部門1位を争い、Mk41へ搭載する兵器が固まれば総合首位にも届く。反対に、建造遅延、初期不具合、弾薬統合の遅れが出れば、紙上性能と艦隊戦力の間に数年の差が残る。
もがみ型・26型・FREMMを比較
| 項目 | もがみ型 | 26型/シティ級 | FREMM/イタリア代表 |
|---|---|---|---|
| 2026年の状態 | 10番艦まで引き渡し | 建造・試験段階 | 複数海軍で運用中 |
| 排水量の目安 | 基準3,900トン | 6,900トン | 満載約6,900トン |
| 乗員 | 約90人 | 最終的に約161人[^17]、収容208人 | 約165~167人 |
| 防空 | SeaRAM+VLS | Sea Ceptor 48発+Mk41 24セル | Aster 15/30、仕様差あり |
| 対潜 | VDS・TASS、哨戒ヘリ | 静粛船体、低周波曳航ソーナー、対潜ヘリ | 船体・曳航ソーナー、MILAS、MU90、ヘリ |
| 対艦・対地 | 国産SSM、5インチ砲 | Mk41の搭載弾で拡張 | TESEO、127ミリVulcanoなど |
| 独自性 | 対機雷・無人艇・省人化 | 対潜専用艦級の静粛性と任務区画 | 高い完成度と多国運用実績 |
純粋な戦闘能力ではFREMMが上、対潜設計の潜在力では26型、省人化と対機雷を含む日常運用効率ではもがみ型が光る。三隻は同じ試験問題を解いていない。FREMMは「一隻で高強度戦へ耐える」、26型は「潜水艦を先に見つける」、もがみ型は「限られた人員で広い海域を常時回す」への回答である。
VLSセル数だけで最強を決められない理由
VLSは重要だが、セル数は弾薬庫の大きさにすぎない。長距離レーダーが目標を捕捉できず、交戦管理が追いつかず、データリンクが切れれば、発射筒が多くても有効射撃へ結びつかない。反対に、艦外センサーから質の高い目標情報を受けられる艦は、少ない弾数を効率よく使える。
さらに、同じセルへ対空、対地、対潜ミサイルを積む艦では、兵器同士が搭載枠を奪い合う。32セルを持っていても、全てを防空弾へ振れば対地攻撃が消え、巡航ミサイルを増やせば迎撃の持久力が落ちる。Sea CeptorやESSMのように複数発を収められる弾種もあり、セル数と実弾数は一致しない。
現代海戦では、撃つ前の探知と、撃った後も戦い続ける整備・補給が勝敗を分ける。ランキングでセンサー、生残性、運用成熟度へ30点を配したのはこのためだ。
ランキング外の注目艦
英国31型、米国コンステレーション級、スペインF110、ドイツF126は将来候補だが、2026年版の就役条件を満たさない。ザクセン級やフォーミダブル級は、設計世代、対潜装備、拡張余地を総合して次点とした。
同じクラスでも、レーダー更新、ミサイルの世代、VLS増設、曳航ソーナー搭載で能力差が生まれる。国別一覧や改修型は別記事へ切り分ける領域だ。
よくある質問
2026年の世界最強フリゲートはどれか
総合1位はFREMMである。対潜戦を軸に、防空、対艦・対地、ヘリ運用、長期航海、実績を高い水準でまとめている。最新センサーと32発のAster 30を持つFDI HNが僅差で続く。
もがみ型は世界で何位か
本ランキングでは9位とした。防空ミサイルの量と艦隊防空力では上位大型艦へ及ばないが、約90人の省人運用、VDS・TASS、対機雷戦用ソーナー、UUV・USV、VLSを一隻へ統合した点は独自性が高い。
26型とFREMMはどちらが強いか
2026年の実戦力なら、就役済みで運用実績があるFREMMが上である。設計上の対潜能力と将来拡張性では26型が上回る余地を持つ。26型の評価は、就役後の静粛性、Mk41搭載弾、稼働率を確認してから確定する。
フリゲートと駆逐艦の違いは何か
世界共通の厳密な線引きはない。一般には駆逐艦の方が大型で防空・指揮能力を重視するが、F100やデ・ゼーヴェン・プロヴィンシェン級のように、駆逐艦級の排水量と防空力を持ちながらフリゲートと呼ばれる艦もある。各国の分類、任務、搭載システムをまとめて見る必要がある。
最もVLSが多いフリゲートが最強なのか
一致しない。VLSの用途、レーダー、射撃管制、搭載弾、補給、対潜能力、乗員練度まで含めて初めて戦闘力になる。発射筒の多さは重要な一要素だが、総合順位を単独では決めない。
まとめ:最強とは、最も多く撃てる艦より最も長く任務を続けられる艦だ
2026年の世界最強フリゲートは、FREMMを1位、FDI HNを2位、アドミラル・ゴルシコフ級を3位とした。もがみ型は9位で、火力総量より省人化、対潜、対機雷、無人システム統合に強みがある。26型は未就役のためランキング外だが、完成後は対潜部門と総合順位の双方で首位候補になる。
最初に示した通り、フリゲートの強さはミサイル本数だけで決まらない。潜水艦を探し、航空攻撃を受け止め、敵艦へ反撃し、損傷後も帰港し、次の出動へ備える。その一連の仕事を高い確率で繰り返せる艦が本当に強い。FREMMを首位へ置いた理由も、もがみ型を順位以上に評価した理由も、最後はそこへ戻る。
参考資料
- <a href="https://eng.mod.gov.cn/xb/News_213114/TopStories/16365690.html">eng.mod.gov.cn</a>
- <a href="https://www.mod.go.jp/msdf/equipment/ships/ffm/mogami/">海上自衛隊「護衛艦『もがみ』型」</a>
- <a href="https://www.mhi.com/jp/news/26062902.html">三菱重工「防衛省向け3,900トン型護衛艦『ながら』を長崎にて引渡し」</a>
- <a href="https://www.forsvaret.dk/da/materiel2/fregatter/">デンマーク国防軍「Fregatter」</a>
- <a href="https://dapa.go.kr/dapa/na/ntt/selectNttInfo.do?bbsId=326&menuId=678&nttSn=52599">韓国防衛事業庁「K방산 기술집약체 ‘충남함’ 해군 인도」</a>
- <a href="https://armada.defensa.gob.es/ArmadaPortal/page/Portal/ArmadaEspannola/buquessuperficie/prefLang-es/04Fragatas-F100-F80">スペイン海軍「Fragatas clase Álvaro de Bazán」</a>
- <a href="https://www.damen.com/vessels/defence-and-security/custom-built-combatants/air-defence-and-command-frigates">Damen「Air Defence and Command Frigates」</a>
- <a href="https://pib.gov.in/PressReleaseIframePage.aspx?PRID=2093018">pib.gov.in</a>
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- <a href="https://hellenicnavy.gr/en/fleet/frigates/hs-kimon-f-601/">Hellenic Navy「HS KIMON (F-601)」</a>
- <a href="https://www.naval-group.com/en/actualites/fdi-jack-all-trades-master-all">naval-group.com</a>
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- <a href="https://www.royalnavy.mod.uk/equipment/ships/city-class">Royal Navy「City Class」</a>
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- <a href="https://www.royalnavy.mod.uk/organisation/units-and-squadrons/type-26/hms-glasgow">Royal Navy「HMS Glasgow」</a>
参考資料・主な出典
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海上自衛隊「護衛艦『もがみ』型」|資料を確認
三菱重工「防衛省向け3,900トン型護衛艦『ながら』を長崎にて引渡し」|資料を確認
デンマーク国防軍「Fregatter」|資料を確認
韓国防衛事業庁「K방산 기술집약체 ‘충남함’ 해군 인도」|資料を確認
スペイン海軍「Fragatas clase Álvaro de Bazán」|資料を確認
Damen「Air Defence and Command Frigates」|資料を確認
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Hellenic Navy「HS KIMON (F-601)」|資料を確認
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Marina Militare「Bergamini Carlo」|資料を確認
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Royal Navy「City Class」|資料を確認
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Royal Navy「HMS Glasgow」|資料を確認
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