幼女戦記は航空魔導師がいるのに、なぜ戦車や歩兵が必要なのか?|魔導師・航空機・砲兵・戦車・歩兵を比較──「最強の兵科が一つあれば勝てる」が成り立たない理由

幼女戦記は航空魔導師がいるのに、なぜ戦車や歩兵が必要なのか?|魔導師・航空機・砲兵・戦車・歩兵を比較──「最強の兵科が一つあれば勝てる」が成り立たない理由

1期の第二〇三航空魔導大隊を見ていると、素朴な疑問がわいてくる。空を飛び、銃弾をはじき、術式で敵の陣地を吹き飛ばす。これだけ強いなら、魔導師だけを集めて戦えばいいのではないか。わざわざ戦車や大砲や歩兵をそろえる必要があるのか。

ところが2期では、話が逆向きに進む。ターニャが率いるのは魔導師だけの大隊ではなく、戦車と砲兵と歩兵を抱えたサラマンダー戦闘団だ。帝国軍は、最強の魔導大隊に、わざわざ足の遅い陸の部隊をくっつけた。

これは作者の気まぐれではないと私は思う。軍隊の歴史は、「一つの強い兵科があれば勝てる」という期待が、何度も裏切られてきた歴史でもあるからだ。

この記事では、航空魔導師、航空機、砲兵、戦車、歩兵の五つの役割を比べて、強い兵科が一つあっても足りない理由を、史実の戦いと照らし合わせながら解説する。ネタバレは1期の内容と、2期の公式あらすじの範囲までにとどめる。

この記事のポイント
目次

結論|強い兵科が一つあっても足りない三つの理由

先に結論を書いておく。

一つめは、どの兵科にも苦手があることだ。そして戦争の相手は、こちらの苦手を必ず突いてくる。

二つめは、戦場の仕事が一種類ではないことだ。敵を見つける、遠くから叩く、守りを突き破る、土地を押さえて守る。この四つは、得意な兵科がそれぞれ違う。

三つめは、組み合わせたときにだけ生まれる強さがあることだ。兵科をうまく組み合わせると、敵はどう守っても、どこかで負ける形に追い込まれる。

この三つを確かめるために、まず五つの兵科を一つずつ見ていく。

航空魔導師とは|「空飛ぶ歩兵」の強みと限界

幼女戦記の航空魔導師は、演算宝珠という装置で魔法を操り、空を飛ぶ兵士だ。小銃を持ち、術式で弾の威力を上げたり爆発を起こしたりして戦う。身を守るための防殻や防御膜もある。帝国の魔導師が持つ小銃のモデルについては『幼女戦記の銃のモデル一覧』で整理した。

強みは、なんといっても身軽さだ。飛行機と違って空中で止まれるし、どこにでも降りられる。人間なので、自分の目で見て判断し、その場で動きを変えられる。戦線のどこかが破られそうになれば飛んでいって穴をふさぎ、敵の後ろに回り込んで指揮所を叩く。1期の第二〇三大隊は、まさにそういう「火消し」として使われていた。

面白いのは、ターニャの最初の仕事だ。1期2話で描かれる統一暦1923年、9歳のターニャは北方の部隊で砲兵の弾着観測をしている。空から敵の位置を見て、味方の大砲の弾がどこに落ちたかを知らせる役目だ。つまり魔導師は、もともと一人で戦う主役というより、砲兵の「目」でもあった。この話は後でもう一度出てくる。

一方で、弱みもはっきりしている。

  • 数が少ない。魔導師になれるのは適性を持つ一部の人間だけで、育てるのにも時間がかかる。精鋭の第二〇三大隊でさえ、4個中隊、48人ほどの規模だ
  • 持てる火力に限りがある。人が担いで飛ぶ以上、使えるのは小銃と限られた弾、そして術式だけだ。大砲が何十門もそろって撃つような量の火力は出せない
  • 疲れる。魔導師は人間で、魔力も体力も使えば減る。飛び続け、戦い続けることはできない
  • 土地を押さえ続けられない。陣地にこもって何週間も同じ場所を守るのは、空を飛ぶ兵士の得意な仕事ではない

史実でいちばん近いものを強いて探すなら、空挺部隊と攻撃ヘリコプターを足して二で割ったような存在だ。素早く駆けつけて強く叩けるが、その場所を自分たちだけで持ち続けるのは難しい。

航空機|速くて遠くまで届くが、空にとどまれない

幼女戦記の世界にも飛行機はある。1期6話では、ターニャが敵の爆撃機を追いかけて撃ち落とす場面がある。魔導師と比べるために、史実の飛行機の得意と苦手を見ておこう。

飛行機の強みは、速さと届く距離、そして積める爆弾の大きさだ。人が担げる弾とは桁が違う。第二次大戦のドイツ軍の急降下爆撃機Ju87スツーカは、地上部隊の前に立ちはだかる陣地や砲兵を空から叩く「空飛ぶ砲兵」として働いた。

弱みは、空にとどまれないことだ。燃料が尽きれば飛行場に帰らなければならないし、天気の悪い日や夜は動きにくい。速く飛ぶぶん、地上の敵と味方を見分けるのも難しい。そして敵が高射砲を並べれば、近づくだけで大きな損害が出る。

魔導師と飛行機を比べると、ちょうど性格が逆になっているのが分かる。飛行機は速くて火力が大きいが小回りが利かず、魔導師は小回りが利くが速さと火力で劣る。そして、どちらも土地を押さえることはできない。

砲兵|戦場でいちばん多くの兵を倒してきた兵科

砲兵は、地味だが恐ろしい兵科だ。第一次世界大戦では、戦場の死傷者の多くが砲弾によるものだったと言われる。何十門もの大砲が遠くから同じ場所に弾を降らせれば、どんな精鋭も頭を上げられない。

強みは、火力の量と粘り強さだ。昼も夜も、天気が多少悪くても撃ち続けられる。地上にいるので、飛行機のように燃料切れで帰る必要もない。

弱みは三つある。

まず、自分では敵がよく見えない。遠くを撃つ砲兵には、敵の位置と弾の落ちた場所を知らせる「目」が要る。ターニャが最初にやっていた観測の仕事が、まさにそれだ。

次に、弾をとにかく食う。サラマンダー戦闘団の砲兵を率いるメーベルト大尉が、補給の細い東部で弾の使い方を心配されるのはそのためだ。補給の話は『幼女戦記2期の補給不足を解説』で詳しく書いた。

最後に、近づかれると弱い。大砲は重くて動きが遅く、歩兵に守ってもらわなければ、回り込んできた敵にあっさり奪われる。

そして何より、砲兵だけでは土地は取れない。第一次大戦のフランス軍で砲兵を重んじたペタン将軍には、「砲兵が征服し、歩兵が占領する」という言葉が残っている。砲兵をいちばん信じた将軍でさえ、最後は歩兵が要ると言っているわけだ。

実際、砲撃だけで敵を片付けようとしてうまくいかなかった例がある。1916年のソンムの戦いでは、英軍が1週間にわたってドイツ軍の陣地を砲撃した。しかし深い地下壕にこもっていた守備隊の多くは生き残り、攻め上がった英軍の歩兵は機関銃に迎え撃たれた。

戦車|突破の主役だが、一両では目が見えない

戦車は、第一次大戦の塹壕戦を破るために生まれた兵器だ。機関銃と鉄条網に阻まれて歩兵が進めない戦場を、装甲で弾を防ぎながら乗り越えるために作られた。その誕生の経緯は『戦車はなぜ生まれた?』にまとめている。幼女戦記の帝国の戦車は、海外の映像作品の銃器データベース(IMFDB)で、史実のドイツのIII号戦車によく似ていると指摘されている。

強みは、装甲と速さと火力を一つの車体にまとめていることだ。敵の守りを突き破り、その裂け目を広げ、敵が反撃してくれば受け止めて押し返す。

弱みは、意外に多い。ハッチを閉めた戦車の中からは、周りがよく見えない。森や町のように見通しの悪い場所では、物陰から近づく歩兵に弱い。重い機械なので故障もするし、溝にはまって動けなくなることもある。燃料と整備も欠かせない。

1917年のカンブレーの戦いは、戦車の強さと弱さを両方見せた戦いだ。英軍は初日に約440両の戦車を投入し、場所によってはドイツ軍の陣地を8kmほど突き破った。イギリス本国では、勝利を祝って教会の鐘が鳴らされた。

ところが、初日が終わるころには約180両が動けなくなっていた。そのうち敵に壊されたのは65両ほどで、残りは故障や溝へのはまり込みだった。フレスキエールの村の近くでは、ドイツ軍の砲兵が近づいてくる戦車を次々に撃ち、英軍の前進はそこで止まった。11月30日にドイツ軍が反撃に出ると、英軍は12月上旬までに、取った土地のほとんどを手放している。

戦車は穴を開けられる。しかし、開けた穴を広げて守り、取った土地を持ち続けるには、歩兵と砲兵と予備の部隊が要る。

歩兵|遅くて脆いが、最後に土地を持てるのは歩兵だけ

最後が歩兵だ。五つの中でいちばん遅く、いちばん脆く、いちばん地味に見える。開けた場所で機関銃や砲撃を受ければ、ひとたまりもない。第一次大戦の塹壕戦が何年も動かなかったのは、歩兵が機関銃と鉄条網の前に進めなかったからだ。

木材と土嚢で補強された塹壕。地上の陣地を維持する役割が残る。
木材と土嚢で補強された塹壕。地上の陣地を維持する役割が残る。

それでも、歩兵にしかできない仕事がある。森にも町にも建物の中にも入れる。穴を掘って陣地を作り、何週間でもそこにとどまれる。建物を一つずつ確かめ、捕虜を集め、住民がいる場所を落ち着かせることもできる。そして「ここは取った」と言えるのは、その場所に立っている兵士がいるときだけだ。

2期6話の公式あらすじでは、ターニャたちはソルディム528陣地で包囲され、救援を待つことになる。陣地を守り抜く仕事は、空を飛ぶ精鋭だけでは成り立たない。壕を掘り、交代で見張り、何日も同じ場所に踏みとどまる歩兵がいてこそだ。サラマンダー戦闘団にトスパン中尉の歩兵部隊が入っている理由は、ここにある。

五つの兵科の得意と苦手を比べる

ここまでを表にまとめる。

五つの兵科が補い合う。得意な仕事と、苦手を埋める相手
いちばん強い兵科を決める比較ではなく、仕事の分担を見る。

表を眺めると、ある兵科の苦手を、別の兵科の得意が埋めているのが分かる。砲兵の「見えない」を魔導師が埋め、戦車の「視界が狭い」を歩兵が埋め、歩兵の「脆い」を戦車と砲兵が埋める。互いに相手の弱いところを支え合う形になっている。

なぜ「最強の兵科が一つ」では勝てないのか

苦手は、必ず突かれる

どれほど強い兵科でも、相手はそれに合わせて対策を作る。戦車が出てくれば対戦車砲を並べ、飛行機が来れば高射砲を並べる。第二次大戦のドイツ軍は、もともと飛行機を撃つための8.8cm高射砲を、戦車を撃つのにも使った。幼女戦記の世界でも、魔導師が強ければ、敵も魔導師を育てて迎え撃ち、空からの攻撃に備える。

逆に、ある兵科への備えがまるでない相手はもろい。1期5話のダキア大公国軍は、魔導師を持たず、空からの攻撃に対するごく基本的な備えすらない軍隊として描かれ、第二〇三大隊に一方的に叩かれた。一つの備えが欠けているだけで、軍隊はここまで弱くなる。

仕事が一種類ではない

戦場の仕事は、敵を見つける、遠くから叩く、守りを突き破る、土地を押さえて守る、の四つに分けられる。見つけるのは魔導師や偵察、叩くのは砲兵と飛行機、突き破るのは戦車、押さえるのは歩兵が得意だ。どれか一つの兵科で四つ全部をこなそうとすると、どこかで無理が出る。

組み合わせると、敵は「どう守っても負ける」

いちばん大事なのが三つめだ。米海兵隊の基本的な考え方をまとめた文書『ウォーファイティング』は、諸兵科連合をこう説明している。

「諸兵科連合とは、敵が一つに対抗しようとすると、別のものに対してより弱くなるように、兵科を完全に組み合わせることだ。我々は敵に、ただの問題ではなく、ジレンマを突きつける。どうやっても勝てない状況だ。」

具体的に考えてみる。砲撃や空からの攻撃を避けたい敵は、深い壕にこもるか、散らばって隠れるしかない。しかし壕にこもって頭を下げているあいだに、戦車と歩兵が目の前まで来てしまう。かといって、戦車を止めるために対戦車砲を一か所に集めれば、そこは砲兵と飛行機のいい的になる。どちらを選んでも、どこかで負ける。これが、兵科を組み合わせる本当の狙いだ。

1期の「回転ドア作戦」も組み合わせの作戦だった

じつは幼女戦記の1期にも、この考え方がそのまま出てくる。ライン戦線の「回転ドア作戦」だ。

1期9話と10話で描かれるこの作戦では、帝国軍がわざとライン戦線から下がり、共和国軍を引き込む。そのうえで第二〇三大隊が高速ロケットのV-1に乗って敵の司令部を襲い、指揮と通信を断ち切る。これが「衝撃と畏怖作戦」だ。そして最後に、帝国の機甲部隊と機械化歩兵が共和国軍を完全に包囲する。

魔導師の仕事は派手で、物語の見せ場でもある。しかし、敵の頭を叩いたのが魔導師なら、敵の体を包み込んで勝負を決めたのは戦車と歩兵だった。魔導師がいなければ包囲はうまくいかなかったかもしれないし、戦車と歩兵がいなければ、司令部を叩いても敵の大軍はそのまま残っていた。

2期のサラマンダー戦闘団は、この組み合わせを一つの部隊の中に収めたものと言える。戦闘団の顔ぶれと編成は『幼女戦記2期のサラマンダー戦闘団とは?』で詳しく書いた。

史実の答え合わせ①|1940年のスダン、空と歩兵と工兵と戦車のリレー

史実で組み合わせがぴたりとはまった例として有名なのが、1940年5月13日、ドイツ軍がフランスのスダン付近でムーズ川を渡った戦いだ。

スダン渡河のリレー。1940年5月13日、異なる兵科がつながる
兵科の協力を示す模式整理。詳細な時刻や部隊配置は本文で確認。

この日の午後、ドイツ空軍は急降下爆撃機と水平爆撃機で、川の向こうのフランス軍の砲兵陣地を叩き続けた。フランス軍の砲兵の中には、大砲を捨てて逃げ出した者もいたと伝えられる。午後4時ごろ、バルク中佐の率いる歩兵がゴムボートで川を渡り、対岸のトーチカを一つずつつぶしていった。夕方には工兵が舟橋を架け始め、夜のうちに橋が完成すると、戦車が次々に川を渡った。

ここで大事なのは、どれか一つが欠けても渡河は成り立たなかったことだ。戦車は川を泳げない。歩兵だけでは、対岸の砲兵に撃たれて渡りきれない。飛行機だけでは、川の向こうの土地は取れない。橋を架ける工兵がいなければ、戦車はいつまでも川のこちら側に足止めされる。

「電撃戦」というと戦車ばかりが注目されがちだが、その中身は兵科のリレーだった。私はここに、サラマンダー戦闘団の原型を見る。

史実の答え合わせ②|1973年、戦車と空軍に頼りすぎた軍隊

逆の例もある。1967年の第三次中東戦争で大勝したイスラエル軍は、その後、戦車と空軍の力に自信を深めた。米国の歴史誌ヒストリーネットの記事によれば、イスラエル軍は空軍が戦車を支えられると考え、野戦砲兵を減らしていたという。

1973年の第四次中東戦争で、その読みは外れた。スエズ運河を渡ったエジプト軍の歩兵は、対戦車ミサイルのサガーと携帯式のロケット弾RPG-7を大量に持ち、地対空ミサイルの傘の下で待ち構えていた。イスラエル空軍は地対空ミサイルに阻まれて思うように地上を支援できず、歩兵と砲兵の支えが薄い戦車部隊は、エジプト軍の歩兵に大きな損害を受けた。10月8日の反撃は連携を欠き、同じ記事は、この日だけで約180両の戦車を失ったとしている。

その後、イスラエル軍は歩兵や砲兵との連携を立て直し、最後はスエズ運河を逆に渡り返した。一つの兵科を信じすぎた軍隊が、組み合わせに戻って立ち直った戦いだった。

陸上自衛隊の「諸職種協同」

今の陸上自衛隊では、兵科のことを「職種」と呼ぶ。歩兵にあたるのが普通科、戦車は機甲科、砲兵は野戦特科、防空は高射特科、ヘリコプターは航空科、工兵は施設科だ。防衛省の説明では、普通科は地上戦闘の骨幹で、「作戦戦闘に決をつける」役割を持つとされている。最後に勝負を決めるのは歩兵だという考え方は、百年前と変わっていない。

地図と測定具が置かれた作戦机。
地図と測定具が置かれた作戦机。

そして、これらの職種を組み合わせて戦うことを、陸上自衛隊は「諸職種協同」と呼ぶ。富士総合火力演習(総火演)では、前段で火器や火砲の性能を一つずつ見せたあと、後段で複数の職種が連携する諸職種協同の戦い方を見せる。2024年度の総火演には、戦車や機動戦闘車など53両、火砲38門、航空機12機が参加した。戦車のように見えて役割の違う16式機動戦闘車も、この組み合わせの中で働く一つの駒だ。

ドローンやミサイルが戦場を大きく変えた今でも、ドローンは土地を占領できない。見つける、叩く、突き破る、押さえる。この四つの仕事を組み合わせるという基本は、ターニャの時代から変わっていない。

幼女戦記と兵科の話をもっと楽しむなら

2期はABEMAとdアニメストアが最速の配信先で、11月5日からはNetflixでの配信も始まる。配信の状況は時期によって変わるので、見る前に各サービスで確かめてほしい。サラマンダー戦闘団の戦いを、どの兵科がどの穴を埋めているかという目で見直すと、戦闘シーンの見え方がずいぶん変わる。

手を動かして兵科の違いを感じたいなら、プラモデルもいい。帝国の戦車によく似たIII号戦車は、タミヤの1/35で作れる。組み立てながら車体の小さな覗き窓を見ていると、なぜ戦車のそばに歩兵の目が要るのかが実感できる。

空から地上を支えた「空飛ぶ砲兵」なら、Ju87スツーカのキットがある。逆ガル翼の独特な形は、棚に並べるだけで絵になる。

今の陸上自衛隊の機甲科を代表するのが10式戦車だ。諸職種協同の主役の一つを、手元で眺めてみてほしい。

よくある質問

航空魔導師は戦車より強い?

単純には比べられない。魔導師は空から素早く駆けつけて叩けるが、数が少なく、持てる火力に限りがある。戦車は装甲と火力で守りを突き破れるが、空からの攻撃や歩兵の待ち伏せに弱い。得意な仕事が違うので、組み合わせて使ったときがいちばん強い。

航空魔導師に近い史実の兵科は?

そのものはいないが、空挺部隊と攻撃ヘリコプターを足したような存在だと考えると分かりやすい。素早く駆けつけて強く叩けるが、その場所を自分たちだけで持ち続けるのは難しい。

諸兵科連合とは?

歩兵、戦車、砲兵、航空などの兵科を組み合わせて戦う考え方だ。敵が一つの兵科に備えると、別の兵科に対して弱くなるように組み合わせるのが狙いで、陸上自衛隊では「諸職種協同」と呼んでいる。

なぜ帝国は魔導師だけの軍隊を作らないの?

魔導師は適性を持つ一部の人間しかなれず、数をそろえられないからだ。それに、魔導師だけでは陣地を何週間も守ったり、大量の砲弾を降らせたりすることはできない。

今の戦争でも歩兵は必要?

必要だ。ドローンやミサイルがどれほど進んでも、土地を押さえて守り、建物や町を一つずつ確かめられるのは、その場所に立つ兵士だけだ。

まとめ|強さは足し算ではなく、組み合わせで決まる

航空魔導師は強い。しかし数が少なく、持てる火力に限りがあり、土地を押さえ続けることはできない。航空機、砲兵、戦車、歩兵も同じで、どの兵科にも得意と苦手がある。

だから軍隊は兵科を組み合わせる。組み合わせれば、ある兵科の苦手を別の兵科が埋め、敵には「どう守っても負ける」形を押しつけられる。1期の回転ドア作戦も、史実の1940年のスダン渡河も、そうやって勝った。反対に、1973年のイスラエル軍は戦車と空軍に頼りすぎて、手痛い代償を払った。

最強の魔導大隊に足の遅い陸の部隊をくっつけたサラマンダー戦闘団は、帝国軍がこの教訓をよく知っていたことの表れでもある。

次は見た目の話に移って、帝国軍の軍服や軍帽、徽章が何をモデルにしているのかを比べてみる。

最後まで読んでくれてありがとう。長い記事を書くときのお供は、だいたいこれだ。

出典・参考資料

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この記事を書いた人

軍研ノート編集部のアバター 軍研ノート編集部 自衛隊・兵器 / 戦史 / サバゲー

自衛隊で6年間勤務した編集長を中心に、自衛隊時代の仲間やサバゲーを通じた知人と記事を制作。経験と公開資料をもとに、装備の仕組みや歴史、その背景にある人々の工夫を掘り下げています。「かっこいい」から、その先の理解へ。編集長のプロフィール → 運営・編集方針

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