
アメリカの軍事力は国防予算だけで成り立つのではない。戦闘機、ミサイル、原子力潜水艦、人工衛星、戦術通信、サイバー防御を分業する企業群が、米軍の装備体系を形づくっている。
本記事では、防衛関連売上を基準に、各社の最新通期売上、主力装備、得意分野を比較する。首位はF-35やPAC-3 MSEを抱えるロッキード・マーチンだが、企業規模ではRTXやボーイング、艦艇ではジェネラル・ダイナミクスとHII、デジタル戦ではレイドスやブーズ・アレンも欠かせない。
- 防衛関連売上の首位はロッキード・マーチン
- 全社売上と防衛売上は分けて比較する
- 完成兵器だけでなくIT・AI・整備企業も上位に入る
- 売上順位と軍事的な代替困難性は一致しない
アメリカの防衛産業は、巨大な一枚岩ではない。F-35の翼、バージニア級の耐圧殻、AMRAAMのシーカー、戦場クラウドのコードが、別々の企業の決算書の上で一つの軍事力になる。本記事を貫くテーマは、この分業構造こそがアメリカ軍事企業の本当の強さだという点にある。
2026年版ランキングの基準
- 2024年の防衛関連売上を基準
- 直近通期の企業決算を補足
- 民間部門を含む全社売上とは区別
- 企業提出値と推計値が混在
ランキングはDefense News「Top 100 for 2025」が公表した2024年の防衛関連売上を基準に、米国企業だけを抽出した。2026年7月時点では、企業間で同じ定義を使って比較できる防衛売上として、このデータが最新の体系的ランキングである。各社の近況については、2025年通期または直近会計年度の公式決算も併記した。
防衛関連売上と企業全体の売上は同じではない。ロッキード・マーチンやHIIは防衛専業に近いが、RTXには民間航空機器、ボーイングには民間機、ジェネラル・ダイナミクスにはGulfstreamが含まれる。本ランキングは企業規模ではなく、軍事・防衛市場で稼いだ金額を優先した。
また、Defense Newsの数値には企業提出値だけでなく、公開資料を基にした推計も含まれる。SIPRIの最新集計でも、2024年に世界上位100社の兵器・軍事サービス売上は6790億ドルへ増加し、米国企業39社の合計は3340億ドルに達した。米国勢だけで世界上位100社の約半分を占める計算であり、ランキング上位に米国企業が集中するのは偶然ではない。

アメリカ軍事企業ランキングTOP10
- 完成装備の大手5社
- ミサイル・通信・推進の供給企業
- AI・軍事IT企業
- 維持・訓練・施設運用企業
| 米国順位 | 企業 | 防衛関連売上 | 防衛売上比率 | 主力装備・分野 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ロッキード・マーチン | 683.9億ドル | 96% | F-35、F-16、C-130J、PAC-3 MSE、THAAD、イージス、HIMARS |
| 2位 | RTX | 435.0億ドル | 54% | Patriot関連、AMRAAM、AIM-9X、Tomahawk、SM-3/SM-6、F135エンジン |
| 3位 | ノースロップ・グラマン | 366.0億ドル | 89% | B-21、Sentinel ICBM、E-2D、MQ-4C、宇宙・ミサイル警戒 |
| 4位 | ジェネラル・ダイナミクス | 365.0億ドル | 76% | バージニア級・コロンビア級、M1 Abrams、Stryker、C4I |
| 5位 | ボーイング | 317.5億ドル | 48% | F-15EX、F/A-18E/F、EA-18G、KC-46A、T-7A、AH-64、CH-47 |
| 6位 | L3ハリス・テクノロジーズ | 169.8億ドル | 80% | 戦術無線、電子戦、ISRセンサー、衛星、ロケット・ミサイル推進 |
| 7位 | レイドス | 115.6億ドル | 69% | 統合防空、軍事IT、AI、サイバー、Enduring Shield |
| 8位 | HII | 115.3億ドル | 100% | 原子力空母、原子力潜水艦、駆逐艦、強襲揚陸艦、REMUS UUV |
| 9位 | アメンタム | 84.9億ドル | 61% | 装備維持、試験・訓練、情報分析、宇宙・核関連施設支援 |
| 10位 | ブーズ・アレン・ハミルトン | 78.1億ドル | 65% | 防衛AI、サイバー、データ基盤、C2、戦場向けソフトウェア |
数値はDefense Newsが集計した2024年の総売上、防衛関連売上、防衛売上比率を基にしている。
上位10社の防衛関連売上は合計約2731億ドルになる。前半は完成兵器のプライム企業、後半はIT、情報、技術支援企業が並び、現代の軍事産業が兵器製造だけではないことが分かる。
1位 ロッキード・マーチン|F-35を軸に空・陸・海・宇宙を押さえる
- F-35を軸に複数領域へ展開
- 同盟国輸出による長期需要
- 巨大プログラムへの集中
- 改修遅延と契約損失に注意
ロッキード・マーチンは、防衛関連売上683.9億ドルで米国首位となった。2025年の全社売上は約750億ドル、年末受注残は約1936億ドルであり、売上の大部分を防衛・宇宙分野が占める。企業全体が米国と同盟国の装備調達に直結しているため、「軍事企業らしさ」という意味では最も純度が高い大手である。
主力はF-35 Lightning IIだが、同社を単なる戦闘機メーカーと見るのは狭すぎる。F-16、C-130J、CH-53K、HIMARS、JASSM、LRASM、PAC-3 MSE、THAAD、イージス戦闘システム、Trident II D5など、航空・陸上火力・ミサイル防衛・海上戦闘・核抑止を横断する。F-35のような巨大プログラムを中心に据えながら、迎撃ミサイルや長射程打撃兵器の増産でも伸びる構造だ。
私がロッキードを重く見る理由は、複数領域で補完でき、同盟国への輸出を通じて米軍規格を国際標準へ変える力を持つからだ。一方、F-35の改修遅延や契約損失は、巨大プログラムが集中リスクでもあることを示す。
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2位 RTX|ミサイルとレーダー、航空エンジンを束ねる複合大手
- 防空・空対空・巡航ミサイル
- F135戦闘機エンジン
- 通信・航法・アビオニクス
- 民間航空の影響も受ける
RTXの防衛関連売上は435.0億ドルで2位である。2025年の調整後売上は約886億ドルとロッキードを上回り、売上構成は民間48%、防衛52%だった。防衛専業ではないが、Raytheon、Pratt & Whitney、Collins Aerospaceを抱えるため、ミサイルから戦闘機エンジン、電子機器まで供給範囲が極めて広い。
Raytheon部門の代表製品は、Patriot防空システム関連、AMRAAM中距離空対空ミサイル、AIM-9X、Tomahawk巡航ミサイル、SM-3、SM-6、NASAMS向け装備などである。Pratt & WhitneyはF-35全型に搭載されるF135エンジンを供給し、Collins Aerospaceは通信、航法、センサー、アビオニクスを担う。目立つ機体の最終組立をしなくても、多数の航空機とミサイルの内部にRTX製品が入っている。
2025年末の受注残は約2680億ドルで、防衛分野は約1070億ドルだった。私はRTXを「武器庫の中身を作る企業」と捉える。弾薬補充、防空網増設、エンジン維持が長期需要を生む一方、民間航空やエンジン問題の影響も受ける。
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3位 ノースロップ・グラマン|B-21と核抑止、宇宙を握る戦略兵器企業
- B-21長距離打撃
- Sentinel核抑止
- 宇宙配備センサー
- 高難度開発のコストリスク
ノースロップ・グラマンは防衛関連売上366.0億ドルで3位に入った。2025年の全社売上は約420億ドル、受注残は過去最高の約957億ドルである。防衛売上比率は89%と高く、有人機の大量輸出よりも、米国の戦略抑止、長距離打撃、宇宙、情報・監視・偵察に深く食い込む。
象徴は次世代ステルス爆撃機B-21 Raiderである。加えて、Minuteman IIIを置き換えるLGM-35A Sentinel大陸間弾道ミサイル、E-2D Advanced Hawkeye早期警戒機、MQ-4C Triton無人偵察機、F-35の機体構造やセンサー関連、ミサイル警戒衛星、固体ロケットモーターなどを担う。米国の核三本柱と宇宙配備センサーに関わるため、公開売上以上に国家戦略との結びつきが強い。
Sentinelではコスト増大と計画見直しが課題になった。戦略兵器は代替企業が少ない半面、技術難度と契約損失も桁違いになる。ノースロップは将来装備を作る企業であると同時に、その開発リスクを背負う企業だ。
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4位 ジェネラル・ダイナミクス|原潜・戦車・軍事ITを持つ陸海の巨人
ジェネラル・ダイナミクスの防衛関連売上は365.0億ドルで、ノースロップとの差はわずか1億ドルだった。2025年の全社売上は約526億ドル、受注残は約1180億ドルに達した。同社は防衛企業である一方、Gulfstreamのビジネスジェット事業も持つため、防衛比率は76%にとどまる。
最大の強みは海中戦力である。Electric Boatはバージニア級攻撃型原子力潜水艦の主契約企業・設計主導企業であり、将来の核抑止を担うコロンビア級弾道ミサイル原潜も建造する。陸上分野ではM1 Abrams戦車、Stryker装甲車、各種弾薬・機関砲を持ち、GDITは軍や情報機関向けのクラウド、通信、サイバー、システム統合を提供する。
原潜建造には造船所、原子力技術、熟練工が必要で、Electric Boatの参入障壁は極めて高い。ただし人手不足や部材遅延は成長制約になる。受注量より、予定通り建造できる能力が重要だ。
5位 ボーイング|民間機大手であり米軍航空戦力の柱
ボーイングの防衛関連売上は317.5億ドルで5位である。2025年の全社売上は約895億ドルだが、Defense, Space & Security部門の売上は約272億ドルだった。民間航空機の売上が大きいため、防衛比率は48%にとどまり、純粋な防衛企業ランキングと全社売上ランキングで見え方が大きく変わる会社である。
主力装備はF-15EX、F/A-18E/F Super Hornet、EA-18G Growler、KC-46A空中給油機、T-7A練習機、P-8A哨戒機、AH-64E Apache、CH-47 Chinook、各種衛星・宇宙機である。固定翼機、回転翼機、給油機、哨戒機、宇宙を一社で扱う航空総合力は依然として大きい。
KC-46AやT-7Aでは遅延と損失が重なった。私はボーイングを、技術基盤は強いが契約管理と量産立ち上げで評価が割れる企業だと見る。装備性能と契約採算は分けて考える必要がある。
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6位 L3ハリス・テクノロジーズ|通信・電子戦・推進で大手5社に食い込む
L3ハリスの防衛関連売上は169.8億ドルで6位である。2025年の全社売上は約219億ドル、受注残は約387億ドルだった。ロッキード、RTX、ノースロップ、ジェネラル・ダイナミクス、ボーイングの「5大プライム」に続く第6の大手として、電子機器とミサイル推進を軸に存在感を高めている。
同社の強みは、AN/PRC系列の戦術無線、Link 16関連機器、WESCAM光学・赤外線センサー、衛星搭載機器、電子戦装置、ISR航空機改修、VAMPIRE対ドローンシステムなどにある。さらにAerojet Rocketdyneの買収によって、PAC-3 MSE、THAAD、Sentinel、極超音速兵器などへ使われる固体ロケットモーターや推進系まで取り込んだ。
通信、センサー、推進、電子戦という「無ければ装備が動かない部分」を押さえる。複数プログラムへ参加できる反面、買収後の統合と負債管理が評価点になる。
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7位 レイドス|兵器よりも統合・AI・軍事ITで稼ぐ
レイドスの防衛関連売上は115.6億ドルで7位である。2025年度の全社売上は約171.7億ドルだった。戦闘機や戦車の完成品メーカーではなく、米国防総省、情報機関、国土安全保障省、NASAなどに、デジタル近代化、AI、サイバー、任務ソフトウェア、システム統合、試験・運用支援を提供する。
子会社Dyneticsは米陸軍のEnduring Shield発射システムを手掛ける。レイドスの価値は、ハードウェアとセンサー情報、指揮統制、ネットワークを結ぶ点にある。データ連接が遅ければ、優れたミサイルも効果を発揮できない。
レイドスが上位に入る事実は、軍事企業の定義が変わったことを示す。工場で兵器を大量生産する会社だけでなく、既存装備を一つの作戦体系へ統合する会社も100億ドル規模の防衛売上を作る時代になったのである。
8位 HII|米海軍の原子力空母を建造できる唯一の企業
- 原子力空母を建造できる唯一の企業
- 原潜建造をGDと分担
- 駆逐艦・揚陸艦も担当
- 設備・熟練工が生産制約
HIIの防衛関連売上は115.3億ドルで8位となった。Defense Newsでは防衛売上比率100%とされ、2025年の全社売上は約125億ドルだった。レイドスより全社規模は小さいが、米海軍の艦隊建設における代替不可能性では上位企業に劣らない。
Newport News Shipbuildingは、米国で原子力空母を建造できる唯一の造船所であり、ジェラルド・R・フォード級の建造とニミッツ級の整備・核燃料交換を担う。さらにジェネラル・ダイナミクスと分担してバージニア級、コロンビア級原潜を建造する。Ingalls ShipbuildingはArleigh Burke級駆逐艦、America級強襲揚陸艦、San Antonio級ドック型輸送揚陸艦などを手掛ける。
Mission TechnologiesではC6ISR、電子戦、訓練、サイバー、自律無人システムへ拡大し、REMUS無人潜水機も展開する。HIIは重工業と防衛テックを併せ持つが、造船は設備と熟練工への依存が大きい。
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9位 アメンタム|装備を作らず任務を成立させる巨大サービス企業
アメンタムの防衛関連売上は84.9億ドルで9位である。2025年度の全社売上は約144億ドル、受注残は約470億ドルだった。複数の政府サービス事業を統合して成長した企業であり、同じ社名・事業構成での長期比較には注意が必要である。
同社は兵器の完成品より、システム工学、試験評価、整備、訓練、物流、情報分析、サイバー、基地・施設運用を提供する。核兵器関連施設の安全・運用支援、宇宙ミッションの地上設備、航空機の維持、特殊任務の技術支援など、軍と政府機関が日常的に任務を続けるための裏方を広く担う。
装備には導入後の維持・訓練・改修費が掛かる。アメンタムは、そのライフサイクル支出を事業に変える企業であり、有名兵器を持たないから重要度が低いわけではない。
10位 ブーズ・アレン・ハミルトン|AIとサイバーを戦闘力へ変える
ブーズ・アレン・ハミルトンの防衛関連売上は78.1億ドルで10位である。2026会計年度の売上は約112億ドルだった。同社は伝統的なコンサルティング企業の印象が強いが、現在は米国の防衛、情報、民生政府向けにAI、サイバー、クラウド、データ基盤、戦術ソフトウェアを提供する先端技術企業としての色を強めている。
代表分野はAI意思決定支援、サイバー、戦場エッジのクラウド、指揮統制、地理空間情報、電子戦、無人機対処である。センサー情報を部隊へ配り、判断時間を短縮すること自体が戦闘力になる。
私には、ブーズ・アレンの10位入りがこのランキングで最も象徴的に見える。20世紀の軍需企業は鋼鉄と火薬を売った。21世紀の軍事企業は、鋼鉄と火薬をどこへ向けるかを決めるデータとコードも売っている。
売上だけでは分からない4種類の軍事企業
- プラットフォーム
- 部品・センサー・推進
- AI・クラウド・C4ISR
- 整備・訓練・物流
アメリカ軍事企業TOP10は、次の4群に分けると理解しやすい。
第一は、完成装備をまとめるプラットフォーム・プライムで、ロッキード、ノースロップ、ジェネラル・ダイナミクス、ボーイング、HIIが該当する。第二は、ミサイル、センサー、通信、推進を供給するRTXとL3ハリスである。
第三は、AI、クラウド、サイバー、C4ISRを担うレイドスとブーズ・アレン。第四は、整備、訓練、試験、施設、物流で装備を使える状態に保つアメンタムである。購入後の維持費まで含めて軍事市場だと分かる。
なぜアメリカ軍事企業は世界を支配できるのか
- 巨大な国内需要
- 数十年続く国家プログラム
- 企業間の深い分業
- 輸出後も続く維持・更新需要
最大の理由は、米国防市場そのものが巨大であることだ。SIPRIによれば、世界上位100社に入った米国企業39社の2024年兵器・軍事サービス売上は合計3340億ドルだった。国内需要だけで研究開発、量産、維持改修の基盤を作り、その装備を同盟国へ輸出できる。
第二に、F-35、Virginia級、B-21、Patriotのような事業は、開発から維持まで数十年続く。受注残が年間売上の数倍に達する企業が多いのはこのためだ。
第三に、企業間の分業が深い。F-35はロッキードの製品だが、エンジンはRTX、機体部品やセンサーにはノースロップやL3ハリスなど多数の企業が関わる。Virginia級もジェネラル・ダイナミクスとHIIが共同建造する。一社が独占するのではなく、複数の大手が同じ国家プログラムへ参加し、技術と生産能力を維持している。
第四に、F-35やPatriotなどの輸出は、訓練、部品、ソフトウェア更新、弾薬補充まで長期関係を生む。輸出は単発販売ではなく、運用体系の共有である。
ただし、この強さには弱点もある。大手への集中、熟練工不足、造船・弾薬生産能力の不足、重要鉱物と電子部品の供給制約、固定価格契約の損失、開発遅延は深刻だ。SIPRIもF-35、Columbia級、Sentinelなどの遅延とコスト超過を指摘している。巨大な受注残は将来売上の源泉だが、納期通りに作れなければ負債に近い。

投資目線では防衛売上比率と契約構造を見る
- 防衛売上比率
- 受注残の契約方式
- 固定価格契約の損失
- 量産能力と人材制約
投資対象として見るなら、防衛売上比率と契約構造が重要だ。ロッキードやHIIは国防予算の影響が強く、RTXとボーイングは民間航空、ジェネラル・ダイナミクスはGulfstreamにも左右される。受注残が大きくても、固定価格契約では材料費や人件費の増加を企業が負担し、損失になる場合がある。
製造業とサービス企業でも利益構造は違う。空母・原潜・航空機は設備と在庫が重く、ソフトウェアや技術支援は人材と契約更新への依存が強い。私は売上順位より、どの予算項目から、どの契約方式で、何年収益が続くかを見る方が実態に近いと考える。
個別銘柄の購入判断は、金利、株価水準、配当、負債、契約損失、規制、輸出承認も含めて行う必要がある。本記事のランキングは企業構造を理解するためのものであり、特定株式の売買を推奨するものではない。
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SpaceX・Palantir・Andurilが上位10社に入らない理由
SpaceX、Palantir、Anduril、Kratosは注目度の割に上位10社へ入らない。Defense NewsはSpaceXの2024年防衛売上を約40億ドルと推計しており、伝統的大手にはまだ届かない。Palantirは民間事業もあり防衛売上の切り分けが難しく、Andurilは売上規模より成長率と迅速調達への影響で注目される。
大手10社が既存の兵器体系と量産・維持を支え、新興企業がAI、自律化、低コスト無人機、迅速開発で揺さぶる。今後のアメリカ防衛産業は、大手が新興企業を買収するだけでなく、提携や競争を通じて開発速度を上げられるかが焦点になる。
よくある質問
アメリカ最大の軍事企業はどこか
防衛関連売上ではロッキード・マーチンが最大で、2024年は683.9億ドルだった。ただし全社売上ではRTXやボーイングが上回る場合がある。
世界最大の軍事企業もロッキード・マーチンか
Defense NewsとSIPRIの最新集計ではロッキード・マーチンが世界首位である。F-35だけでなく、ミサイル防衛、長射程打撃、宇宙、海上戦闘も持つ。
レイセオンとRTXは同じ会社か
親会社名はRTXで、Raytheonは防衛事業部門である。ほかにPratt & WhitneyとCollins Aerospaceを持つ。
アメリカで唯一の空母メーカーはどこか
HIIのNewport News Shipbuildingで、Ford級建造とNimitz級の大規模整備を担う。
軍事企業は兵器メーカーだけを指すのか
兵器メーカーだけではない。軍事IT、AI、サイバー、整備、訓練、物流を提供する企業も上位へ入る。
まとめ|米国防衛産業の強さは分業された企業群にある
アメリカ軍事企業ランキングの1位はロッキード・マーチン、2位はRTX、3位はノースロップ・グラマンとなった。上位5社は戦闘機、ミサイル、原潜、爆撃機、戦車を支配し、L3ハリスは通信・電子戦・推進、レイドスとブーズ・アレンはAI・軍事IT、アメンタムは維持運用、HIIは海軍造船で代替困難な地位を持つ。
売上ランキングは規模を示すが、軍事的な重要度を完全には示さない。原子力空母を唯一建造できるHII、核抑止を支えるノースロップ、戦場データを統合するレイドスは、それぞれ異なる形で不可欠である。
結局、アメリカ防衛産業の本質は一社の圧倒的強さではない。完成装備、ミサイル、エンジン、センサー、造船、宇宙、AI、整備を別々の企業が担当し、それらを米国防総省の長期プログラムが束ねる。最初に述べた通り、この分業構造こそが、アメリカ軍事企業を世界最大の産業群にしている。
この論点を広く比較するなら、「【2025年最新版】世界の軍事・防衛産業企業ランキングTOP30|投資家必見!6790億ドル市場を制する巨人たちの全貌」もあわせて確認したい。
主要参照資料
SIPRI Top 100 arms-producing companies
Lockheed Martin annual reports
Northrop Grumman financial reports
General Dynamics annual reports
参考資料・主な出典
Defense News Top 100|資料を確認
SIPRI Top 100 arms-producing companies|資料を確認
Lockheed Martin annual reports|資料を確認
RTX annual reports|資料を確認
Northrop Grumman financial reports|資料を確認
General Dynamics annual reports|資料を確認
Boeing annual reports|資料を確認
L3Harris annual reports|資料を確認
Leidos financial information|資料を確認
HII financial information|資料を確認
Amentum financial information|資料を確認
Booz Allen financial results|資料を確認
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