2025年12月、外務省が30年前の外交記録を公開した。
1994年、北朝鮮の核開発をめぐって朝鮮半島の緊張が一気に高まったときの記録だ。アメリカは海上封鎖や限定的な武力行使まで検討し、日本に二つのことを求めていた。自衛隊を機雷の掃海作戦に参加させること。そして米軍に日本の民間空港と港湾を使わせることだ。
当時の細川首相の答えは「法の範囲内で」。言い換えると、ほとんど何もできない、ということだった。日本には、隣の半島で戦争が起きたときに何をするかを決めた法律が、そもそもなかったのだ。
10月に発売されたゲーム『Call of Duty: Modern Warfare 4』は、北朝鮮の全面侵攻で始まる朝鮮半島の戦争を描いている。ただ、物語に日本はほとんど出てこない。でも現実はまったく逆で、朝鮮半島で戦争が起きれば、日本は否応なく当事者になる。そして1994年のあの「何もできなかった」経験から、日本の安全保障の法律は30年かけて作り直されてきた。
この記事では、朝鮮半島有事のとき日本で何が起きるのかを、法律・基地・自衛隊・邦人退避・暮らし・お金の順に整理する。先に私の結論を言っておくと、朝鮮半島有事の日本は「前線」ではない。戦場の真後ろにある倉庫であり、滑走路であり、病院だ。そしてそうであるがゆえに、狙われる場所にもなる。
30秒でわかる「朝鮮半島有事と日本」
- 日本には、朝鮮戦争のときに作られた国連軍の後方司令部(横田)と、国連軍が使える基地が7か所ある
- 在日米軍は、日本の基地から朝鮮半島へ出撃することになる。その扱いをめぐっては、1960年に結ばれた「密約」の存在が2010年に確認されている
- 自衛隊がどこまで動けるかは、政府が事態をどう認定するかで変わる。米軍などへの後方支援や、日本を直接守る活動がある
- 北朝鮮は日本のほぼ全域を射程に入れる弾道ミサイルを持つとみられ、在日米軍基地は攻撃目標になりうる
- 韓国には2025年10月時点で4万4,471人の日本人が暮らしている。この人たちをどう連れ帰るかが、最も難しい課題の一つだ
結論:日本は「前線」ではなく「後方の心臓」
台湾有事と朝鮮半島有事は、日本にとって性格がかなり違う。
台湾有事では、与那国島や石垣島など、日本の領土そのものが戦場のすぐそばにある。南西諸島の防衛が直接の課題になる。そのあたりは台湾有事の記事でまとめた。
朝鮮半島有事では、地上戦の舞台はまず半島の上だ。日本の役割は、そこで戦う米軍と韓国軍を後ろから支えることになる。兵站、補給、修理、負傷者の治療、そして航空機と艦艇の出撃拠点。日本の役割を一言で言えば、戦場の後ろの台所であり、倉庫であり、救急病院だ。
ただし、後方だから安全というわけではない。むしろ逆だ。後方の拠点が止まれば前線は干上がる。だから敵は後方を叩きたくなる。北朝鮮は過去に、在日米軍の基地を名指しで攻撃対象に挙げたこともある。
朝鮮半島有事の日本は、「直接は戦わないが、真っ先に狙われるかもしれない国」なのだ。
自衛隊の活動を左右する3つの事態区分
まず、日本の法律の上で何ができるのかを整理する。ここがわかると、ニュースの見え方がだいぶ変わる。

自衛隊がどこまで動けるかは、政府が事態をどう「認定」するかで決まる。大きく分けると、次の3つの事態区分がある。順番に移る段階ではなく、それぞれの法律の要件に基づいて認定される。
| 事態区分 | どんな状況か | 自衛隊にできること |
|---|---|---|
| 重要影響事態 | 放っておくと日本の平和と安全に重大な影響が出る事態 | 米軍などへの補給・輸送・修理、捜索救助、船舶の検査など。戦闘そのものには加わらない |
| 存立危機事態 | 日本と密接な関係にある国が攻撃され、日本の存立が脅かされる明白な危険がある事態 | 限定的な集団的自衛権の行使。武力の行使もありうる |
| 武力攻撃事態 | 日本そのものが攻撃された、または攻撃が差し迫っている事態 | 防衛出動。日本を守るための武力の行使 |
朝鮮半島で戦争が始まった場合、最初に議論になるのはおそらく重要影響事態だ。たとえば米軍の艦艇に燃料を補給する、米軍の物資を運ぶ、といった後方支援がこれに当たる。2015年の平和安全法制で、弾薬の提供や、発進準備中の航空機への給油もできるようになった。1994年にアメリカから求められて何も答えられなかったことの多くが、いまは法律の上では可能になっている。
もし北朝鮮が、日本の防衛のために動いている米艦艇を攻撃したら、存立危機事態の認定が議論になるだろう。そして日本の基地や都市にミサイルが落ちれば、武力攻撃事態だ。
ここで大事なのは、どの事態になっても、自衛隊が朝鮮半島の陸上に入って戦うことは基本的に想定されていない、という点だ。日本の役割はあくまで、日本の防衛と、米軍への支援が中心になる。
自衛隊の陸海空を一つに指揮する統合作戦司令部が2025年に生まれたのも、こうした事態への備えと無関係ではない。詳しくは統合作戦司令部の記事で書いた。
在日米軍基地:朝鮮戦争はまだ終わっていない

横田にある国連軍の後方司令部
あまり知られていないが、日本には今も「国連軍」の司令部がある。
1950年6月25日に朝鮮戦争が始まると、国連安全保障理事会の決議にもとづいて国連軍がつくられ、その司令部は東京に置かれた。1953年に休戦協定が結ばれたあと、1957年に司令部はソウルへ移り、日本には後方司令部が残った。後方司令部は最初キャンプ座間にあり、2007年11月に横田飛行場へ移っている。いまは在韓米軍の司令官が国連軍の司令官を兼ねている。
日本と国連軍の関係は、1954年に結ばれた国連軍地位協定で決まっていて、日本を含む12か国が加わっている。国連軍が使える在日米軍の施設は次の7か所だ。
- キャンプ座間(神奈川)
- 横須賀海軍施設(神奈川)
- 佐世保海軍施設(長崎)
- 横田飛行場(東京)
- 嘉手納飛行場(沖縄)
- 普天間飛行場(沖縄)
- ホワイトビーチ地区(沖縄)
朝鮮戦争は休戦しているだけで、法的にはまだ終わっていない。だからこの仕組みも70年以上、生き続けている。もし半島で戦闘が再開すれば、この7か所は国連軍の兵站と出撃の拠点になる。
在日米軍の基地の全体像は在日米軍基地一覧に、基地をめぐる日米のルールは日米地位協定の記事にまとめてある。
「事前協議」と1960年の密約
ここからが、ちょっと生々しい話だ。
1960年の日米安保条約の改定で、在日米軍が日本の基地から戦闘作戦行動に出るときは、日本政府と「事前協議」をすることになった。日本の基地が、日本の知らないうちに他国との戦争に使われないようにするための仕組みだ。
ところが同じ1960年の1月6日、当時の藤山愛一郎外相とマッカーサー駐日大使のあいだで、こんなやりとりが記録されていた。朝鮮半島で休戦協定を破る攻撃があり、在韓の国連軍が反撃しなければならない緊急事態では、在日米軍は日本の施設を使って直ちに戦闘作戦行動をとることができる、というものだ。いわゆる「朝鮮議事録」である。
つまり、朝鮮半島有事については、事前協議を飛ばして日本から出撃できる、という取り決めが裏であったわけだ。
この文書は2010年、外務省の有識者委員会の調査で「狭義の密約」と認定された。委員会は、議事録は事実上失効したと見てよい、という見方を示している。ただ同時に、1974年の米国務省の当局者のメモには、議事録を「未解決のまま」にし、正式に消滅させることはしない、と書かれていた。
私はこの話に、朝鮮半島有事に対する日米の本音が凝縮されていると思う。アメリカにとって、在日米軍基地は朝鮮半島を守るための後方基地として最初から組み込まれていた。そして日本は、それを表では認めず、裏では認めていた。いま日本政府がこの点をどう扱うかは、有事になれば必ず問われることになる。
自衛隊は具体的に何をするのか
ミサイル防衛:最初に忙しくなるのは海と空
朝鮮半島有事で、日本にとって最初の直接の脅威になるのは弾道ミサイルだ。
北朝鮮は、日本のほぼ全域を射程に入れる弾道ミサイルを数百発規模で持つとみられている。開戦と同時に、在日米軍の基地や日本の都市に撃ち込んでくる可能性は否定できない。
これに対する日本の盾は二段構えだ。まず日本海に展開するイージス艦がSM-3ミサイルで大気圏の外で迎え撃ち、撃ち漏らしたものを地上のPAC-3が落とす。日本のミサイル防衛の全体像は日本のミサイル全種類の記事で解説している。
技術ファンとして一つ付け加えると、迎撃ミサイルは一発ずつ数に限りがある。北朝鮮がたくさんのミサイルを同時に撃ってきたら、全部は止められないかもしれない。だから日本は2022年の安保3文書で、相手のミサイル基地などを叩く「反撃能力」を持つことを決めた。朝鮮半島有事は、この反撃能力が現実の問題になりうる場面でもある。ただ、どこまで使うのかは、政治の判断として非常に重いものになるだろう。安保3文書の中身はこちらの記事で整理している。
後方支援と船舶検査
重要影響事態が認定されれば、自衛隊は米軍への後方支援に動く。燃料や物資の補給、輸送、装備の修理、負傷者の捜索や救助などだ。
もう一つありうるのが、北朝鮮に向かう船の検査だ。制裁や戦争の拡大を防ぐために、武器などを積んだ船を止めて調べる活動で、日本には船舶検査活動法という法律がある。
機雷の掃海:76年前と同じ仕事
大日本帝国ファンとして、どうしてもここは触れておきたい。
1994年にアメリカが日本に求めた支援の一つは、機雷の掃海だった。そして実は、日本はこの仕事を一度、朝鮮半島でやっている。
1950年の朝鮮戦争で、国連軍の上陸作戦を助けるために、旧日本海軍の掃海技術を受け継いだ海上保安庁の掃海部隊が、密かに朝鮮半島の沿岸に派遣された。このとき殉職者も出ている。戦後の日本が「戦争」に関わった最初の一歩だった。
帝国海軍の掃海の技術は、海上保安庁を経て、いまの海上自衛隊に受け継がれ、海自の掃海部隊は世界でもトップクラスの腕を持つと言われる。朝鮮半島有事でもし掃海が必要になれば、76年前と同じ海で、同じ仕事をすることになるかもしれない。
一番難しい問題:韓国にいる4万4,000人の日本人
ここからが、私が朝鮮半島有事で一番難しいと思っている問題だ。
外務省の調査によると、2025年10月1日時点で韓国に暮らす日本人は4万4,471人。そのうち長く滞在している人が2万7,242人、永住者が1万7,229人だ。国別では世界で9番目に多い。ここに旅行者や出張者が加わるので、実際に韓国にいる日本人はさらに多い。
有事になったら、この人たちをどうやって日本に連れ帰るのか。
自衛隊は、韓国の同意なしには入れない
日本の法律では、自衛隊が外国で日本人を保護したり輸送したりするには、その国の同意が必要だ。韓国で自衛隊が動くには、韓国政府の同意がいる。
そして韓国では、歴史的な経緯から、自衛隊が韓国の地に入ることへの抵抗感が根強い。日本が朝鮮半島を植民地にしていた時代の記憶があるからだ。戦争の真っ最中に、韓国政府が自衛隊の受け入れにすぐ同意するかどうかは、まったくわからない。
現実的には、民間の飛行機や船、米軍の輸送機、そして韓国の協力を組み合わせて、少しずつ日本人を移すことになるだろう。釜山から九州までは海を渡ればすぐだ。対馬からは晴れた日に釜山が見える。この近さは、退避の道にもなるし、避難民が押し寄せる道にもなる。
中東で見えた「日韓で助け合う」形
希望が持てる話もある。
日本と韓国は2024年、第三国で有事が起きたときに互いの国民の退避を助け合う覚書を結んだ。そして2026年3月、中東の緊張で各地の空港が閉鎖されたとき、この仕組みが実際に動いた。日本の政府チャーター機が韓国人を乗せ、韓国の軍用機が日本人を乗せて脱出させたのだ。
この覚書は、あくまで第三国での有事が対象だ。朝鮮半島そのものが戦場になったときに、そのまま使えるわけではない。それでも、日韓の政府が「お互いの国民を一緒に助ける」という実務を一度経験したことの意味は大きいと私は思う。
2026年6月には日韓の防衛相がソウルで会い、共同の捜索救助訓練の再開などで合意している。9月には日米韓の共同訓練「フリーダム・エッジ26」が九州西方の東シナ海などで行われた。半島有事への備えは、目立たないところで少しずつ積み上がっている。
日本の暮らしはどうなるのか

Jアラートと国民保護
有事になれば、日本の私たちの暮らしにも影響が出る。まず考えておくべきはミサイルだ。
北朝鮮が日本に向けてミサイルを撃てば、Jアラートが鳴る。鳴ってから着弾までの時間は数分しかない。鳴ったときに最初にやることや、家に置いておくべきものはJアラートの記事にまとめてある。
自衛隊の考え方から逆算した防災リュックの中身は、自衛隊式防災リュックの記事で紹介している。
政府は、武力攻撃から国民を守るための国民保護法にもとづいて、避難の計画を準備している。ただ、朝鮮半島有事の場合は、ミサイルの着弾を想定した屋内退避が中心で、台湾有事のような島からの大規模な住民避難とはまた違う形になる。
避難民の問題
もう一つ、あまり議論されていないが避けて通れないのが、避難民の問題だ。
朝鮮半島で戦争が起きれば、韓国からも北朝鮮からも、海を渡って日本に逃げてくる人が出てくる可能性がある。2017年に北朝鮮情勢が緊迫したときには、当時の政府が避難民への対応を検討していることを明らかにした。どこで受け入れ、どう身元を確認し、どう保護するのか。人道と安全の両方が問われる、とても難しい問題だ。
お金の話:防衛株と「有事の株価」
投資家目線の話もしておく。
北朝鮮がミサイルを撃つたびに、日本の防衛関連株がニュースで動く場面はこれまで何度もあった。ただ私は、こういう短期の値動きを追いかけるのはあまり筋がよくないと思っている。
理由は二つある。一つは、防衛企業の売上はミサイル1発のニュースではなく、何年も先まで決まっている防衛予算と契約で動いていることだ。もう一つは、本当に朝鮮半島で戦争が起きたら、日本経済全体が大きな打撃を受けることだ。韓国は日本にとって重要な貿易相手で、半導体などのサプライチェーンも深くつながっている。株式市場全体が崩れれば、防衛株だけが上がり続けるとは限らない。
それでも、朝鮮半島の緊張が日本の防衛産業の構造を変えてきたのは事実だ。迎撃ミサイルのPAC-3やSM-3、レーダー、艦艇。こうした装備は三菱重工業や三菱電機などが担っていて、北朝鮮の脅威が日本のミサイル防衛への投資を押し上げてきた。どの企業がどの装備を作っているかは日本の防衛産業一覧に、防衛株の考え方は防衛関連銘柄の完全投資ガイドにまとめてある。
業界全体の地図を手元に置いておくなら、これが便利だ。
※本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではない。投資は元本割れのリスクがあり、最終的な判断はご自身の責任で行ってほしい。地政学リスクによる株価の動きは予測が難しく、短期で大きく上下することがある。
日本と朝鮮半島有事の76年
最後に、この問題を歴史の流れで振り返っておきたい。ここを押さえると、いまの議論がなぜこうなっているのかがよくわかる。

1950年:日本は朝鮮戦争の「後方基地」だった
朝鮮戦争が始まったとき、日本はまだアメリカなどの占領下にあった。それでも日本は、事実上の後方基地になった。横田や嘉手納からは爆撃機が飛び立ち、佐世保や横須賀は艦艇の拠点になった。日本の工場は軍需品を作り、その特需が戦後の日本経済を立ち直らせた。
日本にいた米軍の大半が半島へ出ていったため、その穴を埋めるためにつくられたのが警察予備隊だ。これがのちの陸上自衛隊になる。自衛隊そのものが、朝鮮戦争から生まれたと言っていい。
1969年:「韓国条項」
1969年、佐藤栄作首相とニクソン大統領の共同声明に、韓国の安全は日本自身の安全にとって緊要である、という一文が入った。いわゆる「韓国条項」だ。沖縄の返還を前に、返還後の沖縄の基地が朝鮮半島有事に使えるのかという米側の懸念に応えたものとされる。日本が朝鮮半島の安全を自分のこととして公に認めた、象徴的な一文だった。
1994年:何もできなかった日本
そして冒頭の1994年だ。アメリカから掃海や民間空港の使用を求められても、日本は「法の範囲内で」としか言えなかった。
この経験がきっかけになって、1997年に日米の防衛協力の指針(ガイドライン)が見直され、1999年に周辺事態法ができた。2015年にはそれが重要影響事態法に改められ、地理的な制約も外された。いまの日本の安全保障の法律の骨組みは、朝鮮半島から生まれたと言っても大げさではない。
2026年:準備は進んだが、答えはまだない
法律はできた。訓練も重ねている。日韓の協力も、ゆっくりとだが前に進んでいる。
それでも、本当に朝鮮半島で戦争が起きたとき、日本がどこまでやるのか、在日米軍の出撃をどう扱うのか、韓国にいる日本人をどう救うのか。その答えは、いまもはっきりとは決まっていない。決まっていないからこそ、私たちが知っておく意味があるのだと思う。
安全保障を基礎から考えたい人には、この一冊をすすめたい。
まとめ
- 朝鮮半島有事の日本は「前線」ではなく、戦場の後ろの倉庫・滑走路・病院。だからこそ狙われる
- 自衛隊の動き方は、重要影響事態・存立危機事態・武力攻撃事態の認定で変わる。どの事態でも、半島の陸上で戦うことは想定されていない
- 横田には国連軍の後方司令部があり、国連軍が使える基地が7か所ある。朝鮮戦争は法的にまだ終わっていない
- 朝鮮半島有事での在日米軍の出撃をめぐっては、1960年の「朝鮮議事録」という密約が2010年に確認されている
- 韓国には4万4,471人の日本人が暮らす。自衛隊が韓国で動くには韓国の同意が必要で、ここが最も難しい
- 日本の安全保障の法律は、1994年に「何もできなかった」経験から作り直されてきた
ゲームのMW4に日本はほとんど出てこない。でも、もし本当に半島で戦争が起きたら、日本の滑走路と港は、物語の後ろ側で休まず動き続けることになる。描かれない役割だからこそ、私たちは知っておいたほうがいい。
よくある質問
朝鮮半島有事で日本は戦争に巻き込まれる?
戦争の主な舞台は朝鮮半島だが、日本は在日米軍の基地を抱え、米軍の後方支援の拠点になるため、無関係ではいられない。北朝鮮のミサイルが日本に向けられる可能性もあり、その場合は日本自身が攻撃を受けることになる。
朝鮮半島有事で自衛隊は何をする?
政府の事態認定によって変わる。重要影響事態なら米軍への補給・輸送などの後方支援、存立危機事態なら限定的な集団的自衛権の行使、武力攻撃事態なら日本を守るための防衛出動だ。弾道ミサイルの迎撃は、どの事態でも中心的な任務になる。
国連軍後方司令部とは?
朝鮮戦争のときにつくられた国連軍の、日本にある司令部だ。2007年からは東京の横田飛行場に置かれている。日本国内では、キャンプ座間、横須賀、佐世保、横田、嘉手納、普天間、ホワイトビーチの7か所を国連軍が使える。
朝鮮議事録(密約)とは?
1960年の安保改定のときに、朝鮮半島で緊急事態が起きた場合、在日米軍が事前協議なしに日本の基地から出撃できるとした日米のやりとりの記録だ。2010年に外務省の有識者委員会が「狭義の密約」と認定し、事実上失効したと見てよいという見方を示した。
韓国にいる日本人はどうやって避難する?
2025年10月時点で韓国には約4万4,000人の日本人が暮らしている。自衛隊が韓国で活動するには韓国政府の同意が必要で、民間機・船や米軍の協力を組み合わせた退避になると考えられる。日韓は2024年に第三国での退避の協力に関する覚書を結んでいる。
朝鮮半島有事と台湾有事の違いは?
台湾有事では与那国島など日本の領土が戦場のすぐそばになり、南西諸島の防衛が直接の課題になる。朝鮮半島有事では地上戦の舞台は主に半島で、日本の役割は在日米軍基地を通じた後方支援とミサイル防衛が中心になる。
参考資料
- 外務省「国連軍と我が国の関係について」
- 外務省「海外在留邦人数調査統計」(令和7年10月1日現在)
- 外務省「いわゆる『密約』問題に関する有識者委員会報告書」(2010年3月9日)
- 防衛研究所 千々和泰明「NIDSコメンタリー第8号」(2010年4月14日)
- 共同通信英語版(adnkronos掲載)1994年の北朝鮮核危機に関する外交文書公開の報道(2025年12月24日)
- 防衛省 統合幕僚監部「日米韓共同訓練フリーダム・エッジ26について」(2026年8月28日)
- The Star「South Korea, Japan reaffirm denuclearisation goal, closer defence ties」(2026年6月28日)
- 共同通信英語版(adnkronos掲載)中東からの日韓の退避協力の報道(2026年3月15日)
- 防衛省『令和8年版 防衛白書』第I部第3章第4節(朝鮮半島)







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