テラドローン(278A)とACSL(6232)は、どちらもドローン関連銘柄ですが、稼ぎ方と決算期が異なります。テラドローンは1月期、ACSLは12月期です。2026年の開示を基に、事業、業績、現金、資金調達、防衛受注を同じ尺度で比較します。「どちらを買うべきか」という一律の結論は出しません。
- テラドローンはソリューション・UTM・海外M&Aが中心
- ACSLは国産機体の開発・生産・販売が中心
- 直近四半期は両社とも営業赤字
- 両社とも株式数増加・希薄化の確認が必要
- 受注額と利益、株価上昇は同じではない

結論と全体像
| 視点 | 確認する内容 | 読み方 |
|---|---|---|
| 決算期 | テラ:1月期 | ACSL:12月期 |
| 事業 | 測量・点検・UTM・海外 | 国産機体・認証・生産・販売 |
| 直近売上 | 10.10億円(2026年2〜4月) | 6.19億円(2026年1〜3月) |
| 直近営業損失 | 4.34億円 | 0.95億円 |
| 現金及び預金 | 22.58億円 | 23.49億円 |
テラドローンの2027年1月期第1四半期は2026年2月から4月、ACSLの2026年12月期第1四半期は1月から3月です。1カ月ずれるため、同じ景気・為替・案件環境を完全に表す比較ではありません。
直近四半期の売上はテラドローンが大きい一方、両社とも営業損失を計上しました。会社規模と赤字率、成長投資の中身を分けて読む必要があります。

事業モデル|同じ「ドローン企業」ではない
テラドローンは産業用ドローンによる測量・点検・農業ソリューションと、航空機の運航を管理するUTMを海外展開しています。買収先の売上が成長に寄与する一方、為替、各国規制、統合コストが増えます。
ACSLはSOTENやPF4など国産ドローンの開発・生産・販売を行います。セキュアな機体、第三種型式認証、国内調達、北米展開は機会ですが、開発、在庫、量産、納入までの運転資金が必要です。
業績予想|売上成長と赤字を同時に見る

テラドローンの2027年1月期会社予想は、売上高50.73億円、営業損失16.58億円です。防衛、UTM、海外への支出が先行する計画で、売上の伸びだけで黒字化を想定できません。
ACSLの2026年12月期会社予想は、売上高40.00億円、営業損失13.60億円、親会社株主に帰属する当期純損失7.00億円です。上期の赤字計画と下期の売上認識への依存を確認します。
防衛受注|受注額を利益と誤解しない
ACSLは2026年3月に約10億円、4月に約3.5億円と約0.7億円の防衛省向け注文を発表しました。約13.5億円分は2026年12月まで、約0.7億円分は2027年12月までの納入予定です。
会社は2026年納入予定分が通期業績予想に織り込まれていると説明しています。新規発表だから予想に加算できるとは限りません。受注額は売上、原価、開発費、検収、現金回収を経て利益になります。
テラドローンも防衛事業への参入と迎撃ドローン関連の提携を発表していますが、会社発表、実証、契約、納入、利益を別の段階として追います。
財務と希薄化|両社とも株式数を確認
テラドローンは2026年6月に新株予約権による資金調達を発表し、潜在希薄化率の上限を約9.8%と説明しています。想定調達額は実際の入金額ではなく、株価と行使状況で変わります。
ACSLは第1四半期末の発行済株式数が1,912万5,796株となり、前期末の1,804万5,018株から増えました。転換社債型新株予約権付社債や過去の新株予約権の行使と、資本増強の両面を見ます。

比較の使い方|企業選びと株価判断を分ける
事業の将来性を比べるときは、テラドローンの海外ソリューション・UTMと、ACSLの機体開発・国内量産のどちらが優れるかではなく、それぞれの固定費を売上総利益で吸収できるかを見ます。
株価はさらに、業績予想、株式数、時価総額、市場の期待を含みます。良い事業でも買入価格次第で投資成果は変わり、赤字企業の売上倍率を異なる事業モデルで機械的に比べられません。
情報を確かめる手順
最初に、運営主体・政府・企業・製作委員会など当事者の公式資料で、名称、日付、対象期間、定義を確認します。発表資料と現在の状態が同じとは限らないため、計画、契約、導入、配備、実績を別の段階として記録します。
次に、別の公的資料や決算、有価証券報告書、公式戦史で整合を確認します。二次情報は論点を見つけるために使い、出典へ戻れない数字や匿名の予測だけで結論を作りません。
金額、比率、構成、損害数、性能は、集計範囲と基準日が違うと比較できません。同じ年度・同じ通貨・同じ定義へそろえられない場合は、無理にランキングや優劣へ変換せず、差がある理由を説明します。
公開情報が少ない分野では『不明』も重要な結論です。確認できない在庫、命中率、契約採算、将来価格、人物の心情を推測で埋めず、分かった事実と解釈を文章上でも分けます。
最後に、公開日や決算日より後の更新がないかを確認します。本記事も新しい公式発表に合わせて見直し、過去の出来事を示す年は保持しながら、『最新版』など動く表示だけを現在年へ更新します。
判断を急ぐ場合でも、資料の発行主体、発表日、対象期間、単位、比較対象の5点は確認します。数値が更新される記事では古い値を消すだけでなく、いつ時点の値かを本文に残し、読者が自分で再確認できる公式リンクを添えます。
注意点とリスク
| 論点 | 起こり得ること | 確認方法 |
|---|---|---|
| 決算期 | 1カ月ずれた四半期を直接比較 | 対象期間を明記 |
| 受注 | 全額が新たな利益と誤解 | 納期・予想織込み・原価 |
| 現金 | 開発・在庫・M&Aで減少 | CFと運転資金 |
| 希薄化 | 資本増強と1株価値の低下 | 行使条件・株式数 |
| 株価 | テーマ期待で業績と乖離 | 時価総額と最新開示 |
本記事は2026年8月時点の開示を整理したもので、特定銘柄の購入・売却を勧める投資助言ではありません。小型グロース株は業績、資金調達、受注、株式需給で大きく変動します。

参考資料と更新方針
確認に使った一次情報:ACSL・2026年12月期第1四半期決算短信、ACSL・防衛省から約10億円の注文、ACSL・防衛省から約4.2億円の追加注文、テラドローン・2027年1月期1Q決算短信、テラドローン・資金調達補足資料、テラドローン・IR、ACSL・IR。数字は発表時点と対象期間をそろえて読みます。
制度、配備、決算、構成銘柄など更新される情報は、発表日と対象期間を付けて見直します。推定値は公式値と分け、確認できない性能や将来成果を断定しません。
関連記事:テラドローンの事業と業績、テラドローンの財務リスク、ACSLの業績・受注、Terra A1・A2、日本の防衛ドローン企業、防衛関連銘柄の選び方。
よくある質問
テラドローンとACSLはどちらが買いですか?
一律には言えません。事業モデル、赤字幅、資金調達、時価総額、投資期間を最新値で比べてください。
両社の決算期は同じですか?
違います。テラドローンは1月期、ACSLは12月期です。
直近四半期は黒字ですか?
いいえ。2026年に開示された各社の第1四半期は、どちらも営業赤字です。
ACSLの約14.2億円受注は全て今期売上ですか?
約13.5億円は2026年納入予定で業績予想に織込み済み、約0.7億円は2027年納入予定です。
テラドローンの資金調達額は確定ですか?
いいえ。新株予約権の実際の行使と株価条件で、調達額と時期は変わります。
防衛受注が大きければ利益も大きいですか?
保証されません。開発・製造・認証・納入コストと売上認識時期の確認が必要です。
まとめ
テラドローンはソリューション・UTM・海外展開、ACSLは国産機体の開発・生産・販売が中心です。両社とも直近四半期は営業赤字で、資金調達と株式数増加を確認する必要があります。受注のニュースだけで売買を決めず、同じ期間・定義で比べてください。
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