2026年4月20日、アメリカ空軍長官がSNSに一行だけ投稿した。A-10を2030年まで延長する、と。
40年間、空軍が退役させたがり続け、そのたびに議会に止められてきた機体である。今回は議会ではなくイランが止めた。ホルムズ海峡で高速艇を機関砲で薙ぎ払い、撃墜されたF-15E乗員の救出でイラン領空に居座って援護した。その働きが、決まっていたはずの退役計画をひっくり返した。
この一件は、2026年のアメリカ軍の戦闘機戦力を象徴していると私は思う。紙の上の計画と、実際に戦場で必要とされる機体は、しばしば一致しない。
そしてもうひとつ、この記事を書くうえで外せない構造がある。アメリカは同じ国の中に、まったく違う設計思想の戦闘機部隊を3つ抱えているということだ。空軍は舗装された滑走路と長い航続距離を前提に、海軍は長さ100メートルの甲板を前提に、海兵隊は滑走路がない場所を前提に機体を選んでいる。同じF-35がA型・B型・C型に割れているのは、この3つの前提が最後まで折り合わなかったからである。
この記事では、その3軍種を並べて整理する。日本の空にいるアメリカの戦闘機についても、後半でまとめて扱う。
- 米空軍・海軍・海兵隊が保有する現役戦闘機の全体像
- F-35A・B・C型が分かれた運用上の理由
- 2026年に動いたA-10・ハリアー・CCA・在日配備
- 機数と計画値を読むときの注意点
まず全体像|3つの軍種、3つの設計前提
- 空軍は通常の滑走路と長い航続距離を前提にする
- 海軍は空母からの射出と着艦に耐える構造を求める
- 海兵隊は揚陸艦と前進基地での短距離運用を重視する
アメリカ軍の戦闘機を語るとき、まず押さえるべきは「どこから飛ぶか」である。
| 軍種 | 離着陸の前提 | 主力機 | 設計上の制約 |
|---|---|---|---|
| 空軍(USAF) | 舗装滑走路 | F-35A、F-16、F-15E/EX、F-22 | 航続距離と兵装搭載量を優先できる |
| 海軍(USN) | 空母の甲板 | F/A-18E/F、F-35C、EA-18G | カタパルト射出と着艦の衝撃に耐える構造 |
| 海兵隊(USMC) | 揚陸艦・前進基地 | F-35B、F-35C | 短距離離陸・垂直着陸のため内部容積を犠牲 |
F-35のA・B・C型の違いを見ると、この構造がそのまま形になっている。A型は空軍向けで機関砲を内蔵し、最も素直な設計。B型は海兵隊向けでリフトファンを機体中央に押し込んだため、燃料搭載量が減った。C型は海軍向けで主翼を大きくし、着艦時の衝撃に耐える降着装置を積んだぶん重い。同じ機体番号を名乗りながら、部品の共通性は当初想定より低い。
そもそも戦闘機の任務区分がどう分かれているかは戦闘機の種類一覧で整理している。制空・多用途・攻撃という分類を頭に入れておくと、以下の表が読みやすくなる。
機数は「数え方」で変わる
先に断っておくと、機数の数字は資料によってかなりブレる。
空軍が2025年に議会へ提出した戦闘機ロードマップでは、2026年の空軍戦闘機総数を1,271機としている。一方で退役予定機や深整備中の機体を含めるか除くかで、公開データベースの数字は数十機単位で動く。F-22は183機とする資料もあれば、稼働機だけを数えて177機とする資料もある。
この記事では、原則として空軍のロードマップと各軍の航空計画に載った数字を優先し、出どころが違う場合はその旨を書く。世界全体での比較を見たい場合は世界空軍力ランキングを参照してほしい。
アメリカ空軍|数の主力と質の主力

- F-22は制空に特化した希少な第5世代機
- F-35Aはセンサー統合を軸に増勢を続ける
- F-15EXは大量の兵装を運び、F-16は機数を支える
まず最大勢力である空軍から。
| 機種 | 役割 | 概数(2026年) | 状況 |
|---|---|---|---|
| F-22A ラプター | 制空 | 183機(稼働177機との集計も) | 旧型32機の退役を計画。以後134機体制へ |
| F-35A ライトニングII | 多用途ステルス | 400〜500機台(集計により差) | 2026年度調達は24機と抑制的 |
| F-15E ストライクイーグル | 長距離打撃 | 133機 | 2028年に78機まで縮小の計画 |
| F-15EX イーグルII | 多用途 | 27機 | 2030年に111機へ。総数267機構想 |
| F-15C/D イーグル | 制空 | 42機 | 2029年に21機へ。本土防空に残置 |
| F-16C/D ファイティングファルコン | 多用途 | 488機(760機とする集計も) | 当面は数を維持 |
| A-10C サンダーボルトII | 近接航空支援 | 160機前後 | 2030年まで延長。3個飛行隊を残置 |
F-22とF-35|ステルスの二枚看板
F-22ラプターは生産が2011年に終わっており、これ以上増えない。空軍は最も古く改修が遅れたブロック20の32機を退役させ、134機体制で2030年代に入る方針を示している。世界最強の制空戦闘機が、数の面では希少品になりつつある。
一方のF-35Aは、増えてはいるが計画ほど速くない。ブロック4改修の土台となるTR-3の遅延を受け、2026年度の調達要求は24機にとどまった。2027年度要求では38機へ戻す予定だが、空軍が示した「2035年までに1,558機」という目標には、年間100機の生産最大化が前提として必要になる。F-35の国際的な広がりはF-35保有国・保有数ランキング、日本での運用は航空自衛隊のF-35A/Bでそれぞれ扱った。
ステルス機全体の見取り図が欲しい場合はステルス機一覧が入口になる。
F-15EXという逆張り
2026年の空軍で最も意外な動きがこれだ。ステルス機の時代に、ステルスでない第4世代機の新造を倍増させた。
空軍はF-15EXの調達計画を267機へ拡大した。2026年度に22機、2027年度に24機を購入する。理由として空軍側が挙げているのは、兵装搭載ラックの数と、太平洋戦域における具体的な必要性である。ステルス機が突破口を開き、その後ろから大量のミサイルを運ぶ機体が続く。そういう役割分担なら、レーダーに映ることは致命的ではない。
F-15EXイーグルIIは嘉手納配備が予定されており、日本の読者にとっては最も身近な新型機になる。空自のF-15J改修機との違いはF-15JSIとF-15EXの違いで比較した。
F-16はまだ488機いる
議論の的になりにくいが、数の上での主力は依然としてF-16である。ロードマップ上でも488機が2030年まで維持される。生産開始から50年を超えてなお現役で、しかも今も海外で売れ続けている。この息の長さの理由はF-16戦闘機とはにまとめてある。
第5世代の代表機を手元に置くなら、まずこの一機から。プロポーションの異様さは、模型にすると数字を読むより早く伝わってくる。
忘れられがちな第4の勢力|州空軍と空軍予備役
もうひとつ、日本の読者に馴染みの薄い構造を補足しておきたい。アメリカ空軍の戦闘機は、現役部隊だけが持っているわけではない。
F-22の183機のうち20機、A-10の172機のうち31機、F-16D型の136機のうち36機は、州空軍(Air National Guard)が保有している。各州の知事の指揮下にありながら、連邦の命令で動員されれば正規軍と同じ作戦に参加する。今回2030年まで延長されたA-10の3個飛行隊のうち1個も、ミズーリ州の空軍予備役部隊だ。
この仕組みが機能しているおかげで、アメリカは平時の維持費を抑えながら有事の動員規模を確保できる。裏を返せば、公開されている機数を見るときに「そのうち何機が即応状態にあるか」は別問題だということでもある。数字の読み方として、頭の片隅に置いておく価値がある。
アメリカ海軍|甲板100メートルが決める設計

- 着艦衝撃に耐える脚と機体構造が必要になる
- スーパーホーネットは生産終了後も長期運用される
- F-35Cは既存艦上機を一度に置き換える構想ではない
海軍の戦闘機は、空軍とはまったく違う制約下で選ばれている。
| 機種 | 役割 | 概数(2026年) | 状況 |
|---|---|---|---|
| F/A-18E/F スーパーホーネット | 多用途 | 約585機 | 2027年に生産終了予定 |
| EA-18G グラウラー | 電子攻撃 | 約160機 | スーパーホーネット派生型 |
| F-35C ライトニングII | ステルス多用途 | 増勢中 | 空母航空団への配備が進行中 |
スーパーホーネットの生産ラインが閉じる
海軍最大の変化は、F/A-18E/Fの生産終了である。海軍は最終発注とされる契約を出しており、ボーイングは2027年に最後の1機を納入してラインを閉じる見込みだ。F-14の後継として1999年に部隊配備が始まった機体が、四半世紀を経て製造の歴史を終える。
ただし退役は別の話で、海軍は2040年代初頭までスーパーホーネットを運用し続ける計画である。約585機という機数は、艦上戦闘機として世界の他の全機種を合わせたよりも多い。F/A-18E/Fスーパーホーネットの設計は、前任のF-14トムキャットと比べると思想が正反対で、そこを読むと海軍航空の30年が見えてくる。
派生型のEA-18Gグラウラーは、電子攻撃という現代戦の要を握る。世界的にこの分野の機体は極端に少なく、比較は世界の電子戦機一覧にまとめた。空母打撃群の目となるE-2Dアドバンスドホークアイと併せて、艦載機は戦闘機だけでは成立しないという構造が理解できる。
トップガンで一躍有名になった機体でもあり、模型としても定番になっている。
F-35Cの遅い浸透
海軍のF-35Cは、空軍のA型に比べて配備ペースが緩やかだ。理由は単純で、海軍がスーパーホーネットという十分に使える機体を大量に持っているからである。C型はスーパーホーネットを完全に置き換えるのではなく、部分的に補完する位置づけになっている。
この判断は、後述するF/A-XXの予算の少なさとも地続きだ。海軍は空軍ほど「いま持っている機体が足りない」という切迫感を持っていない。
アメリカ海兵隊|2026年、ハリアーが飛び終えた

- AV-8Bは2026年に最後の運用部隊が活動を終えた
- F-35BとF-35Cの合計420機体制を目標とする
- 単一機種化は整備を簡素化する一方で集中リスクを持つ
3軍種のなかで、2026年に最も大きな節目を迎えたのが海兵隊である。
2026年6月3日、AV-8Bハリアーが最後の作戦飛行を行った。1980年代から40年以上にわたり、揚陸艦の短い甲板と舗装されていない前進基地から飛び続けた機体が、任務を終えた。
| 機種 | 役割 | 状況(2026年) |
|---|---|---|
| AV-8B ハリアーII | STOVL攻撃 | 2026年に退役完了 |
| F/A-18C/D ホーネット | 多用途 | 2030年までに全飛行隊を廃止 |
| F-35B ライトニングII | STOVLステルス | 280機体制を目指す |
| F-35C ライトニングII | 艦上ステルス | 140機体制を目指す |
海兵隊の2026年航空計画では、F-35を合計420機(B型280機、C型140機)運用する構想が示されている。海兵隊はF/A-18E/Fスーパーホーネットを一度も採用せず、旧世代のホーネットを維持したままF-35へ跳ぶという選択をした。結果として、戦術航空戦力がF-35のみという単一機種の艦隊になる。
現役のF/A-18C/Dは4個飛行隊規模まで減っており、最後の実働飛行隊とされるVMFA-323が2027年にF-35Cへ転換すれば、現役でのレガシーホーネットの運用は終わる。予備部隊分が2030年まで残る見込みだ。退役した機体の一部は海軍の仮想敵飛行隊へ移り、訓練で敵役を演じ続ける。
海兵隊がここまでSTOVLにこだわる理由は、揚陸艦という「短い甲板」から飛ばす必要があるからだ。アメリカ級強襲揚陸艦はF-35Bを積めば実質的に軽空母として機能する。この構造は強襲揚陸艦とはで扱った。
単一機種化はロジスティクスを単純にする一方で、機体に問題が見つかったとき代替がないというリスクも背負う。海兵隊が賭けているのはF-35の信頼性そのものである。
2026年のイラン戦が書き換えたもの
- 滞空時間や近接支援能力は紙上の世代区分だけで測れない
- 損耗率は無人機の運用構想にも影響する
- 公式発表で確認できる事実と詳細報道を分けて読む
冒頭に戻る。2026年のアメリカ軍の航空戦力を語るうえで、イランとの戦闘を避けて通れない。
A-10の退役撤回
オペレーション・エピック・フューリーにおいて、A-10はホルムズ海峡でイランの高速攻撃艇を30ミリ機関砲で攻撃した。統合参謀本部議長が記者会見で言及するほど目立った働きで、CENTCOMは「何時間も上空に留まって待機できる」という点を評価した。
さらに、撃墜されたF-15Eの乗員2名を救出する作戦で、A-10がイラン側を制圧しながら至近距離の火力支援を行った。この作戦で1機のA-10が被弾し、パイロットは友軍空域まで飛んだうえで脱出、無事に回収されている。
2026年度国防授権法では、A-10を103機以上維持し、うち93機を主要任務機として指定するよう定めていた。そこへ実戦での働きが重なり、4月20日に空軍長官が2030年までの延長を発表する。理由として挙げられたのは「防衛産業基盤が戦闘機の生産を増やすまでの戦力保持」だった。
残るのはムーディ空軍基地の2個飛行隊と、ホワイトマン空軍基地の予備1個飛行隊。2029年ごろに約54機、2030年に約36機まで絞る見込みである。
低速で直線翼の1970年代設計は、高度な防空網の中では脆弱だという批判は一貫して正しい。ただし2026年に必要とされたのは、防空網の中を飛ぶ機体ではなく、何時間も居座って撃ち続けられる機体だった。詳しくはA-10サンダーボルトIIとはで扱っている。
無骨な機体形状は模型にすると際立つ。主翼下のパイロンと機首を占める機関砲の配置を見ると、この機体が何のために作られたかが一目でわかる。
無人機の損耗という現実
同じ戦域で、MQ-9リーパーは大量に失われた。2026年8月時点の集計では、戦争を通じた損失が少なくとも45機、保有機の約4分の1に達したという報道がある。イラン革命防衛隊がホルモズガーン州付近での撃墜を主張したケースもあり、すべてが確認されているわけではない。
だが構造として読むべき点はある。安い機体を消耗させ、高価な有人機を温存する。無人機の使い方がまさにそれになった。MQ-9リーパーは元来テロ対策向けの機体で、防空網のある戦域では脆弱だと言われてきた。その通りに落ちたが、その通りに使われたとも言える。
この経験は、次に述べる無人僚機の構想に直接つながっていく。
次に来るもの|F-47・F/A-XX・CCA

- F-47は空軍の次世代制空機として開発段階にある
- F/A-XXは海軍の次世代艦上機構想である
- CCAは有人機と協同する半自律無人機を量で補う
現役機の一覧だけでは、2026年の姿を捉えきれない。開発中の機体が、既存機の運命を左右しているからだ。
F-47|空軍の第6世代機
2025年3月、ボーイングがNGAD計画の有人機部門を勝ち取り、F-47と命名された。2027年度予算では約50億ドルが計上され、初飛行は2028年を予定している。空軍は少なくとも185機の取得を計画しており、これはF-22の後継という当初構想と符合する数字だ。
異例なのは開発の速さで、ボーイングとロッキードの試作機は2020年から秘密裏に飛行し、数百時間の飛行時間を蓄積していたことが公表されている。ゼロから作るのではなく、すでに飛んでいたものを製品化する形だ。ただし議会側からは、実際に部隊で使えるようになるのは2030年代半ばだという指摘も出ている。
F/A-XX|海軍の第6世代機は足踏み
対照的なのが海軍のF/A-XXである。ボーイングとノースロップ・グラマンが残り、ロッキードは2025年初頭に脱落した。2026年度は約3億4,000万ドルのF-47に対して大幅に少ない予算しか付かず、2027年度要求でも2年分で約2億1,400万ドル程度にとどまる。
国防長官は2026年8月に契約決定を行う方針を示していたが、政権側は「F-47に全振りする」姿勢を崩していない。理由として挙げられているのは、アメリカの航空産業基盤が第6世代機を2つ同時に支えられるかという懸念である。第6世代機の国際的な状況は第6世代戦闘機一覧、日英伊のGCAPは次期戦闘機GCAPとはでまとめた。
CCA|無人僚機は2026年に生産へ
そして最も動きが速かったのが無人僚機、CCA(Collaborative Combat Aircraft)だ。
ジェネラル・アトミクスのYFQ-42Aが2025年8月、アンドゥリルのYFQ-44Aが同年10月に初飛行。そして2026年6月、空軍は両方を生産契約した。どちらか一方に絞るのではなく、FQ-42AダークマーリンとフューリーFQ-44Aの混成艦隊を持つ判断である。2020年代末までに150機超の取得を目指している。
重要なのは、空軍がCCAを戦闘機の機数に含めないと明言している点だ。既存の戦闘機に「追加される」ものという整理になっている。有人機の隣を飛ぶ無人機という発想は、オーストラリアのMQ-28ゴーストバットなど各国で並行して進んでいる。
イラン戦でMQ-9が4分の1失われた経験は、この構想の追い風になったはずだ。落ちても人が死なない機体を前に出す。それが2020年代後半の空戦の形になる。
在日米軍|日本の空にいるアメリカの戦闘機

- 三沢はF-16からF-35Aへ移行する
- 嘉手納はF-15C/DからF-15EXへの更新を準備する
- 機数減少と1機あたり能力向上を同時に評価する必要がある
日本の読者にとって、最も実感を伴うのはここだろう。
2024年7月3日、アメリカ国防省は在日米軍の戦闘機の機種更新方針を発表した。
| 基地 | 従来 | 更新後 |
|---|---|---|
| 嘉手納(空軍) | F-15C/D 48機 | F-15EX 36機 |
| 三沢(空軍) | F-16 36機 | F-35A 48機 |
| 岩国(海兵隊) | F-35B | 飛行隊あたりの機数を調整 |
三沢では2026年3月28日にF-35Aの第1陣が到着し、8月には第13戦闘飛行隊が太平洋空軍の主要演習へ新型機を初参加させた。海外に置かれた米空軍のF-35部隊としては、英レイクンヒースに次ぐ2例目になる。
嘉手納のF-15EXは、当初2026年春の到着が見込まれていたが、ボーイングのストライキの影響で後ろにずれた。40年間沖縄に置かれてきたF-15C/Dはすでに撤収しており、その間は本土からのローテーション配備で穴を埋めてきた。
注目すべきは機数が減っていることだ。嘉手納は48機から36機へ、正味12機の減少になる。1機あたりの能力は上がるが、同時に上げられる機数は減る。この足し引きをどう評価するかは、南西諸島の防空を考えるうえで避けて通れない論点になる。
空自側の機体構成と併せて読むと構図がはっきりする。日本の戦闘機一覧と航空自衛隊の機体一覧、そして向き合う相手である中国空軍の戦闘機一覧を並べると、この地域の空がどうなっているかが見えてくる。
三沢に来たF-35Aは、空自が小松や三沢で運用している機体と同型である。同じ基地に日米のF-35Aが並ぶ光景は、模型で再現しても面白い。
艦船から航空機まで、日本メーカーのキットは公式ショップの品揃えが最も安定している。
投資家の視点|この一覧表は誰の受注表か
- 調達数量と納入時期は売上計上の時期と一致しない
- 生産終了と次世代機開発が同じ企業内で交差する
- 四半期決算と10年単位の装備計画を混同しない
戦闘機の一覧表は、そのまま航空防衛産業の勢力図でもある。
| 企業 | 担当機種 | 2026年の位置 |
|---|---|---|
| ロッキード・マーチン | F-35A/B/C、F-22 | 数量は最大。ただしF-35調達は抑制傾向 |
| ボーイング | F-15EX、F/A-18E/F、F-47 | スーパーホーネット終了とF-47開始が交差 |
| ノースロップ・グラマン | B-21、F/A-XX候補 | 第6世代艦載機の行方が焦点 |
| ジェネラル・アトミクス/アンドゥリル | FQ-42A/FQ-44A | 2026年6月に両社とも生産契約 |
構図として面白いのは、ボーイングの立ち位置が変わりつつあることだ。スーパーホーネットのラインは2027年に閉じるが、F-15EXは267機構想へ拡大し、F-47では第6世代機の主契約者になった。セントルイス工場への大型投資は、この転換を見越したものだった。
一方でF-35は数量では圧倒的だが、調達ペースは政治と技術の両面で揺れている。事業構造はロッキード・マーチン(LMT)株とはで整理した。米防衛企業全体の売上規模はアメリカ軍事企業ランキングにまとめてある。
注意しておきたいのは、戦闘機事業は予算がついた瞬間に売上が立つ業種ではないという点だ。F-47の初飛行は2028年、実戦配備は2030年代半ばと見られている。10年単位で動く時間軸を、四半期決算の目線と混ぜないほうがいい。
米国の航空防衛関連銘柄は日本の証券口座からも取引できる。銘柄を追う前に口座を用意しておくと、決算資料や受注残の推移を自分で確認できるようになる。
ここで挙げた企業は特定の売買を推奨するものではない。装備計画という「発注側の資料」から産業構造を読む、という読み方の一例として受け取ってほしい。投資判断は各自の責任で行うものである。
よくある質問
アメリカ軍の戦闘機は全部で何機あるのか
空軍が議会へ提出した戦闘機ロードマップでは、2026年の空軍分が1,271機とされている。これに海軍のF/A-18E/F約585機、EA-18G約160機、海兵隊のF-35とホーネットが加わる。数え方によって数字は変わるため、単一の正解はない。
なぜF-35にはA型・B型・C型があるのか
離着陸の前提が軍種ごとに違うからである。A型は空軍の滑走路、B型は海兵隊の揚陸艦と前進基地(短距離離陸・垂直着陸)、C型は海軍の空母(カタパルトと着艦フック)に対応している。共通化を狙った計画だが、この3つの要求は最後まで完全には統合できなかった。
A-10はいつ退役するのか
2026年4月の発表で2030年まで延長された。3個飛行隊が残り、2029年ごろに約54機、2030年に約36機まで縮小する見込みである。それ以降さらに延長されるかは決まっていない。
F-22とF-35はどちらが強いのか
役割が違うため単純比較はできない。F-22は制空に特化した設計で、機動性と超音速巡航に優れる。F-35はセンサー統合と情報共有に重心があり、多用途性で勝る。F-22は生産終了しており、これ以上増えない点も重要な違いになる。
スーパーホーネットはなくなるのか
生産は2027年に終了するが、運用は2040年代初頭まで続く計画である。後継のF/A-XXは開発中で、2026年時点では契約先すら決まっていない。
日本に配備されているアメリカ軍の戦闘機は
三沢に空軍のF-35A(2026年3月から到着開始、48機体制へ移行中)、岩国に海兵隊のF-35B、嘉手納にはF-15EX 36機の配備が予定されている。嘉手納のF-15C/Dはすでに撤収済みで、ローテーション配備で補われてきた。
まとめ|3つの前提と、書き換えられる計画
アメリカ軍の戦闘機を一覧にすると、2つのことが見えてくる。
ひとつは、3軍種が同じ国の中でまったく違う設計前提を持ち続けているということ。滑走路、甲板、そして滑走路のない場所。この3つの制約が、F-35という単一計画を3型に割り、海兵隊にハリアーを40年使わせ、海軍にスーパーホーネットを2040年代まで飛ばさせる。
もうひとつは、計画が実戦で書き換わるということだ。2026年、退役が決まっていたA-10が延長され、ステルスでないF-15EXの調達が倍増し、無人僚機が生産契約に至った。紙の上で最適だった構成が、ホルムズ海峡の高速艇を前にして修正された。
2028年にF-47が飛び、2030年前後にCCAが部隊に入る。そのころには、この一覧表はまた別の形になっているはずだ。それでも変わらないのは、空軍と海軍と海兵隊が、それぞれ違う理由で違う機体を選び続けるという構造だろう。アメリカの航空戦力の強さも複雑さも、結局そこから出てきている。
各機種をさらに掘り下げたい場合は、日本と中国の戦闘機一覧を並べて読むのがおすすめだ。同じ2026年の空を、3者がどう見ているかが浮かび上がってくる。







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