【2025年最新版】世界の軍事・防衛産業企業ランキングTOP30|投資家必見!6790億ドル市場を制する巨人たちの全貌

世界が「再軍備」の時代に突入している。

ウクライナ戦争、ガザ紛争、台湾海峡の緊張、北朝鮮の核・ミサイル開発。地政学リスクは日増しに高まり、各国は防衛費を歴史的な規模で積み増している。SIPRI(ストックホルム国際平和研究所)の最新データによると、2024年の世界軍需企業上位100社の総売上高は前年比5.9%増の6790億ドル(約107兆円)を記録し、過去最高を更新した。

投資家にとって、この防衛産業セクターは見逃せない成長市場だ。

本記事では、世界の防衛産業企業を売上高ベースでランキング形式で徹底解説する。各企業の特徴、主力製品、投資妙味まで踏み込んで紹介するので、防衛関連銘柄への投資を検討している方、あるいは純粋に世界の軍需産業の勢力図を知りたい方にとって必読の内容となるだろう。

目次

世界の防衛産業企業ランキング2024|TOP30完全リスト

まずは2024年の防衛売上高ベースで世界TOP30企業を一覧で確認しよう。データはDefense NewsとSIPRIの最新ランキングを基に作成している。

順位企業名防衛売上高(億ドル)前年比ティッカー
1ロッキード・マーティン米国684+6%LMT
2RTX(旧レイセオン)米国435+8%RTX
3中国航空宇宙科技集団(CASIC)中国387N/A非上場
4ノースロップ・グラマン米国366+5%NOC
5ゼネラル・ダイナミクス米国365+12%GD
6BAEシステムズ英国323+17%BA.L
7ボーイング米国308▲5%BA
8中国航空工業集団(AVIC)中国約300N/A非上場
9ロステックロシア271+26%非上場
10L3ハリス米国184+4%LHX
11レオナルドイタリア156+9%LDO
12エアバス(防衛部門)EU129+1%AIR
13タレスフランス118+11%HO
14ハンティントン・インガルス米国116+7%HII
15リードス米国108+5%LDOS
16ブーズ・アレン・ハミルトン米国68+8%BAH
17エルビット・システムズイスラエル68+14%ESLT
18ラインメタルドイツ82+47%RHM
19SAIC米国57+3%SAIC
20ナバル・グループフランス55+8%非上場
21ロールス・ロイス(防衛)英国50+6%RR.L
22イスラエル航空宇宙工業(IAI)イスラエル52+20%非上場
23サフランフランス53+15%SAF
24ハネウェル(防衛)米国48+4%HON
25KNDSEU47+14%非上場
26テキストロン米国45+5%TXT
27ラファエルイスラエル42+18%非上場
28スペースX米国18+100%超非上場
29三菱重工業日本33+15%7011
30川崎重工業日本11+12%7012

第1位 ロッキード・マーティン(米国)|「F-35帝国」の絶対王者

防衛売上高684億ドル(約10.8兆円)を誇る世界最大の軍需企業、それがロッキード・マーティンである。

この数字の意味を考えてほしい。単一企業の防衛売上高が10兆円を超える。これは日本の2025年度防衛予算(約8.9兆円)をはるかに凌駕する規模だ。一企業が一国の防衛費を上回る。これがアメリカの軍需産業の恐るべき実態である。

同社を語る上で絶対に外せないのがF-35「ライトニングII」ステルス戦闘機だ。開発から量産まで含めた総事業費は2兆ドルとも言われ、人類史上最も高額な兵器プログラムとして知られる。米国はもちろん、日本、イギリス、イタリア、オーストラリア、韓国など世界20カ国以上がF-35を採用しており、ロッキードは向こう数十年にわたり安定的な売上を見込める。

このほか同社はミサイル防衛システム「イージス」「THAAD」、軍事衛星、極超音速兵器など、アメリカの防衛戦略の根幹を担う製品群を幅広く手がけている。

投資観点では、防衛売上比率が95%超という純度の高さが魅力だ。民間航空機市場の変動に左右されにくく、米国政府という巨大な顧客を持つため、業績の安定性が際立つ。2024年の株価パフォーマンスも堅調で、配当利回りは約2.7%。長期保有向けの優良防衛銘柄といえるだろう。

関連記事として、日本でもF-35Aの導入が進んでいる。詳細は「航空自衛隊のF-35A/Bを徹底解説|ステルス戦闘機の性能・運用・F-15との役割分担とは」を参照してほしい。

第2位 RTX(旧レイセオン・テクノロジーズ)(米国)|ミサイル技術の頂点

2020年にユナイテッド・テクノロジーズとレイセオンが合併して誕生したRTX。防衛売上高は435億ドルで、ロッキード・マーティンに次ぐ世界第2位の座にある。

ミサイルと言えばレイセオン。この評価は今も変わらない。

パトリオットPAC-3(弾道ミサイル迎撃)、トマホーク巡航ミサイル、ジャベリン対戦車ミサイル、スティンガー携帯式防空ミサイル。いずれもウクライナ戦争で威力を発揮し、世界中の注目を集めた。同社はこれらミサイルシステムの増産に追われており、受注残高は過去最高水準を更新し続けている。

RTXの強みは、防衛事業と民間航空事業のバランスにある。傘下のプラット・アンド・ホイットニーは民間航空機エンジンの世界大手であり、旅客需要の回復恩恵も受けられる。純粋な防衛銘柄と比較してリスク分散が効いている点が投資妙味だ。

日本のミサイル防衛システムもRTX製品に大きく依存している。「日本のミサイル防衛システム完全解説|PAC-3・SM-3・イージス艦で弾道ミサイルはどこまで守れるのか」で詳しく解説している。

第3位 中国航空宇宙科技集団(CASIC)(中国)|極超音速ミサイルの脅威

中国ロケット軍の車載移動式ミサイル発射台(TEL)が山岳地帯に展開している様子

2024年のランキングで世界3位に躍り出たのが中国航空宇宙科技集団(China Aerospace Science and Industry Corporation)だ。防衛売上高は約387億ドルとされる。

同社は中国のミサイル開発の中枢を担う国有企業である。DF-17極超音速滑空体、DF-21D「空母キラー」対艦弾道ミサイル、巡航ミサイル「長剣」シリーズなど、中国ロケット軍の主力兵器を次々と生み出している。

正直に言って、この会社は西側投資家にとって投資対象にはなりえない。非上場かつ国有企業であり、財務情報も限定的だ。しかし、中国の軍事力拡大を理解する上で避けて通れない存在であることは確かだ。

中国ロケット軍の脅威については「中国ロケット軍とは何者か?——押すだけで日本が滅ぶ弾道ミサイル部隊の全貌を徹底解説」で詳細に論じている。必読だ。

第4位 ノースロップ・グラマン(米国)|次世代爆撃機B-21の開発者

防衛売上高366億ドルでTOP5入りを果たしたノースロップ・グラマン。同社はステルス爆撃機とミサイル防衛で世界をリードする。

同社の誇る製品といえば、まずB-2「スピリット」ステルス爆撃機。そして2023年に初飛行を果たした次世代ステルス爆撃機B-21「レイダー」だ。B-21は1機あたり7億ドル以上とされ、100機以上の調達が予定されている。ノースロップにとって向こう20年以上の収益源となる巨大プログラムだ。

さらに同社は次世代大陸間弾道ミサイル(ICBM)「センチネル」の開発主契約者でもある。アメリカの核抑止力の根幹を担う責任重大なプロジェクトだが、開発コストが当初予算を大幅に超過しており、今後の動向には注意が必要だ。

投資観点では、B-21とセンチネルという二大プログラムの進捗が株価を左右する。順調に進めば長期成長が期待できるが、コスト超過リスクも念頭に置くべきだろう。

第5位 ゼネラル・ダイナミクス(米国)|戦車と潜水艦の雄

防衛売上高365億ドル。ゼネラル・ダイナミクスは陸海の両面で米軍を支える重工業の巨人だ。

陸上では、世界最強の主力戦車M1「エイブラムス」を生産する。同戦車はウクライナにも供与され、対ロシア戦で奮闘している。海では傘下のエレクトリック・ボートがバージニア級攻撃型原子力潜水艦、コロンビア級戦略ミサイル原潜を建造している。アメリカの核抑止力のうち「海の脚」を担う責任は重い。

航空分野ではビジネスジェット「ガルフストリーム」シリーズを製造しており、民間航空市場でも存在感を示す。

投資家にとっては、安定した受注残高と堅調な配当が魅力だ。M1戦車のウクライナ向け増産需要、バージニア級潜水艦の量産増加など、当面の成長ドライバーは明確である。

世界最強戦車ランキングについては「世界最強戦車ランキングTOP10|次世代MBTの進化が止まらない!」で詳しく解説している。

第6位 BAEシステムズ(英国)|欧州防衛の盟主

2024年、BAEシステムズはボーイングを抜いて世界第6位に躍進した。防衛売上高は323億ドルで、前年比17%増という高成長を記録。欧州最大の防衛企業としての存在感を一段と強めている。

同社はF-35の製造パートナーとしてロッキード・マーティンと協業しているほか、ユーロファイター「タイフーン」戦闘機の共同開発者でもある。さらに英国海軍のドレッドノート級戦略原潜、オーストラリア海軍のハンター級フリゲートなど、艦艇分野でも世界的な受注を獲得している。

投資妙味の観点では、ロンドン証券取引所上場銘柄としてポンド建てで取引可能だ。欧州の再軍備トレンドの恩恵を最も受けやすい銘柄の一つであり、ウクライナ戦争を契機としたNATO諸国の防衛費増額は同社にとって追い風となる。

第7位 ボーイング(米国)|苦境から這い上がれるか

かつて世界第2位を誇ったボーイングは、2024年のランキングで7位に後退した。防衛売上高は308億ドルで前年比5%減。民間航空機部門の品質問題が連鎖的に防衛事業にも影響を与えている。

同社の防衛部門は、F/A-18E/F「スーパーホーネット」艦上戦闘機、F-15EX戦闘機、KC-46A空中給油機、AH-64「アパッチ」攻撃ヘリコプター、V-22「オスプレイ」ティルトローター機など錚々たる製品ラインを擁する。しかし、新型大統領専用機VC-25Bの開発遅延やコスト超過が足かせとなっている。

一方で明るいニュースもある。2025年、ボーイングは米空軍の第6世代戦闘機プログラム「NGAD」を受注し、F-47と命名された次世代機の開発を手がけることが決まった。この超大型案件は同社の復活に向けた起爆剤となる可能性がある。

投資判断は難しい局面だ。防衛専業ではなく民間航空機事業が全体業績を押し下げるリスクがある。一方で割安感は出ており、回復期待で仕込む向きもある。

第8位~第10位|中国企業とロシアの存在感

8位には中国航空工業集団(AVIC)がランクインしている。J-20ステルス戦闘機、Y-20輸送機、空母艦載機J-15など中国の主力航空兵器を製造する巨大国有企業だ。ただし2024年は防衛売上高を公表しておらず、ランキングからは暫定的に除外する動きもある。

9位はロシアのロステック。制裁下にありながら防衛売上高271億ドル、前年比26%増という驚異的な成長を記録した。Su-57ステルス戦闘機、T-90M戦車、イスカンデル短距離弾道ミサイルなど、ウクライナ戦争で需要が急増している。

10位は米国のL3ハリス。防衛通信・電子戦システムの専業メーカーで、売上高184億ドル。目立たないが、現代戦の「神経系統」を担う極めて重要な企業だ。

第11位~第15位|欧州勢と造船業

11位レオナルド(イタリア)は防衛売上高156億ドル。ヘリコプター、戦闘機、艦艇用システムを手がける欧州の総合防衛企業で、日英伊共同開発の次世代戦闘機「GCAP」にも参画している。

12位エアバス(EU)の防衛部門売上高は129億ドル。A400M輸送機、ユーロファイター「タイフーン」(共同開発)、軍用ヘリ「NH90」「タイガー」などが主力だ。防衛売上比率は17%程度と低く、民間航空機事業が主体であることには留意が必要だ。

13位タレス(フランス)は防衛売上高118億ドル。レーダー、電子戦システム、暗号通信など「見えない戦場」を支える技術に強みを持つ。AI・量子技術への投資も積極的だ。

14位ハンティントン・インガルス(米国)は売上高116億ドルの米国最大の造船企業。ニミッツ級・ジェラルドRフォード級空母、バージニア級原潜を建造している。

15位リードス(米国)は売上高108億ドルのITサービス・サイバーセキュリティ企業。防衛省向けシステムインテグレーション案件を多数手がける。

第18位 ラインメタル(ドイツ)|欧州防衛の「ニューチャンピオン」

2024年に最も注目すべき急成長企業がドイツのラインメタルだ。防衛売上高82億ドル、前年比47%増という驚異的な伸びを記録した。

ウクライナ戦争を契機に、同社は欧州の軍需産業を牽引する存在へと躍進した。155mm砲弾の増産、レオパルト2戦車の近代化改修、次世代戦車「パンター」KF51の開発など、受注は殺到している。受注残高は約620億ユーロ(約10兆円)を突破し、今後数年間の成長が確約されている状態だ。

同社は2030年までに売上高を500億ユーロ(現在の約5倍)に拡大する目標を掲げている。この目標が達成されれば、BAEシステムズを抜いて欧州最大の防衛企業となる。

投資家にとって見逃せない銘柄だ。株価は2022年初頭から10倍以上に跳ね上がったが、アナリストの多くは「まだ割安」と評価している。ドイツ国内のフォルクスワーゲン工場買収計画など、生産能力の大幅拡張も進行中だ。欧州防衛銘柄の筆頭格として、今後も要注目である。

ここでランキング一覧の企業解説は一旦終わりとする。

日本の防衛産業企業|三菱重工・川崎重工の躍進

0式戦車、いずも型護衛艦、F-35戦闘機など近代化が進む日本の防衛装備

世界ランキングで日本勢はどの位置にいるのか。

2024年、三菱重工業は33億ドル(約5200億円)の防衛売上高を記録し、SIPRIランキングで32位前後に位置している。川崎重工業は11億ドル(約1700億円)で70位前後だ。

数字だけ見れば欧米の巨人たちに遠く及ばない。しかし、日本の防衛産業は今まさに歴史的な転換点を迎えている。

2023年度から2027年度までの防衛費総額43兆円。政府はGDP比2%の達成を2027年度に前倒しで目指す方針を打ち出した。三菱重工の防衛事業売上高は2022年度の5000億円弱から、2024〜26年度には年間1兆円規模への拡大が見込まれている。川崎重工も2030年度に5000〜7000億円を目標に掲げる。

株価パフォーマンスは驚異的だ。三菱重工の株価は2023年の500円台から2025年には4000円台へと約8倍に跳ね上がった。時価総額は13兆円を突破している。

防衛省との契約利益率が従来の2〜3%から最大15%程度へ引き上げられたことも大きい。「もうからない」と言われた防衛事業が、ついに高収益事業へと転換しつつあるのだ。

さらに防衛装備移転三原則の緩和により、海外輸出への道も開かれた。2025年にはオーストラリアが次期フリゲート艦として三菱重工製の「もがみ型」護衛艦を選定したとの報道もあった。GCAPプロジェクト(日英伊次世代戦闘機)への参画も含め、日本の防衛産業は新たなステージに入りつつある。

日本の防衛企業については「日本の防衛産業・軍事企業一覧【2025年最新】主要メーカーと得意分野・代表装備を完全網羅」で詳しく紹介している。また、三菱重工については「三菱重工の防衛産業:軍事部門の割合から防衛装備庁連携、輸出まで」、川崎重工については「川崎重工の防衛事業を徹底解説」を参照してほしい。

イスラエル企業|戦場で鍛えられた実戦技術

イスラエルの防衛企業は規模こそ大きくないが、実戦で磨かれた技術力は世界最高水準だ。

エルビット・システムズ(17位、売上高68億ドル)は誘導弾薬、無人機(UAV)、電子戦システムで知られる。ガザ紛争への対応で需要が急増し、前年比14%増を記録した。

イスラエル航空宇宙工業(IAI、22位)は「アイアンドーム」防空システムの開発元として有名だ。同システムはハマスのロケット弾迎撃で驚異的な成功率を示し、世界中の軍が導入を検討している。

ラファエル(27位)もアイアンドーム、トロフィー(戦車用アクティブ防護システム)の開発に関与しており、イスラエル防衛技術の中核を担う。

投資家にとって、エルビット・システムズ(NASDAQ上場、ティッカー:ESLT)はイスラエル防衛セクターへの数少ないアクセス手段だ。地政学リスクへのエクスポージャーは高いが、技術力と実績は折り紙つきである。

新興勢力|アンドゥリル、スペースX、そして無人機の時代

2024年ランキングで注目すべきは、新興テクノロジー企業の台頭だ。

アンドゥリル・インダストリーズは2017年創業ながら、2024年に初めてTOP100入りを果たした(74位)。AI制御の自律型無人機、沿岸監視システム「センチリー・タワー」などを開発している。米空軍のCCA(協調戦闘機)プログラムでYFQ-44を開発するなど、次世代戦争の主役になりつつある。

スペースXは28位に急浮上。防衛売上高は18億ドルで前年比2倍以上の成長を遂げた。スターリンク衛星通信サービスの軍事利用が急拡大しており、ウクライナ軍の通信インフラとしても不可欠な存在となっている。

残念ながらアンドゥリルとスペースXは非上場だが、これらの動向はロッキード・マーティンやノースロップ・グラマンにとって将来的な脅威となりうる。伝統的な軍需企業もAI・無人化への投資を加速させており、業界の構図が変わりつつある。

投資家へのアドバイス|防衛銘柄をポートフォリオに組み込む意義

ここまで世界の防衛産業企業を俯瞰してきたが、投資家にとっての実践的なインプリケーションを整理しよう。

まず、防衛産業は構造的な成長セクターである。NATOは2035年までに加盟国の防衛費をGDP比5%に引き上げる目標を掲げた。日本も2027年度までにGDP比2%達成を目指している。中国、ロシア、北朝鮮、イランなどとの地政学的緊張は当面緩和する見込みがない。需要の拡大は長期トレンドとして確立している。

次に、防衛銘柄は景気循環に対して一定の耐性を持つ。政府支出に依存するため、民間需要の変動に左右されにくい。リセッション局面でもディフェンシブな性格を発揮しうる。

一方でリスク要因も認識すべきだ。開発コストの超過や納期遅延は株価の下押し要因となる。政権交代による防衛予算の方針変更、和平プロセスの進展(ウクライナ、中東など)による需要減退リスクも念頭に置く必要がある。

具体的な銘柄選定の観点では、以下の点を考慮することをお勧めする。

安定性重視ならロッキード・マーティン(LMT)、ゼネラル・ダイナミクス(GD)。配当も手厚く、長期保有向きだ。

欧州再軍備に賭けるならラインメタル(RHM)、BAEシステムズ(BA.L)。ラインメタルは成長性が圧倒的だが、ボラティリティも高い。

日本市場で防衛銘柄を買うなら三菱重工業(7011)、川崎重工業(7012)。特に三菱重工は日本の防衛費増額の恩恵を最も広範に受ける銘柄だ。ただし、すでに株価は大幅上昇しており、バリュエーション面での割高感には留意したい。

まとめ|「死の商人」か「平和の守護者」か

世界の軍需産業を概観して、私は複雑な感情を抱く。

これらの企業が生み出す製品は、人を殺すための道具だ。一発数億円のミサイル、一機数百億円のステルス戦闘機。巨額の資金が「破壊」のために投じられる現実がある。

一方で、防衛力なくして平和は守れないことも歴史が証明している。ウクライナは西側諸国の兵器供与がなければ、とうの昔にロシアに蹂躙されていただろう。日本列島を北朝鮮の弾道ミサイルから守るPAC-3やイージス艦。これらなくして国民の安全は担保できない。

投資家として防衛銘柄を買うかどうかは、最終的には各人の価値観に委ねられる。ただ一つ言えるのは、好むと好まざるとにかかわらず、防衛産業は今後も拡大を続けるということだ。そして日本もまた、その渦中にあるということだ。

「備えあれば憂いなし」という言葉がある。その「備え」を支える企業群が、本記事で紹介した世界の防衛産業トップ企業たちである。世界情勢を注視しながら、これらの動向を追い続けることをお勧めする。

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日本の防衛産業全体像:

個別企業詳細:

日本の防衛力詳細:

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